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2010年1月18日 (月)

「一・一五事変」の重大問題③罪刑法定主義

 重大な問題が三つある。

①「公務員の守秘義務違反=国家公務員法違反」という犯罪容疑が放置されている可能性が高いこと

②「推定無罪」の大原則が無視されていること

③「法の下の平等」、「罪刑法定主義」の基本が損なわれていること

③「法の下の平等」、「罪刑法定主義」の基本が損なわれていること

について。

今回問題とされている、政治資金収支報告書への記載が事実と異なるとの事案は、重箱の隅をつつくたぐいのものでしかない。

 土地を購入する場合、手元資金が存在しても、手元流動性を確保するため、銀行融資を活用することはいくらでもある。融資実行が決済に間に合わず、手元資金などで一時的に資金を立て替えることもまったく不自然でない。

 納税等の関係で不動産登記の時期を多少ずらすこともまったく不自然でない。

 相殺される資金を政治資金収支報告書に省略して記載したとしても、悪質とはいえない。石川氏が「記載を省略した」と述べたことを、検察が、「虚偽記載を認めた」とか「犯意を認めた」などと勝手な解釈に代えてリークすることなど、日常茶飯事である。

 「南華のブログ」様が詳しく解説くださっているので、ぜひご高覧賜りたい。

 仮に水谷建設から献金があり、その記載が漏れていたとしても、そのこと自体は単なる「記載漏れ」であって、重大な事案でない。また、一方当事者の発言だけを不用意に信じることもできない。小沢幹事長の問題に関しては、小沢幹事長の元秘書で自民党公認候補として昨年の総選挙に立候補した高橋嘉信氏などが政治的思惑をもとに行動している可能性もあり、すべての情報に色が付いていることを十分に踏まえる必要がある。

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 この点を論じるのであれば、自民党議員の政治資金収支報告書における、これまでの記載漏れの事案に対する措置と十分に比較衡量する必要がある。

 仮に水谷建設から不動産購入の時期に入金があったとしても、そのお金ではなく別のお金を使って不動産を購入したと説明されれば、その説明を嘘だと立証することは極めて困難である。

 また、政党助成金が流用されているのではないかとの指摘をする人がいるが、この問題については、「雑感 日々思うこと」様1月8日付記事に、2005年2月2日の衆議院予算委員会での麻生太郎総務大臣(当時)の答弁を紹介してくださっているので、以下に転載する。

「麻生国務大臣 今の御質問ですが、基本的には、政党助成金というものは、いわゆる国民の信頼にもとることのないように適切に使用しなければならないということになっておりまして、いわゆる政党助成法第四条に細かく書いてありますのは、もう松岡先生御存じのとおりであります。

これは、基本的には、一般的に、政党は、政党交付金が国民から徴収された税金その他の貴重な財源で賄われるものであることに特に留意をし、その責任を自覚し、その組織及び運営については民主的かつ公正なものとするとともに、国民の信頼にもとることのないよう、政党交付金を適切に使用しなければならないと第四条第二項に明確に書いてあるところであります。

そこで、この政党助成法というのを読ませていただきますと、政党がいわゆる支出の相手方、金額等々というものは記載することになっておるんですが、政党助成法において求められておりますのは、政党から政党交付金による支出を受けた者までということになっておりまして、当該政党交付金による支出を受けた本人が受領した資金をどのようなものに用いたかについては、報告を求められないということになっていることになっております。(発言する者あり)それはどうなっておるかと。それは、ずっと政党の活動費として渡しておるわけでしょうから、そこのところで答弁がずっと続いてきておりますのは、御存じのとおりであります。」

自民党は政党交付金の使途について追及できないことを麻生太郎総務相(当時)が表明しているのだ。むしろ問題は官房機密費が総選挙のあとに消滅したことではないか。

政治資金を用いて不動産を購入したことがおかしいと発言する者が多いが、くだらぬことに貴重な浄財をばらまくより、不動産を取得し、有能な政治家を育成することの方がよほど優れている。不動産取得は「消費」ではなく、資金の「蓄蔵」である。資金価値を温存しつつ、政治家育成の場を確保することは極めて賢明な対応といえる。このことは、稿を改める。

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