« 政倫審出席を表明した小沢一郎氏提言に合理性 | トップページ | 2010年の回顧:主権者国民政権再樹立を期す »

2010年12月30日 (木)

菅内閣超デフレ予算で株価急落・最大不幸社会へ

12月30日、東京証券取引所は大納会を迎え、日経平均株価は前日比115円安の10,228円で今年の取引を終えた。昨年大納会との比較では、317円52銭安の下落になった。
 
 米・独・英などの欧米主要国で株価がこの1年で2割程度上昇したのに対し、日本の株価の低迷が際立っている。
 
『金利・為替・株価特報』2010年12月24日号にすでに記述したが、日本の株価は12月21日の10,370円を起点に下落の波動に突入する可能性を高めていると判断する。
 
 日経平均株価は昨年8月26日に10,639円、本年4月5日に11,339円、本年12月21日に10,370円の高値を記録した。この三つの高値は、中央の11,339円が最も高く、両側の二つのピークが中央の高値よりも低い。
 
 チャート分析の見地からは、ヘッドアンドショルダーズ、あるいは三尊天井と呼ばれるもので、高値形成の典型的の姿の一類型になっている。
 
 世間では、2011年の株価高騰を予想するエコノミストも存在するが、私はむしろ株価下落のリスクが再び高まっていると判断する。
 
 最大の要因は、菅直人政権が史上空前の超緊縮財政を強行していることである。
 
 詳細な分析は『金利・為替・株価特報』12月24日号を参照いただきたいが、菅直人内閣が編成した2011年度一般会計予算は、戦後最強の超緊縮予算になっている。
 
 バブル崩壊が始まって20年の時間が経過した。日本は20年の時間を失った。この20年間、経済成長はほとんどゼロだった。中国経済はこの期間に経済規模が5倍に拡大し、かつて、日本経済の5分の1の規模だった中国経済が2010年、遂に日本経済を超えた。
 
 この20年の停滞を深刻化させた経済政策の大失敗が二つ存在する。いずれも、財政再建の先を急ぎ、無理な景気抑制政策を実行したケースである。
 
 第一のケースが1997年度の橋本政権の大増税だった。橋本首相は財務省の路線を採用し、消費税引き上げなどの施策を断行した。大義名分は財政再建だった。
 
 ところが、この超緊縮財政政策により株価が急落、景気も急降下して、日本の金融市場で不良債権問題が爆発してしまった。北海道拓殖銀行、山一證券、日本長期信用銀行、日本債券信用銀行などの破綻が相次いだ。
 
 第二のケースが、森・小泉政権の超緊縮財政の強行だった。小渕政権の政策努力のより、日経平均株価は2万円を回復し、日本経済は回復基調に回帰した。ところが、このタイミングで森・小泉両政権が財務省主導の超緊縮財政政策を実行したのだ。
 
 2001年度の小泉政権下一般会計予算は、橋本政権以上の緊縮予算となった。この超緊縮財政政策実施で、株価が暴落し、日本の金融市場は再び恐慌リスクに直面した。この過程でりそな銀行の経営危機が演出され、結局、りそな銀行は公的資金により救済された。

人気ブログランキングへ

財政再建は重要である。しかし、本当に財政を健全化しようと考えるなら、まず、経済の健全化を優先しなければならないのだ。また、増税などの歳入増加策を国民に受け入れてもらうには、官の利権を排除することが不可欠である。
 
 過去の経済政策運営の失敗は、財政再建を叫ぶだけで、経済健全化の視点が失われていたこと、国民負担増加が必要だと言いながら、官の利権排除にまったく真剣に取り組まなかったこと、に大きな原因がある。
 
 菅直人政権は2011年度予算政府案を決定して、「成長重視」と唱えたが、笑い話にしかならない。菅直人内閣が編成した2011年度当初予算は、1997年度、2001年度当初予算を上回る戦後最強の超緊縮予算になっている。
 
 また、菅直人氏は2011年中に消費税増税案を取りまとめる方針を示しているが、その前提となる官の利権排除はまったく進んでいない。
 
 体育館で「事業仕分け」などの学芸会まがいのパフォーマンスを演じたものの、ここで取り上げられた支出すら削減できない体たらくである。
 
 9月14日の民主党代表選に向けて、小沢一郎元代表が地方への資金配分の「一括交付金化」を主張し、菅直人氏も「一括交付金化が必要」などと応じていたが、実際に2011年度予算では、一括交付金化はほとんど実行されていない。
 
 菅直人氏が取り組んでいることは、総理の椅子にしがみつくことだけだ。民主党の支持者の多数、主権者国民の多数は、小沢一郎氏に政権を委ねたいと考えている。
 
 菅直人氏は政権への信任投票と菅氏が位置付けた7月11日参院選で大敗し、総理の椅子にしがみつく大義名分を失っている。
 
 その後の菅内閣発足後の国政及び地方選挙で全敗している。主権者は菅直人氏に退場を求めているのだ。
 
 それでも菅直人氏が総理の椅子にしがみつくと言うのなら、主権者国民は力づくで菅直人氏を総理の座から引きずり降ろさなければならない。それが、主権者国民の意思である。
 
 菅-仙谷-岡田-前原-野田-玄葉-枝野-渡部の悪徳8人衆が日本の政治を悪化させている。2011年の最初のテーマはこれらの悪徳ペンタゴン8人衆と小沢一郎氏を中軸とする主権者国民勢力の決闘になる。
 
 予算審議をも放置して菅直人内閣が政争に明け暮れるなら、できるだけ早期にこの悪徳政権には退場してもらわねばならない。
 
 菅直人内閣が持続すれば、日本経済はバブル崩壊後、三度目の大不況に突入し、日本社会は間違いなく「最大不幸社会」に移行することになるだろう。

人気ブログランキングへ

日本の独立 Book 日本の独立

著者:植草一秀
販売元:飛鳥新社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

誰が日本を支配するのか!?政治とメディアの巻 Book 誰が日本を支配するのか!?政治とメディアの巻

販売元:マガジンハウス
Amazon.co.jpで詳細を確認する

売国者たちの末路 Book 売国者たちの末路

著者:副島 隆彦,植草 一秀
販売元:祥伝社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

知られざる真実―勾留地にて― Book 知られざる真実―勾留地にて―

著者:植草 一秀
販売元:イプシロン出版企画
Amazon.co.jpで詳細を確認する

日本の独立 Book 日本の独立

著者:植草一秀
販売元:飛鳥新社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 

« 政倫審出席を表明した小沢一郎氏提言に合理性 | トップページ | 2010年の回顧:主権者国民政権再樹立を期す »

経済政策」カテゴリの記事

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 菅内閣超デフレ予算で株価急落・最大不幸社会へ:

» アサンジ氏逮捕と、せんだみつおの言葉の重さ。 [アーサーの何でもやってやろう!]
おことわり ※内容が古くなっていますが、その時に考えた文面をそのまま掲載します。※ 以前、文化放送で放送されていた「チャレンジ!梶原放送局」に「風のスタジオ」というコーナーがあった。 梶原しげるさんと、水谷加奈さんが出演されていて、毎回、他の番組で呼ばない... [続きを読む]

» 「明るい未来」とは~K君とのやりとりより~Caccyo通信101228 [父さんの日記]
Caccyo(かっちょ)さんから久しぶりのCaccyo通信が届きました。28日付での配信でしたが、掲載が大晦日の本日になってしまいました。Caccyoさん、申し訳ありません m(_ _)m 今回のCaccyo通信101228では、Caccyoさんが「ご自身の抱く理念と価値観、そして見識を小沢一郎氏のそれと共有されている」ことを、改めて示されたと思います。 前稿の最後でも紹介しましたが、9月14日の民主党代表選挙で小沢一郎氏が当日行った決意表明を全文、PDF(2頁)にまとめてありますので、このCacc... [続きを読む]

« 政倫審出席を表明した小沢一郎氏提言に合理性 | トップページ | 2010年の回顧:主権者国民政権再樹立を期す »

有料メルマガご登録をお願い申し上げます

  • 2011年10月より、有料メルマガ「植草一秀の『知られざる真実』」の配信を開始いたします。なにとぞご購読手続きを賜りますようお願い申し上げます。 foomii 携帯電話での登録は、こちらからQRコードを読み込んでアクセスしてください。

    人気ブログランキング
    1記事ごとに1クリックお願いいたします。

    ★阿修羅♪掲示板

主権者は私たち国民レジスタンス戦線

  • 主権者は私たち国民レジスタンスバナー

    主権者は私たち国民レジスタンスバナー

著書紹介

サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想
2019年4月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        

関連LINKS(順不同)

LINKS1(順不同)

LINKS2(順不同)

カテゴリー

ブックマーク

  • ブックマークの登録をお願いいたします
無料ブログはココログ