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2010年9月30日 (木)

大阪地検証拠改竄事件業務日誌は指示に基く記述

大阪地検特捜部の主任検事の前田恒彦容疑者が押収した証拠を改ざんした疑いで逮捕された事件に関連して、大阪地検特捜部大坪弘道前部長と佐賀元明前副部長が証拠改ざんの事実を知りながら、この犯罪を放置したことが明らかになっているが、最高検による逮捕が遅れている。
 
 これまでに明らかにされた事実に照らせば、大坪前部長と佐賀前副部長の犯罪は明瞭である。しかし、地検特捜部のトップ2名が逮捕されることになれば、検察全体の責任が問われることになることから、最高検が事件をもみ消すための工作をなお続けている。
 
 マスメディアは、この重大問題を連日、トップ扱いで報道するべきであるが、検察からの圧力があると見られ、ニュース報道の取り扱いが極めて小さくなっている
 
 前田恒彦容疑者は、すでに、意図的に改ざんしたことおよびそのことについて佐賀前副部長や大坪前部長に報告していたことを認める供述を始めていると報道されている。
 
 前田容疑者から証拠物改ざんの事実を知らされた特捜部検事3名と公判部検事1名の合計4名の検事は本年1月30日土曜日、休日にもかかわらず佐賀元明前副部長を呼び出し、証拠物への改ざんを佐賀前副部長に詳細に報告したことが明らかにされている。
 
 佐賀元明前副部長は翌日の2月1日午前に、大坪前部長に証拠物改ざんの事実を報告したことが明らかにされている。大坪前部長は、この報告を受けて、2月2日になって、佐賀前副部長に、証拠物の改ざんを改ざんと知りながら、「過失として処理する方針」を佐賀前副部長に伝え、佐賀前副部長はこの指示に基づいて、「改ざん」を「過失」として処理することを実行した。
 
 これまでの事情聴取でこれらのことが明らかになっている。
 
 このなかで、佐賀元明前副部長が、「FD書き換えは過失」であるとして処理するとの指示を受けて、業務日誌に「客観的事実から書き換えは過失と認めざるを得ない」との記載を行ったのである。
 
 報道機関の報道を見ると、
①大坪前部長も佐賀前副部長も改ざんが意図的なものであったことを認識したうえで、「過失によるもの」と処理した、
 
と事実に即して報道を行っているものと、
 
②証拠として現存している書類である「業務日誌」に、「客観的事実から書き換えは過失と認めざるを得ない」と記載されている点を強調するとともに、仮に公判請求された場合に、物証としてはこの「業務日誌」しか存在しないことを強調する報道、
 
とに二分されている。

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 前者の報道が真実に即しており、後者の報道は、大坪前部長が改ざんの事実を知った上で、過失として処理することを指示したことに基づく「業務日誌」の内容だけを強調するものである。つまり、後者の報道は、今回の重大事件を検察幹部を含む組織的な犯罪にさせないため、最高検が無理に誘導するストーリーに協力する報道になっているのである。
 
 NHKなどは、ついに、この問題を報道しなくなっているが、その目的は、時間が経過した後で、最高検が大坪前部長と佐賀前副部長の犯人隠避罪での立件は、関係証拠から困難であると判断し、立件を見送る報道を行うための伏線であると考えられる。
 
 しかし、このような不正を容認することは絶対にできない。現職の検事4名が佐賀前副部長に意図的改ざんの事実を正確に伝えているのである。
 
 また、大坪前部長が意図的な改ざんであることを認識したうえで、「過失として処理する」と指示したことも、多くの関係者が目撃しているのである。
 
 このように、客観的な事実関係が明らかにされているにも関わらず、最高検が大坪前部長と佐賀前副部長の逮捕に踏み切らないことは、結局、身内の捜査では身内の犯罪を立件せず、重大犯罪を握りつぶすことを最高検自身が実例をもって立証することにほかならない。
 
 大坪前部長および佐賀前副部長が犯人隠避罪で逮捕されることは、間違いなく日本の検察史上最大の汚点になるだろう。検事総長以下の責任問題に発展することも間違いない。しかし、このことを理由に、重大犯罪を握りつぶすことは絶対に許されない。
 
 共同通信は、すでに大坪前部長と佐賀前副部長が逮捕されるとの見通しをニュース報道で発信している。他の報道機関も、この最重要ニュースを適切に報道する必要がある。検察と癒着して、重大犯罪をもみ消すことに加担することは許されない。
 
 とりわけ、NHKの対応は問題である。NHK解体を含む、NHKの組織の在り方の抜本見直しが求められている。
 
 いずれにせよ、大坪前部長と佐賀前副部長の犯罪はすでに明白になっている。最高検は法と証拠に基づき、直ちに適正な対応を示すべきである。

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