辞任が必要なのは小沢一郎氏でなく前原誠司氏
昨年8月30日の総選挙を通じて政権交代の大業を成し遂げた主役は私たち主権者国民である。主権者国民による政権奪取を実現させた最大の功労者は民主党の小沢一郎氏と鳩山由紀夫総理大臣である。
2006年4月、民主党は解党の危機に直面した。岡田克也氏が民主党代表として2005年9月の総選挙を指揮したが、えせ改革の小泉政権に対して的確な戦術を示すことができなかった。小泉政権の市場原理主義、官僚利権温存、対米隷属主義を糾弾し、えせ改革の象徴である郵政民営化を糾弾しなければならなかった。
私は岡田氏に信書を送り、民主党が示すべき三つの方針を提言したが、岡田氏はまったく聞く耳を持たなかった。
岡田氏の後継代表に就任したのが前原誠司氏であった。2006年の通常国会、小泉政権は耐震構造偽装、ホリエモン逮捕、輸入牛肉危険部位混入、防衛施設庁汚職の4点セットで追い詰められていた。
ところが前原民主党は偽メール事件で自爆してしまった。民主党は解党の危機に立たされたのである。
この危機に代表の重責を担ったのが小沢一郎氏である。
小沢代表は小沢-鳩山-菅のトロイカ体制を構築し、民主党大躍進の体制を整えた。私は民主党のトロイカ体制構築を歓迎した。
2006年4月の衆院千葉7区補選、2007年7月の参院選に勝利を収め、総選挙での政権奪取に向けて民主党は躍進した。
この間、自民党からは2007年秋に大連立の呼び掛け、2008年春には日銀総裁人事での揺さぶり、2008年秋には民主党代表選をめぐってのゆさぶりの工作活動が展開された。いずれも最大の脅威である小沢一郎氏の影響力を低下させるための工作活動だった。
小沢民主党は粘り強さを発揮してこれらの工作活動を跳ね返した。
このなかで、進退窮まった悪徳ペンタゴン勢力は、ついに検察権力の不正利用に動いた。昨年の三三事変、厚生労働省村木局長冤罪事件、一一五事変の工作活動が相次いで展開された。
さらに、北海道の教職員組合にまで魔手が伸びている。
小沢-鳩山-菅のトロイカ体制は、「国民生活が第一」をスローガンに掲げ、①セーフティネット強化、②官僚利権根絶、③対米隷属からの脱却、の方針を明確に掲げて新しい政治を構築し始めている。
昨年来の検察の行動が常軌を逸した暴走であることは、これまでの事実関係から明らかである。悪徳ペンタゴンは日本政治の刷新を実行しようとする民主党トロイカ体制を破壊するために、不正に検察権力を利用し、また、悪徳ペンタゴンの走狗であるマスメディアが民主党トロイカ体制を攻撃する情報操作を展開しているのである。
主権者国民の視点に立ち、検察の腐敗と暴走を阻止しようとする立場からは、検察擁護の発言は生まれない。
前原氏の発言は民主党執行部を不正で不当な方法により攻撃する腐敗した検察を擁護するものであり、政権交代の大業を成就させた主権者国民として看過できないものである。
前原氏の言動は悪徳ペンタゴンと連携したものであると見なさざるを得ない。すべての決定権は主権者である国民にある。辞任すべきは小沢一郎氏ではなく前原誠司氏である。
市場原理主義、官僚利権温存、対米隷属を政策の基本に位置付けるなら、民主党を離党して偽装改革勢力である「みんなの党」と合流するべきである。
民主党内に偽装CHANGE勢力が潜み、民主党の破壊活動を展開することを、政権交代を実現させた主権者はまったく希望していない。
私は民主党元参院議員の平野貞夫氏、作家の宮崎学氏と2006年3月に鼎談を行った。鼎談の内容は講談社サイト「MOURA」内「直言」に6回連載で掲載された。
この鼎談のなかで、すでに民主党の前原誠司氏、渡部恒三氏に対する極めて深刻な疑惑が明示されている。前原氏と渡部氏が自民別働隊として行動してきたとの疑惑である。
主権者国民による主権者国民のための政権確立を希求する主権者国民は、民主党内反党分子の存在を容認しない。これらの人物が離党しないなら、党の方針としてこれらの人物を除名すべきであると考える。
すでに、「ライジング・サン(甦る日本)」様が紹介くださっているが、平野貞夫氏が2006年4月11日付の「直言」サイトに
と題するコラムを掲載されている。
私は「直言」サイトに、
2006年4月11日
第5回「日本の政治に一筋の黎明が見えた」
2006年4月26日
第6回「民主党が提示すべき三つの主張」
を掲載した。平野氏の論考と併せてご高覧賜りたい。
ここでは、平野氏の記述を転載させていただく。
「偽メールで混迷した民主党は、4月7日の両院議員総会で『小沢一郎』を新代表に選んだ。30年間政治的同志として活動した私としては、これで自民党の異常政治に歯止めをかけることができると、少しホッとしている。
「私も変わる。民主党も変わろう」と小沢一郎が代表選で呼びかけた。WBCでのイチローの変身にあやかろうというのか。一郎の変身も期待する。
そこで、民主党のどこを変えるべきか「直言」する。若手議員の諸君に申す。
君達は「理屈あって常識なし」だ。「政治家である前に人間であれ」という、私の恩師、前尾繁三郎元衆院議長の遺言を噛みしめろと言いたい。京都の出身だ。京都を選挙区とする衆参両院の若手議員に特に言っておく。
人間の涙、汗、血の匂いを知り、人間としての謙虚さを身につけろ。それを学ぼうという感性があれば、メール事件など起こらない。
ところで、民主党の問題点の本質は若手議員にあるのではない。ベテラン議員のごく一部にガンがあるのだ。具体的に「直言」しておく。「黄門さん」を自称している老人が、前原体制のつっかえ棒として登場。東北弁で国民的人気者になりかけた。これが『偽黄門』であることを、民主党もマスコミも見抜けないから困ったものだ。
私が衆院事務局時代、昭和50年~60年代にかけて、信用できない危険な国会議員五人組の一人だった。当時、国会運営の事務責任者であった私は、消費税やリクルート事件などで、さんざん煮え湯を飲まされた。他人を笑わせても、自分の眼は笑っていない怪人だ。
小沢新代表が、自民党を出て新生党を結成したとき、ポストをあてにしてついてきただけだ。「君らの改革の意味がわからん」というので、特別講習をしたところ、「よけいわからん」というレベルの政治家だ。
衆院副議長になったときも、「平野の知恵で祭り上げられた。新進党で文句を言わさないためだ」と、わめきたてられた。そのくせ居心地が良くなると、交代時期に同志の石井一氏を蹴落とすため、自民党の妖怪野中広務氏まで利用したといわれる人物だ。マスコミも「偽黄門」だと知っていて、秘密をもらす貴重な人物として大事にするという、日本の民主政治を堕落させる存在なのだ。それまで小沢改革が成功しそうになると、人格攻撃をくりひろげ、足を引っぱってきたのが『偽黄門』の正体だ。
今回の代表選挙でも、鳩山幹事長の常識的な話し合いを「談合、談合」とわめきたてた。健全な話し合いを重ね一本化して挙党体制をつくるのも選挙の一方法である。投票となれば「小沢一郎は逃げる」と深読みして、偽黄門に代表がまわってくると計算していたに違いない。ところが「一郎は変身」していたのだ。鳩山会館の観桜会での異様なはしゃぎぶりに、不信感を持った国民は多い。
この『偽黄門』をそそのかした民主党の妖怪についても、ふれておかなければならない。狸で有名な徳島の出身なので『阿波狸』と名づけておこう。聞くところによれば、その筋が仕事の背景を調べていて、官邸がその情報を握っているとのこと。「小沢代表を阻止すべし」という阿吽の呼吸で、さまざまな謀略を展開したという情報がある。真偽の程はこれからだ。
民主党の若手議員の中には、指導さえ良ければ立派に育つ素質をもった優れた人材も多くいる。問題は『偽黄門』や『阿波狸』のような存在だ。マスコミや有識者は知って知らぬふりをしている。この輩が、今回の代表選でも外なる敵と共鳴していた可能性がある。田中真紀子氏が指摘するとおりだ。
民主党が政権交代できる政党として、自立するためには、相当な大手術が必要である。」
(ここまで転載)
「偽黄門」とは渡部恒三氏のことだ。京都出身の衆参議員のなかに、前原誠司氏、松井孝治氏がいる。松井氏は私の大学時代のクラスメートで同じクラスメートであった村上世彰氏からの資金支援が一時問題にされた。
本年夏の参院選に向けて党が結束して、国民に真実を訴えてゆかねばならぬときに、悪徳ペンタゴンの意向を受けた行動を展開する反党分子を放置してはならない。主権者である国民が前原誠司氏の更迭、除名を求める国民運動を展開する必要が生じ始めている。
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売国者たちの末路 著者:副島 隆彦,植草 一秀 |
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知られざる真実―勾留地にて― 著者:植草 一秀 |
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