政治権力の横暴を暴くウィキリークスを支援する
ウィキリークス創設者のジュリアン・アサンジ氏がロンドンの警察に出頭し、女性に対する性犯罪の容疑で逮捕された。
ジュリアン・アサンジ氏の活動は、市民による権力に対する戦いである。本来、政治権力は市民が掌握し、市民の市民による市民のための政治が実現されていなければならない。
ところが、現実には政治権力が市民勢力ではない、特定の利害勢力に掌握され、多くの情報が操作され、あるいは隠蔽されている。
日本でも、これまでに外交交渉における「密約」などが存在し、国会の質疑でも、政府が虚偽の答弁を実行してきたといった実例が存在する。日本でも憲法の規定の上では主権者は国民で、すべての権限は国民に由来するはずであるにもかかわらず、政治権力が主権者国民に対して背信的な行動をとり、しかもその情報が公開されず、隠蔽され続けてきたという厳然たる事実が存在する。
こうした権力の不正、横暴に対して市民はどのように対抗できるのか。憲法が言論の自由を保障すると規定するなかで、政治権力に対して正面から言論活動を通じて意見を表明することも政治権力に対する抵抗の一類型である。
ウィキリークスの活動は、匿名の情報提供者による情報の外部流出に依存するものである。これらの情報の公開には、高い公益性を持つものがあり、公益性の高い情報提供は高く評価されるべきものである。
他方で、ケースによっては機密の漏えいという守秘義務違反を問われるようなケースもあるだろう。この場合には、情報提供者は守秘義務違反を認識したうえで、それでもなおかつ自己の哲学、信条、信念に基づいて情報の外部提供を行うものであると考えられる。
イラクでの米軍ヘリによる市民砲撃のリーク映像がメディアによって報じられたが、米国が「テロとの戦い」として正当化する戦争行為の実態の片鱗を垣間見せる、極めて重要性の高い情報を全世界に提供したことになる。
権力に対して命をかけて戦う市民を弾圧するのは、利権複合体による政治権力の常とう手段である。命を奪い暗殺することと、標的を性的犯罪者に仕立て上げるのは、これまでにも見られる常とう手段である。ジュリアン・アサンジ氏のケースについて、具体的情報を持ち合わせていないが、この文脈での理解をまずは念頭に置くべきであると思われる。
ジュリアン・アサンジ氏の逮捕は、同氏の活動が利権複合体に大きなダメージを与えていることの証左である。政治権力と闘う市民は国際的に連帯してウィキリークスの活動を支援し、その活動を守ってゆかねばならない。
政治権力は本来、市民の側にあるべき存在である。しかし、現実には権力が市民の手から奪われ、利権複合体によって掌握され、市民に対する背信的な行為が行われている。この逆立ちした現実は、必ずしも日本だけの状況ではないのである。
主権者である市民を欺き、主権者である市民に対する背信行為を行う政治権力を糾弾する活動を市民は支援し、また、参加してゆかねばならない。
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