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2010年2月17日 (水)

初党首討論:鳩山首相が新3Kで逆襲を開始

政権交代後初めての党首討論が2月17日に実施された。谷垣禎一自民党党首は質問時間の4分の3を「政治とカネ」の問題にあてた。鳩山総理大臣は母親からの資金提供についての政治資金取り扱いの不備を率直に認めて、政治不信を招いていることに対して謙虚に謝罪の意を表明した。

そのうえで、「政治とカネ」の問題に対して、抜本的な対策を講じるのであれば、「企業団体献金の全面禁止」に踏み込む必要があるとの認識を示した。同時に自民党の谷垣党首に対しても、「企業団体献金全面禁止」実現に向けて協力を要請した。

ところが、谷垣党首は明確な回答を示さなかった。自民党は企業団体献金の全面禁止に反対の姿勢を示しており、谷垣氏の言動は自民党のスタンスと平仄の合うものである。

他方、公明党の山口那津男代表が企業団体献金全面禁止実現に向けて、与野党協議機関設置を呼びかけたのに対して、鳩山由紀夫総理は、民主党の代表としては協議機関設置に賛成する考えを表明した。

自公両党が政権野党に転落して以降、両党の距離は飛躍的に広がり始めている。参議院選挙に向けて、両党の隔たりはさらに拡大する可能性が高い。

本日の党首討論概要を共同通信配信記事から紹介する。

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【政治とカネ】

谷垣禎一自民党総裁 昨日から確定申告が始まった。首相の実母からの資金提供問題に関し「納税がばかばかしい」「首相がこれまで(贈与税を)払わなかったのだから自分たちもいいのでは」との声が上がっている。

鳩山由紀夫首相 納税がばかばかしいという気持ちが国民に起きていることは誠に申し訳ない。税金の無駄遣いのない仕組みを新政権でつくりあげたい。私のことは不徳の致すところだ。国民の皆さんには税金をお支払いいただくよう重ねて申し上げたい。

谷垣氏 「平成の脱税王」が徴税してくれと言うのは悲喜劇だ。庶民は、自分たちなら畳までひっくり返され全部持っていかれると思っている。

首相 知らなかったとはいえ、こんなことで良かったのかという気持ちは当然ある。納税が漏れていると分かった時、さかのぼって納税した。首相だから許されるという話はあるはずがない。特別扱いされるはずがない。

谷垣氏 首相は以前、自民党議員の秘書が罪に問われた時、「秘書の責任は議員の責任だ」と発言した。

首相 かつての発言を今、撤回するというような話ではない。言葉の重さは分かっている。身を粉にして新しい政治を起こすために全力を尽くすことも責任の取り方だ。

谷垣氏 「全く知らなかった」と言うが、母親と会った時に資金提供の話はしなかったのか。

首相 先の衆院予算委員会で自民党の与謝野馨元財務相から、私が母にしょっちゅう金の無心をしたとの発言があったが、全くの作り話だ。年に1度か2度、母を訪ねていたが、お金の無心は一切していない。

谷垣氏 贈与だったかどうかの鍵を握っているのは母親だ。首相から聞いてほしい。

首相 母、私の元秘書、私にはそれぞれ弁護士がいる。弁護士同士が確認し、何が事実かを調べるのが正しいと思っている。検察がそれぞれの弁護士の話を集め、事実を明らかにした。最終的には国税が判断する話だ。

谷垣氏 政治資金問題で秘書らが3人起訴された民主党の小沢一郎幹事長に「責任を取れ」と言うか。

首相 小沢氏は3人が起訴された責任を痛切に感じると記者会見などで言っている。本人は不起訴になった。起訴や不起訴になった理由をしっかりと説明することが責任を果たすことになる。

谷垣氏 説明責任を果たすため、小沢氏が国会でしっかり説明するようきちんと指導するか。

首相 必要であれば国会で判断されるべきだが、私から進言することは十分にあろうかと思う。

谷垣氏 民主党の小林千代美衆院議員陣営に対する北海道教職員組合(北教組)の違法献金事件が報道されている。これまでも労働組合の違反行為が繰り返されてきた。民主党として労組に(違反行為をしないよう)指示を徹底するか。

首相 今、事件が起きて捜査が進められているところだ。捜査の進展を見守りたい。問題の根源は団体や企業からの献金だ。個人に献金はできないことになっている。もし行われているとすれば、大変な問題であることは間違いない。起きないようにするためには企業・団体献金の、政党も含め、今こそ全面的な禁止が必要だ。谷垣氏にも努力をお願いしたい。

谷垣氏 説明責任を果たそうという気持ちがあるようには思えない。2010年度予算案採決の前提として、首相の元公設秘書の勝場啓二被告らの証人喚問を求めたい。小沢氏にも早急に証人喚問に応じてもらいたい。

首相 企業・団体献金の禁止に対する谷垣氏の気持ちを尋ねたが、返答がなかったのは残念だ。

【労働組合】

谷垣氏 労働組合の政治資金は収支報告書などで透明化を図るべきだ。

首相 大いに議論し結論を見いだすテーマだ。

谷垣氏 組合費が給与から天引きされる点も検討してもらいたい。

首相 組合員の意思の確認が本来必要だ。

【消費税】

谷垣氏 10年度予算案には五つの問題点がある。財政の中期展望が見当たらない。恒久施策に対する恒久財源が用意されていない。デフレの具体策がない。成長戦略が反映されていない。暫定税率廃止などマニフェスト(政権公約)違反がある。首相は消費税率を4年間引き上げないと何度も言明したが、今もそう考えるか。

首相 今までの政権はあまりにも無駄遣いが多すぎた。徹底的に無駄遣いをなくし、スリムな予算を作らなければいけない。消費税の議論に入り込むと、スリムな予算にならない可能性がある。私が政権を担当する4年間は増税はしないと言ってきた。変えるつもりは毛頭ない。

【財政運営】

谷垣氏 4年間の財政運営見通しをどう立てるのか。数値目標を入れて作ってもらいたい。

首相 リーマンショック前に緊急経済対策を打てと言ったが、自公政権は耳を貸さなかった。大幅な税収減の一因だ。財政運営の戦略は、定性的な議論でお茶を濁すことがあってはならない。

【マニフェスト】

谷垣氏 マニフェストは無駄を省くだけで達成できると考えるか。マニフェストに対し、政府の中に疑念が出てきているのではないか。

首相 今まで選挙前にマニフェストを掲げて政権をとり、マニフェスト通りにやろうとした政権があったか。大事なのは、マニフェストに従った予算を作る努力だ。さらなる歳出削減の努力をし、実現していく決意だ。

(ここまで党首討論の概要)

 国会では「政治とカネ」の問題に貴重な討議時間の大半が費やされているが、「政治とカネ」問題の本質は政治権力と大資本の癒着にある。この問題を根絶するには、企業団体献金の全面禁止に踏み込むことが不可欠である。

 鳩山総理は今次通常国会における企業団体献金全面禁止の法制化に前向きな姿勢を示し始めている。鳩山政権が本気で法改正に取り組むなら、次期参院選の最重要争点に企業献金全面禁止の是非が浮上する可能性が十分にある。

 また、取調べ過程の全面可視可は日本の警察・検察裁判所制度近代化の第一歩になる施策であり、鳩山政権が今次通常国会での法改正に取り組む可能性も十分にある。

 5月には普天間基地移設問題での新提案が示される。辺野古海岸を破壊する滑走路建設を回避できるのであれば、辺野古にヘリ離着陸用の陸上施設が建設されることになっても、これまでの自民党政権の日米合意よりははるかに優れたものになる。

 自民党とマスゴミは、今次通常国会において、景気、基地、カネの「3K」で鳩山政権を攻撃しようとしてきたが、夏の参院選に向けて、鳩山政権が逆に、基地、カネ=企業献金全面禁止、可視化の「新3K」で逆襲に転じる可能性が浮上してきた。

 自民党は辺野古の海岸を破壊する滑走路建設を推進してきた。企業献金全面禁止に反対である。取り調べ過程の全面可視化にも反対である。

 「新3K」に対する政策スタンスの相違が明確になれば、参議院選挙での主権者・国民の意思決定が容易になる。

 日本政治刷新を希求する主権者国民は、辺野古の海岸を破壊する滑走路建設に反対、企業団体献金の全面禁止に賛成、取調べ過程の全面可視化に賛成するものと考えられる。

 自民党とマスゴミは鳩山政権攻撃を継続しているが、主権者国民および主権者国民とともに闘う鳩山政権が、攻撃されるままに情勢を放置すると見るのはあまりにも甘い。主権者国民レジスタンス戦線は参院選勝利に向けて、一歩も後退することなく闘い抜く姿勢を明確に示している。

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