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2009年11月26日 (木)

否定するより改善するべき事業仕分けの手法

悪徳ペンタゴンの広報部隊であるマスメディアによる鳩山政権攻撃が続いている。政権交代の偉業を成し遂げた日本市民は鳩山政権を守らねばならない。

政治資金の問題など不透明な問題については十分な説明が必要だが、日本政治の時計の針を元に戻すための劣悪な世論誘導に流されぬよう、市民は十分な警戒が必要である。

11月24日付記事

「偏向メディアを冷ややかに見始めた日本市民」

に次のように記述した。

「CIAと関係の深い「読売」、市場原理主義勢力と結託する「朝日」、政権交代が実現したことをもって「下野」と公言してはばからない「フジサンケイ」、小泉新報と化していた「日経」、公明党との関係が深い「毎日-TBS」など、民間マスメディアは足並みをそろえて鳩山政権攻撃を展開し続けている。

NHKも小泉政権時代に政治からの強い支配力を行使された。とりわけNHK政治部には、影山日出夫氏や島田敏男氏など、自民党に極度に偏向した人物が在籍し、政権交代後も更迭されないままの状態が維持されている。

日経新聞の田勢康弘氏も日経新聞の意向を反映して、反小沢一郎氏、反民主党の偏向した主張を展開し続けている。田勢氏以外の日経政治部記者は、足並みをそろえて低質な民主党攻撃の文章を新聞に掲載し続けている。」

日経新聞の低質化は目を覆うばかりであるが、その淵源は小泉政権発足後、小泉元首相と親密な杉田亮毅氏が同紙の実権を握ったことにあると思われる。日経新聞も産経新聞同様、鳩山政権発足後は必死に鳩山政権に対するネガティブ・キャンペーンを展開している。

「誰も通らない裏道」様が11月22日付日経新聞朝刊2面に掲載された伊奈久喜氏署名記事について、

「完全なイエロージャーナリズムに堕した日経」

と題する記事に的確な論評を掲載された。伊奈氏の署名記事のような文章が全国紙に掲載されるほどに日本のジャーナリズムの水準が低下していることに驚きを禁じ得ない。

 ①普天間基地をめぐる日米交渉、②「政治とカネ」問題、③事業仕分け、④景気対策、⑤成長戦略、⑥2010年度予算編成、⑦国会運営、などについて、マスメディアは今後も激しい鳩山政権攻撃を展開し続けるだろう。マスメディアが異常ともいえる鳩山政権批判を展開するのは、「悪徳ペンタゴン」の手に元に日本政治をもう一度引き戻そうとの狙いによるものであると考えられる。

鳩山政権の現状に問題が無いわけではない。事業仕分け人に市場原理主義者や財務省御用人を起用したり、日本航空経営危機問題への対処に従来の政官業癒着構造を引きずるなど、改善が求められる点は多い。

しかし、時計の針を逆戻りさせることは許されない。日本政治刷新を希求する日本市民は、鳩山政権に対して厳しいが温かい視線を送り続けるべきである。偏向マスメディアの悪質な世論誘導に支配されることのないよう、十分な警戒が必要である。

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鳩山政権が取り組んでいる事業仕分けについて、「神州の泉」主宰者の高橋博彦氏が重要な指摘を示されている。事業仕分けの手順のなかにさまざまな問題点が存在することは事実である。科学技術予算の削減について、ノーベル賞受賞者が顔をそろえて、「事業仕分け」批判を行った映像がテレビメディアで繰り返し報道されている。

マスメディアが鳩山政権批判の一環として映像を流布していることは歴然としている。マスメディアはこれまでの鳩山政権ネガティブ・キャンペーンの懸命な努力にもかかわらず、鳩山政権支持率の引き下げに成功していない。このことから、焦燥感を強め、キャンペーンを加速させているようにも見える。

国家予算は国家の政策そのものと言ってよい。政府の施策は予算に計上されて実行に移される。予算の内容を精査し、支出内容を選択することこそ、政策そのものと言ってよい。

事業仕分けで明らかになっていることは、これまで、膨大な国家予算が役人とその役人が握る巨大予算に群がる独立行政法人、公益法人、民間事業者などのハイエナのような利権関係者によって食い物にされてきたという現実である。

予算に計上されてきた支出詳細の氷山の一角が初めて、国民の目の前に明らかにされた。このプロセスを通じて、不要な支出が排除されることは、高橋博彦氏が指摘するように、「歴史的な変革行為」である。日本市民の多数が事業仕分けによる政府支出精査に賛意を示しているのは当然のことである。

政府支出は、

「国民の福祉向上のための予算」

「役人の福祉向上のための予算」

に二分できる。

 事業仕分けによって、まず排除すべきは後者の「役人の福祉向上のための予算」である。事業仕分けによる国民の賛意はこの部分に対する鳩山政権の強い姿勢に対するものであると思われる。

 事業仕分けは全体としては、後者の排除に力点を置いて進められていると見えるが、いくつか重要な問題がある。

 財務省の予算削減ターゲットについては、これまで御三家と呼ばれてきたのは、①公共事業、②社会保障、③地方交付税、の三つである。財務省の利権につながらない対象への支出を切ることに力点が置かれてきた。

 今回の事業仕分けでは、「役人の福祉向上のための予算」が切り込みの対象に含まれているが、財務省関連の予算への切り込みが不十分である点に大きな問題がある。

 「地獄への階段」様は11月24日付記事

「国立印刷局」&「印刷朝陽会」を仕分け対象に!」

に、国立印刷局と印刷朝陽会を事業仕分けの対象に取り上げるべきであるとの意見を示された。事業仕分けの会場は国立印刷局の施設であるが、財務省が事業仕分けを積極推進するなら、「隗より始めよ」で、財務省利権に積極的に切り込む必要がある。

 2010年度予算編成においては、「役人の福祉向上のための予算」を大胆に切り込み、「国民の福祉向上のための予算」を思い切って増額するべきである。

 国民の福祉向上の視点においては、「教育」、「社会保障」がとりわけ重要である。財務省は基礎教育にかかる支出も削減のターゲットにしている。これは、間違った方向である。

 ノーベル賞学者が科学技術予算に対する削減方針に反論することは理解できるが、現実の予算編成に際しては、どのような形での予算計上が必要であるかを綿密に検討する必要がある。

 優秀な学者に必要な予算は計上しなければならないが、現実の予算配分では優秀でない学者に対するとても有用と思われない支出対象に巨大な予算が費消されているのも紛れもない現実なのである。

 こうした意味で、予算精査にあたっては、綿密な検討を要する部分が大きく存在しており、現在進められている「事業仕分け」の手法には大きな限界があることも正しく認識しなければならないと思われる。

 いずれにせよ、大きな試みはまさにスタートしたばかりである。大変革は試行錯誤を繰り返すなかから、確かな道筋を見出してゆくものである。始まったばかりの段階で、細かな問題が存在することを、鬼の首をとったように大宣伝し、試み自体を委縮させることは賢明でない。

 問題があれば謙虚に是正し、より望ましい形に修正してゆく漸進(ぜんしん)主義をとることが重要だと思われる。

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