衝突をも辞さない覚悟がチキンゲームの必勝法
5月7日付記事
に、何人かの偏向言論人の氏名が抜けていたので補足する。
田崎史郎、渡部恒雄、青山繁晴、池上彰、屋山太郎、橋本五郎
などの面々だ。(補註)誤解がないように補足するが、5月7日付記事に記述したのは、鳩山政権が今後、官房機密費の使途公開に踏み切れば、御用言論人の実名が明らかになるであろうとの観測を示したもので、現時点ではまだ実名は公表されていない。ここに追記した人物名も、もちろん、政府が公表した実名ではなく、偏向発言が多い(と私が判断する)人物の指名を列挙しただけである。この点、誤解を招かないように追記しておく。(ここまで5月9日追記の補註)
鳩山政権は過去に官房機密費を受け取った御用言論人実名の公表に踏み切るべきである。
テレビ視聴者は「評論をカネで売る」=「魂をカネで売る」品性卑しい人物をテレビ画面から完全追放することを要求するべきである。
メディアの言論統制は小泉政権時代に急激に加速した。「カネで言論を買う」ことを推進した人物を特定し、「放送法」に反する問題として取り上げ、国会に参考人または証人として招致するべきである。
普天間問題の決着期限が迫っているが、情勢は誰の目にも明らかになってきた。
①自民党と米国は辺野古の海岸を破壊する滑走路建設で合意を結んだが、工事着工には沖縄県知事の許可が必要だった。
②沖縄県議会は知事が工事着工を許可すれば知事不信任案を可決する姿勢を示していたため、工事着工は実現する状況になかった。
③本年1月名護市長選が実施され、辺野古への移設を断固拒絶することを公約に掲げた候補者が当選した。
④鳩山総理は普天間の機能を、鹿児島県徳之島と名護市辺野古に分散して設置する提案を示したが、両地域ともに移設断固拒否を明示した。
⑤他方、北マリアナ諸島はテニアンの代替施設受け入れを日米両政府に提案している。
これらの客観情勢を踏まえれば、鳩山総理が日本政府の最終提案として、普天間代替施設を海外に移設する案を示すことが、もっとも合理的な選択ということになる。
この問題については、『ギャラリー酔いどれ』様が、ネットおよびネット外のさまざまな情報を網羅して紹介し、的確な見解を示し続けられてきてきた。
5月2日付記事では、元外交官の天木直人氏のブログ記事を紹介されたが、天木氏記述の核心部分を転載させていただく。
◆http://www.amakiblog.com/archives/2010/04/26/#001614
2010年04月26日
◎日米同盟を解消しないで下さいと米国に頼み込む外務官僚OB
日米同盟の将来を考える時、
どうしても知っておかなければならない事がいくつかある。
一つは米国にとって在日米軍を失う事は経済的に大きな損失であり、だからこそ、ちょっとやそっとの事では手放さないという事である。
二つ目には、米国が一番恐れ、弱いのは、ヤンキー・ゴー・ホームという国民の反米感情の高まりである。
三つ目には米国の為政者も国民も、日本の事をほとんど知らないということである。
四つ目には米国政府部内の意見は必ずしも一つではないということである。とくに国務省と国防総省の意見の対立は常に存在する。
これらの事を知っていたならば、昨日(4月25日)に行われた沖縄の普天間反対9万人の県民大会とそれを一斉に大きく伝えた今日(4月26日)の報道は、重要な意味を持つことがわかる。
この集会を生かすも殺すも日本次第なのだ。
鳩山首相は言うに及ばず、もし日本の指導者たちが沖縄県民の声を背にして、米国に米軍基地の県外移設を本気で求めるなら、
そしてその事を、米国の国民や米国内の良識ある政治家たちを味方につけて、米国政府や米国議会に働きかける外交を展開するのなら、
困難と思える沖縄県外移設であっても実現できる可能性は出てくる。
県外移転は取りも直さず国外移転に発展していく。
そして米軍基地の国外移転は日米同盟の解消につながる。
それにもかかわらずそれが実現しないのは、決して米国の反対があるからではない。
日本の指導者たちがそれをやろうとしないからだ。
それどころか日米同盟を米国の方から解消するなどとお願いだから言い出さないでくれと頼み込んできたからだ。
それを見事に証明している記事を4月21日の産経「正論」に見つけた。
岡崎久彦外務省OBは普天間基地移設問題に関しこう書いている。
「・・・最近の米軍普天間飛行場の移設問題をめぐる日米間の摩擦は、どう決着するかは見通しもつかない・・・(だから)私も、最近の論説では、事態の解決策などは提案せず、もっぱらアメリカ側に対して、日米同盟は、これを損なうにはあまりにも惜しい日米共通の財産であるから、短気を起こさずに忍耐を持って見守って欲しい、と訴えているだけである・・・」
これ以上の動かぬ証拠はない。
日本のほうから「日米同盟を解消しないで下さい」と米国にお願いしているのだ。
日米同盟が無くなれば自分の言論活動の根拠がなくなるからである。
(ここまで『酔いどれギャラリー』様における天木直人氏公式ブログからの紹介記事の転載)
日米同盟をどうすべきかについては意見が分かれるだろう。しかし、日本の主権者の声を尊重して、鳩山総理が米国に対して海外移設を求めることは、合理性を備えていることがより明確になってきている。
他方、4月20日、NPJ(News for the People in Japan)主催のシンポジウム「どうなる日本?どうする日本?」でコーディネーターを務めて下さった弁護士兼山梨学院大学法科大学院教授の梓澤和幸先生が、HPに「普天間返還を実現できる主体を」と題する貴重な論考を掲載された。
全文は梓澤氏のブログをご訪問賜りたいが、問題の核心を突いておられる部分を抜粋して転載させていただく。
「普天間基地は海兵隊の拠点であり、それ以外の機能は付け足しである。防衛問題に詳しい半田滋氏(東京新聞編集委員)から、シンポの席上で確認した。
海兵隊はイラク、アフガンにも派遣され、世界の津波地震被災地などの軍事外交、民生支援などの機能をも併せ持つ軍隊である(砂上の同盟 屋良朝博 沖縄タイムズ社)。
すなわち、日本の安全保障のためでなく、アメリカの世界戦略のために機動する部隊なのである。
海兵隊が日本列島にいなければならない軍事上の必然性はない。
アメリカから見て、北朝鮮のミサイル射程2000キロの外にあるグアム島の方が防衛上も有利であろう。(半田氏のコメント)
もともと普天間移転の合意は、海兵隊の部隊員による少女暴行ほかによる沖縄の反基地感情への対策という意味をもって浮上した。沖縄国際大学へのヘリコプター突入事故もこれを加速した。
アメリカの沖縄基地維持、在日米軍基地維持の要求からアメリカの利益をも考慮して普天間移設の日米合意が成立したのである。
その移転先候補の辺野古の自治体首長に反対派が選出され、他の国内移設候補地徳之島も拒否。その他国内のどこもだめというのなら、グアムかテニアンしかないではないか。
鳩山政権は外交上アメリカに対して、この提言をすべきなのは明らかである。
ただし、これが現与党の有力な支持基盤を構成する保守的な世論の反発をうけ、メディアも心配する日米同盟維持にとってのリスクになるというのであれば、政権は動けない。主観的な好悪をこえてリアリテイーを見ればそうなる。鳩山首相の発言の迷走の真実はこの辺への危惧なのであろう。社民、共産支持者以外の多数の人々が、あるいは、社民、共産の支持者も含めて内面がはっきり固まらないのは、「そんな破天荒なこと言って通りっこないよ」「言うだけなら簡単だが、外交には相手があるのだから」 という論調も多いのかもしれない。
(中略)
そもそも2005年に行われた米軍再編(全世界規模)では、反基地感情が多い箇所の基地は廃止し、コストのかかる在外基地は縮小する、という思想が基本に流れていた。この考えに着目すべきである。普天間基地(海兵隊)をどうしても沖縄におかねばならぬという軍事的な理由や価値はない。日本列島におく不可避の理由もない。アメリカにとってそれほどの価値もない普天間(海兵隊)を海外に移転させなければ、日本全体の基地を維持すること自体がリスクにさらされる、という利益衡量にアメリカを追い込むことが大切なのだ。そのバランシング思考によってはじめてアメリカは重い腰を持ち上げるのだ。
だとすれば、日本全体が沖縄と同じように海兵隊はどこにも来ても受け入れない、というように意思表示すること、つまり、基地維持の基盤の不安定性を示すことが大切なのだと思う。
徳之島の動きはその意味で注目された。
その背景があるとき、政権の「グアム、テニアンへ」 という要求は迫力をもち、堂々の外交交渉が実現できるはずだ。」
(後略)
後段の、
「アメリカにとってそれほどの価値もない普天間(海兵隊)を海外に移転させなければ、日本全体の基地を維持すること自体がリスクにさらされる、という利益衡量にアメリカを追い込むことが大切なのだ。そのバランシング思考によってはじめてアメリカは重い腰を持ち上げるのだ。」
の指摘に着目いただきたい。まさに正鵠を射た指摘である。
鳩山由紀夫総理は1957年以降の歴代政権のなかで、初めて「米国にモノを言う」姿勢を示した総理大臣である。その行動が激しい政権攻撃を招いている根本原因であることを的確に洞察しなければならない。
国民が鳩山政権を支援して、基地の海外移転を全面的にサポートしなければ、日本が対米隷属国家から抜け出すことは不可能である。
鳩山総理は満を持して、乾坤一擲の勝負に出るべきだ。CIAの手先であるマスメディアは鳩山政権攻撃を激化させるだろうが、草の根の主権者の声を拡大して、対米隷属勢力と闘わねばならない。
われわれはいま独立戦争のただななにいる。このことを自覚しなければならない。
売国者たちの末路 著者:副島 隆彦,植草 一秀 |
知られざる真実―勾留地にて― 著者:植草 一秀 |
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