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2010年3月29日 (月)

主権者である私たち国民が選ぶべき道

郵政改革案をめぐって鳩山政権内部での意見の乱れが表面化し、メディアに格好の攻撃材料を与えてしまっている。鳩山総理はこのような局面でこそリーダーシップを発揮して、内閣としての統一見解を早急に国民に示す必要がある。

メディアは2005年9月の総選挙で民主党がゆうちょ限度額の引き下げを主張していたことと今回の限度額引き上げの矛盾を指摘するが、2005年9月と2010年3月とでは、まったく状況が異なっていることを無視すべきでない。この点を無視した論議は、鳩山政権を批判するための論議にすぎないと言わざるを得ない。

小泉竹中郵政改革が欺瞞に満ちたもので、国民の利益ではなく米国や一部の政商にだけ巨大な利益を供与するものであったことについては、本ブログの

竹中金融行政の闇

郵政民営化・郵政利権化(1)

郵政民営化・郵政利権化(2)

かんぽの宿(1)

かんぽの宿(2)

かんぽの宿(3)

西川善文日本郵政社長解任

の各カテゴリー記事、ならびに3月26日付記事

合理性と正当性を備える鳩山政権の郵政改革案

3月28日付記事

鳩山総理は直ちに郵政改革案の統一を図るべき

などを参照いただきたい。

小泉・竹中郵政改革が、巨大な国民財産を不正に、そして不当に外国資本や特定の政商に収奪させることを目的に仕組まれたものであったとの疑惑は、もはや疑惑と呼ぶ段階を超えている。

かんぽの宿疑惑では、すでに刑事告発もなされているが、腐り切った、そして米国の手先となっていると見られる検察は、この重大事件をまったく捜査しようともしていないようである。

参院選で鳩山政権の政権基盤が盤石になれば、こうした巨大疑惑にメスを入れることが可能になる。逆に言えば後ろ暗い勢力は、断末魔の叫びをあげて必死に参院選での鳩山政権敗北に向けて工作活動を展開しているのだ。

国民新党がリーダーシップを発揮して、

①かんぽの宿売却を凍結したこと

②株式売却について仕切り直ししたこと

③国民の利益を基準に郵政改革のあるべき方向を再検討したこと

を高く評価すべきだ。

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「かんぽの宿」売却について会計検査院が報告書をまとめたが、きわめて歪んだ政府資産横流しが画策されていた実態が改めて明確に示された。日本郵政を擁護してきた御用人らの歪みも同時に明らかにされたわけだ。

鳩山政権の支持率が下落した最大の背景は、政治とカネの問題を材料にマスゴミが集中豪雨のように鳩山政権を攻撃してきたことにある。

マスゴミは口を開ければ、小沢幹事長の辞任を求める声が国民の4分の3にも達していると言うが、国民全員に聞いたのでもないのに、嘘八百を並べるなというのが、常識ある者の感想だろう。

亀井静香金融相は、「メディアが毎日毎日、小沢が悪い小沢が悪いと騒いでおいて意見を聞くんだから、そんな調査結果になるのは当然だ」と発言するが、正鵠を射た指摘だ。

マスゴミに身を置く者のなかに、正義や公正を重んじる人物がもう少し存在していてもよいと思うが、そのような人材が枯渇しつつあるところに、マスコミがマスゴミと呼ばれてしまう原因がある。

「政治とカネ」の問題を断ち切るには、企業団体献金を全面禁止するのが何よりも有効である。小沢一郎幹事長が「企業団体献金の全面禁止」提案をぶつけたことに対して、説得力ある批判を示せる者はいない。

利権複合体=悪徳ペンタゴンは「政治とカネ」問題の根本的浄化を望んでいない。彼らは、これまで同様にカネの力にモノを言わせて利権政治を維持することを目的として行動している。鳩山政権が日本の利権政治構造を破壊しようとしているのに対し、彼らは鳩山政権をつぶすことによって利権政治を温存しようと考えているのだ。

マスゴミを含む利権複合体=悪徳ペンタゴンにとって、企業団体献金全面禁止は呑むことのできない提案なのだ。日本経済新聞、産経新聞、読売新聞が企業献金全面禁止に反対の姿勢を示していることは喜劇としか言いようがない。

彼らは懸命に、政治とカネの問題を解決するうえでの「企業団体献金全面禁止」の意味を希薄化しようと無理な情報誘導を展開している。

日本政治を特定勢力に私物化された状態から解き放ち、国民のための存在に変革することが政権交代の目的である。これまでの日本政治は、官僚、大資本、米国に利益を提供するためのものだった。これらの勢力に便宜を図る政治屋がカネを目的に行動してきたのが、これまでの日本政治の実態だ。

特定勢力の利益のために政治を運営するには、一般国民を騙さねばならない。一般国民を騙すうえで欠くことのできない存在が、政治に支配される走狗としてのマスメディア=マスゴミだった。このマスゴミが跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)しているのがいまの日本のマスメディア情報空間である。

主権者国民にとっては、国民のための政治を実現する主体は誰でもよい。民主党でなければならないことはない。

だが、いまの政治状況のなかでは、主権者である国民が思いを託せるのは鳩山政権与党しかない。

民主党のなかに悪徳ペンタゴンと連携する人々が存在するのは事実と思われる。「みんなの党」は、うっかりすれば主権者国民の声を代表しているように見えてしまう面があるかも知れない。

しかし、これまで本ブログで論述してきたように、「みんなの党」はまがいものであって、国民のための政治実現を希求する国民は決して「みんなの党」を支援してはならないと思う。また、民主党では、可能であれば、悪徳ペンタゴンと連携する人々に離党してもらい、純粋に悪徳ペンタゴンと対決する政党に脱皮してもらいたいと思う。

それでも忘れてならないことは、現実のなかからしか選択できないということだ。この点を踏まえれば、民主党を中核とする現在の政権与党を支援し、この勢力を正しい方向に誘導してゆくしか道はないのだと思う。

民主党は議席が多いが、参議院の事情で社会民主党、国民新党の力を得て初めて政権を樹立することができたのだ。この原点を忘れて、少数勢力の政党をのさばりすぎると批判するのでは、奢れる平家になってしまう。

日本経済の二番底突入を回避しつつある鳩山政権であるが、国民新党が補正予算編成で強力なリーダーシップを発揮していなかったなら、いまごろは株価暴落と景気二番底で政権が真正危機に直面していたはずだ。

菅直人財務相は副総理も兼務しているのだから、もう少し、現実がよく見えていなければならないように思われる。

問題は山積しているが、日本政治刷新を求める主権者国民は、鳩山政権を支えつつ、鳩山政権が方向を誤らないようにしっかり誘導しなければならない。

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