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2009年8月12日 (水)

西松事件西松献金との大久保氏の認識について

6月19日付本ブログ記事再掲載

本日6月19日、西松建設事件の第一回公判が開かれた。公判での注目点については、本日の公判開始前に掲載した、
「西松事件初公判と政権交代実現への課題」
に記述した。

今日の公判では、民主党小沢前代表の公設第一秘書である大久保隆規氏が、取り調べで、献金の資金の出所が西松建設であることを知っていたとの供述調書があることが示されたと報道されている。

私は、本ブログでこの可能性を繰り返し指摘してきた。

3月25日午前零時にNHKが、「大久保氏が容疑事実を認める供述を始めた」と報道したときに、

3月25日付記事
小沢民主党代表渾身記者会見とNHK情報操作報道」

このことを指摘した。

以下に転載する。

「NHKは不思議なことに、この記者会見報道を一通り終えた25日午前零時の定時ニュースで、新たなニュースを報道した。

報道内容は、「大久保隆規氏が検察に対して、最近になって「うその記載」を認める供述をしていることが関係者への取材で明らかになった」とするものだ。

お決まりの「関係者への取材」が出てきた。大久保氏は勾留されている。恐らく接見禁止の措置が取られているだろう。となると、大久保氏の発言を知ることができるのは、大久保氏の弁護人か検察しかないことになる。弁護人がこのようなことを話す可能性はゼロであり、情報は検察のリークによるものでしかないことになる。

検察のリークであれば、そもそも公務員の守秘義務に違反する。こうした守秘義務違反を地検特捜部は捜査して逮捕すべきとも思われるが、リーク情報ほどいかがわしいものはない。私も実体験としてよく知っている。

たとえば、大久保氏が政治団体の資金が西松建設に関連したものであるとの漠然とした認識があったと供述したとしよう。政治献金を受けた窓口はあくまでも政治団体である。しかし、その政治団体が西松建設と関わりがある印象を持っていたと述べたとする。

これを検察は、被疑者は「資金が西松建設のものであることを知っていた」と置き換え、さらに、「西松建設の資金であることを知りながら政治資金報告書にうその記載をした」と述べたように伝えるのだ。

今回のケースの真実を確かめたわけではないから、上記の表現は、ひとつのシナリオとして記述している。」

「たとえば、大久保氏が次のような説明を受けた可能性もある。

政治資金規正法では資金拠出者ではなく、寄付行為者を記載すれば良いことになっている。上述した通りだ。このことを大久保氏に告げて納得を得たうえで、「寄付行為者が政治団体であるとの認識で政治資金報告書に政治団体を記載したのだろうけれども、その政治団体が西松建設と関係しているとはまったく考えなかったのか」と質問する。この質問に、大久保氏が「関連があると聞いたことはある」と答えたとしよう。

このやり取りを、検察が「大久保氏は献金が西松建設からのものだと知っていたとの趣旨の発言をした」、あるいは、それをさらに「大久保氏は西松建設からの献金であることを知りながら、政治団体からの献金であるとのウソの記載をしたと供述している」と検察がリークして、ニュース報道になることも十分に考えられる。」

(ここまで転載)

 また、

5月27日付記事
「大久保隆規氏保釈実現と西松事件の本質」

6月2日付記事
「西松事件不正政治利用に見られる謀略の全貌」

6月11日付記事
「読売社説 民主「西松」報告批判は的外れだ」

に詳細を記述したので、ご高覧賜りたい。

 最大の問題は、
「犯罪構成要件としての法令の解釈・罰則適用基準」の曖昧さ」
にある。

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「ただ、この点についても)報告書は、現在の政治資金規正法は企業から政党支部への企業献金を容認しており、小沢氏サイドは西松建設からの献金を政党支部で受け入れることが可能だったのであり、問題に重大性はないと結論している。

話がやや込み入ったが、問題の根源は、政治資金規正法の運用における、「犯罪構成要件としての法令の解釈・罰則適用基準」の曖昧さにある。この点が明確でなければ、小沢氏はうっかり発言を示すことができない。

読売新聞の社説は検察の説明にそのまま乗ったものであるが、検察の評価基準が客観的で適正な評価基準である保証はどこにもない。現行法規では、企業から政党支部への献金が認められており、現に自民党議員の多数が政党支部で受け入れた企業献金を個人の資金管理団体に移し替える「迂回献金」を実行している。

この意味では、小沢氏の資金管理団体が西松建設からの企業献金を受け入れていたとしても、「悪質な献金元隠し」などの批判はあたらない。政治献金を西松建設から政党支部への献金に修正報告すれば済むようなことである。」

引用が長くなり、少し分かりにくくなったが、法律の規定が具体的に何をどのように禁止しているのかがはっきりしないことが最大の問題なのだ。

郷原信郎氏が指摘する解釈を踏まえれば、大久保氏が二つの政治団体名を収支報告書に記載したことは、法律違反に該当しないのである。この場合には、大久保氏が献金の資金の出所が西松建設であることを認識していたとしても、問題にはならない。

法律の解釈が明確でないことが最大の問題である。日本国憲法が定める「罪刑法定主義」は、事前に法律解釈が明確でなければ、何人も罰することができないとの考え方である。

大久保氏の供述については、この大原則を踏まえて考えることが必要である。常識的な法律解釈によれば、大久保氏が二つの政治団体名を収支報告書に記載し、なおかつ、資金の出所が西松建設であることを知っていたとしても、二つの政治団体に何らかの実体があるのなら、大久保氏の行為は適法行為になるのである。

報道に際しては、このような詳細を正確に伝えることが不可欠なのだ。

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ところが、検察当局の行動をみると、検察当局は小沢氏の秘書が、資金拠出者が西松建設であることを認識していたかどうかを問題とし、西松建設であると認識していた場合には、政治資金規正法が認めていない企業から政治家個人の資金管理団体への献金を隠ぺいするために「工作」をしたことになるとして摘発しようとしているように見える」

この指摘が正しければ、小沢氏の秘書が仮に「資金拠出者」が西松建設であると認識していたとしても、「虚偽記載」で罪を問われることはないということになる。

この記載が「虚偽記載」に該当するには、「新政治問題研究会」「未来産業研究会」という二つの政治団体が、資金の拠出者から政治団体に金銭や利益を供与するための単なる「トンネル」のような実体のない団体であることが立証される必要があるが、報告書は、
「西松建設が2009 5 15 日に公表した内部調査委員会による調査報告書に記載された政治団体の実態によれば、二つの政治団体を単なる「トンネル」のような実体のない団体とは認め難い」
と指摘する。

「(民主党第三者委員会)の)報告書は、政治資金規正法が収支報告書に「寄付行為者」の記載を義務付けており、「資金拠出者」の記載を求めていないと指摘する。小沢前代表の秘書が「新政治問題研究会」「未来産業研究会」という二つの政治団体からの献金を「新政治問題研究会」「未来産業研究会」からの献金と記載した行為は虚偽記載にあたらないと指摘する。

 6月11日付記事から関連部分を転載する。

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