政局の正念場を迎える鳩山総理大臣年頭会見
仕事始めの1月4日午前、鳩山総理大臣が首相官邸で年頭会見を行った。
私が本ブログで示してきた鳩山政権の五つの課題、
①官僚主権政治からの脱却
②政治権力と大資本の癒着解消
③対米隷属からの脱却
④市場原理主義を排しセーフティネットを整備
⑤郵政改革の実現
を中心に、鳩山首相の見解が示された。
国民にとってもっとも切実な問題は景気、雇用、生活の問題である。
鳩山首相は、
「日本に住まわれるすべての方が、やはり憲法で保障されている最低限のお暮らし、住まいがほしい、働きたいけれども働く場所がない、そういう方々のために政府がしっかりと支えていけるような、命を大切にするそういう政治を本年1年作り上げてまいりたいと考えています。
そのためにも、命を大切にするために、景気、雇用がやはり心配だ。多くの皆さんがそう思っておられると思います。私たちは景気が二番底になってはならない、させないぞ。その思いの下で昨年末、24兆円という事業費になりますが、明日の安心と成長のための緊急経済対策を作り上げている。そしてその下で(平成21年度)第2次の補正予算を練り上げたところでございます。
一刻も早くこの2次補正予算を成立をさせて、国民の皆さんのお暮らしを少しでも豊かさを感じていけるようにさしあげてまいりたいと思います」
と述べた。
昨年11月27日には日経平均株価が9081円まで下落し、株価が再下落トレンドに移行しかけた。株価が9000円を割り込み、景気悪化懸念が拡大していたなら、自民党-マスメディアの悪徳ペンタゴン連合が鳩山政権攻撃を加速させた可能性が高い。
鳩山政権は2010年度予算が景気抑圧予算になることを警戒して、7兆円規模の2009年度第2次補正予算編成に動いた。第2次補正予算の大部分は執行が2010年度にずれ込むため、2010年度の景気抑圧効果が大幅に緩和されることになる。
詳細な分析は『金利・為替・株価特報』を参照いただきたいが、大型補正予算が編成されたことにより、2010年度の財政政策による強度の景気抑圧効果が排除された。
日経平均株価は2010年の大発会で10,654円に上昇した。昨年来高値であった昨年8月26日の10,639円を上回り、2008年10月以来、1年3ヵ月ぶりの高値を記録した。
先行き不安が消失したわけではないが、鳩山政権の景気問題への強い配慮が日本経済の再悪化を食い止めていることは確かである。鳩山政権は当面の最優先課題を景気回復に定めるべきである。財政収支悪化が深刻な状況に至っているのは事実であるが、財政収支そのものを直接改善させようとする近視眼的な緊縮財政政策はかえって財政収支を悪化させることが歴史的に確かめられている。
「二兎を追う者は一兎をも得ず」
まずは日本経済の回復に全力をあげるべきである。
鳩山首相は外交問題について次のように述べた。
「私は国政のある意味で半分は外交、安全保障ではないか。そのように考えております。昨年、100日間で8回、海外にまいりました。特にアジアの首脳の方々と多く議論をさせていただいて、日本という国が少しずつ政権交代で変わってきているな、その思いを実感していただいたのではないか。そのように感じております。
気候変動問題、あるいは核軍縮・不拡散、こういった問題において日本という国がそれなりのメッセージを出しているね。そのように感じていただいたのではないかと思います。
さらに私はやはり日米同盟、これを機軸にしながら、一方でアジアを重視する東アジアの共同体を構想してまいる年にしてまいりたいと考えております。
そのためにも普天間の移設問題も解決をしていかなければなりません。この問題に対しては、沖縄県民の皆さんの気持ちを大事にしながら、しかし一方で日米の合意もある。この思いのもとで決して無駄に時間を浪費させるつもりはありません。期限をしっかり切って、数カ月の中で沖縄の県民の皆さんにも、アメリカの皆さんにもご理解をいただいて、与党3党、検討委員会を作りましたので、その中でしっかり議論をして、結論を出すことを国民の皆さんにお約束をいたしたい。
それがやはり日米安保のある意味で軸となることだ。そのように思っておりまして、将来的に鳩山、時間がたったけれども、いいものができたね。そのように思っていただけると、私なりに感じているところでございます。」
自民党政権が沖縄県民の意向を十分に尊重せずに辺野古に巨大海上滑走路を建設することで米国と合意を成立させてしまった。この合意が存在するために、打開策を見出すのが困難になっているのが現状であるが、この状況下で鳩山政権は懸命な努力を注いでいる。
100点満点の回答を得るのは難しいかも知れないが、美しい辺野古の海岸を破壊する海上滑走路建設を回避する着地点を見出すことができれば、極めて大きな成果である。鳩山政権が期限として定めた5月に向けて、最善の道を見出すべく努力を重ねてもらいたいと思う。
景気、基地、カネの「3K」が鳩山政権の直面する三大課題であるとされるが、粘り強い対応で難問を克服してもらいたいと思う。
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売国者たちの末路 著者:副島 隆彦,植草 一秀 |
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知られざる真実―勾留地にて― 著者:植草 一秀 |
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