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2010年3月 8日 (月)

景気基地カネ可視化4Kで反撃開始の鳩山政権

4Kとは景気、基地、カネ、可視化のこと。

自民党は今次通常国会で、可視化を除く3Kで民主党および鳩山政権を追い詰めようと考えた。自民党・悪徳ペンタゴンは本年夏の参院選に照準を合わせ、最重要の目標として小沢一郎民主党幹事長の辞任、鳩山内閣の総辞職を設定した。

検察とメディアを総動員して「カネ」の問題を「鳩山総理と小沢幹事長」の問題であるように国民に伝える。国民は「政治とカネ」問題の浄化を期待している。しかし、国民が国会での十分な審議を求めているのは、「政治とカネ」ではなく、国民生活である。

鳩山政権は沖縄辺野古の海岸を破壊する海上滑走路建設に反対の意向を表明した。自民党政権が米国と合意を作ってしまい、辺野古にV字形滑走路を建設することを決めてしまった。だが、工事の実施には県知事の許可が必要だ。県議会が知事に対する不信任決議を実行することを視野に入れれば、海上滑走路建設は簡単には実現しない。

自民党の決定の落とし穴は、この点についての対応が甘かったことだ。鳩山政権は日米合意見直しという大胆な試みにチャレンジしている。とはいえ、日米合意は自民党政権の置き土産とは言っても、外交問題であり「継続性」を否定するわけにはいかない。

本年5月に期限を定めたが、短期間にウルトラCを出すことはもとより困難である。辺野古の美しい海岸を破壊するV字形滑走路建設案が日本サイドから提示された背景に、巨大建設工事に絡むゼネコン利権が存在したと言われている。

基地の海外移転、県外移転が実現しなくても、海上滑走路建設を中止できれば大きな前進であると考えるべきである。

もとより、普天間基地移設問題はヘリコプター離着陸施設の移設問題であった。1300メートルの滑走路を建設する必然性は乏しい。離着陸訓練用施設を県外施設に代替させ、辺野古地区にはヘリ離着陸施設を陸上部に建設することで着地を計るのは、ひとつの現実的な選択である。

一般の国民にとってもっとも切実な問題であるのが景気だ。日経平均株価は昨年11月27日に9081円まで下落した。最大の懸念材料は鳩山政権の2010年度予算が超デフレ予算になることだった。バブル崩壊後の日本経済。バブル崩壊から20年の年月が流れた。この間、1996年と2000年に日本経済は本格浮上のチャンスを掴んだ。経済政策が適切に運営されていたなら、日本経済は長期成長の軌道に乗ったと考えられる。

ところが、橋本政権と森・小泉政権は財政政策運営で大失敗を演じてしまった。景気回復初期に超デフレ予算を編成してしまったのだ。財政収支悪化を背景に景気回復初期に財政再建が最優先課題に位置付けられてしまったのである。

橋本政権と森・小泉政権の超デフレ予算編成により、日本経済は破壊されてしまった。日経平均株価は橋本政権の超デフレ予算で22,600円から12,800円に暴落、森・小泉政権の超デフレ予算で20,800円から7600円に暴落した。株価暴落を後追いするように日本経済は崩落した。

日経平均株価は昨年11月27日にクリティカルなポイントを通過した。鳩山政権が超デフレ2010年度予算を編成したなら、日経平均株価は9000円を割り込み、大きく下落したと考えられる。2010年は日本経済再崩落の年になっただろう。

私は『金利・為替・株価特報』に2010年度の超デフレ予算回避の主張を繰り返し記述した。このレポートを、鳩山政権執行部をはじめとする与党国会議員が多数、熟読してくれていると思われる。

本ブログ11月29日付記事

サンプロで仙谷行刷相予算編成軌道修正を示唆」

に記述したように、鳩山政権は11月末に2010年度予算編成に向けて、政策運営を大幅に軌道修正した。2009年度第2次補正予算を4兆円かさ上げして、この支出を2010年度に振り向ける政策を決定したのである。

国債発行額は2009年度53兆円が2010年度44兆円に減少する。国債発行金額の減少は日本のGDP成長率に対してはマイナスに作用する。国債発行金額9兆円減額は強烈なデフレインパクトを与えるところだった。

しかし、鳩山政権は補正予算の執行が翌年度にずれ込むことを上手く活用して2009年度から2010年度にかけての財政デフレの影響を大幅に縮減することに成功したのである。この資金の「やりくり」については、『金利・為替・株価特報』をご参照賜りたい。

スリーネーションズリサーチ株式会社HP『金利・為替・株価特報2010年1月12日号=第100号』を公開しているので、該当部分である

【政策】2.財政デフレを回避した2010年度予算

をぜひご高覧賜りたい。

日経平均株価は11月27日の9081円から急反発に転じた。11月27日はクリティカルなポイントだった。9050円を下回り、9000円割れとなれば「三尊天井」で、株価の下落トレンド入りが示されるところだった。

9081円で反発に転じた結果、チャート上はダブルボトム形成で、株価の下値固めが成立したのだった。

 

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財政政策運営においては、二つの時間軸を設定して、二つの課題に対処することが求められる。まず、現在から短期の時間軸のなかでは、何よりも景気回復の持続が優先されなければならない。景気回復が持続しなければ本格的な経済の回復は実現しない。

菅直人副総理兼財務相が3月7日のNHK日曜討論で述べた「緊縮財政への転換は時期尚早」の判断が完全に正しい。過去、橋本政権、森・小泉政権はこの部分で重要な政策判断を誤った。

もうひとつの時間軸は中長期の時間軸である。中長期の時間軸のなかでは、財政バランスを回復させる制度的な対応が求められる。財政バランスを回復させるには、①景気回復による税収増加、②政府支出の無駄排除、③増税・増収措置、の順序で制度的な対応が検討されなければならない。

2010年は景気回復の持続に軸足が置かれなければならない。

鳩山政権はぎりぎりのところで、危機を抜け出した。私は『金利・為替・株価特報』で、年初以降の内外株価調整を予測したが、年初以降の株価調整は小幅調整にとどまり、年央に向けて内外の株価上昇と景気改善が持続するとの予測を示してきた。

為替市場では、本年後半にかけて、米ドルの反発局面が生まれても不自然ではないとの見通しを示している。円ドルレートで1ドル=93円を超える円安・ドル高が生じれば、その可能性が高まると判断している。

詳しくは『金利・為替・株価特報』2010年3月12日号をご参照賜りたい。

株価が1万円の大台を回復し、日本経済の緩やかな改善が持続しているため、自民党の民主党攻撃はあてが外れた。自民党は株価下落、景気再悪化が実現して鳩山政権攻撃の材料を得ることを期待していたが、期待はずれの現状に見舞われている。

与謝野馨氏は100年に1度の金融危機と言われることになった金融危機の下での戦後最悪の日本経済悪化について、「蚊に刺された程度」と判断を誤り、最小規模の景気対策を決定したすぐあとで、史上最大の14兆円の補正予算を編成するなど、その右往左往ぶりをいかんなく表出された。

与謝野氏は現段階では再び消費税増税の主張に舞い戻り、景気回復初期の日本経済を再崩落に導く主張を展開している。このような経済音痴の人物に経済政策の司令塔を任せるような勢力に政権を引き渡すことは許されない。国民にとっての悲劇になってしまう。

「政治とカネ」の問題は鳩山総理の問題でも、小沢一郎民主党幹事長の問題でもない。政治権力と大資本の癒着の問題である。政権は財政資金を配分する巨大な権力を握っている。この巨大な財政資金の配分にあずかるために、大資本は巨大な政治献金を与党に流し込んできたのだ。企業献金から「賄賂性」を払拭することは不可能である。

日本国憲法は参政権を国民固有の権利と定め、保有財産の寡多に関わりなく、1人1票の権利を国民に付与している。企業献金を容認すれば、経済力で優越する大資本が政治に対する強大な影響力を保持してしまうことになる。参政権を歪めてしまうことが、企業献金を全面禁止するべき最重要の論拠である。

「政治とカネ」の問題を根本から解決するには、企業団体献金の全面禁止に踏み込むことが不可欠である。この問題については、国民新党が全面禁止に反対しており、与党の足並みが揃っていないが、公明党が全面禁止に前向きの姿勢を示しており、法改正実現が不可能な状況ではなくなっている。

鳩山政権攻撃にいそしむ全国朝日放送系列のテレビ朝日がサンデープロジェクトで、労働組合や教職員組合と民主党との関係を激しく攻撃しているが、民主党などの提案は企業献金だけでなく、労働組合などの団体からの献金も全面禁止しようとするものであり、いくら組合攻撃を展開しても大きな意味はない。

さらに、検察の腐敗、検察の暴走に適正に対応することが政権の大きな役割のひとつである。取り調べ過程の全面可視化を早期に実現させ、他方で、検察の暴走に関与した検察庁職員を全面的に更迭する人事刷新が求められる。人事刷新は参院選後の最重要テーマになるだろう。

景気、基地、カネで鳩山政権を揺さぶろうとした自民党だが、成果はあまりあがっていない。鳩山政権は返す刀で、景気、基地、カネ、可視化で反撃を開始し、参院選大勝利を目指さねばならない。

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