政権公約破棄の菅直人氏は退陣するのが憲政常道
菅直人氏が大好きだという英国の政治。故小室直樹氏が著書『日本いまだ近代国家にあらず』(ビジネス社)に、「ディズレーリが示した立憲政治の精神」と題する小節を記述されている。その概要を紹介する。
日本いまだ近代国家に非ずー国民のための法と政治と民主主義ー 著者:小室 直樹 |
時は1840年代。いまをさかのぼること170年、日本は幕末寸前の時代である。
英国議会は穀物法の存廃を巡って議論が沸騰した。
当時の英国政党は自由党と保守党。自由党が自由貿易主義、保守党が保護貿易主義であった。穀物輸入を自由化すると英国の穀物価格が下がる。すると地主である英国貴族が損害を被る。この地主を守ろうというのが保守党である。
逆に、穀物価格が下がれば労働者や労働者を雇っている資本家の利益が上昇する。だから貿易を自由化しようというのが自由党である。
保守党と自由党が大論争し、総選挙で穀物法を維持すると公約した保守党が勝った。その後の首相がサ・ロバート・ピール。しかし、ここに予想せざる事態が発生した。
アイルランドに馬鈴薯病が発生した。アイルランドの地主は英国人で収穫物の麦は英国人がすべて召し上げていた。アイルランド人はじゃがいもを食していたが、じゃがいもの大飢饉でアイルランド人が困窮した。
英国政府は困惑し、結局、国内の穀物価格を引き下げるために、サー・ロバート・ピール内閣が穀物法の廃止に踏み切った。
この措置に異議を唱えたのが同じ保守党のディズレーリだった。ディズレーリはピール内閣の対応について、立憲政治の原則に反していると主張した。ディズレーリは次のように述べた。
「穀物法を廃止するのはいい。しかしながら、それを遣るのであれば、まず穀物法を守ると言って選挙に勝ち、政権に就いたのが保守党なのだから、保守党は自由党に政権を譲り、自由党政権を以て穀物法を廃止させるべきである。これが立憲の常道ではないか。」
ディズレーリとピールの応答は大論争となったが、その結果、与党たる保守党の代議士は一人去り、二人去り、五人去り十人去り、とうとう保守党は少数派に転落した。結局、内閣は総辞職せざるを獲なくなった。
小室直樹氏は、立憲政治の基礎と言うべき前例が、ここで確立されたと指摘する。引き続き、小室氏の記述から引用するが、以下にその総括がある。
「まず第一番目に、選挙公約は飽くまでも守らなければならない。守れないなら下野すべし。このことに関しては、日本は、まだいい加減である。
第二番目に、対立政党の政策を勝手に盗んではいけない。
第三番目に、君主の信任があるという理由だけでは、政治権力をもってはいけない、ということである。」
菅直人氏に対する16名の勇士の行動の理由をよく考えなければならない。
この16名の勇士は、2009年8月総選挙結果を受けて成立した民主党を基軸とする政権は、2009年8月総選挙に際しての政権公約に対して重大な責任を負っていると主張する。主権者国民との約束を守らねばならないことを主張しているのだ。
この正論をマスゴミは比例下位で当選した泡沫議員の私利私欲の行動だとのプロパガンダで攻撃するが、マスゴミの堕落は目を覆うばかりだ。ものごとの本質に触れず、悪徳ペンタゴンの指令に基づき偏向報道を繰り広げることに、いささかの良心の呵責をも感じない。
ここまで日本のメディアは堕落している。議員の格付けに言及するなら与謝野薫氏は小選挙区で落選した落ちこぼれ議員であり、16名の勇士を批判する前に、与謝野氏には大臣の椅子に座る資格がないことを強調すべきではないか。。
菅直人氏は、対立政党の政策である消費税大増税を政権公約に掲げたが、これは民主党が主権者国民との間で交わした「衆議院任期中は官僚利権の根絶に全精力を注ぎ、消費税大増税を封印する」との約束に、全面的に反するものである。
民主党の政権公約を破棄し、自民党が提示した政権公約を採用するというなら、その前に菅政権が下野しなくてはならないのだ。
民主党が政権を担う以上、主権者国民との契約=マニフェストを堅持すべきは当然のことなのだ。
正統性は明らかに16名の勇士にある。マスゴミは、「予算成立を妨害する16人」との事実を歪曲したプロパガンダ流布を一斉に始めたが、このようなまやかし報道は通用しなくなり始めている。ネットから真実の情報が発信され、それが口コミで伝えられるなかで、悪徳ペンタゴン情報操作の神通力に明らかに翳りが生まれ始めている。
主権者国民レジスタンス戦線は総力を結集しなければならない。
菅直人氏は自爆テロ解散に突き進む可能性が高い。総選挙が実施される可能性が急速に高まりつつある。この総選挙を
悪徳ペンタゴン 対 主権者国民
の図式に誘導し、主権者国民勢力が勝利しなければならないのである。
そのためには、民主党を二つに分党しなければならない。「民主A」、「民主B」、あるいは、「正統民主」、「連赤民主=対米隷属民主」でもよい。
「正統民主」は「減税日本」や「地域新党」と連携し、悪徳ペンタゴン勢力=「増税日本」と対峙しなければならない。消費税大増税問題が、もっとも分かりやすい総選挙争点になる。
統一地方選でも、「連赤民主」、「対米隷属民主」、「悪徳ペンタゴン民主」に属する候補者は、壊滅的に落選することになるだろう。「正統民主」が力を回復し、第二平成維新を成功に導くことになる。主権者国民が行動を開始して、第二平成維新を必ず成就しなければならない。
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