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2010年7月21日 (水)

菅主導=官主導超緊縮財政が日本経済を破壊

参議院選挙が終わって10日間が経過したにもかかわらず、民主党はまだ選挙の総括も責任処理も終えることができない。
 
 菅首相は参議院選挙が菅政権に対する信認を問う選挙であることを明言していた。前回参院選で民主党は60議席を獲得した。参院過半数確保が必須であり、民主党単独なら60議席、与党過半数なら57議席が必要だった。
 
 ところが、菅首相は自身の続投を狙って勝敗ラインを54議席に引き下げた。
 
 しかし、民主党が獲得できたのは44議席だった。民主党惨敗であり、責任の明確化が求められるのは当然のことである。
 
 何かにつけて明確な責任を主張してきた人々が、突然、押し黙った行動を示し始めた。枝野幸男氏は他人の責任にうるさいが、自分自身の責任にはほおかむりしたままなのか。
 
 2人区2人擁立を批判する人々やマスゴミがあるが、民主党の2人区2人擁立は大きな成果をあげた。2人区での議席取りこぼしがなかった一方で、比例区得票の大幅上積みに成功したからだ。菅首相が消費税大増税公約を提示していなければ、民主党は大敗しなかったはずだ。
 
 菅直人首相、枝野幸男幹事長、玄葉光一郎政調会長、安住淳選挙対策委員長の責任は重大である。しかし、誰ひとりとして責任を明らかにせず、辞職しようともしない。
 
 9月までに時間がある。民主党は代表を交代させ、人心を一新して出直しを図るべきだ。
 
 参院選の総括も終えられないと、経済政策運営にも支障が生じる。2011年度予算編成がいよいよ始まるが、予算の大枠を決定する概算要求基準の設定でも問題が生じている。
 
 菅直人首相が主導した消費税大増税方針は財務省が主導したものである。この意味で、菅主導と官主導とは同義になっている。
 
 財務省は官僚利権に手を入れさせずに消費税大増税を実現することを狙っている。この企みを鳩山由紀夫前首相は封印した。大増税検討の前に、官僚利権を根絶することを明示した。
 
 財務省にとってこれほど目障りな方針はない。

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菅直人氏は財務相に就任し、総理大臣を狙うなかで、財務省の手のひらに完全に載せられた。
 
 財務省は国民生活など眼中にない。財務省の関心は財務省の利権のみであり、利権を維持するためには、国民から税を収奪することが何よりも大事なのである。官僚利権に手を入れずに消費税大増税に突き進む菅首相は財務省にとって最良の首相である。
 
 国政選挙のスケジュールを考慮すると、消費税増税の千載一遇のタイミングは2011年から2013年である。2010年7月の参院選から次の国政選挙まで丸3年の時間が空く。このタイミングで消費税大増税を実現することが財務省の至上課題だった。
 
 菅直人氏の消費税大増税公約は、財務省のこの狙いに沿う発言だった。
 
 ところが、この大増税公約提示により民主党が大敗したことで、財務省の消費税大増税プロジェクトに黄信号が灯った。
 
 民主党が参院選総括を行い、2013年までの消費税大増税実施を完全に否定すれば、このプロジェクトには完全に赤信号が灯る。
 
 財務省は完全な赤信号点灯を阻止しようと、水面下の工作を展開しているのだ。財務省の手先でもあるマスゴミも世論操作に加担している。
 
 そのひとつは、参院選で民主党は大敗したが、自民党は議席を増大させたのだから、消費税大増税路線に主権者はNOを突き付けていないとする論調の流布だ。
 
 日本テレビ「NEWSZERO」司会者村尾信尚氏の前職は財務省職員である。村尾氏は公共の電波を利用して財務省の主張流布に努めている。
 
 IMFが日本の財政問題を取り上げるが、IMFの日本デスク担当は、財務省から派遣された職員である。これも財務省の主張を流布しているにすぎない。
 
 菅直人首相は2011年度予算を緊縮予算にする方針を示しているが、現局面での緊縮予算編成は極めて大きな危険を伴う。日本経済を破壊した1997年度の緊縮財政、2000-2001年度の緊縮財政を繰り返す危険が非常に大きい。
 
 早期に参院選総括を実施すること。そのうえで、菅直人氏に退場願い、新しい首相を選出することが求められる。その際、同時に、対米隷属勢力に乗っ取られた政権の支配権を主権者国民勢力が奪還しなければならない。

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