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2009年11月24日 (火)

偏向メディアを冷ややかに見始めた日本市民

悪徳ペンタゴンの広報部隊であるマスメディアは、必死に鳩山政権攻撃を続けている。

①沖縄普天間基地移設問題での鳩山政権の対応が日米関係を悪化させているとのプロパガンダが流布されている。

②「政治とカネ」の問題について、自民党の問題をまったく追及せずに、民主党の問題だけを針小棒大に取り上げる。

③景気二番底が到来することを喧伝(けんでん)し、鳩山政権の景気浮揚策が十分でないと批判する。

④一方で、2009年度の国債発行金額が50兆円を突破すること、2010年度当初予算での国債発行金額が44兆円以上になることを、財政規律喪失と批判する。

⑤金融機関に借金の返済猶予を促す「中小企業等金融円滑化法案」(モラトリアム法案)の採決を衆議院本会議で強行したことを、「横暴な国会運営」だと騒ぎ立てる。

⑥「事業仕分け」における蓮舫議員などの受け答えを、乱暴であるとバッシングする。

⑦鳩山政権が、子ども手当に所得制限を設けること、高速道路無料化の実施スピードを落とすこと、などを検討する考えを表明したことに対して、公約違反と批判する。

何から何まで批判の対象にしている。CIAと関係の深い「読売」、市場原理主義勢力と結託する「朝日」、政権交代が実現したことをもって「下野」と公言してはばからない「フジサンケイ」、小泉新報と化していた「日経」、公明党との関係が深い「毎日-TBS」など、民間マスメディアは足並みをそろえて鳩山政権攻撃を展開し続けている。

NHKも小泉政権時代に政治からの強い支配力を行使された。とりわけNHK政治部には、影山日出夫氏や島田敏男氏など、自民党に極度に偏向した人物が在籍し、政権交代後も更迭されないままの状態が維持されている。

日経新聞の田勢康弘氏も日経新聞の意向を反映して、反小沢一郎氏、反民主党の偏向した主張を展開し続けている。田勢氏以外の日経政治部記者は、足並みをそろえて低質な民主党攻撃の文章を新聞に掲載し続けている。

11月22日放送のテレビ朝日番組「サンデープロジェクト」では、田原総一朗氏が、いつものように事実をねじ曲げた偏向報道を展開した。

田原氏は、鳩山政権が総選挙の際に、沖縄の普天間基地を国外または県外に移設するとの公約を示したが、その実現が難しくなっており、明らかな公約違反だと繰り返し述べた。

鳩山首相が総選挙の際に、普天間基地をできれば県外、あるいは国外に移設したいとの考えを述べたことは事実だが、民主党がマニフェストに県外移設、海外移設を明確に示したという事実は存在しない。

自民党政権が米国との間で辺野古地区への移転で合意を成立させてしまったことを踏まえて、民主党はマニフェストに慎重な表現を用いたのだ。

マニフェストの表現は以下の通りである。

51.緊密で対等な日米関係を築く

○日本外交の基盤として緊密で対等な日米同盟関係をつくるため、主体的な 外交戦略を構築した上で、米国と役割を分担しながら日本の責任を積極的に果たす。

○米国との間で自由貿易協定(FTA)の交渉を促進し、貿易・投資の自由化を進める。その際、食の安全・安定供給、食料自給率の向上、国内農業・農村の振興などを損なうことは行わない。

○日米地位協定の改定を提起し、米軍再編や在日米軍基地のあり方についても見直しの方向で臨む。
(ここまで引用)

 普天間問題の決着が容易ではないことを吟味したうえで、マニフェストには慎重な表現が用いられたのである。

 田原総一朗氏はこんな基本的事実も押さえることなく発言を垂れ流している。政治番組の司会者としての基本中の基本の資質が欠落していると言わざるをえない。

 田原氏は、鳩山首相に対する国民の印象を低下させるためには手段を選ばない行動を展開しているのだと思われるが、このような姿勢を示す人物に番組を仕切らせるのは、放送法に反するものと言ってよいだろう。

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 マスメディアの鳩山政権批判への執念には強い驚きを感じざるをえない。

 小泉進次郎衆議院議員が国会で質問したことをメディアがほめちぎっていたが、わざわざテレビ番組が時間を割いて賞賛するような内容は皆無だった。この点について「カナダde日本語」の美爾依さんが、

「あまりにも稚拙すぎる小泉進次郎の国会質疑」

と題する記事を書かれたが、まったくその通りだと思う。

 日本の言論空間の主要部分を支配する低質マスメディアの根本的な改革が日本改革には不可欠だ。しかし、現実を見ると暗澹(あんたん)たる気持ちにならざるをえない。

 しかし、考えてみればこのような状況のなかで、日本の市民は政権交代の偉業を成就したのである。私は選挙期間に合わせるかのように身柄を拘束され、投票権まで奪われた。選挙直前のテレビ報道は、酒井法子氏報道に占拠された。

 酒井法子氏事件があったからといって、総選挙報道はいくらでも可能だったはずだ。マスメディアは酒井法子氏報道を大義名分にして、国民の選挙への関心が高まらないように、選挙報道を最小限に抑制したのだと思われる。

 私も懸命に選挙での投票を呼び掛けた。日本の市民はメディア・コントロールに対する耐性を強め始めているのだと思う。

 テレビメディアが懸命に鳩山政権に対するネガティブ・キャンペーンを展開しているが、鳩山政権の支持率は驚くほど低下していない。これは驚くべき事態である。

 政党支持率も民主党が40%程度であるのに対し、自民党は20%を大きく下回っている。内閣支持率については、早速「カナダde日本語」の美爾依さんや「晴天とら日和」様などが記事取り上げて下さっている。

 鳩山首相が「審議拒否をしてもらいたくない」と発言したのに対し、自民党国対委員長の川崎二郎氏は下品さを丸出しにして、「こんなばかな話があるか。首相としての見識を疑う」とわめき散らす。この映像が流れるたびに、自民党支持率が低下することに気付かないようでは、自民党の未来は薄暗い。

 安倍政権、福田政権、麻生政権の時代、自公は衆議院で多数を占めていたが、参議院では少数勢力だった。参議院の多数派勢力の意向を尊重するのが国民主権、国会重視の政治運営のはずだったが、自公政権は参議院の意思を無視して、衆議院での再可決を繰り返したのではなかったのか。

 そんな、つい最近の過去を忘れ去ったかのような発言を示して、国民が賛意を示してくれると思っているなら甘すぎる。

 マスメディアが偏向報道を繰り返すなかで、市民の政治を見る力が確実に強くなっているのだと思われる。政権交代実現からまだ2ヵ月しかたっていないのだから、すべてが一朝一夕に変わることはありえない。しかし、鳩山政権はぶれることなく、新しい時代を築き上げる方向に着実に動き始めていると言ってよいだろう。

 当面の最大の問題は、経済政策である。問題は麻生政権が日本財政を破壊し尽くしてしまったことだ。このなかで、2010年の景気回復を実現することが求められている。鳩山政権は財政破たんを回避しつつ、日本経済の回復を誘導せよと求められているのだ。

 マスメディアや自民党の要求は無責任を絵に描いたようなものだ。短期的には「確実な景気回復策の実行」と「財政の健全性回復」の二つを両立させる道はない。当たり前のことだ。それにもかかわらず、政治番組の司会者は、執拗に二つを両立させる行動を鳩山政権に要求する。

 『金利・為替・株価特報』097号の発行日が11月25日になる。ご購読者様にはご了承をお願い申し上げたい。この097号に、日本財政の置かれた現状を詳細に説明する。

 麻生政権は巨大な財政出動を実行した。それにもかかわらず、日本経済の先行き不安が残存するところに、問題の根の深さがある。「非常事態」が生まれているのだ。したがって、政策対応も「平時」の判断では間違いを起こす。「有事」であることを前提に、政策判断を下さねばならない。

 財務省は足元の財政悪化に狼狽(ろうばい)している。この狼狽が鳩山政権に感染している。事態は容易でなく、判断を誤れば打撃は極めて大きいだろう。

 最近、モノの値段が下がること自体が「悪い」ことのように評価する評価基準が人為的に流布され始めているように見える。「物価下落」を「悪」と位置づけ、日銀の超金融緩和政策に世論の流れを誘導しようとする財務省の策略が見え見えである。これで問題が解決する可能性はゼロだ。正当な論議を起こさねばならない。まずは、『金利・為替・株価特報』に重要な論考を掲載するので、ご高覧賜りたい。

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