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2009年11月19日 (木)

日本株価が警鐘を鳴らす鳩山政権の財政運営

 8月30日の総選挙を通じて実現した政権交代は日本政治刷新のスタートであってゴールではない。鳩山政権が発足して2ヵ月が経過した。多くの日本国民が鳩山新政権に大きな期待を寄せている。

2ヵ月の間にさまざまな変化の兆しが見えている。長い間に定着した多くの制度や慣行を変革することは容易でない。日本政治刷新には主権者である国民が後押しが不可欠である。

国民世論形成に多大の影響を与えるマスメディア報道は、依然として鳩山新政権に対して敵対的である。これまでの自民党政治を支配してきた「政官業外電の悪徳ペンタゴン」は2010年夏の参議院選挙での与党敗北に向けてさまざまな工作活動を展開していると考えられる。

民主党に対するスキャンダル攻撃、日米関係悪化を扇動するキャンペーン、日本経済悪化と財政赤字拡大の責任追及、に焦点を当てて鳩山政権攻撃が展開されているように思われる。

鳩山首相はこれまでの「対米隷属外交」からの脱却する方針を明瞭に示した。「対等な日米関係構築」とは、小泉竹中政治に代表される「対米隷属外交」からの脱却を意味する。米国に対しても言うべきことは言う姿勢を示す基本姿勢を示したのだ。

しかし、沖縄の基地問題については、これまでの自民党政権が米国と合意を成立させてしまっているために、解決が容易ではない。そのなかで、鳩山政権は沖縄の基地負担軽減に向けてぎりぎりの努力を重ねている。国民はこのスタンスを最大限後押しする必要がある。

鳩山政権を攻撃しようとする勢力は、一朝一夕に解決策に辿りつけないことを批判するが、明治の条約改正においてもそうであったように、問題解決にはさまざまな紆余曲折がつきものである。鳩山政権が適切な着地点に辿りつけるように、辛抱強く見守る必要がある。

「政治とカネ」の問題について、不透明な部分があるなら、それを明らかにする責任がある。しかし、政治的な背景を伴った警察・検察権限の不当な行使に対しては、国民が厳しい監視の目を光らせねばならない。本年3月に表面化した小沢一郎民主党前代表の秘書逮捕は、明らかに政治的背景を伴った「国策捜査」であったと考えられるからである。

こうしたなかで、鳩山政権がもっとも警戒しなければならないのが経済政策運営である。私は本ブログでも、2010年に向けての経済政策運営が極めて重大な問題をはらんでいることを再三指摘してきている。

私が執筆している会員制レポートである『金利為替株価特報』2009年11月9日号のタイトルは、

「短期景気支持・中期財政再建の峻別が鍵」

である。日本の財政バランスが急激に悪化したために、財政の健全性回復は極めて重要な政策課題として浮上している。鳩山政権が財政バランスの悪化に強い警戒感を示しているのは当然である。

 しかし、一方において米国発のサブプライム金融危機を背景に日本経済が戦後最悪の状況に陥っていることを見落とせない。

『金利・為替・株価特報』2009年11月9日号

の目次は以下の通りである。

<目次>

1.【外交】オバマ米大統領訪日と日米関係

2.【政策】鳩山政権最優先課題の経済政策

3.【政治】天下りと企業献金の全面禁止方針

4.【米国】米国の不動産価格は底入れしたのか

5.【金利】財政赤字激増とその影響

6.【株価】株価再下落懸念の拡大

7.【為替】米ドル下落が持続する理由

8.【投資戦略】

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第6節に「株価再下落懸念の拡大」を記述した。米国のNYダウは10,400ドルを突破して2008年10月以来、11ヵ月ぶりの高値を記録している。だが、日本の株価は米国株価との連動性を離れ、弱含みに推移している。

日経平均株価の11月19日終値は9549円で、7月17日以来の安値を記録した。日経平均株価終値9050円を下回ると、日経平均株価は三尊天井を形成し、株価下落基調への転換の赤信号が灯ることになる。

『金利・為替・株価特報』は120名以上の与党国会議員の手元に渡っている。じっくりと内容を精読していただきたいと思う。

日本株価下落の最大の要因は、鳩山政権の2010年度予算編成に向けてのスタンスが、財務省が主導する「緊縮財政」の方向に大きくシフトし始めていることにあると思われる。

私は本ブログで2010年度予算編成問題について繰り返し意見を提示してきた。

10月15日
「鳩山新政権の2010年度予算編成について」

10月18日
「鳩山政権はマクロ政策運営の指令塔を確保せよ」

10月29日
「日米株価1万ポイント割れと今後の経済政策」

11月2日

「短期景気回復・中期財政再建を目標に定めよ」

11月17日
「第2次補正予算規模をめぐる論議への提言」

などに、問題のポイントを指摘してきた。

日本財政が麻生政権の巨大財政発動によって著しく悪化してしまった現実から目をそらしてはならない点に最大の重要性がある。

財務省は巨額の財政赤字継続を嫌う。そのために、現在取られつつある手法は、2009年度予算に第2次補正予算を編成するが、2010年度当初予算を圧縮しようとするものである。

予算は通常、当初予算をベースに編成される。財務省は当初予算の膨張を極端に嫌う。しかし、2009年度に財政規模を拡張してしまった以上、暫くは拡張した予算規模を維持せざるをえない。2010年度予算は2009年度補整後予算をベースに編成しなければならないのだ。

しかし、鳩山政権の予算編成は財務省に誘導されて緊縮の方向に急速に引き寄せられ始めている。株式市場はこの政策スタンスに警鐘を鳴らし始めているように見える。

 株価は一進一退を繰り返すから、株価上昇はいつでも生じる。しかし、基調を見定めねばならない。鳩山政権にとって経済政策の失敗は致命傷になる。経済政策運営について、もう一度原点に立ち返って検討する必要がある。

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