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2010年2月 8日 (月)

腐敗した検察もう一つの重大犯罪と全面可視化

腐臭が立ち込めるこの国の検察組織。

日本の警察・検察の前近代性を象徴するのが警察・検察に付与された巨大な裁量権である。裁量権とは、

①犯罪事実が存在しても不問に付す裁量権、

②犯罪事実が存在しなくても犯罪を作りだし無実の罪を着せる裁量権

である。

①「法の下の平等」、②「基本的人権の尊重」、③「罪刑法定主義」、④「無罪推定原則」が完全に無視されている一方、⑤「国家公務員の守秘義務違反」という重大犯罪が野放しにされている。

警察・検察の暴走をもたらしている大きな要因が、密室における取り調べ、不当に長期にわたる被疑者の拘束である。

違法な情報漏えいでは、取調室での被疑者の発言を、マスメディアがあたかも真実であるかのように報道する。

しかし、供述調書作成の実態を知るならば、これらの違法な情報漏えいによる報道が真実とはかけ離れていることが明白になる。

「供述調書」といっても文章を作成するのは取り調べの警察官や検察官である。警察官や検察官が勝手に文章を作成するのである。被疑者の発言通りに文章は作成されない。取調官が「勝手に」文章を作成するのである。

文章作成後に取調官が作成した文章を読み上げる。被疑者からすれば、自分の発言したこととはかけ離れた内容が記述されている。被疑者は当然、文章の内容に異を唱える。

すると取調官は、「被疑者が供述した内容について、修正を求めた」として被疑者の主張を新たに書き込むのである。こうした調書が作成されると、被疑者が当初の発言を読み聞かせの段階で修正したかのようなイメージが作り上げられる。

また、取調官が作成した文章を取調官が読み上げる際、文章の一字一句、細部について被疑者が異を唱えることに対して、取調官が高圧的に被疑者に対して威圧することも日常茶飯事である。気の弱い被疑者は自己主張を十分にできず、被疑者が発言したこととはかけ離れた「供述調書」が被疑者の発言内容として記録されてしまうのである。

長時間の拷問、脅迫による供述の強要、そのなかで取調官が「勝手に」作成した「供述調書」をもとに犯罪がねつ造されてゆくのである。

このことは、足利事件の事例でも明らかにされつつある。

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小沢一郎民主党幹事長が「秘書が勝手にやったこと」と供述し、その後に「もう少し穏やかな表現にならないか」と供述したなどとの「情報リーク」が報道で伝えられたが、これらの発言も真実とはかけ離れていると考えられる。

石川知裕議員の取調室での発言が種々伝えられているが、これらも真実が確認されたものでない。公判で初めて被疑者側の声が示されることになるが、密室でのやり取りに関する報道がいかにいい加減で偏ったものであるのかが明らかにされることになるだろう。

厚生労働省の文書偽造事件で、虚偽有印公文書作成・同行使罪に問われた元同省局長村木厚子氏(54)の第5回公判が2月8日、大阪地裁で開かれた。

「議員案件だ」と村木氏に対応を指示したとされる当時の上司だった塩田幸雄・元障害保健福祉部長(58)(退職)が検察側証人として出廷した。

塩田元部長は、民主党の石井一・参院議員(75)(当時衆院議員)から要請を受け、村木氏に証明書発行を指示したとされるが、公判では「(石井議員の)電話だったのか記憶はなかったが、電話を受けたのならば、村木氏にも指示しているだろうと思い込んだ」、「村木氏への指示も今となっては、幻想ではなかったかと思っている」と証言した。

また、記憶と異なる供述調書に署名した理由について「村木氏に指示をしたという大前提のもとで、調べを受けた」と述べ、検察側の主張を全面的に否定した。

事件を巡っては、捜査段階で村木氏からの指示を認めていた厚労省元係長・上村勉氏(40)も自らの公判前整理手続きで「村木氏の指示はなかった」と供述を覆している。

検察側主張では、塩田元部長は2004年2月、自称障害者団体「凛の会」元会長・倉沢邦夫氏(74)(公判中)から口添えを依頼された石井議員に協力を要請され、企画課長だった村木氏に「先生のご機嫌を損なわないよう発行する方向で対応してくれ」などと指示した、とされる。

当時の上司は元障害保健福祉部長で既に退職。検察側の事情聴取を受け「民主党の石井一参院議員から電話で口添えを受け、障害者団体の証明書を発行するよう村木氏に指示。証明書発行後には、石井議員に結果を報告した」とする調書に署名していた。

証人尋問で元部長は検察側の質問に対し「検察側が言うように石井議員が誰かに相談したのであれば、旧知の自分しかないと思った」と証言。「記憶があいまいで、もしそういうことがあったのなら、信頼していた村木氏に指示しただろうと思って当時は供述したが、それは検察側に作られた記憶だ」と述べた。

村木氏は「元部長の指示はなかった」などと無罪を主張。文書偽造の実行役として起訴された元同省係長(40)も今後、証人として出廷し、村木氏の関与を否定する方針とされる。

この事案も総選挙に向けて民主党を攻撃するためにねつ造されたものである可能性が高い。検察組織の腐敗を示す一事例である。

日本の警察・検察・裁判所制度の近代化は喫緊の課題である。その第一歩が取り調べ過程の全面可視化である。取り調べ過程の全面可視化を実現し、検察による重大な犯罪を抑止する第一歩を踏み出すべきだ。

被害者調書が犯罪摘発の素材になるが、この被害者調書が捜査当局によってねつ造されることも、犯罪ねつ造の重要な手段として用いられている可能性が高い。

被害者を含めて取り調べ過程の全面可視化が不可欠であり、また、取り調べに際しての弁護人の同席も必要不可欠である。諸外国と比べても日本の制度の前近代性は突出している。

鳩山政権はまず、取り調べ過程の全面可視化法整備を急ぎ、その早期実現を図るべきである。

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