情報が統制され、言論の自由が脅かされるいま
日本国憲法より抜粋
第11条 国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。
第19条 思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。
第21条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
2 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。
日本国憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として国民に与えられたものである。
日本政治を考えるとき、極めて重大な問題はマスメディアが特定勢力に支配されてしまっていることだ。
メディアの大きな問題が三つある。
①マスメディアが特定少数の資本に握られてしまっていること
②その少数のメディアが商業資本に支配されてしまっていること
③メディア活動に対して強制力を行使できる監視機関の機能が極めて弱いこと
だ。
国民の情報入手に圧倒的な影響を与えるのが新聞、テレビのマスメディアである。地方新聞は通信社から情報を入手するから、通信社が情報提供において、極めて大きな力を保持することになる。
この新聞、テレビ、通信社が、全国規模では新聞5紙、テレビ5社、通信社2社しか存在しない。テレビ放送はスポンサー収入に依存して経営されるが、スポンサーとテレビ局をつなぐ広告代理店は2社が極めて大きな影響力を持つ。
メディアが極めて少数であり、しかも、テレビ、新聞がクロスオーナーシップにより系列化されている。
メディアは日本政治を支配してきた利権複合体=悪徳ペンタゴンの一角を占める。日本における政権交代は単なる政策転換を意味するのではなく、権力者の転換を意味する。
つまり、悪徳ペンタゴンから主権者国民が政治権力を奪取するとの意味を持っている。
このことが、悪徳ペンタゴンが活動を活発化させる背景になっている。悪徳ペンタゴンはこれまで維持し続けてきた日本政治の実権を主権者国民に奪取されないよう、メディアを総動員して、情報工作を展開している。
したがって、マスメディアから提供される情報は、ほぼ完全にメディアによって加工された、悪質な意図を伴う情報になっている。
テレビは「街の声」と「世論調査」を多用するが、これほどいかがわしいものはない。「街の声」のなかで放送されるのは、番組担当者が選出したものだけで、この選択によって視聴者の感覚をいかようにも操作できる。
世論調査について、法律が存在するわけでない。不正な調査が横行していることは、実際に調査に携わった人物からの事情聴取で明らかになっている。
このなかで、真実の情報を発信するには、ネットと単行本の活字情報をフルに活用しなければならない。この二つが、操作された情報空間において極めて限られた風穴になっている。
ところが、米国で恐るべき情報統制の動きが本格化している。米国の動きは必ず、時間差をおいて日本に波及する。日本の情報統制本格化に対して、主権者国民は注意を張り巡らし、不当な政府の動きに対して、徹底的に対抗しなければならない。
「日本を守るのに右も左もない」様が8月11日付記事
「既にファシズム国家となったアメリカ~ブログ閉鎖と「愛国者法」の暴走」
をトラックバックしてくださった。
ブログが閉鎖されることが米国では日常茶飯事になっていることが紹介されている。孫引き、あるいはひ孫引きになるが、同記事が『続・竹林の愚人』様の記事「アメリカから〈自由〉が消える」が紹介した『アメリカから<自由>が消える』(堤未果著 扶桑社)からの引用を掲載している。
アメリカから<自由>が消える 著者:堤 未香 |
引用部分を転載させていただく
「2001年9月11日の同時多発テロで、それまで外から攻撃されたことのなかったアメリカは一気にヒステリー状態に陥った。『テロとの戦い』というキーワードがばら撒かれ、「報復」「戦争」といった文字が連日トップ・ニュースを飾り、職場や家での会話が次のテロの可能性と、どうやって身を守るかという話題に集中してゆく。星条旗の売り上げが史上最高記録を達成し、スーパーの銃売り場に人々が殺到した。ターバンを巻いた人々が、無差別な暴行に遭い始めたのもこの頃だ。
どっちを向いても『テロとの戦い』しか報道しない大手メディアにうんざりして、インターネットで大手メディアでは報道されていないトピックに行きつくたびに、翌日そのサイトそのものが消されてしまう。」
「メディアは「次のテロが近い」と繰り返し、国民がパニックになっている間に提出されたのが「愛国者法」(Patriot Act)だ。
約5億6,000万件の個人情報が入っている巨大なデータベースが50の政府機関の共有となり、金融機関や通信事業者は顧客の情報や通信内容を、医師は患者のカルテを、図書館の司書は利用者の貸出し記録を、本屋は客の購買履歴を、政府の要請に応じて個人情報を提出させられることになった。
『テロとの戦い』の名の下に、国民が四六時中監視され、盗聴され、飛行機にも乗れなくなり、理由もなく職を失い、逮捕され、ある日突然姿を消すというSF映画のようなことが、いま現実になっている。
時限立法として成立した「愛国者法」は恒久化され、2009年、オハマ大統領は「愛国者法」の第2条項の(政府が国民の金融取引記録と個人情報を入手できる幅)の拡大と、被疑者の通信機器に加えて周囲まで盗聴できる「ロービング・タップ法」の再延長を要請した。
『テロとの戦い』が始まり、軍事費が一気に5,000億ドルまで跳ね上がった時、政府の大義名分は「国民の安全保障」だった。
「愛国者法」に沿って、国の隅々まで政府が責任を持って監視し、テロリストやその関係者がいたら直ちに捕まえて適切な処分を行うという。
かくして9.11以降、政府の監視網に引っかかり疑いをかけられた人々が次々に逮捕されていった。
ブッシュ大統領は、テロ容疑者は戦争捕虜に関するジュネーブ条約の保護の対象外で、無期限に拘束できるとした。
容疑者は国際法で権利が守られる「戦争捕虜」ではなく、「敵性戦闘員」というカテゴリーに分けられる。
拷問は政府が雇った代理人によって行われ、請負人は外国人で、それもアメリカ以外の場所だから、アメリカの法律は適用されず、政府も軍も罪を問われない。
オバマ大統領はイリノイ州の上院議員時代、この法律に反対を表明していたが、大統領に就任すると変わってしまった。
そうした中、第2次世界大戦中に日系アメリカ人が強制収容された歴史を持つハワイ州は、「『愛国者法』反対決議」を州レベルで最初に採択している。」
(ここまで『アメリカから<自由>が消える』からの引用)
思想の自由、表現の自由の否定は、民主主義の否定そのものである。
日本の民主主義も危機に瀕しているが、民主主義の危機は日本だけのものでないようだ。私たちは日本における言論の自由を確実に守っていかなければならない。
売国者たちの末路 著者:副島 隆彦,植草 一秀 |
知られざる真実―勾留地にて― 著者:植草 一秀 |
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