『国民生活重視の経済成長戦略を描け』
内外市場の株価は本年3月の危機的状況を脱しているが、世界的に景気低迷は深刻だ。9月4日発表の米国の8月の失業率は9・7%に上昇して83年6月の10・1%以来、約26年ぶりの高水準を記録した。非農業部門の雇用者数は20ヶ月連続で減少しその合計は約690万人に達した。
一方、日本の7月失業率は5・7%に上昇した。完全失業者数は前年比で103万人増加し、359万に達した。有効求人倍率は0・42倍に低下した。深刻な景気不振が国民生活を苦しめている。
麻生政権は昨年10月以来、3度の補正予算を編成して27兆円も財源赤字を拡大させた。民主党の子ども手当などの財源が問題とされてきたが、民主党の提案した諸施策は2010年度、2011年度合計でも20兆円に満たない。
麻生政権が成立させた2009年度補正予算では天下り費用にもつながる基金に4・3兆円、官庁等の営繕費に2・8兆円等「役人お手盛り予算」が満載だ。鳩山新政権は補正予算執行を凍結する方針を示しているが、そうはさせまいと予算執行が加速されているようだ。
鳩山新政権には、これまで「官」と「業」に偏って配分されていた国家予算配分に大ナタを振るい、国民生活安定を最優先する政策運営を望みたい。
経済情勢の現状を踏まえれば、性急な財政収支改善至上政策は有害だ。一部に一段の金融緩和政策を求める主張があるがこれは正しくない。詳しくは元衆議院議員鈴木淑夫博士の近著『日本の経済針路―新政権は何をなすべきか 』をご高覧賜りたい。
内需主導の正しい経済成長戦略が明示されている。
2009年9月5日執筆
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売国者たちの末路 著者:副島 隆彦,植草 一秀 |
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知られざる真実―勾留地にて― 著者:植草 一秀 |
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