テレ朝サンプロでのかんぽの宿検証について
「神州の泉」様、「文藝評論家・山崎行太郎」様、「村野瀬玲奈の秘書課広報室」様、「杉並からの情報発信です」様、「高原千尋の暗中模索」様をはじめ、非常に多くの皆様から、最高裁不当判決につき、貴重な分析と温かな激励のお言葉を賜った。心より深く感謝申し上げたい。
警察・検察・司法の機能不全は、この国を暗黒社会、暗黒秘密警察国家に転落させる原因になる。「法の下の平等」、「罪刑法定主義」、「適法手続きの遵守」、「無罪推定の原則」、「政治的自由の保証」などの大原則が確実に守られることが不可欠である。
取り調べ過程の全面可視化も必要不可欠である。政権交代を実現し、日本の警察・検察・司法制度の近代化を図らねばならない。警察・検察の天下りにもしっかりメスを入れる必要がある。
「ひなたぼっこ」様が、「暴想」様が紹介下さった「ココログ最強カレンダー」の設置法を教えて下さった。早速、活用させていただいたので、ご報告ならびにお礼申し上げるとともに、読者の皆様には新機能を是非ご活用いただきたい。
また、トミさまのご助言にしたがって、本ブログへの貴重な情報提供の重責を担って下さっている「植草事件の真相掲示板」様のリンクを本ブログ画面右側上部に掲載させていただいたので、併せてご活用賜りたくご案内申し上げる。
総選挙を控えて、政治的な駆け引きが活発化している。内閣改造、自民党役員人事、新党結成、総裁選前倒しなど、「悪徳ペンタゴンの断末魔の叫び」がこだましている。
民主党鳩山由紀夫代表の政治資金問題が取りざたされているが、鳩山代表には説明責任を十分に果たしていただき、総選挙に向けての戦闘態勢構築に全力を注いでいただきたい。
田原総一朗氏は7月5日放送のテレビ朝日「サンデープロジェクト」で、「かんぽの宿」問題を取り上げることを明言した。田原総一朗氏-竹中平蔵氏-大谷昭宏氏-高野孟氏-財部誠一氏の「サンプロペンタゴン」は足並みを揃えて西川善文日本郵政社長続投論を主張し続けてきた。
小泉純一郎氏-竹中平蔵氏-中川秀直氏-菅義偉氏-石原伸晃氏の「郵政××化ペンタゴン」と連携していると考えられる。
田原総一朗氏は複数の媒体にほぼ同一の西川社長続投論を提示している。田原氏が提示する論点を改めて点検する必要がある。田原氏を含む「サンプロペンタゴン」らが提示する西川社長続投支持論の論拠は以下の5点である。
①「かんぽの宿」売却は27社による競争入札で、オリックス不動産が最高札を入れて落札したもので、不正は存在しない。
②オリックスの宮内義彦氏は、売却が白紙撤回されたことについて、「ホッとしている」と述べており、109億円の落札価格は適正である。
③日本郵政は民間会社であり、民間会社の人事に所管大臣は介入すべきでない。④「かんぽの宿」は年間40~50億円の赤字を垂れ流しており、また、雇用維持義務があり、109億円は低すぎる価格ではない。
⑤問題は109億円でしか売れない「かんぽの宿」に2400億円も投入した、民営化前の郵政の体質であり、西川社長更迭論は、抵抗勢力による「陰謀」である。
6月28日付記事
に記述したように、上記五つの論点は、適正な主張になっていない。
①「かんぽの宿」購入に27社が手を上げたが、5社が門前払いされた。このなかに、400億円の価格を打診した業者が存在した。この業者は社宅を除く70ヵ所の施設をすべて実地調査した会社である。
27社による「競争入札」とされていた選考の実態は、「競争入札」とかけ離れたものであった。第二次選考には3社しか参加が認められず、そのうちの2社が辞退するように働きかけられていた疑いが濃厚である。
②宮内義彦氏が「ホッとした」のは、オリックス自身が経営危機に直面したからである。日本政策投資銀行からの緊急融資を申請したのはその証左である。
③について、繰り返し指摘してきた。日本郵政の株式100%を政府が保有している。日本郵政は完全国有会社である。日本郵政の取締役会、指名委員会が取締役選任に際して株主である政府の意向を反映させることは当然の責務であるが、その責務を怠った。
さまざまな不祥事が表面化した責任を明らかにするために、取締役選任の認可権を有する総務大臣がその権限を行使するのは当然である。国民の利益を守るための所管大臣の正当な権限行使を批判することが「根本的に誤っている」主張である。
④「年間40~50億円の赤字垂れ流し」は嘘であったことが判明している。アドバイザーのメリルリンチ日本証券が提示した資料には、「かんぽの宿」収支が2009年に10億円の黒字を計上する見通しが示されていた。
また、「かんぽの宿」は「加入者福祉施設」であり、事業収支が赤字になるように料金体系が設定されていた面がある。営利事業としての経営努力を注げば、容易に大幅黒字になることが予想される物件である。
⑤「かんぽの宿」の固定資産税評価基準額は857億円であり、時価は1000億円を下らないと見られている。問題は不動産鑑定評価の方法にある。
不動産鑑定評価の方法には、①原価法、②収益還元法、③取引事例比較法、の三つがある。大幅赤字の事業収支を用いて②収益還元法を適用して鑑定評価を行なえば、著しく低い鑑定評価金額を得ることができる。
日本郵政は、この手法を用いて、意図的に「かんぽの宿」簿価を引き下げた可能性が高いのだ。「かんぽの宿」の簿価推移は以下の通りである。
2003年4月 1726億円
2004年3月 1620億円
2005年3月 1535億円
2006年3月 672億円
2007年3月 326億円
公社閉鎖時 129億円
2008年3月 125億円
2008年9月 123億円
オリックスに安値売却するために、強引に簿価を引き下げたとの疑惑が存在している。
安値売却容認派は、総務省が改めて実施した鑑定評価で得られた鑑定評価金額が250億円であることを強調する。しかし、鑑定評価額が低く算出されたのは、民営化に伴う「承継財産評価委員会」による129億円の鑑定評価の責任問題を浮上させないためだと考えられる。
オリックス不動産に課せられた雇用維持条件は極めて軽いもので、このような軽い雇用維持条件しか課さないのであれば、鑑定評価は「収益還元法」ではなく、「取引事例比較法」によるべきであった。
3200名の従業員が存在するが、オリックス不動産に課せられた雇用維持条件は以下のものにすぎない。
3200人の従業員のなかの620人の正社員のなかの550人について、たったの1年だけ雇用条件を維持するとの条件が付されただけだったのだ。また、転売規制にも抜け穴条項が用意されていた。
550人の雇用だけが雇用維持条件の対象であるとき、これらの全員に1000万円の早期退職勧奨金を支払っても、合計金額は55億円である。55億円の支払いを実施して、純粋不動産として売却すれば、はるかに大きな売却代金を確保できたはずである。
固定資産税評価基準額に近い金額での売却は可能であったと考えられる。この意味で、「取引事例比較法」に基づく鑑定評価を実施することが不可欠なのである。
サンプロがこの問題を取り扱うのなら、番組に出演するサンプロペンタゴンの人数に見合う、反対の論客を出演させなければ、公正な討論にはならない。
国会では、社民党の保坂展人氏を筆頭に、民主党の川内博史氏、原口一博氏、松野頼久氏、国民新党の長谷川憲正氏、亀井久興氏などが問題に詳しい。また、ジャーナリストの町田徹氏も詳細を把握している。これらの人々を3~4名出演させて討論を行なわなければ、公正な論議は成り立たない。
「かんぽの宿」79施設の109億円での売却は、
「オリックス利害関係者の、オリックス利害関係者による、オリックス利害関係者のための売却」
であった疑いが、依然として濃厚なのだ。
サンデープロジェクトが偏向した取り扱いを行なうことは許されない。番組視聴者が監視しなければならない。
売国者たちの末路 著者:副島 隆彦,植草 一秀 |
知られざる真実―勾留地にて― 著者:植草 一秀 |
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2006年2月15日 東京・新宿ロフトプラスワン/山本夜羽音(マンガ家)沢田竜夫(フリーライター)寺澤 有(ジャーナリスト)山下幸夫(弁護士)
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