検察当局の検事証拠改ざん事件矮小化工作が破綻
大阪地検特捜部の元主任検事の前田恒彦容疑者が押収した証拠を改ざんした疑いで逮捕された事件について、大阪地検公判部の検事から重大な証言が示されている。
こうした内部告発、重大な証言がなければ、検察ぐるみの重大な犯罪が矮小化されたり、闇に葬られるところだった。
NHKを始めとするマスゴミの情報リークは二重の意味で極めて悪質である。
第一に、情報リークそのものが国家公務員法の守秘義務違反にあたる重大な犯罪であることだ。国家公務員法第109条は、守秘義務違反について1年以下の懲役又は五十万円以下の罰金との罰則規定を設けている。情報リークは懲役刑が科せられる重大犯罪なのである。
第二は、マスゴミによる情報リークが検察関係者の口裏合わせに利用されている可能性が極めて高いことである。
NHKは9月22日のニュース報道で次のように伝えた。
「この主任検事は、ことし1月、村木元局長の初公判の直後に、特捜部の同僚検事に電話で「データを書き換えた可能性があるが問題ない」と打ち明けていたことが、検察関係者への取材でわかりました。この情報を聞いた特捜部の幹部らは、大阪地検トップの検事正に「書き換えのうわさがあるが、問題ない」などと報告していたということです。
大阪地検特捜部の主任検事、前田恒彦容疑者(43)は、厚生労働省の局長だった村木厚子さんの無罪が確定した事件で、押収したフロッピーディスクのデータを改ざんしたとして、証拠隠滅の疑いで逮捕されました。最高検の調べに対し、前田検事は「わざとではなく誤ってデータを書き換えてしまった」などと供述しているということです。
検察関係者によりますと、前田検事は、ことし1月、村木元局長の裁判の初公判のあと、特捜部の同僚の検事に電話で「フロッピーディスクの日付をいじっていたら、ファイルが壊れ、日付を書き換えた可能性がある」と打ち明けたということです。同僚の検事がデータを意図的に書き換えたのではないかと問いただしたのに対し、前田検事は「すでにフロッピーディスクは返却しており、裁判には正しいデータが出ているので問題はない」と説明したということです。さらに、この情報を聞いた特捜部の幹部らは、大阪地検のトップの検事正に「書き換えのうわさがあるが、問題ない」などと報告したということで、最高検察庁は、当時の大阪地検の幹部らが問題を放置していた可能性があるとみて捜査を進めています。」
この情報が流されたのは9月22日である。前田恒彦容疑者が逮捕されたのが9月21日夜である。この段階で、事件の全体にまたがるストーリーが検察当局からNHKに伝達され、NHKがその通りに右から左に情報を垂れ流している構図である。
なぜ、これほど迅速に事件全体のストーリーが検察リークによって報道されたのかを考えなければならない。
この段階では、大阪地検特捜部の大坪弘道前部長、佐賀元明前副部長の事情聴取が行われていない。NHKニュース報道は、これらの関係者に捜査当局が描くストーリーを伝達する役割を担ったのである。
通常の検察捜査では、犯罪を構成するためのストーリーが創作され、このストーリーに合わせた情報が流布されるのだが、今回のケースでは、検察の犯罪を最小化するためのストーリーが創作され、そのストーリーが流布されたのである。
事情聴取に応じる前部長、前副部長などは、NHKが提供する検察ストーリーを頭に入れて事情聴取に応じることになる。このストーリーに併せて供述すれば、検察サイドの犯罪は最小化されることになるわけだ。これは、口裏合わせの一類型で、通常、事件関係者は新聞を含めたニュース報道から遮断されて供述することを求められるが、このケースでは、意図的に検察サイドのストーリーが事件当事者に伝達されているのだ。
今回のケースでは、こうした検察当局のストーリーにもかかわらず、公判部の検事が一種の内部告発を行っているため、検察による事件隠し、事件の矮小化が破綻する可能性が高い。
前副部長も前部長も、フロッピーディスクの書き換えは、事故によるもので、また証拠請求もしていないから問題はないとの認識で、検察幹部の犯罪にまで話を波及させないストーリーが設定されたが、公判部検事が事実を供述している可能性が高く、検察幹部の犯罪を立件しないわけにはいかない情勢になった。
この状況下で、検察が検察の組織ぐるみの犯罪にほおかむりをするなら、検察全体の解体を実行せざるを得ない。
今回の証拠改ざん事件は前田恒彦容疑者の単独犯行ではなく、大坪前部長、佐賀前副部長が事実を知っていた組織ぐるみの犯罪であることが、すでに明白になっているのである。
少なくとも、大坪前部長および佐賀前副部長は犯人隠避罪で逮捕・勾留され、起訴される必要がある。また、組織ぐるみの証拠ねつ造事件として、検事総長以下の主要幹部の責任が厳しく問われなければならないことになった。
NHKを中心とするマスゴミは、これまで、今回の重大犯罪を矮小化するための情報工作に加担してきているが、報道機関として許されない反社会的行動である。NHKの経営方針を決定する権限を持つべき視聴者は、NHKの歪んだ行動を是正する方向に圧力をかける必要がある。
また、検察は、すでに真実が明らかにされつつあることを踏まえて、大坪前部長および佐賀前副部長を逮捕、勾留して、厳正に事件捜査を行わねばならない。検察当局が厳正な対応を示さない場合には、まず国会が、検察関係者を証人として招致して喚問を行う必要がある。また、事件捜査そのものを、国会に特別委員会を設置した上で、その委員会に移管することを検討するべきである。
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