悪徳ペンタゴンとの最終決戦へ主権者の心構え
悪徳ペンタゴンとの決戦がいよいよ終盤戦に突入した。
CIA=日テレ・テレビ朝日・文藝春秋の鳩山政権攻撃がすさまじいが、黒い背景を背負った情報操作であることを見抜けば、その威力は急激に低下する。
カネで魂を売った御用芸人と御用評論家がテレビ画面を跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)し、マスメディアはあらかじめ結果を決めた世論調査を頻繁に発表して、国民の頭への歪んだ情報の刷り込みに余念がない。
主権者国民は昨年8月の総選挙で、念願の政権を手にしたのである。わずか半年でこの権力を悪徳ペンタゴンに引き渡すわけにはいかない。
これまで、この国の政治は、米国、官僚、大資本に支配され続けてきた。
この三大勢力の手先として動いてきたのが、利権政治屋とマスゴミである。
利権政治屋は「カネのために政治家業を営む人々」であり、多くが世襲である。カネの入手先の中心は「企業献金」である。したがって、利権政治屋は「企業献金全面禁止」に絶対に賛成しない。
政治を職業としている人々を、利権政治屋とそれ以外に分類できるが、最も明確な分類基準は、企業献金全面禁止に賛成か反対かである。身近に政治家がいるなら、この質問をぶつけてみるがよい。無条件に賛成する人物は利権政治屋ではない。賛成しない人物は利権政治屋と見てまず間違いない。
日本の政治改革の出発点を、「利権政治屋の一掃」とするべきである。
雨後のタケノコのように新党が次から次へと設立されて、「我こそは改革派」だと宣伝するが、これらの新党を「利権政党」と「非利権政党」とにはっきり分類しなければならない。
分類方法は極めて単純明快だ。企業団体献金全面禁止を必ず実現するかどうかを尋ねればよい。必ず実現することを公約に掲げる政党は「非利権政党」、公約に掲げることのできない政党は「利権政党」である。
新党が乱立し、皆が綺麗ごとを並べるから、主権者国民には何が何だか分からない状況が生まれている。政治の市場(いちば)に本物からまがいものまでが、区別がつかない形で並んでいる。しかし、主権者国民はこのなかから、政治を託す人物、政治を託す政党を選ばねばならないのである。
選ぶ基準がいくつもあるが、私が提案しているのは、まず、日本政治から「利権政治屋」を一掃することを優先しようというものだ。
そのための方法は、「企業団体献金全面禁止を必ず実現するのかどうか」を、選挙での投票の第一番目の基準にするのだ。
「みんなの党」も横浜市行政を無責任に放り出した中田宏氏などが立ち上げた「日本創新党」とやらも、この基準に照らせばまがいものであろう。
企業団体献金全面禁止を実現すれば、必ず日本政治は劇的に変化する。その理由は「カネ」のために政治を職業とする輩が消えるからだ。
あとふたつ、日本政治を歪めてきたのが米国と官僚である。
普天間基地問題でも、何から何まで米国の顔色を窺うのが一番だと勘違いしているメディアばかりだ。日本にある基地の移設問題で、決定権を持つのは日本である。「同意が必要」というが、一番重要なのは日本政府の意思だ。
米国は日本政府が米国の言いなりならなければ、その怒りを幼稚に表に出す。その行動にいちいちおろおろするから、米国が勘違いするのである。
日本は独立国としての矜持を持たねばならない。
米国に隷属する卑屈な姿勢だけを貫くお粗末なマスメディアを一喝する必要があるのだ。米国との対立をも辞さずに、米国に対して言うべきことをきちんと言う政治が求められている。
日本は核兵器を放棄しているが、核を持たなくとも、日本の安全を日本の力で守る選択肢はある。日米同盟はひとつの選択肢であって、日本がすがらなければならない前提条件ではない。
もうひとつの支配権力が官僚だ。鳩山政権は脱官僚を掲げていたにもかかわらず、これまでのところは、完全に官僚機構に取り込まれてしまっている。鳩山総理官邸の官僚色があまりに強くなっていることが大きな原因だろう。
また、脱官僚を強く主張してきた菅直人財務相の行動が、急激に財務官僚寄りにシフトしているように見えることも大きな問題だ。
菅直人財務相は、まず手始めに、政策投資銀行、国際協力銀行、日本政策金融公庫への財務省からの天下りを断ち切るべきだ。同時に、民間銀行への300人にのぼる天下りを、今後は一切認めないことを明言するべきである。
霞が関の中核である財務省の天下りを切れない限り、絶対に天下り根絶は実現しない。
米国に言うべきことを言うこと、霞が関天下り利権を本当に根絶すること、これが、日本政治刷新の最重要条件である。
鳩山政権は、この三点についての方針を明確にしたうえで、悪徳ペンタゴンとの最終決戦になる本年夏の参院選に臨むべきである。
この方針が明確に示されるなら、日本政治刷新を求める主権者国民は現政権の参院選勝利を全面的に誘導しなければならない。
まずは、鳩山政権に企業献金全面禁止を必ず実現することを確約してもらわねばならない。21世紀臨調が新しい提案をまとめたようだが、企業団体献金全面禁止を骨抜きにする提案を示すなら、このような性格が不透明な組織は解散するべきであろう。
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売国者たちの末路 著者:副島 隆彦,植草 一秀 |
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知られざる真実―勾留地にて― 著者:植草 一秀 |
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