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2010年5月19日 (水)

参院選後政界再編の本命は民公連携にあり

米・官・業が支配する日本政治。この基本構造を刷新することが、政権交代に託された最大の課題である。

民主党を軸とする新政権は、この三つの課題実現に取り組んでいるが、まだ、十分な成果をあげていない。

_72 これまで日本政治を支配してきたのが「米官業政電の悪徳ペンタゴン」である。利権政党・利権政治家と御用マスメディアは、米官業の手先となって行動し、悪徳ペンタゴンによる日本政治支配構造を永年にわたって維持し続けてきた。

昨年8月30日の総選挙を通じて、日本史上、初めて民衆の力による政権が樹立された。この偉業を大切に育てて、日本政治を刷新しなければならないが、悪徳ペンタゴンは、これまでの利権政治復活を目指して、激しい抵抗を示している。

その手先として、最も激しい行動を示しているのが御用マスメディア=マスゴミである。

政権交代実現に最大の貢献をしたのが小沢一郎民主党幹事長と鳩山由紀夫総理大臣である。悪徳ペンタゴンは、利権政治復活に向けて、攻撃の標的を小沢一郎氏と鳩山由紀夫氏に定めた。

麻生太郎元首相は、日本に秘密警察組織を導入した吉田茂元首相の手法に倣い、官房副長官に元警察庁長官を就任させ、警察、検察勢力を活用した政治謀略を企てたのだと考えられる。

元参議院議員の平野貞夫氏が朝日ニュースターCS番組「ニュースの深層」で、森英介元法相が、昨年の三三事変を直接指揮したとの情報を得たことを公表した。

利権政治勢力は検察、マスゴミを総動員して、日本政治転覆を企てている。

昨年9月の鳩山政権発足以来のマスゴミによる鳩山政権攻撃は常軌を逸したものであると言わざるを得ない。

悪徳ペンタゴンは情報操作の暴力によって、何としても小沢一郎氏と鳩山由紀夫総理大臣の影響力を排除しようとしているが、小沢民主党幹事長も鳩山総理大臣も、こうした偏向報道に対して、見事な抵抗を示している。

悪徳ペンタゴンは、参院選結果を受けて、鳩山-小沢体制を打倒したいとの意向を有しているが、無血の平成維新をそう簡単に破壊されてはならない。

参議院の定員は242名である。122名が過半数になる。

各政党の非改選議席は以下の通り。

与党     67
民主     62
国民      3
社民      2

野党     55
自民     34
公明     10
共産      3
その他     8

与党が参院過半数を維持するためには、与党全体で55議席を確保することが必要になる。

参院選の改選議席数は121議席で、このうち選挙区が73、比例区が48である。

選挙区では、1人区が29、2人区が12、3人区が5、5人区が1である。

勝敗を決するのは29の1人区である。

前回2007年参院選では、29の1人区で与党である自民、公明は6議席しか獲得できなかった。1人区の敗北が直ちに参院選敗北につながる構造である。

この29の1人区では、民主党と自民党が一騎打ちを演じることになる。焦点は他の政党がどちらの候補者を支援するのかということになる。

一部の1人区選挙区では、民主、自民以外の政党が候補者を擁立するだろうが、1人区で勝利することは容易ではない。

雨後のタケノコのように、新党が相次いで創設されたが、1人区選挙区で、これらの新党が自民党候補者を支援するならば、これらの政党は「隠れ自民党」のレッテルを貼られることになる。

政権交代のよって刷新が目指されている、これまでの古い利権体質の日本政治構造を復活させようとする勢力の一部であることが証明されてしまうことになる。

「脱霞が関」だの、「脱金権政治」だのの看板を掲げながら、実体は利権政治復活を目指す勢力であることが判明してしまうことになるのだ。

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前回2007年参院選での比例区得票率を見ると、

民主   39.5%

自民   28.1%

公明   13.2%

共産    7.5%

社民    4.5%

新党日本  3.0%

国民    2.2%

だった。公明党が13.2%の得票率を確保したことが特記される。

民主党を軸とする現在の与党勢力が安定勢力を確保するために、最も有効な方法は民主党と公明党が連携することである。

公明党の非改選議席数は10議席ある。与党の非改選議席にこの10議席を加えると77議席になり、122の過半数に達するには、45議席を確保すれば良いことになる。

参院選前にこの方針が示されれば、組織に緩みが生じるから、政界の再編話は参院選後に持ち越しになるが、民公連携の可能性を踏まえれば、現政権の基盤が根底から揺らぐ可能性は大きくないと考えられる。

29の1人区で仮に公明党が民主党候補を支援するなら、民主党候補大敗の可能性が低下する。控えめに計算して、民主党が半分の選挙区で勝利するとして、2人区で10名、3人区で5名、5人区で2名、比例区で18議席を確保すれば民主党の獲得議席数は50議席に届く。

民公連携が実現すれば、参院の安定多数を確保することも可能になる。

利権政治復活を目指す悪徳ペンタゴンは現与党の参院選大敗を希望し、その希望的観測を懸命に流布しているが、現実の政治はそのような思惑通りには運ばない。

先般は、「衆参ダブル」などの話題が流布されたが、どこの間抜けな与党が圧倒的多数を確保する衆議院を任期1年足らずで解散すると云うのか。希望的観測を意図して流布し、与党がうっかり間違って解散に踏み切るとでも考えたのであろうか。

参院選後に生じる政界再編の可能性のなかで、もっとも可能性が高いのは、「民公連携」である。民公連携が実現した瞬間に、日本政治は安定性を一気に高めることになる。

参院選での単独過半数確保が難しいとすれば、民公連携は民主党にとって大きなメリットがある。また、公明党にとっては、与党陣営として政策主張を現実の政策運営に反映させることが可能になる。

この点を踏まえれば、民公連携が参院選後に表面化する確率はかなり高いと考えられる。

雨後のタケノコのように設立された新党の大半は、第二、第三、第四自民党である。自民党が主導してきた対米隷属、官僚主権、利権政治を復活させようとする勢力である。

政権交代によって実現しなければならない三つの政治課題

①対米隷属からの脱却

②官僚主権構造の打破

③大資本と政治権力の癒着排除

の実現は、参院選後に先送りされることになるが、こうした大事業は安定した政権基盤が確保されなければ実現することが難しい。

①対米隷属からの脱却、②官僚天下りの根絶、③企業団体献金の全面禁止、の三つの政権公約を確認したうえで、日本政治刷新を必ず実現させる勢力に参議院の安定多数を付与することが、日本政治刷新を実現させる道である。

利権政治復活を目指す悪徳ペンタゴンの一部である御用マスメディア=マスゴミの情報工作に惑わされることなく、日本政治刷新勢力に参院過半数を付与しなければならない。主権者国民はこの視点を忘れずに参院選に臨むべきである。

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