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2010年12月12日 (日)

「陽光堂主人の読書日記」様『日本の独立』書評②

「陽光堂主人の読書日記」様が拙著『日本の独立』について書評を掲載くださった。すでに第1回執筆分を12月7日付記事に紹介させていただいた。書評は3回にわたっているので、未掲載分を以下に掲載させていただく。
 
 

日本の独立 Book 日本の独立

著者:植草一秀
販売元:飛鳥新社
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 「我国は法制上三権分立を採っていますが、実質的には官僚によって牛耳られていると言われています。立法も司法も行政も、官僚によってコントロールされているのが現状なのです。
 
 行政が官僚の縄張りであることは異論がないでしょう。立法も、議員に法案作成能力がないので、実際には官僚によってなされています。司法だけは、最後の砦として政治家や官僚の支配を受けていないと考えられています。ところが実際は、内閣をコントロールすれば、司法も支配下に置くことができるのです。
 
 著者は、裁判官の任命システムについて次のように説明しています。
 
 日本国憲法は最高裁判所の長官以外の裁判官を内閣が任命するとし、最高裁長官は内閣が指名し天皇が認証することを定めている。最高裁以外の下級裁判所の裁判官は最高裁判所が指名する名簿によって内閣が任命することが定められている。
 
 つまり、最高裁朝刊の指名権およびそれ以外の裁判官の任命権は内閣にある。この規定をどのように運用するのかによって実態は変わってくるが、内閣総理大臣は憲法の規定上、裁判所の人事権を握っていることになる。
 
 天皇による認証は国事行為で形式的なものですから、内閣総理大臣は実質的な裁判所の人事権を握っているわけです。現行のシステムでは、議会で多数を制した政党の党首が行政府の長になるので、制度を悪用すれば、内閣総理大臣は三権を意のままに操ることができます。これは非常に怖ろしい制度と言えましょう。
 
 現総理である菅直人氏は、今年316日に開かれた参議院内閣委員会でこう述べています。
 
「私は、ちょっと言葉が過ぎると気をつけなければいけませんが、議会制民主主義は期限を切った、あるレベルの独裁を認めることだと思っております」
 
 菅総理の無能振りは今や天下周知の事実ですが、だからといってその権力欲を侮ってはなりません。この発言に見られるとおり、菅総理は法制上独裁が可能であることを知っているのです。だから今の地位にしがみついているのです。
 
 現行のシステムにはこのような不備があるわけですが、著者は、歴代の総理には「権力の乱用」を抑制するだけの自制心があったと述べています。自民党内の少数派閥の意見も尊重されました。それを崩してしまったのが小泉純一郎氏で、それ以来、為政者による権力乱用が露骨になってきました。
 
 しかしここで見落としてはならないのが、真の権力の所在がどこにあるのかという点です。政府に対する指令が、駐日米国大使館から来ていることはよく知られていますが、その意を体して動くのは官僚で、多くの政治家は従属的な関係に置かれています。何故官僚にそんな力があるのかと言えば、敗戦後に戦前の権力基盤が残されたのは、官僚組織だけだったからです。軍隊の解散や戦犯の追放、財閥解体などが行われましたが、官僚組織はそのまま温存されました。米国は、我国の戦後統治に官僚を利用しようとしたのです。
 
 官僚支配構造の淵源について、著者は、明治維新後の「有司専制」にあると喝破しています。有司専制とは、藩閥官僚への権力集中による独裁体制を意味します。詳しくは本書に譲りますが、帝国議会が開かれたのは明治23(1890)のことで、それまでは藩閥政治が行われていました。大日本帝国憲法第10条では官制大権が天皇に属すると規定され、官僚は「天皇の官僚」となりました。名実ともに官僚が支配者の一員として位置づけられたのです。
 
 現在の日本国憲法では、公務員は「全体の奉仕者」(15)と規定されており、もはや支配者の立場にはありません。にもかかわらず、支配者としてのDNAは今なお濃厚に残っており、国民の膏血を搾り取っていることは周知の通りです。官僚支配の打破こそ祖国再生の鍵となりますが、その後ろに控える米国の影響を排除しなければ実現は難しいでしょう。」
 
 以下は第3回掲載分に続きます。

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