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2009年12月 7日 (月)

沖縄基地移設問題と追加経済対策に関する考察

マスメディアが鳩山政権攻撃を続けるなかで、二つの問題に焦点が当てられている。

沖縄普天間基地移設問題と景気対策である。

沖縄普天間基地問題の処理が極めて困難である最大の理由は、これまでの自民党政権が米国との間で、基地移設に関する基本合意を取り交わしてしまっていることにある。

自公政権から政権を引き継いだ鳩山政権は、日本外交の基本方針について、抜本的な見直しの方向を明示している。これまでの「対米隷属外交」から脱却して、「日米同盟」を基軸に据えながらも「自主独立外交」を展開する意思表示を明確に示した。「対等な日米関係」の樹立は正しい基本方針である。

沖縄基地問題について鳩山首相および鳩山政権与党は、総選挙の期間中から沖縄の基地負担軽減の方針を明示してきた。

鳩山政権が樹立されて、これまでの日米合意を踏まえながら、日本外交の新たな展開、沖縄の基地負担軽減の方向を懸命に模索しているのが現状である。

大阪府の橋下徹知事が沖縄嘉手納基地の機能の一部を関西空港に移設することについて、論議をする余地があることを表明しているという。嘉手納の機能の一部を関空に移設できるなら、普天間飛行場の機能を嘉手納に移設することも検討する余地が生まれるとも伝えられている。

辺野古地区への移設以外の選択肢が生まれる可能性も否定はできない。

普天間飛行場の辺野古以外の地域への移設が困難である場合、辺野古への移設が無理となれば、普天間飛行場の返還そのものが空中分解する危険も生じる。この点を踏まえれば、辺野古への移転について、海上滑走路の建設ではない、ヘリコプター離着陸のための小規模施設を整備することで着地を図ることも検討に値するというのが、私の提案である。

私も辺野古地域へ現地視察に行った経験を有するが、貴重な自然資源を破壊して海上滑走路を建設し、新たな基地負担を負うことに対する現地の反発は極めて強い。また、美しい自然を破壊して基地を建設することを回避するために、知恵を絞ることは極めて重要であると考える。

普天間飛行場の返還方針決定当初の問題設定に従って、辺野古に1300メートル滑走路ではない、ヘリコプター離着陸施設を、自然環境を破壊しない形で整備することを検討するべきではないのか。

もちろん、基地の県外、あるいは海外移設の可能性があるのなら、その可能性を追求するべきことは言うまでもない。

マスメディアは鳩山政権の対応が日米関係を悪化させていることを強調し、早期にこれまでの日米合意に沿っての決着を図るべきだと主張するが、これでは日本のメディアとは言えない。

日本の主権者の意思によって日本の政治に根本的な変化が生じた。新しい政権が新しい外交を展開しようと努力することは当然のことである。米国に対しても言うべきことを言い、日本国民の利益を代表して、米国とぎりぎりの交渉を展開することが新政権の責務である。

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自民党政権が米国との間で合意を成立させてしまったとの事実、現実は極めて重い。したがって、民主的な手続きを経て自民党政治を引き継いだ鳩山政権は、自民党政権が取り結んだ日米合意を継承する責任を有しているため、鳩山政権は過去の日米合意を引き継ぐところからしか出発できない。

このことが、鳩山政権の対応を困難にしているのであり、この問題については、日米合意の枠組みを踏まえて、そのなかから活路を見出すとの方針を当初に示すこともひとつの選択肢ではあったはずだ。

しかし、鳩山首相は、かなり明確にこれまでの日米合意から距離を置くスタンスを明示した。これもひとつの見識である。その方針を示した以上、その方針に沿って、ぎりぎりの日米調整を進めるべきである。

日本のマスメディアであるなら、日本国民、沖縄県民の意思を反映する外交努力を注ごうとする鳩山政権の基本姿勢を支援するべきである。米国の意向に沿って、鳩山政権を攻撃することだけに注力するなら、それらのメディアは国籍を日本から米国に変更するべきである。

鳩山政権には、日本国民、沖縄県民の利益のために、この問題について、最大の努力を払い続けてもらいたい。懸命の努力を注ぐなら、辺野古基地整備計画の抜本的な見直し、あるいは関空を活用した沖縄基地の県外移設など、大きな成果が必ず生まれるはずである。

このような調整努力を注ぐことに対して、米国が一方的に圧力をかけるなら、日本政府は米国に対して毅然とした対応を示すべきである。そのために日米関係が一時的に悪化することはやむを得ないであろう。

景気対策については、2009年度第2次補正予算規模が当初の4兆円規模から7兆円ないし8兆円規模に拡大される方向で調整が進展している。

本ブログで記述してきたように、本来は2009年度補正予算ではなく、2010年度予算規模を拡大することが求められるが、2009年度補正予算に計上しても、その執行は2010年度にずれ込むから、経済的な効果は2010年度予算に計上することと変わらなくなってくる。

11月28日に仙谷行刷相が予算編成方針についての基本見解を修正する発言を示してから、鳩山政権の財政政策対応に大きな変化が生じた。その一端が2009年度第2次補正予算規模の拡大になって表れた。

この重要な政策方針変化を反映して、日本の株価は日経平均株価の9000円割れ危機から一転、1万円の大台回復に変化した。これほどまでに、経済政策運営の基本姿勢転換は重要である。

鳩山政権は2009年度補正予算規模確定を含めて追加景気対策を12月8日に決定すると見込まれるが、財政政策の超緊縮を是正する方針を明示したことは極めて重要であり高く評価される。この方針転換が株式市場の流れを転換させた点を見落とすことができない。

この問題についての詳論は、稿を改めて提示したい。

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