2010年の回顧:主権者国民政権再樹立を期す
2010年が幕を閉じようとしている。2009年以来、日本政治は激動・混乱期に入っている。歴史的に評価するならば、明治以来140年間、日本を支配し続けてきた官・業・米のトライアングル勢力に対して、戦後日本の主権者である民衆が、初めて政治権力を奪取しようとする、そのせめぎ合いが始まったのだと言える。
主権者国民のための政権樹立は、「国民の生活が第一」のスローガンを掲げた小沢一郎元民主党代表が主導してきたものである。
2001年から2006年まで日本は小泉竹中政治の暗黒時代を迎えた。米官業のトライアングルと利権政治屋、電波=マスゴミが結託し、国民不在の政治路線を暴走した。
政治権力はマスゴミ、警察、検察、裁判所をコントロールし、日本を暗黒警察国家に変質させてしまった。
小沢一郎氏は岡田克也代表、前原誠司代表の下で解党の危機に直面した民主党で火中の栗を拾って2006年4月に民主党代表に就任した。それから3年の時間をかけて民主党を大躍進させ、遂に2009年8月30日の総選挙で政権交代の大業を成就するところにまで、日本政治を牽引したのである。
2009年の政権交代は、単なる政権交代ではなく、戦後日本の主権者である民衆が日本史上初めて、自らの意思と力によって政権を樹立した、無血革命の意味を持つ偉業だった。その偉業実現の最大の功労者が小沢一郎氏だった。
主権者民衆=主権者国民が政治権力を掌握したことは、これまで政治権力を手中にしてきた米官業のトライアングル、米官業政電の悪徳ペンタゴンが権力を喪失したことを意味した。
悪徳ペンタゴンの抵抗はすさまじく、日本の情報空間を支配してきた手先のマスゴミを総動員し、さらに検察権力をも駆使して小沢一郎氏攻撃を展開し続けた。
さらに重要なことは、民主党内部にも悪徳ペンタゴン勢力が手兵を送り込んでいたことである。
民主党内悪徳ペンタゴン勢力代表が菅-仙谷-岡田-前原-野田-枝野-玄葉-渡部の悪徳8人衆である。この悪徳8人衆が中心になり、普天間問題で鳩山由紀夫首相が辞任した機を狙い、クーデターを挙行した。
このクーデターを粛正する機会が9月14日の民主党代表選だったが、悪徳衆は不正選挙を実施した疑いもあり、また、マスゴミが不正な偏向報道を大展開し、民主党代表選での粛清は実現しなかった。
この状況で2010年は幕を閉じることになった。
誤解のないように記述するが、重要なのは誰が勝ち、誰が負けたかではない。日本政治が特定の利害関係者によって私物化されてきた状況を打破し、主権者である国民、民衆のための存在に転換できるかどうかである。日本政治を支配し続けてきた勢力の中心が米国であるなら、日本が米国による支配を抜け出し、日本の主権者国民が日本を統治する、普通の独立国の姿に転じることができるかどうかである。
これまでの日本政治は主権者国民、主権者民衆の幸福実現を追求するものではなかった。米国の利益、官僚の利益、大企業の利益だけが政治の目的であった。企業からの政治献金が容認され、政治は主権者国民ではなく、政治資金を提供する大企業の側を向いてきた。
官僚機構は主権者国民の側を向かず、権力者である米国、大企業、利権政治屋と結託して、官僚機構自身の利権保持に努めてきた。
これらの勢力と結託し、情報空間を操作し続けてきたのがマスゴミ=電波商人である。NHKは公共放送として、公共の利益を追求すべき存在であったが、NHKも利権組織として、自己の利益を追求するために、主権者国民ではなく、日本の支配者米官業トライアングルの側を向いてきたのである。
この構造を転換しなければならない。これが平成維新の目的である。そのためには、米官業政電悪徳ペンタゴン政権を打倒して、主権者国民の側に立つ主権者国民政権を再樹立しなければならないのだ。
悪徳ペンタゴン勢力を打倒し、主権者国民政権再樹立に向けた道筋を明確に印すことができるのかどうか。これが2011年の課題になる。まずは、民主党内での主権者国民勢力と悪徳ペンタゴン勢力の闘いに勝利を収めなくてはならない。
そのうえで主権者国民勢力を糾合して、主権者国民政権を樹立し、主権者の幸福を追求する政治を実現し、真の日本の独立を達成しなければならない。
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