祝W杯日本快勝と日本政治に求められるスター
FIFAワールドカップ南アフリカ大会で、日本が強敵デンマークに3-1で快勝し、見事に決勝リーグ進出を決めた。日本チームメンバーの活躍を心から祝福したい。
今回のワールドカップでは、大会直前の親善試合で日本が連敗したため、事前の期待が激しすぎなかったように感じられた。このことが、逆に本番での選手の気負いを和らげたのかも知れない。
サッカーの場合も、チーム内での意思の疎通、連携、相互の信頼関係が極めて重要だろう。デンマーク戦での日本選手の動きには際立った気負いも感じられず、ワールドカップという大舞台で選手が水を得た魚のように、伸び伸びと活躍していたのが印象的だった。
勝利は多くの関係者のたゆまぬ努力と研究の賜物であると思うが、やはり、中核として活躍している本田選手の貢献が大きいことは否めない。
卓越した技量を持ち、かつ、極度の緊張を強いられる大舞台で、その技量、力を確実に発揮できることが、本当の実力というものだろう。
有言実行で困難な大仕事を大舞台でやり遂げる人材を得たことが、日本の勝利をもたらした大きな一因であると思う。
私はサッカーのことに詳しくないが、もちろん、ポジションごとに重要な役割があり、日本代表の選手や監督、スタッフの人々が、それぞれに素晴らしい力を発揮したことが大きな成果に結び付いたのであろうことは言うまでもない。
ただ、サッカーの場合、獲得した得点の多さを競うゲームであるから、どれだけ華麗なプレーをしたところで、得点を重ねられなければ勝利を得ることはできない。
得点することにおける主力選手、中核選手の確実な活躍は、やはり勝利の決め手になることだろうと思う。
その中核の役割を見事に有言実行で果たした本田選手の実力と強運は極めて貴重なものであると思う。
経済が低迷し、政治が混乱する日本には、明るい話題が少ない日々が続いている。久しぶりにビッグな歓声が日本中に響き渡ったことは、大変喜ばしい。
日本の政治に、本田選手のようなスターが求められる。
有言実行でものごとをやり遂げる気概と実力を兼ね備えた人物の出現が待ち望まれる。
国民の生活が第一で、国民が主役の政治と言いながら、昨年8月の総選挙の際の政権公約を、党内協議もなく、主権者国民への説明もなく、一人で勝手に変えてしまう党代表、首相を国民が信頼できるはずがない。
参院選では、消費税問題が最重要争点に急浮上した。なぜなら、参院選で消費税大増税賛成勢力が過半数を獲得すれば、財務省はすべてを犠牲にしてでも一般庶民大増税を実施することが間違いないからだ。
1992年から2009年までに、消費税負担は約2倍に拡大した。
他方、この期間に法人税負担は約4分の1に軽減された。法人税は1990年度に18.4兆円もあったのが、2009年度にはわずか5.2兆円に減少した。
この実質大幅減税が実施されてきた法人税を菅政権はさらに減税すると主張している。
しかし、2007年11月の政府税調が発表した文書は、課税ベースや社会保障負担などを加味した企業の負担は、国際的に高いとは言えないとの結論を示している。政府公式見解として、日本の法人税負担は国際比較で高くないと公式発表しているのだ。
消費税率を5%ポイント引き上げると、その増税額は9-10兆円に達する。史上空前の一般庶民大増税を実行する見返りに、大型法人税減税が検討されているのだ。
これでは、大企業の負担を軽減するための庶民大増税になってしまう。
もうひとつ、見落とせないことは、100年に1度の金融津波であるサブプライム金融危機およびその後遺症が色濃く残り、2011年に向けて、経済下方リスクが極めて大きな局面で庶民大増税を強行実施することは、自爆テロ行為以外の何者でもない。
亡国の庶民大増税を確実に粉砕しなければならない。
また、鳩山前首相は、普天間基地移設先を「最低でも県外」にすると主権者国民に約束した。政府案を決める際には、米国の合意を取り付ける前に、地元住民の同意を確保するとも約束した。ところが、鳩山前首相は地元住民の同意を得ることなく米国の言いなりを意味する日米合意を発表してしまった。これが、鳩山首相が辞任しなければならなくなった最大の理由である。
したがって、菅首相に主権者国民の意思を尊重する考えがあるなら、菅首相は日米合意の仕切り直しから始めなければおかしいのだ。
鳩山前首相が国民と約束した、
「政府の無駄排除優先」
の方針を捨てて、
「大企業優遇=一般国民踏みつぶしの10兆円大増税」
を大きく掲げ、
沖縄問題には
「タッチしたくない」、
「沖縄は独立したほうがいい」
などと民主党議員につぶやいて、
「沖縄県民切り捨て=米国の言いなり」
を意味する日米合意尊重を主張する首相、党代表を、一体、どこの国民が支持するのだろうか。
主権者国民は庶民大増税を政府支出の無駄も排除せずに強行する政党に、決して投票してはならない。背徳の庶民大増税を確実に葬り去らねばならない。
そして、主権者国民が樹立した国民本位の政権にふさわしい真のリーダーを擁立しなければならない。
サッカー日本代表の本田選手のような、ここ一番の大勝負で、見事に力量を発揮できる、真の実力者をリーダーに掲げなければならない。大いなる力がなければ、米国を相手に日本の主張を堂々と展開することは不可能だからだ。
主権者国民の大きな仕事は、参院選後に真に国民を代表する、米官業の代理人ではない、国民の幸福を追求する政権を樹立すること、そして、その中核を担うリーダーを擁立することにある。この目標に向けたシナリオを確実に描いてゆかねばならない。
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売国者たちの末路 著者:副島 隆彦,植草 一秀 |
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知られざる真実―勾留地にて― 著者:植草 一秀 |
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