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2010年11月20日 (土)

沖縄と日本の命運を左右する沖縄県知事選

沖縄県知事選投開票日まで残すところ1週間になった。

 米国は沖縄県知事選を最重視している。日本の中央政府が対米隷属政権に回帰したことで、辺野古の海を破壊する軍事基地建設の一里塚を越えたものの、沖縄県知事に県内移設反対の意思を明示する人物が就任すれば、辺野古での軍事基地建設実現が困難になるからだ。
 
 今回の知事選は、沖縄の主権者国民にとって普天間問題に対する県民意思を示す極めて重要な機会になる。本年1月の名護市長選、本年9月の名護市議選で、名護市民は辺野古の海を埋め立てる巨大軍事基地建設を拒絶する意思を明瞭に示した。
 
 4月25日には、普天間飛行場の県内移設に反対する県民大会が巨大な規模で開催された。昨年8月30日の総選挙以降、クローズアップされた普天間基地移設問題について、沖縄の主権者は明確にNOの意思を表明し続けてきたのである。
 
 この論議をクローズアップさせた中心人物は鳩山由紀夫前首相だった。鳩山前首相が、政権交代が実現すれば、普天間の移設先は必ず沖縄以外にすることを沖縄の主権者国民に約束したのである。鳩山前首相は「できれば国外、最低でも県外」を民主党の政権公約として主権者国民に明示した。
 
 ところが、鳩山前首相は5月28日、普天間移設先を辺野古付近とする日米共同発表を行ってしまった。公約違反は明白である。この公約違反の責任を問われて鳩山政権は内閣総辞職に追い込まれたのである。
 
 かつて自民党政権が米国との間で、辺野古移設の方針を決めてしまっていたから、移設先変更はもとより難事業ではあった。しかし、総選挙の際に政権公約として掲げ、主権者国民が明瞭に意思を示した以上、この主権者の意思を尊重することは主権在民日本政府の当然の責務である。
 
 鳩山前首相が引責辞任したことを踏まえて、菅直人氏は日米共同発表を見直す責務を負ったが、菅直人氏は魂を米国に売り渡したのだろう。対米隷属一色の姿勢を示して現在に至っている。菅直人氏は辺野古の海を破壊する軍事基地建設を推進するスタンスを示している。
 
 昨年8月30日の総選挙以降の経緯を踏まえれば、民主党は県内移設反対を明確に示す伊波洋一氏を支援する責務を負っている。ところが、菅直人政権は米国に支配される政権であるため、伊波洋一氏支持を打ち出せず、本音では辺野古移設を容認すると見られる仲井真弘多現知事の再選を希望しているのである。
 
 仲井真氏は「基地問題より経済振興」を掲げて選挙戦に臨んでいるように見えるが、沖縄は過重な負担を受け入れ続けてきたにもかかわらず、政府からの経済支援が圧縮され続けた現実を見落とすべきでない。
 
 東京新聞報道によれば、内閣府の沖縄担当部局予算は、1998年に4700億円だったものが、10年で2550億円に減った。軍用地料や基地従業員給与などの「基地関連収入」の県民総所得に占める割合は、15%から5%に落ち込んだ。
 
 つまり、政府の緊縮財政方針は沖縄にも確実に波及しており、財政事情の悪化を口実にした地方経済の切り捨てが沖縄に対しても容赦なく実行されてきたことを忘れてはならない。谷垣禎一自民党総裁は「辺野古への移設が沖縄にとっての得策」と主張し、利益誘導を画策しているが、このような甘言に乗ってはならない。

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 経済振興の甘言に誘われて、知事選に投票しても、経済振興などは実行されない可能性が圧倒的に高いのだ。経済は停滞を続け、基地負担は沖縄に押し付けられる。沖縄を切り捨てる政策を実行してきたのが、これまでの対米隷属政権であった現実を忘れるべきでない。
 
 沖縄が新しい時代を迎えるには、これ以上、沖縄に軍事基地を建設させないとの県民意思を強固に固め、この意思を真正面から受け止める知事を誕生させて、新しい沖縄の時代を築いてゆくしか道はないと思われる。
 
 沖縄県知事選では、使途を明らかにしない総理官邸の官房機密費が選挙資金として投入されてきたことが、関係者の証言から示されている。今回の知事選に際して、照屋寛徳衆議院議員は国会質疑で、官房機密費を沖縄知事選に投入する考えがあるかどうかを菅内閣に糺した。しかし、菅内閣は回答を拒絶した。今回の選挙でも官房機密費が選挙資金として不当に投入されている可能性がある。
 
 沖縄の主権者国民は、今回の知事選結果が今後の沖縄のありかたに重大な影響を与えることを、十分に考えて知事選に臨む必要がある。過去1年間に、沖縄以外の日本の主権者国民が、沖縄の過重な基地負担に対する理解を深めたと思われる。これは、鳩山前首相の大きな功績である。
 
 辺野古の美しい海岸を破壊して、米国のための巨大な米軍基地を日本の費用負担で沖縄に建設することに反対する日本の主権者国民の声が著しく拡大した。
 
 いかがわしい世論調査が大好きなマスゴミが、なぜか、この問題については世論調査をほとんど実施しない。普天間代替施設を県内に建設すべきか国外に移設すべきかは、国民的な問題に拡大しており、世論調査を行わないことが不正である。多くの主権者が辺野古の美しい海を破壊する巨大軍事基地建設に反対であるからこそ、マスゴミは世論調査を行わないのだ。
 
 このなかで、沖縄の主権者国民が、普天間飛行場の県内移設に反対する明確な意思表示を示さなければ、日本中の主権者国民は驚愕とするだろう。沖縄の県民自身が沖縄の過重な負担を選択するのなら、沖縄の基地負担軽減に向けての主権者国民の賛同は雲散霧消してしまうのではないか。
 
 対米隷属のマスゴミは、日米関係が悪化すると普天間の危険が除去されないとの脅しをかけるが、基地問題において何よりも重要なことは、米国に対してひれ伏すのではなく、米国に対しても明確に自らの意思と見解をぶつけてゆくことである。米国にひざまずく土下座外交を続けるなかに、沖縄の負担軽減の道は開けないことを認識しなければならない。
 
 歪められた情報空間における限られた風穴がネットと単行本による情報発信である。志を同じくする同志がネットから積極的に情報を発信し、その情報を沖縄の津々浦々にまで拡散しなければならない。
 
 11月28日の沖縄県知事選は沖縄の未来、日本の未来を考える上で、極めて重要な意味を持つことになることをしっかり浸透させる必要がある。

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