民主代表選・主権者国民派は候補を1人に絞れ
2010年9月、恒例の年中行事となった新政権発足の月が訪れる。
2006年9月26日 安倍晋三内閣発足
2007年9月26日 福田康夫内閣発足
2008年9月24日 麻生太郎内閣発足
2009年9月16日 鳩山由紀夫内閣発足
9月は政権交代の月である。悪徳ペンタゴン政権である菅直人政権を続投させたいマスゴミは、短期間に総理大臣がころころ変わることは望ましくないとの主張を展開するが、自民党政権時代には、総裁選のたびにお祭り騒ぎで総裁選を盛り上げてきたのではないか。メディアの堕落と腐敗は目を覆うばかりである。
首相が交代することより、民意を反映しない総理大臣が統治機構のトップに君臨することの方がはるかに罪が重い。
菅直人氏自身が民意の洗礼を受けない総理大臣の就任を厳しく批判してきた。内閣が正統性を得るには総選挙で民意を問うことが必要だと主張してきた。
7月11日に実施された参院選を、菅執行部最高幹部である枝野幸男幹事長は次のように語った。時事通信社配信報道に掲載されたインタビューの受け答えである。当該部分を転載する。
-参院選の争点は。
この選挙は菅内閣に対する信任投票だ。首相が代わり、体制が変わったことで、もう1回(民主党に政権運営の)チャンスを与えてくれるのかどうかが唯一の争点だ。具体的な政策ではない。
(ここまで時事通信社配信報道の転載)
菅政権は参院選を菅政権に対する主権者国民による信任投票であると位置付けた。憶測で述べているのではない。菅執行部が明言した参院選の位置付けである。
結果はどうだったのか。改選議席121のうち、民主党が獲得したのはわずかに44議席だった。自民党は51議席を獲得した。文字通りの大敗、惨敗だった。
菅首相は勝敗ラインを54議席に定めた。もっとも低い勝敗ラインを設定した。参院選の課題は、与党過半数確保だった。民主党単独で過半数を得るには60議席、与党で過半数を確保するには57議席が必要だった。当然、この議席数を勝敗ラインに設定すべきとの主張が強かったが、菅首相は首相続投を狙って勝敗ラインを低く設定した。
鳩山由紀夫前首相、小沢一郎前幹事長のW辞任で民主党に対する支持率がV字回復を遂げたにもかかわらず、民主党が大敗したのは、ひとえに菅首相に責任がある。
民主党が大敗した主因は、
①新体制を挙党一致体制とせずに、反小沢氏一色に染め、多数の民主党支持者の離反を招いたこと
②政府支出の無駄を排除し終えるまで消費税増税を実施しないことが民主党政権公約であったのに、菅首相が党内論議をせずに消費税大増税公約を提示したこと
にある。
この経緯を踏まえれば、菅首相が辞任すべきことは火を見るよりも明らかである。枝野幹事長は参院選の唯一の争点が菅政権に対する信任投票であると言い切ったことを忘れたのか。他人を追求するときだけ厳しく、自分自身の責任問題には頬かぶりするのでは、政治家として失格である。主権者国民は枝野氏を次の総選挙で落選させるべきである。
民主党代表選は6月2日に実施されたが、新たに選出される代表、総理大臣は選挙管理内閣の首班になるため、民主党代表選出馬を見送った議員もいる。
そもそも、6月代表選は9月代表選までのワンポイント党首を選出する選挙だった。国政を遅滞させないためには、本来、民主党代表選を8月に前倒しして実施すべきだったが、総理大臣の椅子にすがりつく菅直人首相は代表選日程を9月にしたまま、動かなかった。
その民主党代表選が9月14日に実施される。
菅政権の発足で、主権者国民政権の基本性格が変質してしまった。すでに主権者国民政権は消滅したといってよい。民主党の実権が主権者国民勢力から対米隷属勢力=悪徳ペンタゴン勢力に奪取されてしまった。6.2クーデターの結果である。
主権者国民政権は、①対米隷属からの脱却、②官僚利権の根絶、③企業団体献金の全面禁止、の三つを最重要課題に位置付けたが、菅政権はこの基本政策方針をすべて変更してしまった。
菅政権は、①対米隷属、②官僚利権温存、③企業団体献金維持、に基本方針を変更してしまった。そのうえで、官僚機構と大資本が切望する一般庶民大増税である消費税大増税に突き進み始めた。
主権者国民は、菅直人政権がもはや主権者国民政権ではなく、悪徳ペンタゴン政権であることに、早く気付かねばならない。そのうえで、9月民主党代表選を通じて、主権者国民政権を再樹立しなければならない。
悪徳ペンタゴンの一味であるマスゴミは、悪徳ペンタゴン政権である菅直人政権の持続を誘導しようとする。マスゴミの偏向した情報誘導については、その背景を正確に把握して、有害なものとして排除してゆかねばならない。
主権者国民勢力は民主党代表選での戦術を誤ってはならない。参考にすべきは、2001年4月の自民党総裁選である。
自民党の主流派が結束すれば、2001年の総裁選で小泉純一郎氏が総裁に選出されることはなかった。ところが、主流派から3人もの候補者が立候補したために、小泉純一郎氏に当選のチャンスを与えてしまった。小泉政権の誕生で、日本と日本国民が極めて大きな犠牲を強いられた。
歴史を嘆いても意味はないが、歴史に学び、歴史を繰り返す愚行を回避しなければならない。
民主党内国民主権派勢力は、代表選に向けて立候補者を一人に絞らねばならない。菅政権続投を狙う悪徳ペンタゴン派は、必ず候補者を菅直人氏一人に絞るはずである。前原誠司氏、岡田克也氏、仙谷由人氏、野田佳彦氏は、いずれも代表選に立候補せず、菅直人氏を支援することになる。
ここで、主権者国民派議員が複数候補を擁立すれば、悪徳ペンタゴン派の思うつぼになる。この場合は、第一回投票で菅直人氏が第一位になり、その勢いで代表に再選される可能性が高くなる。
主権者国民派議員が勝利するためには、必ず候補者を一人に絞ることが必要である。考えられる候補者は、小沢一郎氏、海江田万里氏、原口一博氏の3名である。
小沢一郎元代表が出馬することがもっとも望ましいが、健康問題などを踏まえれば、小沢氏がキングメーカーに回る選択肢も捨てるべきでない。この場合には、海江田万里氏か原口一博氏のいずれかに候補を一本化するべきである。
何よりも大事なことは、「私」を前面に出さないことだ。民主党代表選は単に代表を選出するだけでなく、内閣総理大臣を選出する選挙になる。「私」を封印し、「公」の視点で臨むことが不可欠である。
民主党の国民主権派議員が小沢一郎氏を中心に「公」の視点から検討を重ね、国民主権派勢力統一候補を一人に絞り込んで擁立しなければならない。この手順を誤らなければ、主権者国民の意思を反映する新代表を選出することが可能になり、第二次主権者国民政権を樹立することができるはずだ。
残る課題は、マスゴミの妨害活動に打ち克つことである。マスゴミは主権者国民の側に立って行動しない。悪徳ペンタゴンの利益のために行動する。マスゴミ情報を否定し、遮断し、真実の情報を主権者に流布して、この闘いに勝利しなければならない。
暑い夏、これから1か月、決戦の時期を迎えることをはっきりと認識しなければならない。
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売国者たちの末路 著者:副島 隆彦,植草 一秀 |
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知られざる真実―勾留地にて― 著者:植草 一秀 |
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