国家公務員法違反被疑者実名が公表されている
1月21日の衆議院予算委員会が開会され、野党自民党が質問を行った。国民にとっては深刻な経済状況に直面し、2009年度第2次補正予算ならびに2010年度予算について本格的な審議が行われ、予算を早期に成立させ、国民経済をしっかり支えることが焦眉の急である。
ところが、自民党の質問は持ち時間のほとんどすべてが「政治とカネ」問題に充当された。野党自民党は鳩山政権を攻撃することによって政治利権をなんとか取り戻すことしか視野にないのだろう。国民生活への配慮をまったく欠いた姿勢に国民は落胆したことと思う。
野党自民党は、民主党が検察当局の違法な情報漏えい問題について毅然とした姿勢を示していることを批判しているが、自民党は国家公務員の守秘義務違反という犯罪行為を容認する考えを保持しているのであろうか。
検察庁職員による情報漏えいは重大な犯罪であり、政府は毅然とした姿勢で犯罪行為を摘発する必要がある。
この点について、「ギャラリー酔いどれ」様が興味深い記事を掲載されたので紹介させていただく。
「Aobadai Life」様が掲載された「上杉隆氏のコラムより」を紹介された記事である。
ということで、孫引きのようなことになるが、原典はダイヤモンドオンラインの「週刊上杉隆」に掲載された記事なのだが、ここでは「Aobadai Life」様の記事を転載させていただく。
「政治ジャーナリスト上杉隆氏の1/21付けのコラム
が、検察権力とメディアの関係について、興味深いエピソードを紹介しているので、ぜひ、ご存知ない方は、こちらの記事を読んでいただきたい。
昨年三月の小沢事件の際、フジテレビの新報道2001に出演した際のエピソードである。
---昨年3月、西松建設事件の発端となる大久保秘書の逮捕された直後、筆者はフジテレビの報道番組『新報道2001』に出演した。
当日のゲストは、宗像紀夫・元東京地検特捜部検事と、笹川尭自民党総務会長(当時)、小池晃共産党政審会長などであった。
大久保秘書の逮捕について発言を求められた筆者はこう語った。
「私自身、議員秘書経験がありますが、その立場からしても、政治資金収支報告書の記載漏れでいきなり身柄を取るのはあまりに乱暴すぎるように思う。少なくとも逮捕の翌日から、小沢一郎代表(当時)はフルオープンの記者会見で説明を果たそうとしているのだから、同じ権力である検察庁も国民に向けて逮捕用件を説明すべきだ。とくに記者クラブにリークを繰り返している樋渡検事総長と佐久間特捜部長は堂々と記者会見で名前を出して話したらどうか」
筆者は、当然のことを言ったつもりでいた。ところが、番組放送終了後、笹川総務会長が烈火のごとく怒っていた。私に対してではない。番組の幹部に対してである。
「あんなやつを使うな! あんなのとは一緒に出ない」
昼過ぎ、スタジオを出た筆者の元に検察庁担当の社会部記者から電話が入った。
「お前まずいぞ、(検察側の)実名を出しただろう。『調子に乗りやがって』と、検察は怒っていたぞ。心配して言ってんだ。本当に、気をつけた方がいいぞ」
彼の話によると、本気でやろうと思えば、痴漢だろうが、交通違反だろうが、あらゆる手段を使ってでも、狙われたら最後、捕ってくるというのだ。たとえば道を歩いていて、他人の敷地に間違えて足を踏み入れただけで不法侵入の疑いで持っていかれるかもしれないということだった。
---
検察の横暴については、いまさらだが、このエピソードを読んで思い起こすのは、植草事件だ。
日本を代表するエコノミストだった植草一秀氏は、小泉・竹中政権の経済政策を厳しく批判し、りそな銀行の国有化をめぐる自民党のインサイダー取引を指摘した後、横浜駅で、警察官(実は元首相のSP)に、エスカレーターに乗っているところを、突然、手鏡で女性のスカートの下をのぞいたとして逮捕された。
その後、マスコミをつかって、チカンの常習犯であるというデマ情報を流布されて、一般国民から、完全に誤解されるようなイメージを、マスコミによって仕立て上げられてしまった。
上杉隆氏のコラムを読んで、やはり恐怖を感じたのだが、われわれ国民は、こういう状況に、今の既得権益構造があるということをよく認識し、
何が「小悪」で、何が「巨悪」かをよく認識しなければいけない。
戦後のうみを出さねばいけない時期に、今、ついにきている。」
(ここまで「Aobadai Life」様掲載記事の転載)
検察庁職員による国家公務員法違反容疑の事実が存在するなら被疑者に対して政府は毅然とした対応を示すべきである。事情聴取を実施して、必要に応じて強制捜査を実施することが求められる。国会における参考人招致、証人喚問も検討するべきである。
対象が検察庁職員であるとしても、法律の遵守を求められる点で他の公務員と違いはない。検察庁職員にはとりわけ法令の遵守が求められるのではないか。
鳩山政権は小沢氏や鳩山氏の政治資金問題が検察当局の捜査対象とされていることから、鳩山政権が遠慮がちな姿勢を示しているが、遠慮する必要はまったくない。悪質な犯罪に対しては対象が検察庁職員であっても、毅然とした対応を示す必要がある。
また、取り調べ過程の完全可視化は、日本の前近代的な警察、検察、裁判制度を近代化するための第一歩になる施策である。鳩山政権は法案準備に時間を要するとの見解を示しているが、今次通常国会に法案を提出して成立を目指すべきである。
取り調べ過程が可視化されていない現状では、取り調べ室は捜査当局の犯罪的行為の無法地帯と化している。被害者とされる人物や目撃者とされる人物の供述調書のねつ造もやりたい放題の状態に置かれている。取り調べ過程の全面可視化が実現しなければ、今後もねつ造された犯罪で無実の罪を着せられる市民が後を絶たないことになる。
知られざる真実―勾留地にて― 著者:植草 一秀 |
今回の小沢氏の問題と離れて取り調べ過程の全面可視化は必要不可欠の措置である。東京痴犬地検特捜部も、取り調べ過程の全面可視化が実施されれば、違法捜査も違法情報漏えいも実行し難くなる。
鳩山政権には、①国家公務員法違反の犯罪摘発、②取り調べ過程の完全可視化、③企業献金の全面禁止法制化、の三つをすべて怠りなく実行してもらいたい。
売国者たちの末路 著者:副島 隆彦,植草 一秀 |
知られざる真実―勾留地にて― 著者:植草 一秀 |
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