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2010年9月 4日 (土)

小沢一郎氏の「政治とカネ」問題研究第1回

読売新聞の橋本五郎氏、朝日新聞の星浩氏、毎日新聞の倉重篤郎氏は、その低俗で卑劣な生きざまを民主党代表選公開討論会で衆目に晒した。真実の情報を知らされていない一般市民も、マスゴミの傍若無人の姿勢に戸惑いを感じたことだろう。
 
 マスゴミは「政治のカネ」とわめきながら、「政治とカネ」の事実を報道しない。これ以上の不正は存在しない。
 
 すでに多くの心あるネット市民が小沢一郎氏の「政治とカネ」問題を分析してくれているが、それらの分析をもとに本ブログで改めて問題の概要を説明する。小沢一郎氏に対する根拠なき誹謗中傷への対抗策として活用していただきたい。
 
 まずは、昨年3月3日に小沢一郎氏の公設第一秘書大久保隆規氏が逮捕され(「三三事変」)、起訴された「西松事件」である。
 
 小沢一郎氏の政治資金管理団体は、「未来産業研究会」と「新政治問題研究会」から政治献金を受けた。大久保氏はこの献金について、「未来産業研究会」と「新政治問題研究会」からの献金として政治資金収支報告書に記載して報告した。
 
 検察は、この二つの政治団体から提供された政治献金の資金の出所が西松建設であると考え、政治資金収支報告書には「未来産業研究会」と「新政治問題研究会」ではなく「西松建設」と記載するべきであるとした。「西松建設」と記載せずに「未来産業研究会」と「新政治問題研究会」と記載したのは「虚偽記載」にあたるというのが、逮捕および起訴の事由である。
 
 しかし、政治資金規正法が規定しているのは、政治献金を受けた場合、収支報告書には「寄付をしたもの」を記載することである。「資金拠出者」ではなく、「寄付行為者」を記載することが定められている。
 
 小沢氏の資金管理団体が受けた政治献金の寄付行為者は「未来産業研究会」と「新政治問題研究会」であり、収支報告書に記載すべき寄付行為者は「未来産業研究会」と「新政治問題研究会」ということになり、大久保氏の報告は合法的なものであることになる。
 
 これに対して、検察は、「未来産業研究会」と「新政治問題研究会」という二つの政治団体には実体がない、つまり、「架空団体」であり、「架空団体」を寄付行為者として記載するのは「虚偽記載」にあたり、収支報告書には資金拠出者である「西松建設」と記載しなければならなかった。「未来産業研究会」と「新政治問題研究会」の名称を記載したのは「虚偽記載」だとして、大久保隆規氏を逮捕、勾留し、起訴したのである。

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だが、「未来産業研究会」と「新政治問題研究会」が献金した政治家は小沢一郎氏だけではない。多数の政治家が献金を受けている。昨年3月時点で伝えられた政治献金の実態は以下の通りである。
 
西松建設OB団体の献金先(パーティー券含む)
2004-06年総務省届け出分。単位は円)
陸山会(小沢一郎民主代表)
 新政治研1100万、未来研300万
新しい波(二階派)
 新政治研466万、未来研312万
幸政会(尾身幸次元財務相)新政治研400万
春風会(森喜朗元首相)新政治研400万
自民党東京参院比例第11支部(藤野公孝元参院議員)
 新政治研400万
民主党参院比例第9総支部(渡辺秀央改革クラブ代表)
 新政治研200万
賢友会(山岡賢次民主国対委員長)新政治研200万
藤井孝男後援会(藤井孝男元運輸相)
 新政治研160万、未来研40万
政経創造研究会(山口俊一衆院議員)新政治研200万
加納時男後援会(加納時男参院議員)
 新政治研100万、未来研100万
白鳳会(川崎二郎元運輸相)
 新政治研60万、未来研40万
地域政経研究会(山本公一衆院議員)
 新政治研60万、未来研40万
平成研究会(旧橋本派)新政治研60万
などの事実が伝えられた。
 
 これらの政治家の資金管理団体は、すべてこれらの政治献金について、「未来産業研究会」あるいは「新政治問題研究会」からの献金として収支報告書に記載して報告している。
 
 この点で、大久保隆規氏とまったく同じ事務処理をしているのだ。このなかで、大久保隆規氏だけが刑事責任を問われたのである。二つの政治団体から政治献金を受けた政治家の資金管理団体のなかには、寄付をした者の住所として西松建設本社の住所を記載した者もあった。しかし、小沢氏の資金管理団体以外は一切摘発の対象とされなかった。
 
 常識で考えれば、この事案は、仮に「西松建設」を寄付行為者として記載すべきものであったとしても、報告書の修正で済ませるべき問題である。刑事問題として取り扱う理由が存在しないからである。
 
 百歩譲って、厳密に「虚偽記載」であると認定して刑事責任を問うというのであれば、上記のすべての政治資金管理団体の責任が問われなければおかしいはずである。小沢氏の資金管理団体が受けた政治献金が多いとの意見があるが、検察内部では、立件の基準として「1億円」との内規を設けていたことが明らかにされている。今回のケースでは1億円の内規にも該当しない。
 
 つまり、まず「法の下の平等」が守られていないことが明白である。
 
 「虚偽記載」であるかどうかを判定するポイントは、「未来産業研究会」と「新政治問題研究会」の二つの政治団体に「実体」があったのかどうかということになる。

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この事件の第2回公判で、この点についての決定的な証言が示された。証言したのは西松建設元総務部長の岡崎彰文氏である。岡崎氏は検察側が申請した証人である。
 
 岡崎氏は公判で、
「政治団体がダミーとは全く思っていなかった」
と証言した。さらに、
「OBがやっていて、届け出もしている、と被告に説明したと思う」
と証言した。つまり、二つの政治団体がダミー団体=「架空団体」ではないとの説明を大久保氏にしていたことが証言されたのだ。
 
 さらに岡崎氏は裁判官の質問に対して、
「事務所も会社とは別に借りて、資金も別だった」
と答えた。
 
 この第2回公判が行われたのが本年1月13日である。この岡崎氏証言で、大久保氏の無罪は動かし難いものになった。
 
 この事実は決定的に重要である。大久保氏が無罪だとすると、2009年3月3日の大久保氏逮捕は「不当逮捕」、「誤認逮捕」だったということになる。当時小沢一郎氏が民主党代表の地位にあった。総選挙はいつ実施されるかわからず、総選挙で民主党が勝利すれば、小沢一郎氏は内閣総理大臣に就任することになる。その小沢氏はこの三三事変を背景に5月11日に民主党代表を辞任することを表明した。
 
 小沢氏が代表を辞任したのは引責辞任ではない。マスゴミが激しく攻撃を続け、迫る総選挙に悪影響を及ぼすことが懸念されるから代表を辞任したのだ。小沢氏がこの時点で辞任していなければ、昨年8月の総選挙を通じて小沢一郎総理大臣が誕生していたのである。
 
 そのような重大な意味を持つ大久保氏逮捕が誤認逮捕、不当逮捕であったとすれば、その事実は第一級の重大ニュースである。判決が示されたわけではないが、昨年1月13日の岡崎元総務部長の公判証言は日本を震撼させるマグニチュードを持つものだった。
 
 検察は、この直後に石川知裕衆議院議員を含む元秘書逮捕に動いた。このなかに、大久保隆規氏が含まれた。その最大の理由は、昨年の三三事変が空前絶後の大誤認逮捕であった事実が白日の下に晒されることを回避することにあったのだと思われる。
 
 昨年の3月3日以来、マスゴミは小沢一郎氏攻撃一色に突き進んだ。ところが、その根源である昨年3月3日の大久保隆規氏逮捕の不当性が浮かび上がったのである。
 
 マスゴミは1月13日の岡崎彰文氏証言をまったく伝えなかった。したがって、いまもほとんどの一般市民がこの事実さえ知らない。この重大事実を知らないで、マスゴミがまき散らす「小沢一郎氏はクリーンでない」との情報操作に洗脳されてしまっているのである。
 
「小沢一郎氏の「政治とカネ」問題研究第2回」につづく

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