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2010年6月26日 (土)

不況下の消費税大増税に突き進む二大政党

6月25日金曜日、『金利・為替・株価特報』

2010年6月25日号=第111号を発行した。

巻頭タイトルは

「不況下の消費税大増税に突き進む二大政党」

である。

以下に目次を紹介させていただく。

<目次>

1.  【政策】党内協議のない民主党公約全面改定

2.  【政局】消費税・郵政改革で政界再編の可能性

3.  【グローバル】グロ-バルな緊縮財政圧力

4.  【米国】2009年景気回復の終焉

5.  【中国】中国経済の調整

6.  【株価】株価下落トレンドへの転換リスク

7.  【為替】通貨切り下げ競争の様相

8.  【金利】低金利持続と金価格上昇

9.  【投資】投資戦略

7月11日に実施される参議院選挙。

急きょ、最大の争点に消費税大増税が浮上した。

なぜ、消費税が最大の争点であるのか。

その理由は、この参院選で消費税増税を掲げた勢力が参議院過半数を確保すると、消費税増税を主権者国民が認めたとの解釈が一人歩きし、消費税増税が必ず実施されるからである。

衆議院の任期は2013年秋である。次の参院選は2013年7月である。このまま進めば、丸3年間、国政選挙がない。増税を決めてしまえば、次の国政選挙は増税実施からある程度の時間をおくことができる。

タイミングとしては2012年度中に消費税増税が実施される確率が圧倒的に高い。

消費税率が5%引き上げられると、約10兆円の増税になる。

他方、法人税減税が提案されている。

税収の実態を多くの主権者国民が知らずに、税制改革論議を聞かされている。

本ブログでは、繰り返し、税収推移グラフを提示する。

 

Photo

一般会計税収は、1990年度に60.1兆円あった。これが、2009年度、2010年度に37兆円にまで減少した。20年間で23兆円も税収が減少した。

経済規模を示すGDPは、1990年度が451.7兆円、2009年度が476.0兆円で、2009年度が1990年度を上回っている。

 税収を1990年度と2009年度(補正後)と比較すると、

所得税 26.0兆円 → 12.8兆円

法人税 18.4兆円 →  5.2兆円

消費税  4.6兆円 →  9.4兆円

である。

 法人税が1990年度と比較して4分の1程度にまで激減したのに対して、消費税は2倍強に増加した。消費税については1997年度に税率が3%から5%に引き上げられた。

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菅首相は消費税率を10%に引き上げる一方で、法人税を減税する方針を示している。

4分の1に減少した法人税を減税して、一般庶民に10兆円もの大増税を課すことが今回の国政選挙に際して示されていることを、真剣に考える必要がある。

この選挙で消費税大増税派が参議院で過半数を占めれば、財務省は必ず大増税を実施する。大増税が決定され、大増税が実行されてから後悔しても遅い。

繰り返し紹介するが、政府税制調査会は2007年11月に発表した、

「抜本的税制改革に向けた基本的考え方」

の17-18ページに、

「課税ベースも合わせた実質的な企業の税負担、さらに社会保険料を含む企業の負担の国際比較を行った試算において、我が国の企業負担は現状では国際的に見て必ずしも高い水準にはないという結果も得た」

と明記している。

つまり、「日本の法人税負担は国際比較でみて高くない」というのが、日本政府の公式見解なのである。

なぜ、国際比較で高くない法人税負担、過去17年間に4分の1に減少した法人税を減税して、一般庶民に重圧を与える消費税を大増税するのか。

その政党が大資本と癒着し、一般国民を軽視しているからに他ならない。

その政党はメディアを支配する大資本と癒着し、庶民大増税を推進する国民洗脳=情報工作を展開するのである。

菅直人氏が民主党代表に就任するまでの民主党の国民との契約は異なった。政府支出の無駄を排除することが先だと明言していた。2013年までの消費税増税の可能性を100%否定してきた。

新政権が実行した「事業仕分け」は、政府支出が無駄のかたまりである現実の片鱗を国民の前に示す結果をもたらした。

しかし、無駄の排除はほとんど進展していない。現段階では「学芸会」の域を出ていない。

天下りを根絶し、政府が支出する意味のない政府支出を完全に断ち切って初めて事業仕分けは成果を上げたと評価されるものだ。

ところが、民主党の天下り禁止は、まったくの骨抜きになっている。

「天下りあっせん」を禁止しても「天下り禁止」にはならないのだ。

「退職直前10年間に関与した企業、業界、団体には、退職後10年間は就職できない」

といった、客観的基準を設定した規制を設けなければ、天下りを根絶できない。

菅直人の菅から草冠を取ると、官直人になる。官の意向に素直な人間に成り下がってしまったのだろうか。

『金利・為替・株価特報』では、世界経済に迫りつつある巨大な暗い翳を詳述した。

このタイミングで大増税は自爆テロ行為である。

しかし、1996年、消費税増税を掲げた橋本政権は、反自民票が新進党と民主党に分裂した効果で衆議院多数議席を獲得して、大増税を実施した。

2001年の小泉政権について、私は超緊縮財政の方針が日本経済を破壊することを強く警告したが、メディアは小泉政権を礼賛し、7月の参院選に大勝した。

結果として、橋本政権の下で日本経済は1997-98年の金融危機に突入し、小泉政権の下で日本経済は2003年の金融危機に突入した。

「官の利権を守り」、「一般国民から搾取する」ことを是とする財務省は、日本経済が崩壊しようと、国民生活が崩壊しようと意に介さないのである。

市場原理主義者が乗っ取りを演じた民主党、消費税大増税を提唱してきた自民党、立ちあがれ日本などの勢力が台頭すれば、確実に庶民大増税が実施される。

主権者国民は、絶対にこの点を忘れてはならない。

日本の財政バランスを健全化することは重要な課題である。私が財政健全化が不必要だなどと主張したことは一度もない。

しかし、経済政策運営で何よりも重要なことは、正しい優先順位を設定することなのである。

経済政策において、いま政府が最重視すべき事項は、国民生活の安定である。国民生活の安定こそ、政府に与えられた最大の使命である。

また、国民に負担の増加を求める前に、政府支出の無駄を排除すべきことは当たり前のことである。政府支出の無駄を放置したまま、庶民大増税を提唱する者を信用するわけにはいかない。

他方、選挙のときだけ「政府の無駄排除」を口にしながら、実はそのようなことを実行する考えなど持ち合わせていない勢力も存在する。信用できない政治勢力が存在する点に十分な注意が必要だ。

多くの政治勢力が、「米国・官僚・大資本」の手先になっているのだ。この勢力を主権者国民が信用してはならないのだ。

主権者国民は、どの政党、どの人物が「米国・官僚・大資本」の手先でなく、真に一般国民の幸福を追求しているのかを見定めなければならない。

本年5月末までの政権与党勢力を支援して、参院選後にもう一度、主権者国民の意思を尊重する政権を樹立しなければならない。

まずは参院選で庶民大増税=大企業優遇減税に明確にNOの意思表示をしなければならない。

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