特定の利害関係を代表する者はNHK会長に不適
NHKの所管官庁は総務省である。民間放送についても所管官庁は総務省である。ジャニーズ事務所所属「嵐」の桜井翔氏は総務省総合通信基盤局長櫻井俊氏の子息だ。日本テレビは桜井翔氏を深夜のニュース番組「ZERO」のキャスターとして起用し、桜井翔氏の妹を司法記者に抜擢した。
小泉純一郎氏は慶応義塾大学出身だが、厚生労働大臣の時代に各種審議会委員を慶応大学関係者で染め抜こうとした。慶応大学関係者を重用する偏向人事が際立っていた。
慶応大学は福澤諭吉の時代から米国を賛美する傾向を強く有している。
NHK次期会長への安西祐一郎前塾長起用案は、平野貞夫前参議院議員の指摘によると、読売グループの渡邉-氏家ラインが画策して推進したものであるようだ。読売グループは、GHQによって釈放された戦犯容疑者正力松太郎氏が実質的な創業者である、CIAとの関わりが深いマスゴミである。
米国は読売・朝日を拠点に、日本の情報空間のコントロールを実行している。
読売・日本テレビ系列はNHK人事の混迷をほとんど伝えない。
日本の情報空間の浄化を実現するうえで、避けて通れないのがNHK改革である。NHKは主権者国民から受信料を半強制的に徴収し、巨大予算を運営する巨大マスゴミ機関である。
主権者国民が支払う受信料によって運営が行われているなら、その経営、番組編集にあたっては、主権者国民の声が反映されなければおかしい。第二次大戦後の民主化の過程で、NHK改革が本格的に進展する動きがあった。
「放送委員会」が設置されて、この放送委員会にNHK会長人事を含む大きな権限が付与される機構改革が途上までは大胆に進展した。
この放送委員会は政府から独立した機関として放送委員会を特殊法人として設立する提案を行った。ここで提案された放送委員会の委員は、全国の放送聴取者から選挙で選ばれた30ないし35人とし、この放送委員会にNHKの運営、経営にかかる主たる権限を付与するとの提案だった。
ところが、冷戦が勃発してGHQの対日占領政策が180度転換した。日本の民主化は中断され、逆に反共思想統制が一気に広がった。戦後民主化の「逆コース」である。
詳しくは拙著『日本の独立-主権者国民と「米・官・業・政・電」利権複合体の死闘』をご高覧賜りたい。戦後日本の民主化は途上で中止され、米国による日本支配、米国による日本統制が進行していったのである。
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日本の独立 著者:植草一秀 |
放送委員会は雲散霧消し、NHKの民主化も雲散霧消してしまった。
NHKは政治のコントロール下に置かれ、NHKは番組聴取者の側を見る必要がなくなり、NHKは完全に政治的な存在となってしまったのである。
NHK自身が巨大報道機関に膨張し、NHKが独自の利権を追求する存在になった。NHKの政治的偏向は目を覆うばかりであるが、日本の情報空間をコントロールするうえで、NHK支配は欠かすことのできない要素である。
NHKは番組聴取者から集めたお金を、日本相撲協会に年間数十億円の規模で横流ししている。相撲もNHKの巨大利権の温床になっている。
NHKの改革の方向は二つにひとつである。NHKを公共放送として残存させることを軸に検討するなら、NHKの経営、人事、番組編成について、番組聴取者の意向を反映させる仕組みを導入するべきである。
幻と消えた「放送委員会」を復活させることが求められる。放送聴取者の意向を反映しないのに、放送聴取者から受信料を強制徴収するなど言語道断である。
もうひとつの道は、NHKを民間放送にすることだ。すでに偏向し切っているNHKだから、民間放送に転じるのが、最も手っ取り早いだろう。
日本経済新聞-テレビ東京系列が対米隷属・市場原理主義路線を明確に採用し始めたのは、日本経済新聞の経営を小泉純一郎氏の近親者である杉田亮毅氏が握ってからである。
現状では政府がNHK会長人事を決定する実質的権限を有する。当然のことながら、このことがNHKの政治的偏向を生み出す原動力になる。
NHKのありかた、組織の全体を根本から改変しない限り、NHKの偏向は修正できないだろう。特定の勢力が蠢いて、NHK人事を私物化しようとすることが阻止されたことは良かったが、最終的な人事の着地を見ない限り、まったく安心はできない。
まずは、NHKの偏向を糺し、公平な放送を実行することを指揮できる人物をNHK次期会長に選出しなければならない。
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