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2010年11月 5日 (金)

中国漁船衝突映像流出は反中感情扇動が目的か

9月7日に中国漁船が海上保安庁の巡視艦に衝突した事件の映像が流出した。当初流出した映像は削除されているが、
「ライジング・サン(甦る日本)」様がアップされている映像は、現段階ではまだ閲覧可能であるので、動画を実際に閲覧していない方は早急に確認されることをお勧めしたい。
 
 映像には背景に久場島と尖閣諸島らしき島影が映っており、太陽光が左側から差し込んでいることから、中国漁船および海上保安庁巡視船は久場島の北西ないし北北西に位置していたと見られる。
 
 久場島からの距離は報道等によると約12キロとのことである。
 
 正確に確認したわけではないが、この地点は北緯27度以南の水域に該当すると見られる。
 
 2000年6月に発効した日中漁業協定では、この水域は日中双方が自由に操業できる地域に指定されている。この水域では、日中両国が自国漁船のみを取り締まりする海域だとされている。
 
 この海域で、海上保安庁の巡視艦が中国漁船を取り締まっていたのかどうか。
 
 映像を見ると、一度目の衝突は中国漁船をぐるりと取り巻くように巡行した海上保安庁巡視に対して、停船していた中国漁船が発進し、巡視艦後部左舷に接触した。中国漁船が右側に操舵すれば衝突を回避できたはずだが、中国漁船は、巡視艦が左に操舵するのと同様に左側に操舵したため衝突した。
 
 中国漁船が巡視艦に意図的に衝突したように見えるが、専門家は中国漁船が衝突を回避するために左に操舵したが巡視船の回り込み方が鋭角的であったために衝突したのか、巡視艦に意図的に衝突するために左に操舵したのかどうかは、映像からだけでは判断できないと指摘する。
 
 他方、二度目の接触について、中国漁船が進行方向やや左側に舵を切ったために接触が生じたものと見ることができる。

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 問題は、海上保安庁が同海域を日本の領海との判断を基礎に対応を取るのかどうかによって評価が変わることである。
 
 日本の領海であることを基礎に置いて措置を取るなら、海上保安庁は当然、外国漁船を取り締まるべきであるし、公務執行妨害が存在したなら、法と証拠に基づいて粛々と処理を行えばよい。
 
 しかし、領土問題を棚上げすることを踏まえて漁業協定が締結され、尖閣諸島付近の海域について、日中両国が自由に操業できることとしたことを踏まえると海上保安庁の取るべき対応も大きく変わってくる。
 
 尖閣帰属問題の棚上げ、日中漁業協定を踏まえて冷静に論議することが何よりも重要である。
 
 いずれにせよ、機密事項ともいえる動画映像が流出したことの責任は重い。関係閣僚、首相の責任が問われるのは必至である。前原外相は事件性があるなどと、あたかも被害者であるかのような無責任な発言を示しているが、被害者面をする前に、国民に対して情報管理の不備を謝罪するべきである。
 
 テレビ番組に偏向解説者の岩見隆夫氏が出演して、中国が情報を流出したなどの頓珍漢な説を述べているが、笑止千万である。
 
 動画映像の公開は、日本における反中感情をあおる側面もあり、沖縄県知事選を目前にして、普天間基地の国外移設論を封じ込めるための情報流出であるとの見方もできる。対米隷属のマスゴミは冷静な報道ではなく、国民の反中感情をあおることを目的に報道を展開することが予想され、この点に対する十分な監視が必要である。

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