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2010年10月17日 (日)

沖縄知事選で辺野古海岸破壊基地建設を阻止すべし

沖縄県の仲井真弘多知事が11月28日の県知事選で再選を目指して立候補する方針を正式に表明した。
 
 仲井真弘多氏は2006年の県知事選で普天間飛行場の名護市辺野古海岸への移設に賛成の意向を表明して当選した経緯がある。
 
 しかし、その後、2009年8月30日の総選挙に際して、民主党の鳩山由紀夫代表が普天間基地の辺野古への移設に反対の意向を表明して選挙を戦い、政権交代を実現したことで情勢が一変した。
 
 鳩山由紀夫前首相は「最低でも県外、できれば海外」の方針を明言して総選挙を戦った。
 
 その後、本年1月には名護市長選が実施され、辺野古の陸海上に新たな基地を建設させないことを公約に掲げた稲嶺進氏が当選した。辺野古海岸に基地を建設することに賛成の意向を表明した島袋吉和前市長が落選した。
 
 さらに、さる9月12日には、名護市議選が実施され、基地建設反対派が圧勝した。定数27に対して移設反対を掲げる稲嶺進市長支持派が16議席を獲得し、少数与党だった改選前の12議席から4議席増やし圧勝した。移設を条件付きで容認してきた島袋吉和前市長らが支援した反市長派は、改選前から1議席減らし11議席にとどまった。
 
 市議会過半数は14議席で、基地建設反対派議員は過半数割れの状況を過半数確保に転換することに成功した。この市議選結果によって、海岸破壊巨大基地建設阻止の力は格段に強化された。
 
 こうした地元の主権者住民の声を、菅直人氏は「ひとつの民意」にすぎないと軽視する発言を続けている。「ひとつの民意」ではなく、「民意はひとつ」なのである。日本国憲法は国民主権の大原則を定めている。この主権者国民の声が「辺野古海岸破壊基地建設反対」で一致しているのだから、政府はこの主権者の意志を尊重する以外に道はない。
 
 それにもかかわらず菅直人氏が辺野古海岸破壊基地建設を強行しようとしているのは、菅直人氏が「主権在民」ではなく「主権在米」を表明していることを意味している。
 
 マスゴミは米国を頂点とする日本支配の利権複合体「米官業政電=悪徳ペンタゴン」の広報部隊であるから、9月14日の民主党代表選では、狂気の情報工作を展開して、菅直人氏の再選を誘導した。その結果「主権在米」を基本に据える菅直人氏が首相として続投することになったが、これは日本の主権者国民にとっては悲劇でしかない。
 
 鳩山前首相は主権者国民の声を踏みにじる辺野古移設で日米合意を結んで発表してしまい、主権者国民の激しい反発を招いた。その責任を負って内閣総辞職したのだ。
 
 したがって、後継の菅直人政権は、日本の主権者国民の意志を尊重する問題の取り組みを政権出発点に位置付ける必要があった。それを菅直人氏は、日米合意を実行することだけを軸として定め、日本の主権者の意志を踏みにじることを、完全に是認する姿勢を示しているのだ。

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 この本末転倒、売国政治を是正するには、沖縄県知事選で主権者国民が、辺野古海岸破壊基地建設を阻止する意思を明確に表示する必要がある。沖縄県知事選、名護市長選、名護市議選のすべてで、地元の主権者国民が辺野古海岸破壊基地建設反対の意志を明確に示すなら、主権在米の首相といえども、辺野古海岸破壊基地建設を強行できなくなる。
 
 沖縄県知事選には、すでに伊波洋一宜野湾市長が立候補の意思を表明している。伊波洋一氏は、県内移設反対の意志を明確に示している。
 
 これに対して今回立候補意思表示をした仲井真氏の姿勢ははっきりしない。仲井真氏は立候補意思表明で、
 
「鳩山政権時代に作った日米両政府の合意を見直し、県外にしっかり持っていってもらいたい」
 
と表現して、県外移設の「希望」をしたが、記者から
 
「県内移設反対を明言しないのか」
 
と質問されると、
 
「なぜ県内移設に反対、賛成という、運動論的な表現を使わないといけないのか」
 
と、禅問答のような意味のよく分からない発言を示す。明確に「県内移設反対」と言えない事情があるのだと推察される。つまり、仲井真氏は「県内移設反対」ではないということになる。
 
 前回知事選で仲井真氏を支援した自民党、公明党の両党は本部が辺野古移設推進の姿勢を維持しており、自民党と公明党の推薦を得るために、明確に「県内移設反対」を示さないのではないかと見られている。
 
 そうなると、選挙に際して、県外移設を「希望」しても、選挙が終われば、県内移設を容認するということになるのだろう。
 
 県内移設を明確に反対する主権者は、仲井真氏に投票すべきではないということになる。
 
 これに対して、伊波洋一氏は県内移設に反対の姿勢を明確に示しており、県内移設に反対の主権者は伊波氏に投票するべきである。
 
 問題は、民主党沖縄県連が第三の候補者擁立を模索しているとの情報が伝えられていることである。この第三の候補者が県内移設賛成なら伊波洋一氏の援護射撃になり、県内移設反対なら仲井真弘多氏の援護射撃になる。
 
 沖縄選出の前参議院議員の喜納昌吉氏が知事選出馬への意欲を示しているとのことだが、県内移設反対を明確に掲げるなら、伊波洋一氏と立候補調整をしなければ、結果として仲井真氏援護になってしまう。県内移設反対立候補者は一本化しなければ、仲井真氏に勝利することが極めて困難である。
 
 喜納昌吉氏が立候補調整を行わずに、第三の候補として立候補するなら、その政治姿勢は主権者住民に対する背信行為になる。喜納昌吉氏には間違っても主権者住民に対する背信行為を取らないことを強く要望する。
 
 喜納昌吉氏が仲井真氏と類似した公約を掲げて、伊波洋一氏を援護するとの思惑があるのかも知れないが、喜納氏の姿勢が県内移設反対であると県民が理解している以上、結果として伊波氏支援にはならないだろう。
 
 沖縄県の関係者にも、喜納昌吉氏にこの点を強く訴えていただきたいと思う。
 
 菅直人氏の「売国政治」にストップをかけるには、まずは、この沖縄県知事選で辺野古海岸破壊基地建設反対の主権者の意志を鮮明に示すことが不可欠だ。この沖縄県知事選を契機に、対米隷属政権=売国政権打倒に弾みをつけてゆかねばならない。

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