都議選民主党圧勝と総選挙を勝ち抜く三大戦術
総選挙前哨戦となる大型地方選5連戦最終戦の東京都議会議員選挙が7月12日に実施され、民主党が圧勝した。大型地方選5連戦は民主党を中心とする政権交代推進勢力の5連勝に終わった。
総選挙での本格的な政権交代実現に大きな弾みがついたと言える。
本ブログで訴え、「カナダde日本語」様、「高橋敏男のブログ」様、「日本国憲法擁護連合」様、「とりにく」様、「アルデバランの 夢の星」様、「永瀬ユキのブログ」様など多くのブロガーが投票率引き上げの働きかけをして下さった。
「アルデバランの 夢の星」様は、いつもピリリとエスプリの利いた川柳を創作して下さるが、
「投票ねっ と声かけ運動 率揚げよう」と呼びかけて下さった。
言葉が重なるが、
「投票ねっ と声かけ投票 率揚げよう」の言葉に応じて投票率が大幅上昇した。
また、「Like a rolling bean (new) 出来事録」様、「海舌」様、「Easy Resistance」様などが、都議会議員選挙に向けての貴重な考察を掲載下さった。
投票率は、前回都議選の43.99%から10.50%上昇して54.49%に上昇した。十分に高い投票率とは言えないが、前回選挙よりも10%ポイント以上も投票率が上昇したことは、大きな意味を持った。
127の定数に対して、
自民 38
公明 23
与党 61
民主 54
共産 8
ネット 2
無所属等 2
野党 66
の結果となった。
民主党は都議会第一党に躍進した。
自公与党は61議席に減少し、都議会過半数64を割り込んだ。
各選挙区における各候補の得票状況を見ると、民主党候補者の得票数が抜きん出て多いことが分かる。この得票をそのまま総選挙の小選挙区の候補者に割り振ると、総選挙での民主党圧勝の数値が得られるはずである。
民主党は単に議席数で圧勝しただけでなく、得票率でさらに著しい圧勝を遂げた。
今回の都議会選挙の争点は以下の三点だった。
第一は、国政レベルでの「政権交代」に対する評価
第二は、石原都政を象徴する新銀行東京問題、築地市場の豊洲への移転問題について、都議会与党の政策実績をどう評価するか。
第三は、石原都知事が熱心に旗振りしているオリンピック東京招致への評価。
本ブログでは、
①国政レベルでの政権交代を望み、
②新銀行東京、築地市場移転の施策を評価しない、
③オリンピック東京招致に反対、
の有権者は、国政レベルでの「政権交代推進勢力」に投票を集中させるべきだと訴えた。
結果的に、社民党は議席を確保できなかったが、国政レベルでの「政権交代推進勢力」である民主党に投票が集中した。社民党、国民新党、新党日本が選挙協力を実行し、これらの政党を支持する有権者が民主党候補者に投票を集中させた結果、このような選挙結果がもたらされたのだと考えられる。
共産党は、政権交代実現に積極的ではなく、自民、公明、民主をオール与党だとして、唯一の野党としての共産党への投票を呼び掛けたが、有権者は、日本政治の現状を変革する手始めの一歩として、「政権交代実現」を重視したのだと考えられる。
共産党が「政権交代実現」を優先し、政権交代推進勢力と共闘体制を構築していれば、多くの議席を確保できたと考えられる。各選挙区では、民主党に投票が集中した。この過剰な投票が共産党に振り向けられれば、共産党候補者の多数の当選が可能になったと考えられる。
民主党は54議席を確保し、都議会第一党に躍進した。しかし、議会過半数の64には届かない。民主党の提案を議会で実現するには、自民、公明、共産のいずれかと連携する必要が生じてくる。総選挙の結果によっては、公明党の姿勢が大きく変化することも考えられる情勢にある。
いよいよ、焦点は総選挙に移行する。総選挙に向けての基本姿勢を改めて確認しなければならない。
7月9日付記事
に記述したように、日本政治の歴史を振り返るとき、次期総選挙を通じて達成されるかも知れない政権交代は、単なる政権交代以上の意味を持つ。
徳川時代が終焉し、明治が始まったのは1868年である。爾来(じらい)、140年、日本は官僚が支配する国であった。第二次大戦後に民主化改革が実行されたが、統治者としての官僚機構が温存された。
1955年体制は、官僚と結託する自民党が政治を支配しつつ、見かけだけ、決して強大化しない野党勢力が与党に抵抗する演出が施された仕組みだった。政治権力の中心には自民党が居座り、事実上の一党独裁政治が50年以上も維持されてきたのだ。
当初から存在した「政官業のトライアングル」に加えて、小泉政権以降、この利権複合体に、新たに「外国資本」と「御用メディア」が加わり、「政官業外電=悪徳ペンタゴン」の政治利権構造が構築されて現在に至っている。
次期総選挙を通じて実現する政権交代は、これまでの政治利権構造を破壊して、日本の歴史上、初めて一般国民を主役とする政府を樹立しようとする、「政治革命」である。
大資本のための政治
官僚のための政治
外国勢力のための政治
を排除し、
国民のための政治
を、日本の歴史上、初めて創設できるかが問われる選挙になる。
民主党中心の政権に、この課題を実現できるかとの疑問がある。もっともな疑問である。
民主党議員のなかに、①市場原理主義者、②大資本偏向者、③軍事拡張主義者が存在することは事実である。
「悪徳ペンタゴン」は、新政権を従来の「悪徳ペンタゴン政治」に引き込もうと、あらゆる工作活動を展開してくるだろう。「偽装CHANGE勢力」との連携、大連立構想などは、この流れに沿う動きである。
しかし、目指すべき新政権の方向は異なる。
大資本との癒着を解消し、
官僚利権を排除し、
外国資本への利益供与を断ち切り、
平和主義を外交方針の基本に据える、
政府を樹立することが目的である。真に、一般国民の幸福を追求する政府を樹立することを目指すのだ。
この意味で、本当の闘いは政権交代実現後に始まると考えなくてはならない。政権交代実現後に、新政府の方針を明確に定めてゆかねばならないのだ。
新政府の基本が不明確にならないよう、総選挙に際して、基本事項を明確に政権公約に盛り込んでおかねばならない。
企業献金の全面禁止
天下りの全面禁止
消費税大増税の4年間封印、
セーフティネットの構築、
対米隷属外交からの脱却、
などの基本公約が極めて重要な意味を持つことになる。
民主党を軸とする新連立政権が、初めから完全な形で発足できるとは考えられない。しかし、国民本位の政治の確立を求める主権者である国民の立場からすれば、まずは、「政権交代」から始動しなければ変革を勝ち取ることはできない。
「政権交代」実現を後押しせず、「政権交代実現推進勢力」を攻撃することは、結果的に「悪徳ペンタゴン勢力」を側面支援してしまうことになるのだ。
今回の都議選で明らかになったことは、多くの有権者が「政権交代」を希求しているという、極めて重要な現実であった。
次期総選挙に向けて重要な戦術が三つある。
①「投票率」を可能な限り高めること
②「政権交代推進勢力」に投票を集中させること
③「偽装CHANGE新党」が創設されても、「偽装CHANGE新党」には決して投票しないこと
この三つを、三大選挙戦術として、政権交代を希求する全国民に徹底的に周知徹底することが必要だ。政権交代実現は、手に届くところにまで近付いてきた。しかし、最後の最後まで気を抜くことは許されない。主権者である国民が手を携えて総力を結集しなければならない。
売国者たちの末路 著者:副島 隆彦,植草 一秀 |
知られざる真実―勾留地にて― 著者:植草 一秀 |
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