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2009年11月 3日 (火)

小沢一郎幹事長が主導する政治刷新の法整備

民衆の力で成就した政権交代。この政権交代を歴史的偉業に育成しなければならない。私は政権交代の意義が

①「官権政治」から「民権政治」への転換

②「政治権力と大資本の癒着」排除

③「対米隷属外交」から「自主独立・日米基軸外交」への転換

にあると主張してきた。

経済政策の基本方針として、

④小泉竹中政治の「市場原理主義」を排し、「セーフティネット」を再構築する

ことが重要であり、

⑤日本郵政の経営を刷新し、「かんぽの宿疑惑」の全容を解明する

ことも政権交代の重要な目標である。

日本経済は米国のサブプライム金融危機の余波を受けて、深刻な不況に陥っている。この秋一番の寒波を迎え、各地から降雪の便りが届いているが、年末に再び「年越し派遣村」を開設しなければならない状況が生じる懸念も広がっている。

鳩山政権はまず、経済回復に向けての万全の施策を示す必要がある。同時に、深刻な不況によって苦しみに直面している多数の国民に対して、しっかりとした安全網を張り巡らせる必要がある。

小泉竹中政治が破壊したセーフティネットをきめ細かく再整備する必要が生じている。財政状況が極めて深刻な状況に直面しているが、政策の優先順位を誤ってはならない。

鳩山政権は「国民の生活が第一」の方針を明確に掲げている。短期の財政赤字に囚(とら)われて緊縮のブレーキを踏むことは、国民生活破壊につながるだけでなく、財政赤字をさらに拡大させてしまう現実を踏まえなければならない。

日本郵政最高幹部に大蔵官僚OBを2人も起用したことで、鳩山政権の「官権政治から民権政治への転換方針」が揺らいだのではないかと、多くの国民が疑問を感じ始めている。一部世論調査で鳩山政権の支持率が低下した最大の理由はこの点にあると考えられる。

日本郵政人事がこれまでの財務省支配打破を狙うものであるなら、一定の説明力を持つだろう。しかし、「民権政治」の実態が「新たな財務省支配政治」に陥るなら、鳩山政権は有権者からの厳しい批判に晒(さら)されることになるだろう。鳩山政権が「官権政治」温存に向かわぬよう、厳しい監視が必要である。

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こうしたなかで、民主党の小沢一郎幹事長は、政治のあり方を大きく変化させる法整備に積極的な姿勢を示している。

①官僚の国会答弁の全面禁止

②企業・団体献金の全面禁止

③公選法改正による戸別訪問とインターネット利用の解禁

を法制化する方針を示している。

このうち、①「官僚の国会答弁全面禁止」については、今臨時国会での法改正を目指す方針が示されている。

11月2日に始まった臨時国会での予算委員会審議では、鳩山政権閣僚が官僚原稿を棒読みする答弁から脱却する新しいスタイルを示している。政治家が自らの言葉で国民に語りかける政府答弁が、国会を活性化させる第一歩であると評価できる。

小沢幹事長は企業献金全面禁止を2010年の通常国会に提出する考えを有していると考えられる。今後の政局の焦点となる2010年夏の参議院選挙の重要争点となる可能性が高い。

自民党はこれまで企業献金にとっぷりと浸かる大資本との癒着体質を維持し続けてきた。大資本と癒着する政治権力の存在が、国民ではなく大資本の利益を追求する政治を生んできた背景である。

企業献金全面禁止は日本政治を根底から刷新するインパクトを有する施策であると考えられる。

また、選挙期間中のインターネット利用解禁は、「カネのかかる選挙」を大きく変質させるものと期待される。政府がインターネット活用を推進する一方で、選挙期間中のインターネット利用を禁止するのは自己矛盾以外の何者でもない。

今回の総選挙においても、既得権益=利権複合体の一角を占めるマスメディアが歪んだ情報を垂れ流すなかで、唯一、ネット情報と単行本による活字媒体が真実の情報を伝える重要なパイプになった。ネットから発信された真実の情報の意味は決して小さくなかったと思われる。

「官権政治」を排除し「民権政治」を定着させるという大目標の視点に立つと、鳩山政権の最近の動きに不安がないわけではない。しかし、官僚答弁の全面禁止、企業献金の全面禁止、選挙期間中のインターネット利用解禁などの施策が確実に実行されてゆくなら、日本政治は大きく変革するとの期待が裏切られることはないだろう。

しかし、世間の評価は移ろいやすいものである。鳩山政権が経済運営に失敗し、官権政治温存につながりかねない政策運営を示し続ければ、内閣支持率は急落し、2010年夏の参院選で思わぬ大敗を喫することも否定しきれなくなる。

「官権政治打破」の基本を再確認し、日本経済回復に向けての正しい経済政策運営を早急に提示することが求められる。政権交代の歴史的意義を低下させることは許されない。

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