副島隆彦氏の精力的文筆活動に敬意を表明
副島隆彦氏が年末に相次いで著作を発表された。すさまじい勢いでの出版である。
『日米 地獄へ道連れ経済』(祥伝社)
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日米 地獄へ道連れ経済 著者:副島隆彦 |
『中国バブル経済はアメリカに勝つ』(ビジネス社)
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中国バブル経済はアメリカに勝つーアジア人どうし戦わずー 著者:副島隆彦 |
『日本のタブー』(副島国家戦略研究所・KKベストセラーズ)
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日本のタブー 著者:副島隆彦+SNSI副島国家戦略研究所 |
『ヨーロッパ超富豪権力者図鑑』(副島隆彦責任編集・中田安彦著・日本文芸社)
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ヨーロッパ超富豪 権力者図鑑 著者:中田 安彦 |
精力的な執筆活動に心より敬意を表明させていただく。
世界経済の先行きを洞察する際、最重要の対象が米国・日本・中国経済となる。私が経営しているスリーネーションズリサーチ株式会社は、この三地域の調査研究を主たる研究領域として設立したものである。
副島氏は米国経済に対する厳しい認識を堅持されている。サブプライム金融危機による米国経済金融の崩落をいち早く予言し、見事に的中させた慧眼は、いまなお健在である。
2009年の巨大な経済対策、超金融緩和政策によって米国経済は小康状態を取り戻した。しかし、超金融緩和政策は米ドルの価値を確実に毀損してゆくことになる。米国二大住宅公社のデフォルトリスクも消失したわけではない。
日本経済も2009年の巨大な景気対策により、危機的状況を脱したが、菅直人内閣は史上空前の超緊縮財政政策に足を踏み入れた。主要先進国のなかで日本の株価だけが低迷を続けているのは、株式市場が日本経済の再悪化を読み取っているからである。
「地獄へ道連れ」とは衝撃的なタイトルだが、デリバティブ金融の膨張と破裂がもたらす爆破力を軽視すべきではない。副島氏の警鐘にじっくりと耳を傾け、明日を読み抜いてゆかねばならない。
『中国バブル経済はアメリカに勝つ』では、米ドルの凋落と中国人民元の相対的な上昇を予見している。資産価値の現象を食い止めるには、実物資産の代表である金地金と中国人民元に注目すべきであるとの副島氏の指摘は、経済の大きな流れに沿った提言である。
第1章 人民元をどうやって買うか
第2章 尖閣諸島沖事件の真相
第3章 今の中国のバブル経済(インフレ)はすごい
第4章 アメリカが中国に戦争を仕掛けるが中国は相手にしない
第5章 新疆ウイグル~敦煌~西安西部大開発の現実
と、私たちが知りたい中国の現実について、一刀両断の明解な解説が示されている。実際に中国西部に足を運び、確かな目で現実を確認しているところも本書の強みである。
『日本のタブー』は『悪魔の用語辞典』第2弾にあたる著作である。副題には「むき出しの真実ほど恐ろしいものはない」とある。
本書は副島国家戦略研究所の研究者などのよる共同執筆によるものだが、巻頭に副島氏による「ヒューマニティーズ(人文)、そしてルネサンス(人間復興)とは何か」の文章を執筆されている。
その冒頭に「この世で隠されている本当のこと」と題する文章が置かれている。差別、貧困、人種対立などの問題につき、「差別をなくそう」という運動はあるが、現実問題として「差別がなくなることはない」との冷徹な筆者の視点が示される。現実を正面から見つめることをせずに、「きれいごと」で真実を覆い隠す姿勢を筆者は否定するのである。
ルネサンスについて副島氏は、「ルターが始めた、真実を隠そうとするローマ教会への抵抗」に淵源があると指摘する。同時にマックス・ウェーバーによる「資本主義の精神」がプロテスタンティズムに由来するのではなく、ユダヤ教への先祖返りであると洞察する。
真実を隠し、きれいごとで糊塗する風潮に対し、本書は徹底的な批判を試みている。
中田安彦氏は副島隆彦氏の責任編集の下で『ヨーロッパ超富豪権力者図鑑』を刊行された。副島隆彦氏による『世界権力者人物図鑑』のシリーズ第2弾と位置付けられる。
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世界権力者 人物図鑑 世界と日本を動かす本当の支配者たち 著者:副島 隆彦 |
現実の世界を俯瞰するには、現実世界を支配する現実の人間たちを把握することが不可欠である。現実社会は高邁な理論、理念によって動かされているわけではない。
生身の個性と灰汁を持った現実の人間によって動かされているのである。
広瀬隆氏の『赤い盾』(集英社)以来、人間を軸に歴史の現実を解明しようとする試みが展開されてきた。表面上の出来事の記述ではなく、それらの出来事を生み出した当事者であるそれぞれの人間に光を当てることで、現実の歴史、現実の真実はより鮮明にその実態を表すのである。
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赤い楯 ロスチャイルドの謎1 (集英社文庫) 著者:広瀬 隆 |
豊富な写真と資料に基づく研究成果のエッセンスを容易に手にすることができるのは、研究者のたゆまぬ努力の賜物であることに感謝しないわけにいかない。
2011年の日本、『算命学』では、「学びの10年」のただなかにある。多くの優れた著作から大いに学ぶことがまずは大切である。
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日本の独立 著者:植草一秀 |
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誰が日本を支配するのか!?政治とメディアの巻 販売元:マガジンハウス |
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売国者たちの末路 著者:副島 隆彦,植草 一秀 |
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知られざる真実―勾留地にて― 著者:植草 一秀 |
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