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2010年5月31日 (月)

政局動揺の裏側で世界経済危機が進行している

5月28日金曜日、『金利・為替・株価特報』2010年5月28日号=第109号を発行した。

巻頭タイトルは

「EUの経済政策能力が問われるユーロ危機」

である。

以下に目次を紹介させていただく。

<目次>

1.【政策】米国に押し切られた普天間問題

2.【政治】検察連続大失態の深層

3.【政局】参院選後の政局

4.【政策】増税で景気が良くなるという嘘

5.【株価】ユーロ危機は収束するか

6.【経済】世界恐慌の基本図式

7.【金利】遠のいた金利上昇

8.【地価】PBR1倍割れの解釈

9.【投資】投資戦略

鳩山総理は沖縄普天間基地移設地決定問題を政権の最重要課題に掲げた。本年5月末を決定期限と定め、「腹案」があり調整を進めていることを明言してきた。

昨年8月30日の総選挙で鳩山総理は「最低でも県外」と発言し、基地負担軽減を希望する沖縄の住民、国民は大いなる期待を持って対応してきた。

鳩山政権は主権者である国民との約束を守る必要があったが、鳩山総理は5月28日に記者会見を行い、沖縄県名護市辺野古地域に1800メートル滑走路を建設するとの、旧政権が米国と成立させた合意案とほぼ同じ案を日米政府共同での決定案として発表した。

鳩山総理は5月14日に、米国との同意よりも地元住民の同意を取り付けることを優先することを明言したが、結局、政府決定は米国との合意を優先させるものとなり、地元の意向は完全に無視された。

鳩山総理ならびに鳩山政権に対する主権者国民の信頼が失墜することは明白であり、鳩山政権は7月に予定される参院選で国民の厳しい審判を受けることになる。

参院選に前後して政局が一気に流動化する可能性が高い。

民主党内ではこれまでも小沢一郎氏支持の国会議員と反小沢一郎氏陣営の国会議員が対峙してきたが、鳩山政権が総選挙で厳しい現実に直面することと連動して、民主党内の政治抗争が一気に激化することが予想される。

政治を捉える際に重要なことは、政治を職業とする人々、政治屋と言ってよいのだが、政治屋が政治権力をめぐって争奪戦を繰り広げるのを、国民が観客として論じる、あるいは予想するのではなく、政治が本来主権者である国民のものであり、国民が望む政治を実現するために、主権者国民の代表者をどのように働かせるのかという視点である。

政治屋が上位にいて国民に政治状況を与えるのではなく、主権者国民が上位にいて、国民が政治家を代表者として活用して、国民のための政治を実現させるとの意識が重要である。

本来的に国民が政治の主役でなければならないのだが、残念ながらこれまでの日本ではそうではなかった。

日本では、長い間、米国、官僚、大資本が政治の実権を確保し続けてきた。政治屋とマスメディアはこの権力者の手先となって一般国民を支配する活動を続けてきた。

この構造を、根本から刷新しなければならない。そのためには、政界の大再編が必要である。この意味では、普天間問題を契機に政局が激動することにも一定の意義があると考える。

この問題については、稿を改めて論じる。

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さまざまな問題が次から次に起こるために、重要な問題がはっきりとした決着をつけられずに曖昧に処理されてしまう傾向が強い。

鳩山政権が実施した事業仕分けにしても、重要なことは、最終的にどの問題について、どのようなことが実現するのかである。

事業仕分けのテーブルが用意され、テレビカメラがやりとりを面白おかしく放映し、お茶の間談義の格好の素材を提供するが、結局、現実がほとんど何も変わらない、のでは、事業仕分けに何の意味もないことになる。

最初の事業仕分けの会場に使われた独立行政法人国立印刷局の四ツ谷体育館も事業仕分けの対象になった。しかし、印刷局が体育館をいつまでに売却するかについての最終決定を政府は国民に示したのかどうか。

パフォーマンスだけを提示するだけなら、やらない方が健全である。

昨年3月3日の小沢一郎氏公設第一秘書大久保隆規氏の逮捕・起訴は、その着地点によっては、極めて重大な問題に発展する。

この問題がなければ小沢一郎氏は昨年秋に内閣総理大臣に就任していたはずなのである。大久保氏逮捕が、もし、この政局を踏まえた政治的な謀略であったなら、その全容が明らかにされ、適正な責任処理が行われなければならない。政治謀略が日本の歴史を変えてしまっているのかも知れないのだ。

警察・検察・裁判所制度の近代化は、日本が抱える重大問題のひとつである。これらの問題を風化させず、ひとつひとつの問題に決着をつけてゆかねばならないのだ。

『金利・為替・株価特報』2010年5月28日号では、経済問題に紙面を割いた。ギリシャ財政危機を背景にユーロが急落し、世界同時株価下落が広がった。

世界経済は2008年から2009年にかけてサブプライム金融危機で揺れ動いた。各国政策当局の懸命の政策対応により、昨年春以降、金融市場の安定と経済の緩やかな回復が実現し、不安心理が後退しつつあった。

ところが、欧州の財政危機を契機に為替市場が激動し、世界的な同時株価下落が一気に広がってしまった。

日本では、ギリシャが財政赤字拡大で危機に直面したことを踏まえて、財政赤字縮小策の重要性が強調され始めている。鳩山内閣でも菅直人副総理兼財務相や仙谷由人国家戦略相、岡田克也外務相、前原誠司国交相などが、増税早期実施に積極的な考えを有していると見られている。

背後には、財政再建原理主義者の財務省が存在する。

本当に緊縮財政による財政再建が、いま最優先で実施すべき政策であるのか。

世界の主要国が経済政策運営を誤れば、世界経済が甚大な被害を蒙ることも十分に考えられる。サブプライム金融危機がわれわれに与えている重要な教訓は、金融市場の取引残高を突出して拡大させてしまうことが、世界経済を不安定にする主要原因になるということだ。

現在、この反省に立った金融規制が検討されているが、残念ながら現状では、まだまだ金融市場という名の巨大な尾っぽが、世界経済という体の本体を振り回す状況が存在したままである。

1929年の株価大暴落に端を発する世界大恐慌が深刻化した主因は、世界経済が縮小均衡の方向に突き進んだことにある。現在の経済政策論議のなかに、この危険の萌芽が潜んでいることを注意深く察知することが極めて重要である。

日本の経済政策論議では、2011年度予算編成における国債発行金額44.3兆円という基準に、この危険が端的に示されている。

人々の関心は政局の動揺に向ってしまいがちだが、2010年の各国経済政策運営は極めて重大な意味を持つことを認識しなければならない。

東京証券取引所第1部上場企業の株式益利回りは6%弱に上昇している。株価が大幅割安に置かれているか、先行きの激烈な経済悪化が警戒されているか、のどちらかということになる。

政治の主役は主権者国民であり、政治は主権者国民の幸福を目指すものでなければならない。

国民本位の政治が実現する体制が整えられると同時に、国民から政治運営を委ねられる為政者が、高い能力を持って、経済政策を適切に運営することが強く望まれている。

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