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2009年11月29日 (日)

サンプロで仙谷行刷相予算編成軌道修正を示唆

国民にとっても鳩山政権にとっても最重要の課題は2010年に向けての経済政策運営である。

2009年度予算は102.9兆円規模に膨張した。膨張させたのは麻生前首相である。鳩山政権は麻生政権が編成した14兆円規模の補正予算のなかの3兆円弱を凍結したが、この資金は2009年度の第2次補正予算の財源に充てられる可能性が高い。

2009年度予算規模は102.5兆円に膨張する。他方、税収は38兆円程度に激減する。歳出規模は税収を64.5兆円上回っており、このうち12.3兆円が税外収入で賄われるから、差額の52.2兆円を国債発行で賄わなければならない。

38兆円の税収に52兆円の国債発行。誰の目にも日本財政の疲弊は明瞭である。ただ、ここで明確にしておかねばならないことは、この財政状況を生み出したのは麻生政権であることだ。鳩山政権は麻生政権の置き土産として、この財政状況を引き継いだにすぎない。

鳩山政権はここまで悪化した2009年度予算をベースにして2010年度を編成しなければならない。

仙谷由人行政刷新相、藤井裕久財務相、管直人国家戦略相などのこれまでの発言では、2010年度当初予算規模を92兆円規模に圧縮する方針が示されていた。

2010年度も税収は38兆円程度にとどまる可能性が高い。予算規模が92兆円になり、一方、税収が38兆円になると歳出規模と税収の差額は54.0兆円になる。

『金利・為替・株価特報』2009年11月25日号はメインタイトルを

「財務省路線採用鳩山政権の巨大リスク」

として、第2節に

2.【政策】2010年度超緊縮財政の巨大リスク

を記述した。

 ここに詳述したが、財政の景気への影響は、端的に言えば、「歳出マイナス税収」(=財政赤字)の前年差によって規定される。

 財政赤字の増加がGDP増加要因、財政赤字減少がGDP減少要因になる。

 鳩山政権が2010年度予算を92兆円規模で編成すると、2010年度の財政赤字前年差は10.5兆円の減少になる。

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 1997年度の橋本政権の大増税予算、2001年度の小泉政権の超緊縮予算以上の超超緊縮予算になる。このフレームワークでの予算編成が具体化するに連れて日本の株価下落が進行し始めていると考えられる。

 鳩山政権が超超緊縮の2010年度予算を編成することは、極めて危険である。米国経済金融市場も大きな不安を抱え込んだままである。為替市場では急激なドル下落、円上昇が進行し始めている。

 鳩山政権が超超緊縮予算を編成すれば、株価急落-景気再悪化-金融不安の悪循環を引き起こす可能性が高い。

 日本の株価が急落すれば2010年夏の参議院選挙では与党は惨敗するだろう。日本政治刷新は始動開始とともに大きな挫折に直面してしまう。

 この点を踏まえて、鳩山政権が2010年度予算編成方針を大きく転換する必要があると『金利・為替・株価特報』に詳述した。本レポートは鳩山首相をはじめとする120名以上の鳩山政権与党国会議員の手元にも届けられている。

 このなかで、大きな変化が生じた。

 11月29日放送のテレビ朝日番組「サンデープロジェクト」に出演した仙谷由人行政刷新相の発言がこれまでの発言と一変した。『金利・為替・株価特報』を熟読していただいたのだと思われる。

 仙谷氏は、次の2点を明確にされた。

①日本財政は102.5兆円の予算規模、38兆円の税収、その結果として52~53兆円の国債発行が現状になっており、この現状を出発点に2010年度予算を検討しなければならないこと。

②2010年度予算を92兆円規模で編成しなければならないと考えてきたが、デフレの進行、急激な円高、株価下落などの経済急変を踏まえると、2009年度予算の現状から急激に引き締める予算編成を強行することには大きなリスクがあること。

の2点である。これこそ、まさに私が一貫して主張してきたことである。

 仙谷氏は2010年度予算の財源として、国債発行を44兆円にとどめ、不足する部分をいわゆる埋蔵金で賄いたいとの意向を表明した。不足する部分を国債(政府債務の増加)で賄っても埋蔵金(政府資産の減少)で賄っても、経済効果は変わらない。

 マスメディアが鳩山政権の下での国債発行増加を攻撃しようとしていることを踏まえれば、国債でなく埋蔵金活用で財源を賄うのは優れた高等戦術である。

 いずれにせよ、鳩山政権執行部の公式発言に私が訴えてきた重要事項が正確に反映されたことは極めて望ましい変化である。

 財務省は従来の発想で、超緊縮財政運営を強行しようとするだろうが、鳩山政権は国民の幸福実現を最優先して、じっくりと予算編成、経済政策運営を吟味する必要がある。鳩山政権の極めて柔軟な思考、対応能力に大いに期待したい。

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