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2010年5月21日 (金)

「政治とカネ」新爆弾炸裂官房機密費受領問題

政治評論家の三宅久之氏は常に「政治とカネ」の問題が重要であると主張する。政治家たるもの、高い道徳を備えてなければならないと高邁な考えを披歴されている。

小沢一郎民主党幹事長が週刊誌報道で名誉を傷つけられたとして提起した民事訴訟で、その主張が認められなかったことを、あたかも小沢一郎氏が何かの犯罪で告発され裁判に敗れたかのような説明を示した。

裁判制度に詳しくない大多数の国民は、三宅氏の話を聞いて、小沢一郎氏が悪いことをして裁判で負けたかのような印象を持ったことだろう。しかし、事実はまったく違う。小沢氏は週刊誌が無責任な記事を掲載したことを放置せず、その責任を追及したのである。

しかし、十分な立証が裁判所に認められずに、損害賠償を獲得できなかっただけのことで、この場合、小沢氏は被害者ではあっても、犯罪者でも加害者でもない。

5月16日放送の読売テレビ番組「たかじんのそこまで言って委員会」で、三宅久之氏は官房機密費を藤波孝生官房長官(当時)から受領したことを自白した。三宅氏は藤波氏の講演を肩代わりして、その対価として(100万円を)受け取ったと説明し、官房機密費とは知らなかったと発言した。

この件は、「週刊フォーカス2000年5月31日号」が

「極秘メモ流出!内閣官房機密費をもらった政治評論家の名前」

と題する記事のなかで暴露したものである。

上記番組に出演した上杉隆氏は、三宅氏に対して名誉棄損などで出版社を訴えないのかと質問したが、三宅氏は「そんなことをしたってしょうがない」と回答した。

このような人物が、小沢一郎氏の民事訴訟について小沢氏を誹謗中傷するのは言語道断である。小沢氏は不当な週刊誌記事に対して民事提訴の行動を示したのである。民事提訴に踏み切るのは、問題に対する自信の表れである。

最終的に裁判所が、訴えが正当であるけれども、週刊誌側が記述した内容を真実だと考えたことには相応の根拠があると認める場合には、名誉棄損の損害を認めない場合がある。

記事執筆側が損害を賠償しなくてもよいのは、記事が正しかった場合だけではなく、記事は正しくないが記事を書いてしまうだけの状況が存在していた場合も含まれる。「真実」ではなくても「真実相当性」、すなわち、真実と思ってしまうだけの理由があった、場合にも、名誉毀損が認められないのである。この場合、人権を侵害された個人の憤りは救済されないわけで、不条理が残る。

三宅氏が「官房機密費受領」の記事によって、名誉を傷つけられたと言うのなら、堂々と名誉棄損の民事提訴を行えば良いのである。それを民事提訴もしない。しないというのではなく、「できない」とした方が正確だろう。

裁判を起こせば、関連事実がすべて明らかにされてしまうからだ。

講演の対価として100万円を受領しておきながら、その資金が官房機密費であったとは知らなかったとの発言は何を意味しているのか。

三宅氏が100万円の講演料を税務申告しているのであれば、税務署に誰からどのような費目で講演料を受領したのかを申告することになる。

それが、藤波孝生氏の個人事務所からのお金であるのか、内閣からのお金であるのかは、税務申告の際に必要な資料によって明白なはずだ。

この点を知らなかったと発言したことから、三宅氏が「脱税」した疑いが浮上する。

三宅氏は、そのような事務的なことは秘書が担当しているから本人が何から何まで把握できるものじゃないと、逆切れするかもしれないが、三宅氏は、鳩山総理大臣の政治資金問題について、どのように発言してきたか。

納税は国民の義務である。税務申告は本人の名の下に行われる行為である。それを一国の総理が「秘書に任せておいたので詳細を把握していない」は通らない。

納税すべきお金を納税していなかったのなら、これはれっきとした「脱税」である。

このように述べてきたのではないか。

三宅氏は、官房機密費は必要であり、新聞記者はだめだが評論家が官房機密費を受け取ることと一緒にされてはたまらない。官房機密費をもらって何が悪いと開き直った。

「政治は最高の道徳」であるとし、道徳を重んじる政治評論家の三宅久之氏は当該講演料の税務申告についての説明責任をまずは果たすべきだ。

「放送法」は条文のなかに政治的中立を明確に定めている。

政治権力がテレビに出演する評論家に利益を供与し、テレビ番組等での評論家による政府および与党に有利な発言を誘導してなら、これは大スキャンダルである。

言論人は、己の哲学と信念とに基づき、中立公正の立場から言論を提示する立場の者である。税金を財源とする官房機密費から利益供与を受けて、政府および与党に有利な発言を示すことは、魂をカネで売る行為である。言論人として政治についての論評をするなら、税金を財源とする公金を不透明に受け取ることは、少なくとも道義的に許されない。

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三宅久之氏は官房機密費を受領したことを認めるなら、直ちにテレビメディアでの活動を辞退するべきである。

このような人物が、「政治とカネ」の問題について講釈したところで、まともに聞こうと思う視聴者はいないだろう。

マスメディアは昨年来、「政治とカネ」の問題を最重要の課題として取り上げてきた。そのなかでのキーワードは「説明責任」だった。

それも、刑事訴訟手続きにより起訴された人物に対して説明責任を求めたのではなく、勝手に推測や憶測、あるいは創作によって疑惑を仕立て上げ、その疑惑をアドバルーンのように巨大に膨らませて連日連夜報道し、その疑惑を全面否定する当事者に対して、説明責任が果たされていないと繰り返し攻撃し続けてきたのだ。

2000年の「週刊フォーカス」に続いて、野中広務元官房長官が「官房機密費を言論人に配った」ことを明らかにした。また、週刊ポスト誌上では、平野貞夫元参院議員が、

「私は機密費で政治部記者の「酒と女」を世話した」

との告発を行っている。

マスメディアが最重要問題として取り上げてきた「政治とカネ」問題の、極めてホットな素材が提供されたのだから、マスメディアは競って、関連報道を展開するべきである。

疑惑のある人物は多数存在する。小沢一郎氏などは、記者会見などを開き、記者に対して質問が出尽くすまで丁寧に疑問に答えてきたにもかかわらず、根拠のない推測や憶測、あるいは創作による疑惑のイメージ報道が展開され、基本的人権を著しく侵害されてきた。

同様の手法を用いるなら、多くの言論人やタレントが、疑惑報道で真っ黒な印象を持たれることになるだろう。

無実の人間が不当に疑われることは良くないなら、なぜ、マスメディアは、緊急取材、アンケート、インタビューなどを実施しないのか。

疑いのある言論人およびタレントは、まず説明責任を果たすべきである。

政権交代が実現した意味を活かすために、鳩山政権は、過去に遡って、言論界に提供した官房機密費の詳細を公表するべきである。

三宅氏のように、テレビ番組では、高邁な発言を示し、一国の総理大臣を貶める発言を示しながら、その発言内容とまったく整合性が取れない行動を示している人物が相次いで明らかになるだろう。

世論調査の大好きなマスメディアは次のような質問を世論調査に盛り込むべきだ。

①官房機密費が評論家などに提供されていたことを元官房長官が明らかにしましたが、この問題の真相を究明すべきだと思いますか。

②税金を財源とする官房機密費を評論家などに提供することが適切な官房機密費の使い方だと思いますか。

③官房機密費を受け取ったとの疑惑を持たれている評論家などの言論人は、説明責任を果たすべきだと思いますか。

④官房機密費を受け取ったことを認めた評論家のテレビ等への出演を、各放送会社は控えるべきだと思いますか。

⑤最近のテレビ番組などにおける政治報道に政治的な偏りを感じることがありますか。

などだ。

「政治とカネ」の問題が重要だと言うなら、まずは、各テレビ局、新聞社の業務に直結する部分について、真相を究明するべきである。内閣が過去のすべての資料を全面開示してから慌てふためいても遅すぎる。

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