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2010年3月 6日 (土)

厚労省村木元局長冤罪事件検察大失態の責任

厚生労働省の元局長村木厚子氏が巻き込まれた冤罪事件の第11回公判が3月4日に開かれ、石井一民主党参議院議員が証人として出廷して証言した。

検察は2004年2月25日午後1時に「凛の会」倉沢被告が石井議員に事務所で面会して依頼したとのストーリーを創作して犯罪事実の存在を主張している。ところが、3月4日の法廷での証言および関係証拠資料から、石井議員が上述の2月25日に朝から夕方まで千葉でゴルフをしていたことが明らかになり、検察側主張がこの側面からも全面否定されることになった。

村木氏の冤罪事件では、すべての関係者の証言が検察側主張を根底から覆している。村木氏の無実は完全に明らかになりつつある。

裁判所は客観的事実により、被告の無実が明らかになった場合でも、平気で被告に有罪判決を示す機関であるから、驚くべき不当判決を示す可能性が皆無とは言えないが、メディアを含めて多くの報道、情報公開がなされるなか、真実からかけ離れた事実認定を裁判所が押し通すことはもはや困難になったと言ってよいだろう。

石井一議員は3月5日の証言で村木氏との面識と証人としての出廷について次のように証言したという。「ボヘミアンな京都住まい」様が速報くださったので転載させていただく。

「村木被告とは今日初めて会ったと証言。知り合いでもないのに証人となったのはなぜかときかれ「私自身もマスコミに書かれて相当辛い思いをした。村木という女性局長は高知の大学を出て東大卒の競争の中であそこまで上り詰めたのに被告人の席に立たされて、さぞ辛いだろうな」と。「この事件にはおかしい点がたくさんある。弁護士からの強い要請もあったが、この際出て証言すべきだと思った」

検察の暴走により、無実の人間に罪が着せられ、無実の人間が犯罪人に仕立て上げられてゆく。これに勝る人権侵害が他にあるのか。私もまったく同じ立場に立たされた者として、このような国家犯罪を断じて許すことができない。

無実の人間に不正に罪を着せ、無実の人間を犯罪者に仕立て上げた者を重大犯罪者として処罰する法制を整備する必要がある。

足利事件では無実の菅家利和さんを犯罪者に仕立て上げた検察官が法廷に呼ばれたが、謝罪すらしなかった。この検察官は謝罪して免責されるものでない。菅家さんの自由を奪い人権を抹殺した17年間の10倍の時間の服役が求められて当然である。

昨年の三三事変、本年の一一五事変、ならびに村木元局長の冤罪事件は、すべてがひとつの点と線で結ばれている。政治権力が不正に検察権力を利用して政敵を抹殺しようとしたものである。私の巻き込まれた冤罪事件もこの範疇に入るのだと思う。

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小沢一郎氏の公設第一秘書である大久保隆規氏の事件でも、検察側主張は法廷で根底から覆されている。現職衆議院議員である石川知裕氏が逮捕、起訴された事案についても、事案の内容は犯罪とはかけ離れたものである。

主権者である国民は、検察の不正義、検察の悪徳をしっかりと認識し、その糾弾を実行しなければならない。

鳩山政権は行政府内部におけるこのような不正、不正義を糺すとともに、今後、同様の問題が引き起こされないよう、万全の対応を示す必要がある。

もっとも重要なことは人事の刷新である。責任ある当事者の責任を全面的に追及しなければならない。検察全体の刷新を図るためには、検事総長に民間人を起用するとともに、検事総長人事を国会同意人事案件に変更するべきだ。

また、検察庁職員による重大な国家公務員法違反を厳正に摘発するべきである。政治家をも摘発しうる立場にある検察官であるからと、検察官の重大犯罪を容認、放置すれば、検察の横暴、検察の暴走を食い止めることはできなくなる。

鳩山政権は本年夏の参院選で政権基盤を強固にした上で、検察人事の刷新に踏み切り、これまでの腐敗体質を全摘するべきだ。

検察部門内部では、さらに重大な犯罪が実行されてきたと指摘されている。検察裏金問題だ。元検察官の三井環氏は、検察裏金疑惑を告発したために、言われなき罪を捏造され、懲役刑まで執行された。

国際アムネスティの勧告を待つまでもなく、日本は世界有数の人権侵害国家であり、とりわけ警察・検察の腐敗、不正が際立つ国なのである。

日本の警察・検察・裁判所制度の近代化を必ず実現しなければならない。そのためには、現政権が来る参院選で勝利し、政権基盤を強固にすることが不可欠である。主権者国民は悪徳ペンタゴンとの最終決戦となる本年夏の参院選に必ず勝利し、検察・警察・裁判所制度近代化を実現しうる環境を整備しなければならない。

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