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2009年7月

2009年7月31日 (金)

日本で無血市民革命=政権交代が成功する理由

私は民主党を絶対視しない。

民主党が危ういと思う点も多くある。

しかし、現実を変化させるには、現実のなかから選択肢を見つけなければならない。現状を変革するには、民主党に中核的な役割を担ってもらわなければならないと考える。

「変革」とは何か。

最大の「変革」は政治の主人公が変わることだ。

これまでの政治を振り返ると、政治の主人公は「国民」ではなかった。「国民」はうまく利用されてきただけである。

誰に利用されてきたのか。

①特権官僚

②大資本および特権階級の個人

③政治屋

による「利権互助会」にである。この「利権複合体」に新たに加わったのが、

④外国資本

⑤御用メディア

である。

これを私は「政官業外電=悪徳ペンタゴン」と呼んだ。

国家予算の規模は、一般会計、特別会計を合わせて207兆円。国債費や繰入金の90兆円と社会保障給付の46兆円を除くと71兆円。日本のGDP497兆円の14%にあたる資金が政府の手に握られている。「利権互助会」はこの巨大な政府資金と政府の許認可権に群がる。

自民党は2007年の実績で、168億円の企業献金を受け取った。企業献金を禁止する代償として導入された政党助成金に基づく交付金は、自民党の場合、2007年に166億円だった。自民党は今なお政党交付金を上回る企業献金を受け取っているのだ。

民主党は同じ2007年、企業献金を18億円受け取り、政党交付金を111億円受け取った。

自民党への168億円の企業献金が示すのは、自民党政治の目的が大企業の利益追求に置かれてきた可能性の高さだ。

政治屋は企業から各種陳情を受けて、その意向を反映する政策立案を高級官僚に任せる。高級官僚は各種業界を監督する立場におり、政治屋から発注された仕事をこなす一方で、業界や国費の負担による巨大な「天下り利権」を確保する。

政官業は相互癒着の関係を作る。これが強固なトライアングルを形成して、日本の政治を支配してきた。

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自民党が与党、社会党を軸とする政党が野党の図式が長く続いてきた。55年体制と言われる。

日本経済が成長を続けていたころ、「労働」と「資本」の対立は尖鋭化しないで済む状況にあった。経済のパイが増大し、「資本」も潤い、「労働」もそれなりに潤う時代が続いた。

「資本」と「労働」は対立せずに労使協調が成り立つ部分が大きかった。

政治の世界でも、自民党と社会党が表面では対立しても、テーブルの下で手を握る図式が持続した。

しかし、1990年を境に時代環境は変化した。

三つの大きな変化が生じた。

第一は、冷戦が終焉したことだ。中国などの新興国が急成長し始めた。企業は生き残りのために、労使協調を言えなくなった。

第二は、日本のバブル経済が崩壊したことだ。1990年から2009年まで20年に及ぶ長期停滞が日本経済を襲った。経済の長期停滞の最大の理由は、政府の経済政策運営の失敗にあった。経済の停滞持続も労使協調を破壊する要因になった。

第三は、ITの飛躍的発展により、多くの事務労働者の地位が低下したことだ。企業は事務労働者の賃金引き下げに本格的に動いた。

これらの三つの要因によって、社会に重大な変化が起こった。企業は生き残りに全力疾走で向かい、戦後日本が築き上げた「総中流社会」の破壊に動いた。「共生社会」が突然「格差社会」、「生存競争社会」に変質した。

この時代環境を踏まえれば、政治は、「市場原理主義」ではなく「セーフティネット重視」に舵を切らなければならなかった。世界の大競争のなかで、企業が生き残りのために「格差創造」の方向に動く。この企業の行動によって発生する「ひずみ」を吸収するために、政府は「セーフティーネット強化」の方向に舵を切らなければならなかったのだ。

ところが、不幸なことに日本の現実は逆の方向に向かった。2001年に小泉政権が発足し、「市場原理主義」を政策方針の中心に据えた。経済の構造変化と、その変化を加速させる「格差創造」の「市場原理主義」によって、日本社会はあっという間に世界有数の「格差社会」に変質した。

年収300万円以下の労働者が50%を突破する一方、年収700万円以上の労働者は10%しかいない。ほんの一握りの労働者が「勝ち組」である一方、労働者の半分以上が「負け組」に押し込まれてしまった。

この時代環境の下で、自民党は巨大な献金を受け取っていることを背景に、大資本の側だけを向いた政治を続けた。生活保護を切り、障害者支援を切り、高齢者医療を切る一方で、法人税減税、製造業の派遣労働解禁などを実行した。

参政権は自然人である国民だけに1人1票で割り当てられる。企業は巨大な献金を行なうが、自然人ではなく参政権もない。

時代環境は変化した。「大資本」の利害と「労働者」の利害は全面対立する時代に変化したのだ。

麻生首相は業界団体を連日訪問して、選挙応援を要請しているが、現実がまったく見えていないのだろう。政治の主人公は「大資本」ではなく、「労働者」である国民なのだ。

「大資本」と「労働」の利害が対立してしまった以上、いくら麻生首相が業界団体を回っても、業界団体に所属する労働者は大資本の応援をする気にならないだろう。

かつて、業界団体が選挙戦で影響力を持ったのは、業界団体の労働者が、「大資本」の意向に沿って行動すると、企業が潤い、その分け前を労働者も享受(きょうじゅ)できたからだ。

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ところが、いまや、大資本の利益は労働者の不利益になる時代に変化している。

したがって、選挙では「大資本」ではなく「一般国民」の利益を追求する政党に支持が集まる。選挙の投票権は1人1票しか与えられない。大資本が168億円もの献金を自民党に投入しても、大資本そのものには、1票も投票権が付与されない。

官僚機構も一般国民から見れば、巨大な国家財政に巣食う寄生虫にしか感じられなくなった。公務員の給与は決して低くない。公務員に定年までの雇用を保証して、天下りを根絶すべきとの意見に多くの国民が賛同し始めている。

2005年には「郵政民営化」を掲げた「改革」=「リフォーム」の言葉に多くの国民が騙されてしまった。2005年の自民党マニフェストは、郵政民営化を実現すれば、世の中がバラ色になるとの宣伝文句で満載だが、この公約が嘘八百だったことに国民も気付いた。

「かんぽの宿疑惑」は「郵政民営化」の実態が「郵政私物化」、「郵政米営化」であったことを国民の前に見せつけた。もう二度と「リフォーム詐欺」に遭うまいと誓った国民が急増している。

こうしたなかで、「悪徳ペンタゴン」が最後の頼りにしているのが「御用メディア」だ。「御用メディア」の正社員は、確実に年収700万円以上の「勝ち組」に所属している。「御用メディア」下請けの制作会社非正規労働者、技術担当会社から派遣される非正規社員は確実に「負け組」に組み入れられているが、「勝ち組」が番組を制作し、「勝ち組」がコメントを述べるから、偏向番組が出来上がる。

この偏向報道に毒された人々が、自公政権を支持する残党として残るが、真実に気づいた人々から順次、政権交代を望む方向に変化する。

官僚のための政治

大資本のための政治

米国のための政治

を排除して、

国民のための政治

を実現することが「政権交代」の目的である。

民主党の一部に

官僚のための政治

大資本のための政治

米国のための政治

を指向する人々が存在し、また、軍事拡張主義を唱える人々がいる。

また、衆議院比例区定数削減を主張する人々がいる。

これらの危険分子を排除しなければならない。そのためには、民主党が社民党、国民新党としっかり連携することが大切であり、共産党の意見も随所で取り込む必要がある。少数意見を尊重するために、比例区の定数を削減するべきでない

したがって、政権交代が実現しても、新政権が自公政権の路線に逆戻りしないか、厳しく監視する必要がある。

時代環境は変わった。このなかで、一般国民=民衆が主人公になる政治が日本史上、初めて誕生する可能性が広がっている。主権者である国民は、御用メディアの偏向報道に惑わされてはならない。

主権者である国民の幸福を追求する政府を樹立するために、すべての主権者が投票所に足を運び、「清き一票」を投じなければならない。すべての有権者が行動を起こせば、必ず「無血市民革命」は成功するだろう。

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2009年7月30日 (木)

責任放り出し中田宏市長に重責を委ねられない

無責任な人物に政治を委ねることはできない。

日本では政治家の無責任が横行している。

自民党総裁兼内閣総理大臣は二代続けて総理大臣の要職を放り出した。安倍晋三元首相は健康上の理由が主因だったのだと思うが、福田康夫元首相は政権を無責任に放り出したうえで、「私は行く末を客観的に見ることができるんです。あなたとは違うんです」と逆切れまでして政権放り出しを正当化した。

政治家が無責任に仕事を投げ出したのでは、選挙で一票を投じた主権者である有権者は救われない。

選挙で有権者に「清き1票を」とお願いするとき、候補者は、もし選出されたら全身全霊を注いで政治家としての職務に邁進(まいしん)することを誓っているはずだ。

任期途中で無責任に仕事を放り出すような人物に、「清き1票」を投じようとは誰も思わない。

政治家の仕事は、主権者である有権者の負託を受けている、非常に重い職責である。有権者に対して、全身全霊を注いで職責を全うすることを誓い、「清き1票」を得て、当選を果たしたならば、個人的な事情で仕事を放り出すことなど許される訳がない。

そもそも、そのような無責任な行動を取る人物に政治など委ねることなどできない。

ところが、言語道断の「無責任族」が政治の世界に横行している。

宮崎県知事に当選した東国原知事。知事に就任して2年しか経たないのに、国政への転出意向を示す騒ぎを引き起こした。

「自民党さんが私を次期総選挙で総裁候補としてお戦いになるお覚悟がおありですか」と自民党古賀誠選挙対策委員長に申し入れたという。古賀誠選対委員長は東京都議選後の自民党総務会で、都議選敗北の責任を取って選対委員長を辞任すると発表したが、その後、自民党選対本部長代理に就任した。

「ぶれる」ことが問題とされる昨今、古賀氏の行動に明快な説明をつけられる人はいない。「究極のぶれ」である。

国政に野心を持つのは自由だが、選挙を通じて宮崎県知事に就任した以上、任期を全うすることは当たり前のことだ。国政に転出するなら、知事職を全うしたのちに検討するべきだ。

さすがに宮崎県の県民も、東国原氏の国政転出意向に対して「NO」の意志表示を示したが、当たり前の反応だ。

東国原氏は世論調査の結果について、「県民の声は、私に県を出ていってほしくない、あるいは、出て行かれたらさびしい、というものだと理解している」と述べたが、おめでたいお方だ。

県民は、東国原氏が知事選に立候補し、知事に当選させていただいた以上、知事職を全うするのが最低限の務めだと考えているにすぎないはずだ。大きな勘違いをしている人物に知事職を委ねたことを後悔している県民も多いだろう。

国政にも無責任人物が存在した。2004年の参議院選挙に比例区から立候補して参議院議員になりながら、2006年9月に突然議員辞職した人物がいた。参議院議員の任期は6年だから、3分の1しか責任を果たさなかった「究極の無責任男」である。

この人物は、小泉政権で経済財政相、金融相、郵政民営化担当相、総務相などの要職を得ながら、2006年9月に任期を約4年も残して議員辞職した。

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つい最近では、中田宏横浜市長が突然、辞任の意向を表明した。来年春まで任期を残している。中途半端に辞職する正当な理由などどこにも存在しない。国政に転じるにしろ、政治活動を展開するにしろ、責任をもってひとつの仕事を全うしてからにすることは、基本の基本だろう。

中田氏は女性問題で大きな訴訟をかかえており、この問題との関係も取り沙汰されている。また、中田氏が推進した横浜開港150年博覧会の入場者数が見込みを大幅に下回り、いずれ大きな責任問題が浮上すると伝えられている。責任問題が浮上する前の敵前逃亡であるとの指摘もある。

いずれにせよ、任期途上での自己都合辞任が許されるはずがない。「私は無責任男です」ということを、内外に公表する行為が任期途上の自己都合辞任の意味である。

有権者は選挙の際に、候補者が「責任感のある人物」であるのか、「責任感など持ち合わせていない人物」であるのかを、しっかりと見極めなければならない。

このような「無責任男」の辞任後の行動を見ると、辞任が「自分の利益だけを考えた選択」であることがよく分かるケースが圧倒的に多い。このような人物を選挙で当選させて被害を蒙(こうむ)るのは有権者である。

それでも、選挙の際には美辞麗句(びじれいく)を並べ、全身全霊で仕事に打ち込むようなことを恥ずかしげもなく話すから、有権者が真贋(しんがん)を見極めるのは難しい。「無責任男」ほど、ぺらぺらと内容のない話をもっともらしくまくしたてるのが上手なことが多いからだ。

次善の策として大切なことは、任期途上で自己都合辞任などをした「無責任男」には、その後、絶対に重要な仕事を委ねないことを徹底することだ。日本人は物忘れしやすいので、すぐに「無責任辞任」のことを忘れてしまう。その結果、「無責任男」に重要な仕事を再び任せてしまいやすい。

だから、しっかりとした市民が中心になって、このような「無責任男」には絶対に重要な仕事を任せない市民運動を立ち上げることが必要だ。

落選運動ブログなどの試みも見られるが、これらの人々を列挙した、絶対に重責を担わせてはならない人物を連ねた「リスト」を作成し、主権者である有権者が物忘れしないように、広報活動を展開するべきだ。

マスメディアは任期途上で職責を放り出すような人物を持ち上げて報道するが、メディアの見識が問われる行動だ。元々、メディアに見識があれば、現在の日本の惨状はもたらされなかっただろうから、ないものねだりではあるが、その分、有権者がしっかりしないといけない。

総選挙に向けて「偽装新党CHANGE」が旗揚げされ、御用メディアが過剰報道する危険がある。「政権選択」、「政権交代」を問う総選挙が実施されるなかでの第三極創設はいかがわしいものでしかない。

第三極に関連して登場する人物はいかがわしい顔ぶれに染め抜かれている。第三極創設は野党に流れる有権者の投票を減少させることに最大の狙いがあると考えられる。この偽装第三極を封じ込めることが、政権交代実現への最後のハードルになると思われる。

民主党などが第三極に対して融和的な対応を示しているのは、政権交代に向けて、すべてに慎重な対応を示しているからだ。政権樹立に向けて、最後は数の勝負になる。意味なく数を減ずる意味はないことから慎重な対応を示しているものと理解できる。しかし、本筋が野党連合にあることは明確である。筋の悪い勢力とは適切な間合いを取ることが重要であると考える。

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小泉元首相に続き津島雄二氏も世襲候補擁立

自民党津島派会長の津島雄二氏が次期総選挙に立候補しないことを表明した。自民党青森県連は空白になる青森1区の衆議院選候補者に津島雄二氏の長男である津島淳氏を擁立する方針を決めた。

形式的には公募の形をとったが、実体は世襲議員候補の擁立である。自民党本部は世襲批判を考慮して津島淳氏を公認しないことを検討しているが、仮に公認しなくても、選挙で当選すれば追加公認するのだろう。

自民党は世襲議員のたまり場と化している。世襲議員でも能力があり、国民のために心血を注いで仕事をする人物であれば、国会議員になることを妨げる理由はない。本人の意思と能力は尊重されるべきであろう。

しかし、選挙で当選するには「地盤、看板、かばん」の三つが必要と言われるように後援会組織、知名度、政治資金が求められる。世襲議員は、この三つを引き継ぐため、他の候補者と競争条件が同一でない。

このため世襲議員は当選しやすく、自民党には世襲議員がごろごろしている。

世襲しやすいと言っても、子が親の仕事を引き継ぎたいと思わなければ世襲は成立しない。地方都市のシャッター街商店では子が店を引き継がないために閉店を余儀なく迫られるケースが多数を占める。農業などでも若い後継者が激減している。

自民党で世襲議員が多いのは、世襲したいとのインセンティブが働くからだろう。その要因のひとつに「企業献金」があると考えられる。

企業は企業にメリットがあるから献金をする。見返りがないのに献金をすれば、株主から背任であると突き上げられる。したがって、企業献金には献金と、献金を受けた政治家や政党の仕事との因果関係が必ず生まれることになる。

実際、2007年の政治献金実績を見ると

自民:総額224億円、うち企業献金168億円
民主:総額 40億円、うち企業献金18億円

もの献金が行なわれている。

 他方、2007年の政党交付金は以下の通りだ。

自民党 165億9583万7000円 
民主党 110億6382万4000円 

だ。政党助成金は、企業団体献金を制限する代償として、国費で政党活動を助成するために1994年の立法で導入された制度である。

 だが、自民党は政党交付金を上回る金額を政治献金で獲得している。

 この政治献金が日本の政治を歪めていると言わざるを得ない。政治献金の不当性についての専門的考察は、本ブログに寄稿下さった鬼頭栄美子弁護士の論考(その1)(その2)(その3)を参照いただきたいが、巨大な政治献金が自民党政治を国民の側にではなく、大企業の側に向かせる原動力になってきたことは否めない。

 自民党政治家は大企業のために行動し、大企業はその対価として自民党議員ないし自民党に政治献金を支払う。

 政治家個人に対する政治献金は禁止されているが、企業から政党支部への献金は認められており、政党支部から政治家個人の資金管理団体への資金移転が認められているから、実体的には政治家個人への政治献金は存続している。

 こうしたことから、自民党議員が政治献金を得ることを政治活動の目的としてしまうことも考えられる。自民党議員で世襲が際立って多いのは、自民党議員という職業が政治献金の存在を前提としたときに、営利的視点から極めて魅力のある職業になっていることが一因であると考えられるのだ。

 この見地に立って考えてみても、企業献金を全面禁止する意義は極めて大きいと考えられる。国民は「お金が儲かるから政治家になる」と考える人に政治家になってほしいと思わない。

 ほとんどの国民は純粋に国民のために心血を注ごうと思う人に政治家になってほしいと考えている。企業献金の存在は営利目的で政治家を目指す人物を生み出す原因になっていると考えられるのだ。

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 国政を担う国会議員を選出するにあたっては、国民にとって優れた人物を選出することが大切である。世襲を無制限に認めると、「地盤、看板、かばん」で優位に立つ世襲候補が有利な状況で選挙が行なわれてしまう。国会議員候補者における「機会の平等」が損なわれる。

 そこで、「機会の平等」を確保するための制限措置が求められることになる。

 具体的には、

①同一選挙区からの立候補を認めない

②政治資金の承継を認めない

の二つの対応が有効であると考えられる。

 先代が国会議員をやめて20年も時間が経過したのなら、同一選挙区から立候補しても構わないだろう。しかし、10年なり、15年なり、一定期間以内の立候補は禁止するべきだ。

 政治資金には税制上の優遇措置が取られている。この資金力の差が、最も大きな競争条件の格差を生む。政治資金の承継を禁止するべきである。

世襲候補が選挙区を変えても、一般的には「知名度」は残る。したがって、上記の二つの制限を課せられても、世襲候補はなお有利な条件を保持するのである。

民主党は政権公約に企業献金禁止と世襲制限を盛り込んだ。

民主党のマニフェストから、企業献金全面禁止、議員世襲制限にかかる記述を以下に転載する。

【企業献金】

○政治資金規正法を改正し、その3年後

 から企業団体の献金及びパーティー券

 購入を禁止する。

○当面の措置として、国や自治体と1件

 1億円以上の契約関係にある企業等の

 政治献金・パーティー券購入を禁止する。

【世襲制限】

○現職の国会議員の配偶者及び三親等以

 内の親族が、同一選挙区から連続して

 立候補することは、民主党のルールと

 して認めない。

○政治資金を取り扱う団体を親族に引き

 継ぐことは、法律で禁止する。

自民党の対応は、まったく逆である。

小泉純一郎氏は二男の小泉進次郎氏を世襲候補として擁立した。「小泉改革」の真価をいかんなく発揮する対応だ。

自民党青森県連は津島氏の擁立方針を変えないだろう。自民党に「変革」の意欲はない。また、1970年最高裁判例を金科玉条に政治献金の存続を図ろうとするのだろう。

自民党は31日にマニフェストを発表する予定だが、企業献金、世襲制限について、どのような判断を示すのかが注目される。

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2009年7月29日 (水)

民主党マニフェストを批判する無知な人々(2)

(その1)から続く

自民党議員の民主党マニフェストに対する批判は、概ね以下の三つに要約できる。

①財源が不明確だ。

②バラマキ政策である。

③成長戦略がない

 ①財源問題から考える。

 民主党の政策を実行するために必要な金額は、

2010年度  7.1兆円

2011年度 12.6兆円

2012年度 13.2兆円

2013年度 16.8兆円

である。

 この金額を、公共事業、天下り、冗費、補助金などを削って捻出する。政府の隠し資金である「埋蔵金」や「租税特別措置」の見直しも実行する。

 一方、麻生政権が昨年10月から本年6月にかけて編成した3回の補正予算で、どれだけの歳入欠陥が生じたのかを以下に記載する。

2008年度第1次補正予算  1.1兆円

2008年度第2次補正予算 11.9兆円

2009年度第1次補正予算 13.9兆円

合計            26.9兆円

 わずか8ヵ月の間に、麻生政権は27兆円もの歳入欠陥を生み出した。

 この27兆円の歳入欠陥は、国債増発19兆円、政府資産取り崩し8兆円によって賄われた。

 「ザイゲン」、「ザイゲン」と自民党議員は叫ぶが、自民党は、わずか8ヵ月で、27兆円も国家財政に穴を開けたのである。

 民主党がマニフェストで示した政策をすべて実行し、一方で、財源調達を1円も行なわなくても、国家財政に穴を開ける規模は、2010年度と2011年度の2年間合計で20兆円である。麻生政権がわずか8ヵ月で生み出した国家財政の穴よりも少額だ。

 2010年度から2013年度までの4年間を考えてみて、マニフェストで示した政策をすべて実行すると、その合計額は49.7兆円になる。民主党は、この49.7兆円のすべてを各種財源捻出措置によって賄おうとしているが、仮に、財源調達が半分しかできなかったとしよう。

 そうなると、国家財政に与える負担、穴を開けてしまう金額は、4年間合計で25兆円になる。

 麻生政権は、たった8ヵ月で27兆円もの穴を国家財政に開けた。民主党のマニフェストは、たとえ、財源調達が4年間で、当初見込みの半分しか実現できなかったとしても、国家財政に与える負担は4年間合計で25兆円にとどまる。

 民主党の鳩山由紀夫代表は、7月28日、宮崎県での遊説において、

「与党は財源問題をおっしゃるが、あなた方に言われたくない。無駄遣いし放題でお金を垂れ流し、足りなければ国債を発行してきているではないか」

と述べたと報道されているが、鳩山代表の指摘は真実を示している。

 国家財政に8ヵ月で27兆円もの穴を開けた麻生政権が、民主党のマニフェストにおける「財源が明確でない」と批判するのは、笑止千万(しょうしせんばん)以外の何者でもない。おへそでお茶が沸いてしまう。

 民主党マニフェストに対する「バラマキ」の批判はあたらない。

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 政府の景気支持策、生活支援策は、家計の可処分所得が増加するように実施されることが最も望ましい。家計は増加した可処分所得を用いて、自由に支出対象を定めて支出を増やせばよい。

 「子育て手当」と「アニメの殿堂」を比べてみよう。政策手法としては、「子育て手当」がはるかに優れている。理由が三つある。

①可処分所得増加政策は政治利権になりにくいが、「はこもの」を作る公共事業は政治利権、汚職の温床になりやすい。

②最終的な支出決定はそれぞれの経済主体、つまり市場に委ねた方がロスが小さい。「アニメの殿堂」に大きな需要があるとは考えられない。家計の可処分所得が増えたら、個人はよく考えて、最も必要度の高い分野に支出する。個人の自由意思に支出先決定を委ねる方が無駄は小さくなる。

③家計が支出を増加させる分野が産業として潤う。その分野が成長分野になる。政府が特定分野にお金を落とせば、一時的には、そこに業者が群がるが、その分野が中期的成長を生み出すとは限らない。

 子育て手当は最も有効な「少子化対策」になる。また、「公立高校無償化」は「少子化対策」であると同時に、すべての子どもに夢を与える施策になる。「格差是正」策でもある。

 農業の所得補償制度は、日本の農業を存続させる有効な手法である。限られた財政資金の配分を思い切って変化させ、中長期の政策課題に充当するのは、「バラマキ」の対極に位置する「最も効率的な財政資金配分」である。

 麻生内閣14兆円もの国費を投入した2009年度補正予算で、

公的部門の施設整備費に2.8兆円、

58の政府の基金に4.6兆円

の国費を投入した。

また、

役所の公用車購入1万5000台=588億円、

役所等の地デジ対応テレビ購入7万1000台=71億円

の予算を計上した。

マンガ・アニメの殿堂には建設費だけで117億円が用意される一方、

生活保護の母子加算200億円は切り込まれたままにされた。

 麻生政権の補正予算こそ「バラマキ」の典型である。民主党の政策公約はその対極にある。

「成長戦略」について言えば、家計の可処分所得を増加させ、家計が支出を拡大させる分野が自律的に成長してゆくことを誘導することが、最も適切な政策対応である。

エコポイントエコカーも、経団連企業への利益供与政策でしかない。

環境問題を重視するなら、各種基準を設定すれば良い。エコカーに対する財政支援をするなら、燃費の絶対基準に対応して助成額を決めなければ意味はない。高燃費・高排気量の高級乗用車購入が最も優遇されるのは、「環境にではなく大資本に優しい政策」である。

麻生政権は「政局より政策」、「景気回復」を重視して、景気対策を実行したと主張するが、その中核は「財政赤字を拡大させた」ことだ。

8ヵ月で27兆円も財政赤字を拡大させた。麻生首相は、「バラマキ・キング」、「財政赤字王」だ。「バラマキ・キング」、「財政赤字王」の麻生首相に民主党のマニフェストを「バラマキ」とは言われたくない鳩山代表の気持ちがよく分かる。

日本経済が不調だから、当面は財政政策をやや景気刺激的に運営する必要が高い。この観点からすると、4年間で49.7兆円かかる民主党が提示した施策について、その財源を満額まで調達せずに、やや控えめにすることが望ましい。

財源調達を必要額の半分にすると、4年間で約25兆円の景気支持効果が生まれることになる。1年当たり、GDP比で1%強の景気支持策を実施する経済効果が得られる。

中期の「経済成長」を誘導する具体的政策手法としては、「可処分所得増加策」が最も望ましい政策である。短期の「景気回復」を誘導するには、ある程度の財政収支赤字が生まれる状況を誘導することが望ましい。

したがって、民主党はマニフェストで示した施策の財源を100%カバーしようと、遮二無二(しゃにむに)行動しない方が良いことになる。ある程度、財源不足が生まれる程度に財源を調達することが「いい加減」ということになる。

民主党のマニフェストにおける財源調達を、やや気長に取り組むことによって、最も望ましい財政政策が実現できることになる。

民主党は自信を持って進むべきだ。御用メディアと自民党は、少しは経済を勉強するべきだ。頓珍漢(とんちんかん)な主張を叫んで、国民に間違った知識を付与することは、国民を不幸に導く原因になる。

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民主党マニフェストを批判する無知な人々(1)

 民主党がマニフェストを発表した。自民党はまだ発表していない。麻生首相は昨年10月に解散総選挙を宣言したのに対応が遅い。細目でまだ調整がつかないらしい。

民主党マニフェストの最大の特徴は、予算を大幅に組み替える点にある。

7月24日付記事

「民主党対自民党:経済成長を促すのはどちら」

をもう一度、よく読みなおしてほしい。

ドイツの財政学者マスグレイブの整理によれば、財政の機能には次の三つがある。

①資源配分機能

②所得再分配機能

③景気安定化機能

 一般会計、特別会計を合計すると、年間の政府支出は207兆円に達する。この207兆円をどのように配分するのかを決めるのが政治である。

 政権が変われば、支出内容が変わるのは当たり前だ。政府支出の内容に多くの政策が反映されるのだ。

 民主党はこれまでの自公政権の政治をどのように変えるのか。

 予算の規模を変化させようとはしていないから、これまでの支出を削り、新しい支出に回す。

 大きな特徴で言えば、必要のない公共事業、「天下り」や「天下り機関」、役所へのお手盛り予算、あらゆる分野での無駄、などを徹底的に削減する。

 他方、子ども手当、公立高校の無償化、医療・介護の再生、農業の所得補償、ガソリン税の暫定税率廃止、高速道路の無料化、雇用対策、などを拡充するとしている。

 天下りや公的機関へのお手盛り予算を徹底的に削減すること、必要のない公共事業を実施しないこと、あらゆる無駄を排除すること、は望ましことである。民主党のマニフェストでは、4年後に公共事業削減で1.3兆円、人件費の削減で1.1兆円、無駄の排除や補助金の削減で6.1兆円の財源をねん出するとしている。

 207兆円の支出のうち、国債費などの80兆円、社会保障給付の46兆円、その他繰入金など10兆円には手をつけないから、残りの71兆円の政府支出のなかから、9兆円支出を切り詰めるとしている。13%程度の支出切り詰めは十分可能だと考えられる。

 この金額を切り詰めるのは2013年度であり、4年後だ。

 政府支出のなかの無駄と考えられる部分を切り詰めることは資源配分上望ましいことだ。「小さな政府」を「資源配分上の無駄を排除すること」と定義するなら、この意味での「小さな政府」は望ましい。民主党の政策は、この意味での「小さな政府」を目指すものだ。

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 しかし、②所得再分配の機能では、民主党の主張は「大きな政府」を志向するものである。小泉政治の「市場原理主義」は、すべてを市場に委ね、結果における格差を放置した。その結果、政府が守らねばならない人々が悲惨な状況に追い込まれ、多くの国民が没落し、下流社会が形成された。

 民主党はすべての国民が安心して暮らせる、人間性を尊重する政治を志向する。すべての人々の暮らしを支えるため、子育て、医療、年金、介護、経済的弱者支援に、財政支出の多くを振り向けようとしている。

 ガソリン暫定税率廃止や高速道路無料化も、家計の所得を増加させる効果を持つ。

③の景気安定化の視点では、短期の経済政策の課題としての「景気回復」と、長期の経済政策の課題としての「経済成長」に、財政がどのような役割を果たすのかが問われる。

短期の景気安定化と財政の関係で最も重要なことは、財政収支の変化である。財政赤字拡大が非難されることが多いが、景気安定化との関係で言えば、「財政赤字拡大=景気回復誘導」、「財政赤字縮小=景気抑制誘導」になる。

したがって、短期的に景気回復を目指す経済政策とは、「財政赤字を拡大させる政策」ということになる。

他方、長期の「経済成長」は、技術進歩によって促される。人口の増加も影響する。これから未来に向かって成長する産業を育てることが、長期の「経済成長戦略」になる。

③景気安定化機能の視点から民主党の政策をどのように評価できるのかも考えなくてはならない。

民主党のマニフェストに対して自民党議員が批判しているという。メディアが一斉に自民党議員の民主党マニフェスト批判を右から左へと垂れ流すから、何も知らない国民は、民主党の政策に「欠陥がある」と勘違いしてしまう。これは、とんでもない間違いであり、選挙妨害である。

経済学を理解しない自民党議員が、民主党の政策だからと批判し、やはり経済学を理解しない御用メディアがその三流の感想を垂れ流している。

自民党議員の批判はおおむね、以下の三つに要約できる。

①財源が不明確だ。

②バラマキ政策である。

③成長戦略がない。

                 (その2)に続く

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2009年7月28日 (火)

偽装新党CHANGE創設とメディア支援に警戒

次期総選挙を通じての「政権交代」実現は、我が国の歴史上、初めての「市民革命」が成立することを意味する。

「官僚」、「大資本」、「外国資本」の利益を追求する政治を排除し、主権者である国民の幸福を追求する政府を樹立することが「政権交代」の意義である。

この歴史的大事業を成就させるために、政権交代実現を希求する野党勢力は結束して全力を注がなければならない。

「政官業外電の悪徳ペンタゴン=既得権益勢力」は本格的政権交代を阻止しようと死にもの狂いになっている。「悪徳ペンタゴン」は最後の瞬間まで利権死守を諦めないだろう。十分な警戒が必要である。

7月20日付記事

「各社世論調査と総選挙に向けての三大警戒事項」

に記述したように、政権交代を希求する勢力は以下の三点に警戒しなければならない。

偽装新党CHANGE

御用メディアの偏向報道と民主党攻撃

政治謀略

の三点だ。

 「偽装新党CHANGE」については、昨年来、警戒を呼び掛けてきた。

 「偽造新党CHANGE」は以下の五つのグループにより編成されると考えられる。

①自民党内小泉一家

 小泉純一郎氏-中川秀直氏-武部勤氏-塩崎恭久氏-石原伸晃氏-小池百合子氏

②小泉チルドレン

③官僚OBグループ

 渡辺喜美氏-江田憲司氏-高橋洋一氏

④自民別働隊地方首長グループ

⑤民主党内市場原理主義者

 この5グループが結集して「偽装新党CHANGE」を結成するだろう。

いくつかのグループの合流は総選挙後になるだろう。

 このグループは

①地方分権

②霞が関改革

を唱える点で、民主党の二番煎じである。二番煎じなら民主党に合流すればよいのだが、その選択が示されない。なぜなら、このグループは「自民別働隊」であると考えられるからだ。

 民主党の政策と異なる点が二つある。

①市場原理主義を基礎にすえること

②対米隷属主義を基本に据えていること

だ。

 「偽装新党CHANGE」創設の狙いは、民主党に向かう投票を「偽装CHANGE新党」に振り向けることにあると考えられる。

 自民対民主の戦いにおいては、

自民プラス公明獲得票VS民主獲得票

が勝敗を決することになる。

 この問題については、

7月21日付記事

「衆議院解散と油断できない政権交代情勢」

に記述した。以下にその一部を引用する。

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 2000年以後の総選挙における比例区得票率と獲得議席数を、自民+公明と民主で比較すると以下の通りになる。

2000年6月25日総選挙

得票率  議席
自民+公明 41% 264
民主    25% 127

2003年11月9日総選挙

得票率  議席
自民+公明 50% 271
民主    37% 177

2005年9月11日総選挙

得票率  議席
自民+公明 52% 327
民主    31% 113

これに対して、本年7月12日の都議選では、

得票率  議席
自民+公明 39%  61
民主    41%  54

であった。

 民主党に対する強い追い風が吹いているが、自民+公明票と民主票は拮抗している。野党が共闘体制を強め、社民、国民、共産支持者の多数が小選挙区で民主党候補者に投票すれば政権交代は実現するだろう。しかし、まったく油断はできない。風向きの変化で情勢はいつでも変化するからだ。

 _72 「悪徳ペンタゴン」の狙いは、「偽装CHANGE新党」を立ち上げて、民主党に向かう投票を「偽装CHANGE新党」に吸収することにあると考えられる。

 重要な問題は、

①偽装新党CHANGE

②御用メディアの偏向報道と民主党攻撃

が結びついて展開されることである。

 テレビメディアを見て気付くことがある。

a.官僚礼賛番組の増加

b.官僚に関する特集企画の増加

c.自民別働隊地方首長の突出したテレビ番組への出演

 テレビドラマ「官僚たちの夏」などは、官僚に対するイメージを向上させるための番組である。現在の現実と程遠いドラマはいまの日本を考える材料にはならない。

 「偽装新党CHANGE」は「官僚OB」が軸になる。この新党を

④自民別働隊地方首長グループ

が絶賛して支持に回る。そして、

②小泉チルドレン

④自民別働隊地方首長グループ

⑤民主党内市場原理主義者

から総選挙候補者が実際に参加する。

 ②から山内康一氏、④から中田宏氏、⑤から浅尾慶一郎氏が参加するだろう。中田宏氏は総選挙に出馬しないと断言したので、中田氏が万が一、総選挙に出馬するなら中田氏は「嘘つき」ということになる。中田氏は民事訴訟をかかえているが、もし、中田氏が「嘘つき」ということになれば、訴訟での中田氏の主張の信憑性(しんぴょうせい)も揺らぐことになるだろう。

③官僚OBグループでは、江田憲司氏が軸になり、渡辺喜美氏が新党を代表するのだろう。

 御用メディアは「日本新党」が結成された当時のように「偽装新党CHANGE」を持ちあげるだろう。

 自民党内小泉一家は、総選挙後に「偽装新党CHANGE」と合流するだろう。

 しかし、「国民の幸福を追求する政府」樹立を目指す、政権交代を希求する国民は、決して騙されてはならない。

 理由は以下の三つだ。

①「偽装新党CHANGE」は、「悪徳ペンタゴン」が既得権益=利権構造を死守するため、本格的な政権交代実現を阻止するために樹立するものだと考えられること。

「偽装新党CHANGE」の政策基本方針に「市場原理主義」と「対米隷属主義」が据えられると考えられること。

③過去の実績から判断して「偽装新党CHANGE」が「官僚利権根絶」を実現できるとは、到底考えられないこと。

である。

 「悪徳ペンタゴン」の一角を占める御用メディアは、8月30日の投票日まで、民主党を攻撃し続け、「偽装CHANGE新党」を支援するだろう。

 しかし、国民本位の政治体制確立を希求する国民は、決して「偽装CHANGE新党」に投票してはならない。偽装新党の「知られざる真実」を徹底的に有権者に伝えなければならない。

 これまで政治謀略を繰り返してきた「悪徳ペンタゴン勢力」は、今後も政治謀略を仕掛けてくるだろう。冷静に見れば、悪徳ペンタゴンの狙いは一目瞭然だが、御用メディア報道を鵜呑み(うのみ)にすると、判断を惑わされる。私の発言が封じられることを極めて遺憾に思うが、有権者には確固たる信念を持って、本格政権交代実現の方向に向かって行動してもらいたい。

 山内康一氏離党、浅尾慶一郎氏離党・立候補表明、中田宏氏辞任、などきな臭い動きが加速している。

 また、御用メディアと橋下徹氏などによる民主党マニフェスト批判も加速している。自民党はマニフェストを発表もせずに、他党のマニフェストを批判する資格を持たない。

 主権者である国民は、御用メディアを含む「悪徳ペンタゴン」が総力をあげて政権交代阻止に向けて活動している事実を正確に洞察し、確実に「政権交代」に向けて駒を進め、日本の歴史上初めての「市民革命」を実現しなければならない。

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「企業献金全面禁止論」の理論基盤が確立された

鬼頭栄美子弁護士の専門的考察によって、「企業献金全面禁止政策」の正当性が完全に論証された。

これまで、麻生首相は、1960年の八幡製鉄政治献金事件に対する1970年の最高裁判決を金科玉条の如く扱い、政治献金の正当性を主張する根拠としてきた。

鬼頭栄美子弁護士の寄稿論文(その2)によると、

1970年最高裁判決は、

「憲法上の選挙権その他のいわゆる参政権が自然人たる国民にのみ認められたものであることは、所論のとおりである」

としながら、

「「納税者論」に立脚し、企業の政治献金により、「政治の動向に影響を与えることがあったとしても」、別段構わない、と強弁している。」

のであり、

「政治献金に対する一般の常識と甚だしくかけはなれた「政治献金奨励論」」(服部栄三・商法の判例)、

「憲法論としては、「とんだ勇み足の議論」」(鈴木竹雄・商事法務研究531-112)、

「『金権政治』改革のための議論の足をひっぱってきたのが、この判例」(樋口陽一・個人の尊厳と社会的権力-40

など、法律専門家からの厳しい批判に晒(さら)されてきたものである。

さらに、鬼頭弁護士寄稿論文(その3)は、

「1993年11月2日の衆議院「政治改革に関する調査特別委員会」において、岡原昌男元最高裁判所長官が参考人として、

「八幡製鉄献金事件昭和45年(1970年)最高裁判決は、政治的配慮から、「助けた判決」である」と意見表明した」

との重要事実を指摘している。

 鬼頭氏は、岡原元最高裁長官の意見表明の内容を次のように整理する。

「元最高裁判所長官の意見を要約すると、重要なポイントは次の5点である。

①企業献金は、善悪以前に、そもそも法律的に理屈が通らず、適法性がないこと 

②現在のような数百万から億といった企業献金は悪であり、何とか直してもらいたいこと 

③企業献金は、全面禁止の方向に向かうべきであること 

④八幡製鉄事件が起きた昭和35年当時、政治家が皆受領していたので、最高裁としては、違憲だとか違法だとか言えるわけがなかったこと 

⑤八幡製鉄事件昭和45年最高裁判決は、政治的配慮から、やむなく、「助けた判決」であること」

 つまり、最高裁は1970年に企業献金を認める判例を示したが、その最大の理由は、最高裁が「違憲および違法の判断」を自己抑制したことにあり、純粋な法律論においては、

「企業献金は認められない」

との判断が、元最高裁長官によって明確に示されたのである。

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 私は、民主党の小沢一郎前代表秘書が不当逮捕された本年3月3日以降、本ブログで繰り返し、「企業献金全面禁止」の提案を示してきた。

3月6日「国策捜査と情報操作がまかり通る暗黒国家日本」

3月11日「既得権益勢力VSレジスタンス戦線の激闘」

3月15日「国策捜査・選挙妨害の裏は「かんぽの宿」疑惑つぶし」

に、その主張を記述した。

 この提案を受けてのことかは定かでないが、民主党小沢代表は3月17日の記者会見において企業献金全面禁止の提案を示した。

 本ブログでは、

3月18日「小沢一郎代表続投による政権交代実現を期待」

に小沢代表による「企業献金全面禁止提案」への賛意を示し、

3月22日「「企業献金全面禁止」の是非が総選挙最重要争点に」

に、個人的見解を要約して示した。

 その一部を引用する。

「企業には選挙権が付与されていない。日本国憲法は成人に達したすべての国民に等しく参政権を付与している。経済的条件で国民を差別しない。富める者にも貧しき者にも等しく、一人一票の投票権が付与される。

企業献金が許されれば、資本力に勝る企業が献金の中心を担うことになる。企業は営利を追求する存在である。したがって企業献金は、何らかの意味で見返りを期待して実行される。

したがって企業献金には必ず広い意味での「賄賂性」が伴うのである。自民党議員の多数が、企業献金全面禁止提案に狼狽するのは当然だろう。多くの議員が企業献金を目的に政治活動を行っていることが浮かび上がった。

企業献金の全面禁止は日本の政治を刷新するうえで、最も有効な方法のひとつである。「大資本を幸福にするための政治」から「一般国民を幸福にするための政治」への転換は、企業献金が容認される限り、大きな困難を伴う。「大資本」の利益を優先する政党の資金力が企業献金の力で増大し、「一般国民」の利益を優先する政党の資金力を凌駕するからだ。」

日本の民主主義制度では、経済力に関わりなく、成人1人に1票の参政権が付与され、貧富の格差のない1票が万人に保証され、その投票の多寡により、議員が選出され、内閣が組織される。

参政権を持たず、しかし、突出した経済力を有する企業に献金を認めれば、政治が参政権を持たない企業に引き寄せられてしまうのは、火を見るよりも明らかである。法の下に平等である主権者である国民の意向ではない、企業の財力に政治が支配されることは不当であると考えられるのだ。

鬼頭氏は寄稿論文(その1)に、

問題の本質は、

「選挙権を持たない企業が、金の力で、国の政治・政策を左右することを、許してよいのか!」

との点にあると指摘する。

 そのうえで、

①「参政権の性格」

②「現代社会における企業(法人)と個人(自然人)の、圧倒的資金力の違いを前提にしたうえでの「大資本による、参政権歪曲化」の観点」

から問題を考察すべきだと指摘する。

①参政権については、

「参政権の性格(参政権・選挙権の本質は、自然人のみが主権者として有する政治的基本権であること-憲法15条、44条)を踏まえれば、献金額の多寡に関わらず、企業の政治献金を許してはならないことは、自明である。

普通選挙権獲得の歴史に鑑みても、また、憲法論的意味においても、政治意思の形成・政治過程への参画は、自然人のみに期待されており、参政権・選挙権の分野において、企業(法人)と個人(自然人)を、同列におくことはできない。」

と指摘する。

 他方、

②「大資本による参政権歪曲化」については、

「企業による巨額の政治献金が、選挙戦においても、その後の政策決定においても、政治に多大な影響を及ぼしてきたことは明白である。

企業の献金先は、企業の利益を代表・代弁する特定の政党・政治家に集中すると考えられ、献金を受け取った特定の政党・政治家の政治活動は、自ずから、献金をしてくれた企業の利害に配慮したものとならざるを得ない。

その結果、政党・政治家の政治活動が、参政権・選挙権を有する主権者である「国民を代表」する(憲法43条)ものになり得ない。」

と指摘する。

次期総選挙について私は、これまでの自公政権による

①官僚のための政治

②大資本のための政治

③外国資本ための政治

を排除して、

「国民の幸福を追求する政治」

を実現するのかを問うものであるとの見解を表明してきた。

 ①、②を排除するための具体的行動として、

①天下りの根絶

②企業献金の全面禁止

が鍵を握るとしてきた。

 そして、官僚や大資本への利益供与を根絶せずに、一般国民に負担を押し付けることを回避するために、

③消費税大増税の封印

が公約として示されなければならないと主張してきた。

さらに、③「外国資本のための政治」を排除するために、

④「かんぽの宿疑惑の解明」、「日本郵政経営体制の刷新」

が不可欠であるとしてきた。

 これらの問題をクリアした上で、実行すべき政策が

⑤セーフティネットの整備

である。

 すべての国民の生活を守り、すべての国民に安心と希望を付与することが政府の最大の課題である。

  

 私は、上記した①から⑤の5つの政権公約が次期総選挙の五大争点であると主張してきた。

 明治開闢(かいびゃく)以来140年、55年体制発足以来54年の時間が経過したが、日本政治は、「官僚」と「大資本」のために存在し続けてきた。

 これを、「国民のための政治」に転換する最大のチャンスが次期総選挙である。その中核を担う政権公約が

「天下り根絶」「企業献金全面禁止」である。

 鬼頭栄美子弁護士による明解な論考により、「企業献金全面禁止」の強固な論拠が提示されたことを誠にありがたく思う。

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2009年7月27日 (月)

鬼頭弁護士寄稿「植草氏の収監を前にして(3)」

 弁護士の鬼頭栄美子氏が、私の収監を前にして、企業献金全面禁止の意義についての論文 を本ブログに寄稿下さったので、3回に分けて掲載させていただく。鬼頭弁護士にはココログによる本ブログに対するアクセス禁止に際しても、貴重な専門論考を寄稿下さった。再度、ご多忙の中で重要問題について専門的視点から寄稿論考を執筆下さったことに対して、この場を借りて深く感謝申し上げる。

 本ブログで記述してきたように、「企業献金全面禁止の是非」は次期総選挙の最大の争点のひとつでもある。大資本の利益を追求する政治が存続し続けた最大の背景に巨大な企業献金の存在がある。

 「政治とカネ」の問題に対する究極の解決策が「企業献金の全面禁止提案」である。鬼頭氏が専門的視点から、問題に対する的確な考察をまとめて下さった。総選挙に向けての最重要論点のひとつとして、3回にわたる寄稿論文をじっくりとご高覧賜りたい。

 

(その1)(その2)と併せてご高覧下さい。

 

植草一秀氏の収監を目前にして(その3)

―企業献金全面禁止の意義-

選挙権を持たない企業が、金の力で、政治を左右してよいのか!

            弁 護 士  鬼 頭  栄 美 子

元最高裁長官が、八幡製鉄献金事件昭和45年最高裁判決は、政治的配慮から、「助けた判決」であると、意見表明

平成5年(1993年)112日、岡原昌男元最高裁判所長官が、衆議院「政治改革に関する調査特別委員会」にて、参考人として意見表明した。退官後のことである。

その意見表明をご紹介する(太字、赤字、アンダーラインは、引用者による)。

(なお、岡原昌男元最高裁判所長官は、八幡製鉄事件昭和45年最高裁判決(1970624日)の約4ヶ月後である19701028日に、最高裁判事に就任しているため、この裁判に、判事として関与してはいない。)

・・・(ここから、岡原昌男元最高裁判所長官の意見表明)・・・

21発言から)

「企業献金の問題につきまして、例の昭和四十五年の最高裁判決=八幡製鉄献金事件を指す-引用者)がございますけれども、あの読み方について自民党の中で非常にあれをルーズに読みまして、その一部だけを読んで企業献金差し支えない、何ぼでもいい、こう解釈しておりますが、あれは違います。

我々の立場からいいますと、我々といいますか私の立場から申しますと、あの企業献金というのは、法人がその定款に基づかずして、しかも株主の相当多数が反対する金の使い方でございまして、これは非常に問題がある。

・・・・・(略)・・・・・

本来営利団体である会社でございますから、非取引行為、つまりもうけにならぬこと、これをやることは株主に対する背任になります。もし見返りを要求するような献金でございますと涜職罪になるおそれがある、そういう性質を持ったものでございます。・・・・・(略)・・・・・

40発言から)

企業献金そのものが悪とか善とかということよりも、法律的に余り理屈は通らないものであるということだけば申し上げたい・・・・・(略)・・・・・つまり適法性がない・・・・・。・・・・・(略)・・・・・企業献金というものが現在のような形で数百万、数千万あるいは億といったような単位で入ってくるというのは、これは悪です・・・・・(略)・・・・・これはあるべからざることである。だから、これを何とか直してもらわなきゃいかぬ

49発言から―吉井秀勝氏の質問)

「・・・この企業・団体献金の全面禁止ということについてはどういうふうなお考えでしょうか。」

50発言から)

できればそういう方向(=企業・団体献金の全面禁止の方向―引用者)に行きたいと思います。・・・・・(略)・・・・・これだけ企業献金がその当時、あれは昭和三十五年の事件でございます、行き渡っておったのでは、最高裁があれをやれるわけがないです、違憲であるとか違反であるというふうなことに。全部の候補者がひっかかるような、そういうことは実際上としてやれない。したがって、あれは助けた判決、俗に我々助けた判決というものでございます。・・・」

・・・・(岡原昌男元最高裁判所長官の意見表明引用、ここまで)・・・・

(以上、平成5(1993)112日 衆議院 政治改革に関する調査特別委員会 会議録より)

「国会検索議事録システム」で検索し、トップ画面から「簡単検索」あるいは「詳細検索」に入り、日付、発言者名などを指定すれば、上記発言の全文を読むことができる。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

岡原昌男元最高裁判所長官は、歯切れ良く意見表明をし、極めて重要な指摘をしている。

特に重要な(40発言)と(50発言)について、指示語を補い「翻訳」すると、次のようになる。

 「企業献金は全面禁止する方向に持っていくのが、正しいと思っている。」

 「そもそも、企業献金は、悪である。そして、善悪以前に、企業献金を、法律的に適法であると理論的に説明することはできない。理屈が通らない。つまり、企業献金は『違法』である。」

 

「しかし、八幡製鉄献金事件(八幡製鉄が、与党政党に献金した事件)が起きた当時、つまり、それは昭和35年のことであるが、その当時、企業献金は、全部の候補者(政治家全員~おそらくは、与党政治家の圧倒的大半と言いたかったのであろう)が受け取っている状況であった。」

「そのような状況で、最高裁が、『アレ』をやれるわけがない。つまり、司法府に与えられた伝家の宝刀を抜き、現状が、法律的には理屈が通らず、違憲・違法な状態であるとの『正論』を語ることはできない。昭和45年の判事当時、全部の候補者(政治家全員~おそらくは与党政治家の大半)が同じことをしていたから、『実際上』(=『政治的配慮』から)、どうしてもやれなかった。違憲・違法の判断を自己抑制せざるを得なかった。」

「つまり、『赤信号、みんなで渡れば怖くない』状況を前に、『信号は、赤だ』と言うことができず、『信号は、青だった』ことにして、見逃してやった。」

「だから、我々は、八幡製鉄事件のことを、俗に、『助けた判決』と呼んでおるのです。」

以上の翻訳を踏まえ、元最高裁判所長官の意見を要約すると、重要なポイントは次の5点である。

①企業献金は、善悪以前に、そもそも法律的に理屈が通らず、適法性がないこと

②現在のような数百万から億といった企業献金は悪であり、何とか直してもらいたいこと

③企業献金は、全面禁止の方向に向かうべきであること

④八幡製鉄事件が起きた昭和35年当時、政治家が皆受領していたので、最高裁としては、違憲だとか違法だとか言えるわけがなかったこと

⑤八幡製鉄事件昭和45年最高裁判決は、政治的配慮から、やむなく、「助けた判決」であること

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

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司法消極主義については、滅多に抜かないからこそ、『伝家の宝刀』なのは当然であるが、あまりに『抜かなさ過ぎ』で、剣が錆付いているのではあるまいか。憲法が司法府に与えた責務を十分に果たしていないのではないか、との疑問を呈しておく。

そもそも、司法府は、少数派の人権擁護の砦であり、多数派の横暴を、法理論と理性をもって制することこそが期待されている。

しかし、上記岡原昌男元最高裁判所長官の意見表明でも明らかなように、残念ながら、司法府は、万能薬ではあり得ない。

また、そもそも、司法の力では、いかんともできず、立法の力をもって局面を打開しなければならない場面も多い。

立法を担当するのは、憲法上は、立法府(憲法41条)である。

そして立法府のメンバー、つまり明日の国政を担う議員達を選ぶのは、有権者たる国民(憲法15条、43条、44条)である。

主権者である個々の国民(有権者)は、選挙を通じて、政治の方向性・あり方を決めることができる。国民(有権者)一人ひとりの手に、国の行く末を決定する一票が委ねられている。その集積こそが、国の未来を決定する。

「偽装CHANGE勢力」に騙されることなく、賢く投票しなければならない。

票を集中させることがポイントである。

また、総選挙の際には国民審査も行われること(憲法792項、3項)を、忘れてはならない。国民審査は、国民が裁判所に対して直接に意見を言える、数少ない貴重な機会である。無駄にしてはならない。

ブログや掲示板投稿などを通じ、自由闊達に政治的意見を表明することも、現在であれば可能である。「おかしい」ことは、「おかしい」と意見表明していくこと、それもまた政治への参画であり、大きな意義がある。

   一人ひとりの個々人が、自分にできることを考えて行動すること、

   次期総選挙で、賢く投票すること、そして、

   優れたオピニオン・リーダーである植草一秀氏を、見守り続けること

が重要であると考える。

とりあえず、何をしたらいいか分からないという人は、

A) 植草氏ブログ、また、植草氏ブログで紹介された各ブログへの応援クリックを、毎日必ず押し続ける

のが良いと思う。

B) そして更に重要なことは、それらのブログを、周囲の人達にどんどん薦めていくことだと

思う。

植草氏ブログには、植草氏の珠玉の論考が連日綴られている。それは世相に鋭く切り込み、悪徳ペンタゴンの隠れた意図を剥ぎ取り、警鐘を鳴らすものである。目からうろこが落ちること請け合いだ。まだの人は、最初から通読することをお薦めしたい。

より多くの人達が植草氏ブログを読むようになり、また、人気ランキングが更に上がれば、今以上に多くの人達が植草氏の意見を目にするだろう。

転載先の阿修羅掲示板での拍手クリックも同様である。

植草氏不在中も、毎日、応援クリックや拍手クリックを押し続けてほしい。

一人ひとりの小さな一歩の積み重ねが、大きなうねりとなり、歴史を動かすと信じている。

                                    (2009723)

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鬼頭弁護士寄稿「植草氏の収監を前にして(2)」

 弁護士の鬼頭栄美子氏が、私の収監を前にして、企業献金全面禁止の意義についての論文 を本ブログに寄稿下さったので、3回に分けて掲載させていただく。鬼頭弁護士にはココログによる本ブログに対するアクセス禁止に際しても、貴重な専門論考を寄稿下さった。再度、ご多忙の中で重要問題について専門的視点から寄稿論考を執筆下さったことに対して、この場を借りて深く感謝申し上げる。

 本ブログで記述してきたように、「企業献金全面禁止の是非」は次期総選挙の最大の争点のひとつでもある。大資本の利益を追求する政治が存続し続けた最大の背景に巨大な企業献金の存在がある。

 「政治とカネ」の問題に対する究極の解決策が「企業献金の全面禁止提案」である。鬼頭氏が専門的視点から、問題に対する的確な考察をまとめて下さった。総選挙に向けての最重要論点のひとつとして、3回にわたる寄稿論文をじっくりとご高覧賜りたい。

 

(その1)(その3)と併せてご高覧下さい。

 

植草一秀氏の収監を目前にして(その2)

―企業献金全面禁止の意義-

選挙権を持たない企業が、金の力で、政治を左右してよいのか!

            弁 護 士  鬼 頭  栄 美 子

企業の政治献金にお墨付きを与えた判決が、八幡製鉄政治献金事件最高裁判決(企業献金の是非が争われたリーディング・ケース)である。

 

日本をダメにした10の裁判」(チームJ著、日経プレミアシリーズ)は、

「憲法で強い独立性を認められている裁判所も、現実には国家機関の一つであり、積極的に『国策』を進めることはしないまでも、『国策』遂行にあえて異議を唱えず、追認することもあるのではないか。

こうした疑問を持つのは、ときとして裁判所が、『国策裁判』と呼ぶしかない判決を下すからだ。その代表格が、八幡製鉄政治献金事件である。(太字・赤字・アンダーライン-引用者)」と述べ、日本をダメにした10の裁判の1つとして、八幡製鉄事件昭和45年最高裁判決を挙げている(第六章 「企業と政治の強い接着剤」)。

国策捜査」という言葉は、佐藤優氏の「国家の罠」での造語であるが、瞬く間に世間に定着した。「日本をダメにした10の裁判」(チームJ著―下記(注)参照)の109頁は、法曹関係者等が、「国策裁判」という言葉を使ったものであり、その意味で目をひく。

(注) 「チームJ」は、バブル末期に東京大学法学部を卒業し、その後、検事、企業法務弁護士、官僚と多様な進路を辿ったメンバーで構成される。

第四章は、「あなたが痴漢で罰せられる日-痴漢冤罪と刑事裁判-」と題し、2007年に公開された映画、「それでもボクはやってない」(周防正行監督)を例に引いている。痴漢事件が、類型的に、安易な事実認定を招きやすい特殊性を有していることについて、分かりやすく説明している。

第九章は、「裁判官を縛るムラの掟」と題して、寺西裁判官分限事件を取り上げている。裁判所内部の「ムラの掟」に背き、国民にとって有用な問題提起の声を上げた裁判官が、異端者としてどのような処分されたか、そして、その場合、救済の道が不存在であることについて、書かれている。

第十章は、最高裁裁判官の国民審査を巡る大法廷判決(最高裁昭和27220日)を、ダメ判決として挙げている。「×」をつけない白票の場合、非罷免票(裁判官を支持している投票)として扱われる現行審査手法について、最高裁が、「全員一致」で、「是」とした判決である。

「本来、国民審査は、国民が裁判所に対して直接に意見を言える、数少ない貴重な機会である。それなのに、ひっそりと目立たない存在になっている。その大きな要因が、国家機関の思惑の一致にあるように思えてならない。」と、著者であるチームJは語る(太字-引用者)。

読み易く、面白い本である。

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八幡製鉄政治献金事件

に話を戻し、その概要を記す。

昭和35314日、八幡製鉄の代表取締役Y2名は、会社の名において、自由民主党に対し、政治献金として350万円を寄付した。これに対し、同社の株主Xが原告となり、会社の蒙った損害(350万円と遅延損害金)を賠償せよと、Y2名を被告に、株主代表訴訟を提起した事件である。

第一審

(東京地判昭和3845日。判時33029頁)は、

「本件行為は、自由民主党という特定の政党に対する政治的活動のための援助資金であるから、特定の宗教に対する寄付行為と同様に、到底・・・一般社会人が社会的義務と感ずる性質の行為に属するとは認めることができない。政党は、民主政治においては、常に反対党の存在を前提とするものであるから、凡ての人が或る特定政党に政治資金を寄付することを社会的義務と感ずるなどということは決して起り得ない筈である。」と述べ、

会社が、特定政党に対し、政治資金寄付行為(政治献金行為)をなすことは、定款所定事業目的外の行為に当たり、定款違反および取締役の忠実義務違反行為を構成すると論拠付け、代表取締役両名は、損害賠償義務を免れないとして、原告X(株主)の請求を認めた。

第二審(東京高判昭和41131日)は、逆に原告X(株主)を敗訴とした。会社は、個人と同様に一般社会の構成単位であることから、社会に対する関係において有用な行為は、株主の利害との権衡上の考慮に基づく合理的な限度を超えない限り、取締役の忠実義務違反を構成しないと判示した。

最高裁(昭和45624日大法廷判決)は、原告X(株主)の上告を棄却した。

最高裁は、会社は「自然人とひとしく、国家、地方公共団体、地域社会その他の構成単位たる社会的実在」なのであるから、「ある行為が一見定款所定の目的とかかわりがないものであるとしても、会社に、社会通念上、期待ないし要請されるものであるかぎり、その期待ないし要請にこたえることは会社の当然になしうるところである・・・」。

「憲法上の選挙権その他のいわゆる参政権が自然人たる国民にのみ認められたものであることは、所論のとおりである。しかし、会社が、納税の義務を有し自然人たる国民とひとしく国税等の負担に任ずるものである以上、納税者たる立場において、国や地方公共団体の施術に対し、意見の表明その他の行動に出たとしても、これを禁圧すべき理由はない。のみならず、憲法第三章に定める国民の権利および義務の各条項は、性質上可能なかぎり、内国の法人にも適用されるものと解すべきであるから、会社は、自然人たる国民と同様、国や政党の特定の政策を支持、推進しまたは反対するなどの政治的行為をなす自由を有するのである。政治資金の寄付もまさにその自由の一環であり、会社によってそれがなされた場合、政治の動向に影響を与えることがあったとしても、これを自然人たる国民による寄付と別異に扱うべき憲法上の要請があるものではない。」と述べた(太字・アンダーライン―引用者)。

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恐るべき暴論である。「政治汚職の勧奨」であるとの批判も聞く。

最高裁判決は、「選挙権その他のいわゆる参政権が、自然人たる国民にのみ認められたものであることは、所論のとおり」としつつも、「納税者論」に立脚し、企業の政治献金により、「政治の動向に影響を与えることがあったとしても」、別段構わない、と強弁している。

このような論は、政治献金に対する一般の常識と甚だしくかけはなれた「政治献金奨励論」(服部栄三・商法の判例)であり、また、

(結論的には政治献金肯定説に与する立場からも)、憲法論としては、「とんだ勇み足の議論」(鈴木竹雄・商事法務研究531-112)であると批判されている。

なお、本判決については、第一審判決に理論的支柱を提供した、政治献金否定説の代表的論客であった富山康吉教授(富山康吉・民商47-3,5,6)と、商法学者の立場から、結論的には政治献金肯定説に立った鈴木竹雄教授との論戦が著名であるが、その鈴木教授も、「私自身(も)、会社が政党の主要な資金係になっている現状を苦々しく思っている点では人後に落ちる者ではなく、何としてもそれは是正しなければならないと考えている。」と苦言を呈していた。

「政治汚職の勧奨論」と酷評されたこの昭和45(1970)最高裁判決以降、企業の政治献金は益々巨額化し、政治とカネの悪性結合は、更に深刻化の一途を辿った。

政界は、事あるごとに、「企業の政治献金それ自体の合法性は、最高裁も認めている」として、本判決を「言い訳」として利用し続けた。企業の政治献金が、恒常的に政治腐敗を助長する事態となったが、本判決を理由に、抜本的浄化はなされなかった。

まさに、「『金権政治』改革のための議論の足をひっぱってきたのが、この判例」(樋口陽一・個人の尊厳と社会的権力-40)なのである。

時代背景を考えれば、やむを得なかったとの見解もある。

確かに、判決時は、「米ソ冷戦構造」の大きな流れの中にあった。それゆえ、政府・与党は、西側陣営の一員として、財界と共に、自由主義経済体制堅持を、国策と位置づけていたであろうことは、想像に難くない。そのための企業献金であったとの思いも、一部には、あるかもしれない。

しかし、仮にそうであったとしても、最高裁の判断を正当化することはできない。司法府は、司法の観点から判断を下すべきであって、政治に阿(おもね)ることがあってはならない。

主権者国民の参政権が実質的に侵害されている状況を救済することなく、法理論を放棄し、立法・行政を握る与党政治家や政府に迎合し、金権政治存続に都合の良い判決を出していたのでは、憲法が、権力分立(憲法41条、65条、76条)を定めた意味もなければ、司法権の独立(憲法76条以下)を保障した意味もない。

八幡製鉄献金事件昭和45(1970)最高裁判決は、司法府が政治に阿おもねり、政治腐敗状況を糾すことなく、むしろ、これに加担した一例として、まさに、「国策裁判」と呼ぶにふさわしい(この点、(その3)に後記する元最高裁長官の意見表明-特に、赤字アンダーライン部分-を、じっくり読んでほしい)。

(その3)に続く

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鬼頭弁護士寄稿「植草氏の収監を前にして(1)」

 弁護士の鬼頭栄美子氏が、私の収監を前にして、企業献金全面禁止の意義についての論文 を本ブログに寄稿下さったので、3回に分けて掲載させていただく。鬼頭弁護士にはココログによる本ブログに対するアクセス禁止に際しても、貴重な専門論考を寄稿下さった。再度、ご多忙の中で重要問題について専門的視点から寄稿論考を執筆下さったことに対して、この場を借りて深く感謝申し上げる。

 本ブログで記述してきたように、「企業献金全面禁止の是非」は次期総選挙の最大の争点のひとつでもある。大資本の利益を追求する政治が存続し続けた最大の背景に巨大な企業献金の存在がある。

 「政治とカネ」の問題に対する究極の解決策が「企業献金の全面禁止提案」である。鬼頭氏が専門的視点から、問題に対する的確な考察をまとめて下さった。総選挙に向けての最重要論点のひとつとして、3回にわたる寄稿論文をじっくりとご高覧賜りたい。

 

(その2)(その3)と併せてご高覧下さい。

 

 

植草一秀氏の収監を目前にして(その1)

―企業献金全面禁止の意義-

選挙権を持たない企業が、金の力で、政治を左右してよいのか!

            弁 護 士  鬼 頭  栄 美 子

植草一秀氏の収監が、刻一刻と近づいている。

かかる緊迫した状況下においても、植草氏は、日々ブログを更新し、政治・経済情報を発信し続けている。強靭な精神力である

今、日本は「政治を刷新する最大のチャンス」を迎えている。

「国民はこのチャンスを絶対に逃してはならない。国の命運がかかっている。」という思いが、植草氏を支えているのだと思う。この重要な時期に、収監され、発言を封じられる植草氏の無念はいかばかりか。氏の悔しさを想像するに余りある。

国民にとっても、総選挙を控えたこの時期、優れたオピニオン・リーダーである植草氏の言論に接し得なくなる損失は、計り知れないほど大きい。

副島隆彦氏平野貞夫氏鈴木淑夫氏梓澤和幸氏渡邉良明氏紺谷典子氏マッド・アマノ氏山崎行太郎氏ベンジャミン・フルフォード氏、をはじめ、(ここにお名前は書かないが)、多くの人が、植草氏を支え、見守っている。

また、ブログや掲示板投稿などで、植草氏支援を表明する方々の数は、日ごとに増え続けている。

次期総選挙の最大の焦点は、(以下、植草氏の文章をお借りして書くが)、「日本の政治を「政官業外電の悪徳ペンタゴン」から国民の手に奪取できるか」である。

具体的には、植草氏の722日ブログ記事に詳しいが、端的に言えば、「献金・天下り・消費税」が最重要争点とのことである。

「自民党政治は『企業献金』によって支えられている。巨大な企業献金が自民党政治を国民の側でなく、大資本の側に向かせてしまうのだ。だから、企業献金の全面禁止が有効な施策になる。」と植草氏は述べている(617日記事)。

また、「『大資本のための政治』を排するうえで、もっとも重要な公約」の一つとして、植草氏は「企業献金の全面禁止」を挙げている(722日記事)。

民主党が200961日に提出した「政治資金規正法等の一部を改正する法律案」については、ここクリック。)

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そもそも、企業からの政治献金は、何が問題なのか。

一言で言うなら、それは、「選挙権を持たない企業が、金の力で、国の政治・政策を左右することを、許してよいのか!」という問題である。

国民主権(憲法前文、1条)、議会制民主主義(憲法1条、15条、41条)、普通選挙制度(憲法15条、44条)の根幹に関わる事柄であり、企業献金を認め続けることは、主権者国民の参政権を実質的に侵害する、違憲の疑いが濃い重大問題なのである(この点、(その3)に後記する元最高裁長官の意見表明-特に、赤字アンダーライン部分-を、じっくり読んでほしい)。

企業の政治献金については、第一に、「参政権の性格」から考えるべきである。

参政権の性格(参政権・選挙権の本質は、自然人のみが主権者として有する政治的基本権であること-憲法15条、44条)を踏まえれば、献金額の多寡に関わらず、企業の政治献金を許してはならないことは、自明である。

普通選挙権獲得の歴史に鑑みても、また、憲法論的意味においても、政治意思の形成・政治過程への参画は、自然人のみに期待されており、企業の出る幕ではない。参政権・選挙権の分野において、企業(法人)と個人(自然人)を、同列におくことがあってはならない。

第二には、現代社会における企業(法人)と個人(自然人)の、圧倒的資金力の違いを前提に、「大資本による、参政権歪曲化」の観点から考えるべきである。

企業による巨額の政治献金は、個人献金の価値を低下させ、その比重を著しく減殺する。企業から特定政党への献金額(722日記事)を見れば、選挙戦においても、その後の政策決定においても、企業が政治に多大な影響を及ぼしてきたであろうことは明白である。

企業の献金先は、企業の利益を代表・代弁する特定の政党・政治家に集中すると考えられる。献金を受け取った特定の政党・政治家の政治活動は、自ずから、献金をしてくれた企業の利害に配慮したものとならざるを得ない。これでは、政党・政治家の政治活動が、参政権・選挙権を有する主権者「国民を代表」する(憲法43条)ものになり得ない。

選挙の過程においても、資金力の差による様々な悪影響が考えられる。

かかる「大資本による、参政権歪曲化」状況を、個人の選挙権自由行使への直接干渉でないから構わないとして、座視してはならない。

また企業は、時として、自社従業員を通常業務から外し、立会演説会のサクラ役を命じるなどその他様々な方法で、特定政党への選挙支援・その後の政治活動支援を行うことがある。

「金」の献上ならぬ、「人」の献上である。会社員は、その経済的生殺与奪を会社に握られている。納得いかないにせよ、社命を帯びた業務命令には、容易に背けない。その結果、企業の圧倒的資金力を前提に、マン・パワーの供給が可能となる。これも、形を変えた、企業からの政治献金の一種であることを忘れてはならない。

企業献金を許すことは、国民主権、議会制民主主義、普通選挙制度の根幹を揺さぶる問題、これらの空洞化を招来しかねない問題であり、主権者国民の参政権行使を歪曲化するものである。

現状を許し続けてはならない。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

財界人も、

「企業が議員に何のために金を出すのか。投資に対するリターン、株主に対する利益を確保するのが企業だから、企業が政治に金を出せば必ず見返りを期待する。

(石原俊・経済同友会代表幹事(当時)。日本経済新聞198963日朝刊)、

企業献金はそれ自体が利益誘導的な性格をもっている。」(亀井正夫・住友電工会長(当時)。東京新聞1989年1月1日朝刊)と発言している。(いずれも、憲法問題としての政治献金-熊谷組政治献金事件福井地裁判決を素材に-中島茂樹教授論文から)。 

このように、献金をする企業側の意識は、極めて明確である。

そもそも、企業は利潤追求を旨とする存在である。

見返り狙いなしに金を出すと考える方がおかしかろう。

経済合理的理由なく金を出せば(そのような頓珍漢な取締役が存在するとは思えないが)、株主からは、取締役の裏切り行為と評価される。見返りを得られない献金は、会社にとって「損害」に他ならず、取締役等に特別背任罪が成立する疑いが濃厚となる。

企業献金は、涜職罪(刑法第193条乃至第198条)か、しからずんば、特別背任罪(会社法第960条)か。」というアンチノミー(二律背反性)を、本質的に内含している行為なのである。

過去を振り返るなら、大企業を中心に会社から政権与党・与党政治家等への多額の政治献金がなされ、それが利権等と結び付き、数々の疑獄事件、汚職事件へと繋がった。

そのたびに世論の厳しい批判を受け、政治資金規正法(昭和23年制定)の改正が数次にわたって行われてきた。しかし実効性に乏しく、60年余の長きにわたって「ザル法」と陰口を叩かれ続けているのが現状である。

困難ではあっても、政治資金規正法を抜本的に改正し、企業献金を全面的に禁止する方向へ、一歩ずつ、歩みを進めていかねばならない。

 

(その2)(その3)に続く

 

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2009年7月26日 (日)

高齢者の尊厳と人権を踏みにじる麻生首相発言

麻生首相が7月25日に、横浜で開かれた日本青年会議所の講演で次のように述べた。時事通信が伝える高齢者に関する発言の要旨を以下に転載する。

「どう考えても日本は高齢者、いわゆる65歳以上の人たちが元気だ。全人口の約20%が65歳以上、その65歳以上の人たちは元気に働ける。いわゆる介護を必要としない人たちは実に8割を超えている。8割は元気なんだ。

その元気な高齢者をいかに使うか。この人たちは皆さんと違って、働くことしか才能がないと思ってください。働くということに絶対の能力はある。80(歳)過ぎて遊びを覚えても遅い。遊びを覚えるなら「青年会議所の間」くらいだ。そのころから訓練しておかないと、60過ぎて80過ぎて手習いなんて遅い。

だから、働ける才能をもっと使って、その人たちが働けるようになれば納税者になる。税金を受け取る方ではない、納税者になる。日本の社会保障はまったく変わったものになる。どうしてそういう発想にならないのか。暗く貧しい高齢化社会は違う。明るい高齢化社会、活力ある高齢化社会、これが日本の目指す方向だ。もし、高齢化社会の創造に日本が成功したら、世界中、日本を見習う。」

平均寿命が延びて、元気な高齢者が増えている。働く意欲を持ち、高齢者が生きがいをもって働く場が創設されることは望ましい。平均寿命の変化に合わせて、生産年齢を柔軟に見直すことも必要だろう。

大切なことは、高齢者が生きがいをもって、生き生きと暮らせる社会を構築することだ。この文脈上で、高齢者の労働の在り方についての見直しを考えることは有益である。

麻生首相発言が問題とされる理由は別の点にある。問題は麻生首相にとって国民がどのような存在として位置付けられているかにある。

「その元気な高齢者をいかに使うか。」

「いかに使うか」の言葉が自然に出てくる思考回路が問題なのである。

「この人たちは皆さんと違って、働くことしか才能がないと思ってください。」

「働くということに絶対の能力はある。80(歳)過ぎて遊びを覚えても遅い。」

政治の主権者は国民である。国民が国民のために政府を作る。政府は主権者である国民の意向を受けて政治運営を任され、国民の幸福を実現するために仕事をする。これが、国民主権の民主主義国家の基本形だ。

麻生首相の言葉は、麻生首相がこの基本を踏まえていないことを示している。麻生首相の言葉は政府が国民とは離れた高いところに位置しており、国民は政府の事情を満たすために「利用する」存在であることを示している。

麻生首相の発言は、社会保障財政、政府財政が厳しい状況に直面している現状を改善するには、元気でいるのに働いていない高齢者を働かせて、社会保障の受給者ではなく、納税者にしてしまえばよいのだという意味である。

麻生首相の言葉には、高齢者の立場に立って、高齢者が幸福になるために何をどう変えるかという発想がない。政府の財政事情を改善させることが第一の目的であり、この目的を達成するために高齢者をどう扱うのかを考察するとの思考回路が働いているのである。

これは「国民のための政府」ではない。「政府のために国民が存在する」との発想が原点にある。

さらに、「働くことしか能がない」とはどういうことか。

戦後の日本経済復興に汗水たらして働いてきた国民に対する言葉か。

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戦後復興に尽力した人々の多くはたしかに、わき目も振らずに黙々と仕事にいそしんできただろう。その結果、日本は奇跡の復興と呼ばれる経済成長を実現した。勤勉に仕事をしてきたから、遊びを覚える時間はなかったかも知れない。

それを「働くことしか能がない」とは、あまりにも「人間の尊厳」に対する認識が不足している。

長い時間、勤勉に働いてきた高齢者が、高齢者になって、初めて自分のために時間を使うことを知り、それぞれの生活を潤いのあるものにしようとしている。これを、「60過ぎて80過ぎて手習いなんて遅い」と麻生首相は切り捨ててしまう。

麻生首相の発言は「失言」ではない。麻生首相の考え方を率直に示したものである。

これまでの自公政権は、国民のための政治を実行してこなかったのだ。

_72 官僚、大資本、外国資本、御用メディアと政治が癒着し、「政官業外電の利権複合体の利益」を満たす政治を実行してきた。

この利権政治を維持するには、選挙で多数の議席を確保しなければならない。したがって、選挙の時だけ、国民の投票を誘導する施策を打ち出す。選挙を離れれば、国民は、利権政治を維持するための道具に過ぎない。だから、「高齢者をどう使うか」の言葉が出てくる。

頭を働かす首相なら選挙戦に入ってこのような発言を控えるだろう。そこまで考えが及ばないところに麻生首相の真骨頂が示されているが、最大の問題は、麻生首相にとっての国民の位置付けにある。

日本の政治を国民の元に引き寄せなければならない。

考えて見れば、歴史上、日本で国民の幸福実現を中心に据えた政府が樹立されたことはなかった。明治以降、官僚主権の政治が続き、現在に至っている。

1955年以降は、「政官業」の癒着政治が持続した。2001年からは、この利権複合体に「外国資本」と「御用メディア」が加わった。

この利権政治を排除し、国民を主役とする政府を日本の歴史上、初めて創設するのだ。「革命」と表現するのが適正だ。

麻生首相は考えていることをそのまま表現するので分かりやすい。国民がうわべの言葉に騙されて、間違った投票をしてしまうことを防ぐ意味で、麻生首相の行動は高く評価できる。

日本経済の復興に汗水流して努力してきた人々は、麻生首相がこの高齢者に対して、「どう使うか」、「働くことしか能がない」と述べたことの意味をじっくりと考えて、この麻生首相が率いる自公政権に今後も日本の政治を委ね続けるのかどうかを、よく考えるべきである。

高齢者でない人々も、このような考え方を持つ人物が率いる自公政権の存続を今後も認めるのかどうかをよく考えて、投票行動を決定する必要がある。

「政権交代」が総選挙のテーマである。

自民別働隊の「偽装CHANGE新党」の蠢(うごめ)きが予想通りに見え始めているが、「偽装CHANGE新党」に投票を分散してはならない。

投票率を最大に高め、政権交代推進勢力に投票を集中させるべきだ。政権交代を実現し、日本の政治を利権複合体の手から国民の手元に引き寄せなければならない。

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2009年7月25日 (土)

「朝まで生テレビ」偏向制作と総選挙の論点

7月25日のテレビ朝日番組「朝まで生テレビ」で与野党6党の国会議員が出演して討論を行なった。

田原総一朗氏の歪んだ司会進行と山際澄夫氏という劣悪な産経新聞出身の論者の発言を除けば、内容のある討論であった。

総選挙を目前にした政党討論であるのだから、主要な争点をピックアップして、その論点について討議するのが、本来取られるべき手法である。

ところが、番組は、民主党の政策公約を一覧表にして取り上げ、その細目について討議を進めるという方式を取った。

寄ってたかって民主党を吊るしあげる企画であり、田原氏とテレビ朝日が自民党の意向を受けて番組を制作していることを如実に示唆するものだった。

最大の印象は、民主党の細野豪志氏がさまざまな問題について、冷静かつ的確に対応していたことだ。自民党の茂木敏充氏は自民党内有数の論客だが、重箱の隅をつつく論議に終始し、逆に細野氏から突っ込まれて返答に窮する場面が目立った。

番組での討論を通じて、次期総選挙に向けて、以下の三点が重要になることが明確になった。

第一は、自民党が景気回復、景気対策をアピールしようと考えていることだ。本ブログでは、自民党が景気回復を争点にすることを前提に、

7月22日付記事

「麻生首相が強調する景気回復重視論の欠陥」

7月24日付記事

「民主党対自民党:経済成長を促すのはどちら」

に、経済政策について記述した。改めて、内容を確認していただきたい。

自民党が民主党を攻撃する「財源論」は財政赤字の発生を問題にする論点であり、他方、自民党が主張する景気対策の効果は財政赤字をどれだけ拡大させたかを問題にする論点である。

論者がこの関係を正確に認識しているように見えなかった。

第二は、共産党が次期総選挙の意味を「自公政権の終焉」と位置付け、従来の民主党攻撃のスタンスを大きく修正したことである。直接的な選挙協力が行なわれているのは、民主党、社民党、国民新党の間であるが、共産党が政権交代を次期総選挙の意義に位置付けた意味は大きい。

「政権交代」を軸に次期総選挙が展開されることがより鮮明になった。

第三は、政権交代が実現する場合に、外交政策を中心に、漸進的で柔軟な対応が示される可能性が高いことが明確になったことだ。

日米関係をどのように変化させるのかが最も重要だが、日米関係を重視しつつ、これまでの従属関係をどのように変化させてゆくのかが問われる。慎重で柔軟な対応が求められるのは当然だ。

第一の点から説明する。

番組に出演した荻原博子氏は本ブログを閲覧されているのだと考えられる。本ブログ7月22日付記事に、麻生政権が編成した3度の補正予算での追加財源調達規模の合計が27兆円に達すると記述した。荻原氏は麻生政権の景気対策について、「27兆円」の表現を用いて説明した。

麻生政権の財政政策について、27兆円の数値を付して説明する解説は、本ブログ以外には存在しないはずである。補正予算の規模を合計した金額は20兆円であり、27兆円は税収見積もりの減額補正を含んだ数値である。

景気対策の経済効果を考察する際には、税収の変動を含めて財政バランスがどれだけ変化したのかがポイントになる。この意味で追加財源調達額の27兆円が最も重要な数値になる。しかし、この数値を取り上げる説明は、本ブログ以外にはないと思われる。

荻原氏は、民主党の子育て手当について、高額所得者を中心に一部の納税者の負担増が生じるとしても、少子化対策、格差是正の視点からプラスに評価できるとの論評を示した。本ブログを参考にして、適正なコメントを示されるならありがたい。

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番組では、歳川隆雄氏が2008年4-6月期のGDP統計が8月17日に発表されることを述べた。麻生政権が8月18日公示、8月30日投票の総選挙日程を前提に、GDP統計発表を公示日前日の8月17日に設定したと考えられる。

選挙公示日の第一声で景気対策の効果をアピールしようとの思惑が透けて見える。しかし、日本のGDP成長率は以下の推移を辿った。

2008年 4- 6月期 - 2.2%
      7- 9月期 - 2.9%
     10-12月期 -13.5%
2009年 1- 3月期 -14.2%

 2009年4-6月期に年率換算で6%程度のプラス成長が示されたとしても、焼け石に水であり、景気の現状は極めて厳しい。

 麻生政権はわずか半年で27兆円も財政バランスを悪化させた。GDP比5%強の景気対策を実行したのであるから、その効果が表れないはずはない。問題は、その内容の大半が大企業と官僚へのお手盛りになってしまっていることだ。

 エコカー、エコポイントへの財政助成は、裾野の広い経団連企業への補助金政策である。選挙に向けてこれらの経団連企業が企業ぐるみの自民党支援を展開することを誘導する政策である。

 7月24日付記事に記述したように、最も優れた「成長誘導政策」は、消費者に購買力を付与する政策である。消費者が自らの意志と判断によって支出を拡大する。消費者が選択して支出を拡大させる分野が成長分野である。

 政府が補助金を出して支出を誘導することは、経済活動への不当な介入になる。優遇する製品を政府が選んでも、その製品が本当に優れているとは限らない。政府による優遇策は常に利権と癒着の温床になるのだ。

 消費者が「増加する可処分所得」を支出に回すには、将来に対する不安が除去されることが必要になる。この意味で、年金、医療、教育などについての将来不安を解消することが極めて重要になる。

 民主党の政策が、①家計の可処分所得増大、②年金、医療、教育に関する将来不安除去、の2点を柱に据えていることは、極めて適切である。

 自民党の実行している「成長誘導政策」は、特定業界への利益供与でしかない。企業への利益供与と企業からの巨額献金が癒着して生み出されているのが自民党の「成長誘導政策」の本質であることを見落としてはならない。

 民主党の政策は、市場メカニズムを通じて自律的な成長分野の拡大を促す政策であり、「成長政策」としては自公政権の「成長政策」よりも優れている。

 次期総選挙の三大争点は、

企業献金全面禁止の是非

天下り根絶の是非

消費税大増税の是非

である。

 企業献金を断ち切ろうとしない自民党の政策は、どうしても大企業への利益供与政策に傾いてしまう。

 また、自民党の茂木氏と公明党の高木氏は、人材交流センターによる天下りあっせんを廃止しない考えを示した。これに対して、民主党は天下り根絶を公約に明記している。

 テレビ番組は、①企業献金、②天下り、③消費税増税、に論点を絞って討論を行なうべきだ。

 共産党は今回の総選挙で小選挙区での立候補者数を152人に激減させる。前回選挙では275人を擁立した。共産党候補者に振り向けられていた投票が政権交代推進政党に振り向けられるなら、政権交代推進勢力は大きな力を得ることになる。

 民主党の政策をあげつらう討論においても、民主党は十分に耐え抜いた。細野氏の力量に負う部分も大きいが、民主党は投票日に向けて、理論武装をさらに強化するべきである。

 とりわけ、「景気対策」、「財政赤字」、「成長政策」において、自民党の主張には欠陥が多く見られる。民主党を中心とする野党は、自民党の主張の欠陥をじっくりと洗い直し、政党討論で自公勢力を論破する説明方法を確立しておくべきである。

 野党勢力が共闘体制を強化して、「政権交代実現」をまずは優先することが肝要である。

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2009年7月24日 (金)

民主党対自民党:経済成長を促すのはどちら

自民党を支援する御用メディアは、相変わらず偏向報道を続けている。自民党が制作した下品な鳩山民主党攻撃のアニメ動画をテレビで放映し、自民党広報を実施しているテレビ局もある。

麻生首相は「景気回復」を自公政権の最重要課題に位置付けていることを強調する。

7月22日付記事

「麻生首相が強調する景気回復重視論の欠陥」

に記述したように、自民党が実行してきた財政政策には重大な問題が多く含まれている。

2008年度の二度の補正予算、2009年度の補正予算で、麻生政権は27兆円もの追加財源を調達し、景気対策に注ぎ込んだ。国債を19兆円増発し、政府資産を8兆円流用した。政府の懐が27兆円も悪化したわけだ。

これだけ巨額な資金を投入して、景気が改善しない訳がない。日本のGDP成長率は本年4-6月期にようやくプラスに転じる。この統計の発表日が8月17日に設定された。8月30日に投票日を設定すると、公示日が8月18日になる。その前日にGDP統計の発表日を設定したのだ。

年率換算の実質GDP成長率は昨年4-6月期から、以下のように推移した。

2008年 4- 6月期 - 2.2%

      7- 9月期 - 2.9%

         10-12月期 -13.5%

2009年 1- 3月期 -14.2%

年率換算の実質GDPは2008年1-3月期の566.4兆円だったものが、2009年4-6月期には、519.0兆円にまで、8.4%も減少した。

8月17日に発表される2009年4-6月期の実質GDPが、

仮に前期比+1.5%、年率+6.1%

のプラス成長を示したとしても、年率換算の実質GDPは526.7兆円にしか達せず、2008年1-3月期の実質GDPよりも7.0%も低い水準にとどまる。

 8月17日に発表されるGDP統計がやや高めの数値になるとしても、その最大の理由が、それ以前のGDP縮小が激しすぎたことにある点を見落としてはならない。政策の成果と言える代物ではまったくない。

 年率で二桁成長が3四半期程度持続すれば、「景気回復」の言葉も当てはまるが、現状は程遠い。27兆円もの国費を投入しながら、この程度の景気回復しか導けないのなら、景気対策の手法に大きな誤りがあったことになる。

 自民党は民主党の政策の財源問題を攻撃し、NHKは民主党の政策には、「成長戦略が欠けている」と、頓珍漢(とんちんかん)な論評を示している。大企業に依存する日本経済新聞が実施した企業経営者への緊急アンケートでは、企業経営者が「成長戦略」を重視し、民主党ではなく自民党に対する政策評価が高いことを伝えている。

 日本経済新聞は小泉政権の時代以降、「自民新報」あるいは、「小泉新報」と呼んだ方が良いほどの偏向ぶりを示してきたが、民主党政権が樹立される可能性が高いこの時期に及んで、このような偏向報道を続けるところを見ると、自民党と命運を共にする覚悟を固めたのかも知れない。厳しい近未来が待ち受けているだろう

 財政政策の機能に着目して、自公政権の政策と民主党の政策を比較してみよう。

 ドイツの財政学者マスグレイブの整理によれば、財政政策の機能には以下の三つがある。

①資源配分機能

②所得再分配機能

③景気安定化機能

である。

 ①の資源配分とは、財政資金をどのような分野に投入するのかという問題で、財政活動の根幹に関わる。

 民主党は、これまでの財政支出をゼロベースで見直し、

a.無駄と考えられるもの

b.必要性の低いもの

を排除する一方で、

c.国民生活安定に不可欠と考えられる支出

を大幅に拡大しようとしている。

 無駄の代表例は、天下りにかかる支出、必要性の低い公共事業、であり、加えて民主党は公務員給与の引き下げにも取り組む姿勢を示している。

 財政の資源配分機能に着目した民主党の取り組みに賛同する有権者が多いはずだ。

 民主党は、10兆円以上の規模でこの予算組み替えを行ない、最終的には17兆円から20兆円規模にまで拡大する計画を有している。決して不可能な計画ではない。

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 財政の所得再分配機能を排除しようとしたのが小泉改革である。市場原理に委ねると、結果における格差が拡大する。競争条件において不利な状況に置かれる経済的な弱者は自由競争の結果、ますます厳しい状況に追い込まれる。

 所得再分配機能を活用しないのが「市場原理主義」、所得再分配機能を重視するのが「人間尊重主義」である。

 労働者に対するセーフティネット、派遣労働に対する規制、障害者に対する支援、高齢者に対する支援、母子世帯に対する支援、生活困窮者に対する支援、労働者への分配率を高めるための施策などを重視するのが「人間尊重主義」である。

 小泉改革の流れを汲む自公政権の政策に対して、民主党を中心とする野党は、財政の「所得再分配機能」を重視する。

 課税において、累進税率を適用する所得税は、所得再分配機能を強く持つ。これに対して、消費水準に対して比例的な課税となる消費税は、高所得者の負担感が少なく、低所得者の負担感が大きい。

 自民党は2011年度にも消費税大増税に着手する意向を示しているが、民主党は少なくとも4年間は消費税増税を封印することを公約に掲げた。

 景気対策としての財政政策の論議が、③景気安定化機能の問題に関わる。

 私はかねてより、

a.特定産業救済型の景気対策

ではなく、

b.購買力付与型の景気対策

が望ましいと述べてきた。

 公共事業はa.の典型例である。地方の建設業が厳しいから景気対策で公共事業を増やす。こうした景気対策は、景気対策で恩恵を受ける事業者が特定され、政治利権と結び付きやすい。また、本来は縮小しなければならない産業を延命させる側面をも有し、経済構造の変化を妨げる要因になる。

 これに対して、購買力付与型の政策は、失業給付、育児手当、各種助成金などにより、個人に購買力を付与する政策を指す。可処分所得が増加した個人は、それぞれの自由な意志により、支出先を定め、支出を拡大させる。

 この支出拡大によって恩恵を受けるのは、伸びている産業である。支出の内容を政府が決めるのでなく、市場メカニズムに委ねるのである。政府の施策は個人に対する可処分所得増加策であるから、利権にはなりにくく、汚職も生まれにくい。

 a.の政策とb.の政策のどちらが、経済構造の変化促進や経済成長にプラスかをよく考える必要がある。b.の政策は、市場メカニズムに資源配分を委ねるため、経済の自律的な発展や成長を促すと考えられるのだ。

 可処分所得が増加した個人がその所得を貯蓄に回してしまうと、景気浮揚効果が減殺されるから、個人が将来を楽観できる状況を生み出すことが同時に求められるが、政府が支出先を決定してしまう、従来型の景気対策よりは、はるかに優れている。

 麻生政権は環境対策などの名目で、大型予算を組んだが、このような大義名分に隠れる「政治利権」に要注意だ。「地球環境対策」の装いをまとった利権政策が横行している。

 エコカー、エコポイントなども典型例である。エコカー減税で、燃費の絶対水準に応じて補助金が支払われるなら、低燃費車の普及が促進される。しかし、政府の施策は、高燃費の高排気量乗用車にも適用される。環境対策ではなく経団連企業への補助金政策なのだ。

 また、こうした政府施策を名目にした予算拡大が、官僚利権増大を増長する要因になっている現実も見落とせない。

 麻生首相は選挙戦冒頭に業界団体詣でを行なったが、自民党政治がいかに「大資本」に傾斜したものであるのかが示されている。自民党政治は大企業に恩恵を施し、大企業から巨大献金を受ける「ビジネス」と化している。

 大企業は政治からの恩恵を受けようと自民党の要請に応じ、経営に逆らえない従業員は選挙に動員される。この歪んだ図式を変えるには、企業献金を全面禁止するしかない。日本政治を刷新するもっとも大きな起爆力を有しているのが「企業献金全面禁止」提案である。

 話が横道にそれたが、経済の自律的な発展、構造変化を促すには、政府が支出先を決定する財政政策よりも、市場に支出対象を選択させる「購買力付与型の政策」の方が望ましいのだ。

 財政政策が景気にプラスの影響を与えるのか、マイナスの影響を与えるのかは、基本的に財政赤字の増減で表わされる。民主党の政策が経済成長にマイナスになる懸念を生み出す場合には、財政赤字を縮小させるスピードを落とせば良いことになる。

 自民党は、民主党の政策の財源論が脆弱(ぜいじゃく)だと批判するが、自民党自身がこの1年間に27兆円も財政収支を悪化させており、このような政策対応が認められる環境下においては、民主党が示す財源論は、当初、若干財政赤字が拡大するとしても、まったく問題にはならない。

 自らの政策において、1年間に27兆円も財政収支を悪化させておいて、民主党の財源論が支出政策のすべてをカバーしていないと噛みつくのは、自己矛盾そのものである。

 大企業と役人へのお手盛り予算満載の麻生政権の財政政策に比較すれば、民主党提案は、資源配分、所得再分配、経済成長のすべてにおいて、自民党の政策よりも優れていると言わざるを得ない。

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2009年7月23日 (木)

「みんなでブログ・デモ行進」でのご支援に深謝

夏みかん様が阿修羅掲示板に投稿下さった

植草一秀さんを守りたい!「みんなでブログ・デモ行進」のお知らせ。
ブログで同日一斉に発信!

に対応して、多くのブログ主宰者から、身に余る心のこもったお言葉を賜りました。

「神州の泉」主宰者の高橋博彦様にはブログ上にて、度重なる激励のお言葉と私の身を案ずるお言葉をたまわりまして、厚くお礼申しあげます。

副島隆彦先生「植草事件の真相掲示板」様「植草一秀氏を守るBBS」様「カナダde日本語」様「晴天とら日和」様をはじめ、本当に多くの皆様から、温かなお言葉を賜りまして、誠にありがたく感じております。

多くのブログ主宰者様のお名前を記載できませぬことを、大変申し訳なく感じますが、この場を借りまして厚くお礼申し上げます。

事件につきまして、私は私の知る限りの真実をすべて明らかにして参りました。当事者以外に現場を知る者はおりませんので、当事者と天のみが真実を知っております。

皆様は現場におられたわけではありませんので、さまざまな情報から、誰が真実を述べているのかを考察されることになりますが、そのなかで、多くの皆様が私の言葉を信じてくださっていることに、深く感謝申し上げます。

裁判では、弁護団や自ら名乗り出て真実を法廷で話して下さった善意の第三者である一般市民の方のお力などにより、私の無実を完全に立証できましたが、裁判所からは正当な判決を得ることができませんでした。地裁は証拠調べをことごとく却下し、高裁、最高裁は、一切の実質審理を行ないませんでした。

私は真実しか述べておりません。私がもし罪を犯しているなら、当然のことながら、潔く罪を償っております。現在の日本で無実の主張を貫くことには、とても大きな困難が伴いますが、そのなかで一貫して無実の主張を示していることは、それが真実であるからでしかありません。

フランス人権宣言に盛り込まれたさまざまな規定は、基本的人権を尊重する視点から、間違っても無辜(むこ)の人間に、政治的背景によって罪を着せることがないようにすることを目的とするものでありました。

爾来(じらい)220年の時が流れておりますが、現在の日本では、この基本が確立されておりません。警察・検察・司法制度の近代化は最重要の課題です。

無実の人間に罪が着せられることに対して、強い憤りを禁じ得ませんが、政権交代実現後のいずれかの日に必ず真実を明らかにし、汚名を雪(すす)いで参りたく考えております。

収監される日が近付いておりますが、何よりも気がかりなことは、この国の命運を定める総選挙が行なわれ、新政権が発足するもっとも重要な時期に発言を封じられてしまうことです。

次期総選挙は「政権交代」をテーマに戦われる。単なる「政権交代」ではなく、日本の歴史上、初めて民衆の力によって、政治権力を民衆の手元に引き寄せられるかどうかが問われる、革命的な意味を持つ選挙になる。

_72 「政」・「官」・「業」の利権複合体に「外」・「電」の新興勢力が加わって形成された「政官業外電の悪徳ペンタゴン利権複合体による政治」を、「国民を主役とし、国民の幸福を追求する政治」に刷新することが、「政権交代」の目的になる。

私は2001年12月26日付「夕刊フジ」紙上での小沢一郎氏との対談において、小泉政治の問題点を指摘した。

2006年に連載を始めた宮崎学氏責任編集の「直言」サイトにおける「UEKUSAレポートPlusに、政治の目指すべき方向を記した。

2006年4月11日付記事

第5回「日本の政治に一筋の黎明が見えた」

には、民主党代表に小沢一郎氏が選出され、日本政治変革の第一歩が記されたことについての論評を記述した。

2006年4月26日付記事

第6回「民主党が提示すべき三つの主張」

には、①「天下り根絶」、②セーフティネットの強化、③対米隷属外交からの脱却、の三つの政策方針を提言した。

三つの政策方針は、2005年9月の総選挙に際して、民主党に提言したものだった。

長い時間が経過したが、日本政治を刷新する最大のチャンスが近付いている。東京拘置所内に拘留されていた期間に執筆した

『知られざる真実-勾留地にて-』

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に私の考え方を集約して記述したが、同書における日本政治の在り方に関する記述は、私の「政権構想」でもあった。

①官僚主権構造

②大資本のための政治

③外国資本のための政治

を排除して、

①国民の幸福を追求する政治

を実現しなければならないと考え続けてきた。

その大事業を実現するチャンスが目の前に近付いている。

この段階で、発言を封じられることには断腸の思いを禁じ得ないが、思いを共有する国民の力によって、何としても「政権交代」を実現し、日本政治を刷新してもらいたいと思う。

「政権交代」が実現しても、それはゴールではない。スタートである。新しい政権が本当に「国民の幸福を追求する政治」を実現するように、主権者である国民が大いに力を発揮してゆかなくてはならない。

不在になる間も、何らかの形で本ブログを継続してゆきたいと考えている。収監される日まで、時間は短いが、引き続き本ブログを通じて情報を発信して参りたいと思う。ブログをご高覧の読者の皆様には、なにとぞ支援のクリックを継続していただければ大変ありがたく思う。

「政権交代」は特定の人々、特定の勢力の「私的な利害」によって誘導されるべきものでない。主権者である国民の力によって、主権者である国民の幸福を実現するために目指される大事業である。

まずは、次期総選挙での政権交代実現に向けて、志を共有する人々が力を結集することが大切だと思う。

選挙戦術としての

①投票率を高めること

②政権交代推進勢力に投票を集中させること

③「偽装CHANGE新党」に惑わされないこと

三原則を周知させることも不可欠だ。

  

 また、総選挙までに、一人でも多くの国民の皆様に

副島隆彦先生との共著

 

『売国者たちの末路 私たちは国家の暴力と闘う』

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をご一読賜りたいと思う。

私に対する多くの皆様の温かなお心に感謝し、微力ではあるが、力の限り前を向いて進んで参ることをここにお誓い申し上げる。

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2009年7月22日 (水)

麻生首相が強調する景気回復重視論の欠陥

麻生政権は、「景気回復」を1枚看板に掲げる気配を示している。

 民主党を軸とする野党連合勢力は、この点に対する理論武装を急ぐべきである。

 麻生政権が売り込もうとするポイントは以下の通り。

①100年に1度の危機に対して、麻生政権は「政局より政策」で対応した。

②「全治3年」に見通しを示し、順調に改善が見られている。

③補正予算、本予算の4本の予算を成立させた。

④IMFの2010年成長見通しでは、日本の成長率が1.7%とされ、先進国で最も高くなる。

⑤8月17日に発表される2009年4-6月期GDP統計で高成長が発表される。

 このアピールにどう対応するか。

 麻生政権は、3度の補正予算でどれだけの追加財源を調達したか。

2008年度第1次補正予算  1.1兆円

2008年度第2次補正予算 11.9兆円
(歳出予算の増額規模は4.8兆円)

2009年度第1次補正予算 13.9兆円

合計            26.9兆円

麻生政権は3度の補正予算編成で、追加財源として27兆円もの真水を調達した。国債の増発が18.7兆円、埋蔵金の利用が7.6兆円である。

GDP比5%を超す史上空前のバラマキ予算が編成された。これだけの巨額の国費をバラマいて、経済が底入れしない訳がない。

 2009年7‐9月期GDP成長率は、経済崩壊の反動で高めの数値になる。この発表日が総選挙公示日前日の8月17日に意図的に設定された可能性がある。この「からくり」をあらかじめ指摘しておくべきだ。

 麻生政権は8月17日のGDP統計を最大限に活用すると考えられる。御用メディアも最大限の援護報道を展開するだろう。しかし、1四半期の成長率数値は振れが大きく、この数値を景気の基調判断に用いるのはミスリーディングである。

 また、IMFは2010年の日本経済の成長率を1.7%としたが、2009年の成長率見通しをマイナス6%としている。2009年のマイナスが大きい分だけ、2010年のプラスが大きくなるだけに過ぎない。両者を合わせても、まだ大幅マイナスである。

 鉱工業生産指数は2008年2月から2009年2月にかけて、36.9%も激減した。戦後最悪の景気崩壊だった。生産水準が4割近くも落ちたのだ。

 この生産指数が本年5月に79.1に回復した。13.8%も反発した。企業が生産を極限まで減少させた結果、在庫が減少し、増産に転じただけだ。

 生産指数は昨年2月には110.1だった。昨年2月を100とすると、まだ72の水準にしか戻っていない。景気の落ち込みがあまりにも激しかったから、大底から少し水準が上がったものの、生産水準は昨年2月よりも3割も低いのだ。

 3割も低いということは、依然として、深刻な失業、倒産、所得減少が持続していることを意味する。とても「景気回復」などと呼べる代物でない。

補正予算を3度も編成したのは、麻生政権が経済金融の見通しを誤ったためである。対応が遅れ、補正予算の規模が大きくなった。最後の補正予算は2009年度の補正予算である。

本予算を審議している間に補正予算を編成し、14兆円もの追加補正を行なった。当初の見通しがいかに甘かったかを示している。麻生政権が早い段階で迅速に抜本対応を示していれば、日本経済の悪化はもっと軽微にとどまったはずである。

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 より重要な問題は貴重な国費の使い方である。麻生内閣は14兆円もの国費を投入した2009年度補正予算で、

公的部門の施設整備費に2.8兆円、

58の政府の基金に4.6兆円

の国費を投入した。

また、

役所の公用車購入1万5000台=588億円、

役所等の地デジ対応テレビ購入7万1000台=71億円、

の予算を計上した。

大盤振る舞いの補正予算で、役人が使用する公共施設に巨額を注ぎ込んだ。

マンガ・アニメの殿堂には建設費だけで117億円が用意される一方、

生活保護の母子加算200億円は切り込まれたままにされた。

役人お手盛り予算満載と、「エコカー」、「エコ家電」支援策などの経団連企業への巨大補助金政策を軸とする補正予算である。

民主党長崎2区候補者福田えりこさんが指摘する、

「弱い者から吸い上げて強い者にばらまく」政策の典型例である。

①失業者の生活保障、非正規労働者のセーフティネット整備、

②高齢者の介護、医療体制整備、

③子育て・教育費助成、

④障害者自立支援法改正、

⑤後期高齢者医療制度廃止、

⑥消えた年金修復事業の早期完結、

⑦生活保護強化、

などの施策には、ほとんど対応が示されなかった。

 27兆円もの資金を投入すれば、誰でも景気改善を実現できる。GDPの5%を超える規模だからだ。問題は、貴重な国費をどの分野に投入し、どのようなプロセスで日本経済、国民生活を支えるのかである。

 自民党は民主党の政策について、財源論が不明確だと批判するが、1年間で27兆円もの借金や埋蔵金活用で景気対策を実行することが容認されるなら、民主党の財源論は、はるかに「骨太」である。

 自民党が「景気回復」に軸足を置くと主張するなら、

民主党も「財源確保を意図的にやや遅らせて、赤字になる分を景気支持に充当する」と答えれば十分である。

 財政政策と景気対策との関係では、短期的に発生する「赤字部分」がイコール「景気支持分」になるからだ。

 自民党が「景気対策優先」と述べていることは、そのまま、短期的には「財政赤字拡大を容認している」ことに他ならない。1年に27兆円も財政赤字を拡大させている政党に、民主党の財源論を批判する資格はない。

 麻生政権は3度の補正予算編成で、19兆円の国債増発、8兆円の埋蔵金で景気対策を打ち出したのである。

民主党は予算組み替えで、無駄な支出、必要度の低い支出をカットして、国民生活に直結する分野に支出をシフトしようとしている。国民生活支援の支出予算を先行実施すれば、予算の組み替えが完了するまでの間、財政赤字が多少拡大する可能性はある。

しかし、その財政赤字を景気支援策に位置付ければ良い。27兆円もの国費を役人と大企業お手盛り予算にばらまく一方、そのツケを大衆増税である消費税大増税に求める方が、はるかに無責任な財政運営である。

マスメディアは自民党と結託して民主党の財源論を攻撃するキャンペーンを展開しているが、自民党のバラマキ財政に対する適正な分析が求められる。

民主党は国民生活支援の財政支出政策実施と財源確保のタイムラグによって生じる差額を、景気支持策と位置付けるべきで、この視点を加味して、政策プログラムの実施時期を弾力的に検討する方針を示すべきである。

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総選挙の投票を誤らないための五大争点

8月30日の投票に向けて、事実上、選挙戦が始まった。

麻生首相は記者会見で、①景気回復、②市場原理主義の修正、③消費税増税の方針を掲げた。「天下り・わたりの廃止」などにも言及した。

「小泉改革の総括」をテーマのひとつに掲げる野党の主張の一部を取り入れ、争点を見えにくくする戦術である。

民主党を中心とする野党は、自公両党の政策方針との違いを明確に示す必要がある。

今回の総選挙の最大のテーマは「政権交代」である。

明治以来140年にわたって続いた「官僚政治」に終止符を打つのかどうか。1955年以来54年にわたって続いた自民党政治は、同時に「大資本のための政治」でもあった。政治の主役を「大資本」から「国民」に転換することができるのかどうか。

さらに、2001年に発足した小泉政権以来、日本政治が日本国民ではなく、外国資本の側を向き始めた。「外国資本のための政治」を「日本国民のための政治」に変えることができるか。

①官僚主権構造

②大資本のための政治

③外国資本のための政治

を排除して、

国民の幸福を追求する政治

を新たに樹立できるのかどうかが、今回の総選挙の最大のテーマである。

これまでの政治を支えていたもうひとつの力が、御用メディアである。

「政官業外電の悪徳ペンタゴン利権政治」を打破し、「国民を幸福を追求する政治」を、日本の歴史上、初めて構築できるのかが問われる。

①「官僚主権構造」を打破するうえで、もっとも重要な政策課題が

「天下り根絶」

である。

麻生首相も「天下り・わたりの廃止」を述べたが、内容がまったく違う。

自公政権は、天下り機関が独自に官僚OBを採用することを「天下り」や「わたり」ではないとする。また、官僚OBが所管する業界企業に「天下り」することも「職業選択の自由」の観点から容認する。つまり、実質的にこれまでの「天下り・わたり」を完全に容認するスタンスを変えていない。

これに対して、民主党が主張する「天下り・わたり」禁止は、完全に抜け穴をふさぐものである。

「天下り・わたりの禁止」の言葉に騙されてはならない。

②「大資本のための政治」を排するうえで、もっとも重要な公約が以下の三つである。

a.企業献金の全面禁止

b.消費税大増税の廃止

c.セーフティネットの整備

自公両党は鳩山由紀夫民主党代表の政治資金報告書の誤りを執拗(しつよう)に攻撃している。誤りは正さなければならないが、問題の本質は「政治とカネ」の問題にあり、その中心は、政治と企業の癒着だ。

この意味で「政治とカネ」の問題の中心は「金権体質の自民党」にある。

民主党は以下の数字を積極的にアピールするべきだ。

自民、民主両党の2007年政治献金実績。

自民:総額224億円、うち企業献金168億円

民主:総額 40億円、うち企業献金18億円

経団連加盟企業の経団連を通じる企業献金は、

自民:29億1000万円

民主:8000万円

企業献金にとっぷりと浸かっているのは自民党である。

民主党は、「政治とカネ」の問題に対する根本的な対応策として、

「企業団体献金の全面禁止」

の方針を決定した。これ以上にこの問題に対する明確な姿勢はない。

 民主党ではテレビ討論で岡田克也幹事長が登場する頻度(ひんど)が格段に増加した。岡田幹事長は民主党が決定した「企業団体献金全面禁止」の方針を徹底的にアピールするべきだ。この問題で、自公両党のスタンスの弱さを的確に指摘するべきである。

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 民主党候補者として長崎2区から出馬した福田えりこさん。街頭演説で極めて分かりやすい訴えかけをした。

「弱い者から吸い上げて、強い者にばらまく政治を変えなくてはならない」

これが、政権交代の大きな目的である。

b.消費税大増税を封印すること、

c.セーフティネットを整備すること

が、この目的に沿う政策公約である。

消費税は低所得者に対する負担の大きい、逆進性を有している。将来、社会保障財源として消費税増税が必要になる可能性は高いが、その前に実行すべきことがある。

「天下り」を廃止し、予算を組み替えて、国民生活を守ることである。

子育て支援や学校教育の無料化などの民主党提案を、自民党はバラマキだと批判するが、民主党の提案は、これまで自公政権が、強い者にバラマいていた予算を根本から組み替えて、弱い者をしっかりと支える分野に配分し直そうとしているのだ。

「官僚と大企業優遇を是正するまでは、消費税大増税を許さない」

これが、民主党の提案である。

また、消費税の論議に入る前に、セーフティネットを確実に整備する。優先順位を明確に転換するのである。

③「外国資本のための政治」を排除する上で避けて通れないのが日本郵政経営体制の刷新である。

 「かんぽの宿疑惑」は、時価が1000億円程度と見られる国民共有の貴重な財産が、不透明な手続きによって、規制改革論議に関わった一業者に、129億円(継承負債を含めた金額)という不正に低い価格で横流しされようとした疑惑である。

 「かんぽの宿疑惑」は「郵政民営化」の下で進められている、「郵政私物化」や「郵政米営化」の実態を垣間(かいま)見せる「氷山の一角」である可能性が高い。政権交代が実現する場合には、日本郵政の経営体制を刷新して、「かんぽの宿疑惑」の全容解明を突破口にして、「郵政民営化の暗い闇」を明らかにしなければならない。

 要約すると、

①官僚主権構造

②大資本のための政治

③外国資本のための政治

を排除して、

国民の幸福を追求する政治

を樹立するために、

①「天下り」の根絶

②企業献金の全面禁止

③消費税大増税の封印

④セーフティネットの整備

⑤日本郵政経営体制の刷新

の五つの政策公約が重要になる。

 選挙用に分かりやすく表現するなら、

「献金・天下り・消費税」

が、最重要争点である。

 民主党は、自公政権との政策の相違を分かりやすく整理し、考えられる「想定問答」を準備して対応するべきである。

 岡田幹事長の説明では、「企業献金全面禁止」の方針が国民に正確に伝わってこない。「政治とカネ」の問題に対する、もっとも明確な回答がこの方針であることを再確認するべきだ。

 また、消費税増税の論議については、その前に、「予算の組み替え」と「天下りを軸にする無駄の排除」が優先されるべきことを強調するべきである。

 政策論争を活発化させて、どのような政権を創設するのかを主権者である国民が選択する。明確な政権の姿を示して総選挙が戦わなければならない。

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2009年7月21日 (火)

衆議院解散と油断できない政権交代情勢

本日、午後1時に開かれる衆議院本会議で衆議院が解散される。

「追い込まれ解散」と命名するのが最も妥当だろう。

麻生首相は昨年10月に臨時国会冒頭での解散を宣言して以来、9ヵ月も解散・総選挙から逃げ続けてきた。

「前向き解散」を決断する最後のチャンスが都議選直後だったが、都議会過半数を与党が維持することが前提だった。都議選では自民が惨敗し、与党が過半数を割り込んだ。最後の「前向き解散」のチャンスが消えた。

このまま解散を先送りすると、麻生首相が退陣に追い込まれることは明白だった。そこで麻生首相は、「うしろ向き解散」に舵を切り替えた。土砂降りのなかで、自らの退陣を回避するための解散である。

自民党内では、落選の危機に直面している議員が「麻生おろし」に向かったが、党内多数の賛同を得られず、麻生おろしは失敗に終わった。

自民党は7月21日午前11時30分に両院議員懇談会を開催し、午後1時に開会される衆議院本会議で衆議院が解散される。その後の閣議で、8月18日公示、8月30日解散の日程が決定される。

麻生首相は「景気回復」を看板に掲げることになる。8月18日の公示は、8月17日の2009年4-6月期GDP統計発表を利用する日程設定である。2009年4-6月期は、それまでの景気急落の反動で高めのプラス成長の数値が発表される可能性が高い。

年率7-8%の高い経済成長率が発表される可能性もある。高めの経済成長率が発表されたからといって、日本経済が順調に浮上している訳ではない。激しく落ち込んだ生産水準が底打ちしただけである。

しかし、政府は選挙用にGDP統計を最大限利用することになるだろう。17日の統計発表日は、総選挙日程から逆算して設定された可能性が高い。

「カナダde日本語」様「晴天とら日和」様が指摘されているように、民主党は大型地方選連勝に浮かれてはならない。

「柔」の「勝つと思うな 思えば負けよ」の言葉をかみしめなければならない。都議選投票結果をより詳細に分析すると、決して油断が許されないことが分かる。

過去の総選挙結果と都議選を比較してみる。以下の数値をしっかりと見つめ直す必要がある。

総選挙の得票率と獲得議席

1996年10月20日総選挙

小選挙区 比例区  議席

自民  39% 33% 239

新進  28% 28% 156

民主  11% 16%  52

2000年6月25日総選挙

小選挙区 比例区  議席

自民  41% 28% 233

公明   2% 13%  31

民主  28% 25% 127

2003年11月9日総選挙

小選挙区 比例区  議席

自民  44% 35% 237

公明   2% 15%  34

民主  37% 37% 177

2005年9月11日総選挙

小選挙区 比例区  議席

自民  48% 38% 296

公明   1% 13%  31

民主  36% 31% 113

に対して、本年7月12日の都議選では、

得票率  議席

自民  26%  38

公明  13%  23

民主  41%  54

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ここで、注目しなければならないことは、自民党と公明党が強力な選挙協力を実施してきたことである。具体的には、

「小選挙区は自民党、比例は公明党」

の選挙協力が実行されてきた。公明党が候補者を立てない選挙区では、公明票が自民党候補者に振り向けられた。

したがって、小選挙区での得票率を考察する際には、比例区での自民党と公明党の投票率を合計して分析する必要がある。

2000年以後の総選挙における比例区得票率と獲得議席数を、自民+公明と民主で比較すると以下の通りになる。

2000年6月25日総選挙

得票率  議席

自民+公明 41% 264

民主    25% 127

2003年11月9日総選挙

得票率  議席

自民+公明 50% 271

民主    37% 177

2005年9月11日総選挙

得票率  議席

自民+公明 52% 327

民主    31% 113

これに対して、本年7月12日の都議選では、

得票率  議席

自民+公明 39%  61

民主    41%  54

であった。

小選挙区制度下での選挙では、最高得票を得た1名だけが議席を獲得する。比例区が180あり、すべての候補者が同一順位で重複立候補すると、150程度の選挙区では、第2位の候補者が復活当選する。

この意味で、民主党候補者は選挙区において、自民+公明の合計得票と対決しなければならないのである。

都議会選では、民主党に極めて強い順風が吹いたが、それでも、自民+公明票と民主の得票率は39%対41%で、接戦であった。

地方においては、情勢はなお厳しい。自民党、公明党は、40日間、徹底して民主党のあらさがしに注力すると考えられる。

民主党はすでにマニフェストの概要を発表しているが、子育て支援を実施する場合に、子供のない家計で、税負担が増加することなど、自民党は、民主党の政策のあらさがしを行ない、その部分を攻撃してくると予想される。

民主党は、そのようなあらさがしに対して、柔軟に対応することが求められる。問題が明らかになれば修正すれば良いのである。頑(かたく)なに微修正を拒絶することは得策でない。問題が明らかになれば柔軟に修正する姿勢が重要だ。

さらに重要なことは、小選挙区での野党勝利を導くために、野党共闘を強化することだ。社民党、国民新党、新党日本、新党大地の共闘政党だけでなく、共産党とも部分的にでも共闘体制を構築することが極めて重要である。小選挙区で野党共闘を構築できれば、自民+公明合算票を確実に上回ることができる。

野党候補の闘いの相手は自公連合体である。野党が結束して対応しなければ勝利を引き寄せることはできない。大型地方選勝利に浮かれている余裕はまったくない。

自公合体政権は、8月17日のGDP統計を政治利用するだろう。14兆円もの規模の補正予算を決定したのだから、景気が底を打たない訳がない。問題は、14兆円もの資金を投入しながら、その大半を大資本と官僚のお手盛りに充当したことだ。

その姿勢は、生活保護母子加算200億円の予算を切り込んで、マンガ博物館に117億円を投入したことに象徴されている。貴重な財源を投入するなら、国民生活に直結する分野に資金を投入するべきである。一時的に改善するGDP統計をプラスに評価することなどできない。

自民党内小泉一家や小泉チルドレンなどが、官僚OB新党などと連携することも予想されるが、これらの「偽装CHANGE勢力」に惑わされてはならない。

野党連合が強固な共闘体制を構築して、本格的政権交代を実現しなければならない。過去の総選挙結果を改めて精査し、野党連合はもう一段、気を引き締めて進まねばならない。

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2009年7月20日 (月)

各社世論調査と総選挙に向けての三大警戒事項

7月の各社世論調査結果が発表され始めた。これまでに発表された朝日新聞毎日新聞共同通信時事通信の調査結果を速報する。

主な調査項目として、
①麻生内閣支持率、②首相にふさわしい人、③総選挙比例区での投票政党、④総選挙後の政権の枠組み、⑤政党支持率、に関する調査結果を以下に掲示する。

麻生内閣支持率
      支持する   支持しない
 共同   20.6   
 
毎日   17     67
 時事   16.3   

首相にふさわしい人
      麻生首相   鳩山代表
 共同   21.0   48.4
 
時事   11     28

  
比例区での投票政党
      自民党    民主党
 共同   15.6   36.2
 
朝日   19     42
 毎日   18     45

総選挙後の政権の枠組み
      自民党中心  民主党中心
 共同   14.8   39.3
 
朝日   22     49
 毎日() 23     56

政党支持率
      自民党    民主党
 朝日   20     31
 
毎日   18     36
 時事   15.1   18.6

(単位:%、④の毎日は勝ってほしい政党)

 自民党の内紛に関する質問では、朝日新聞が、

「総裁選の前倒しを求める行動など、麻生首相による解散宣言後に自民党内で起きた一連の動きで、同党への印象が変化したか」について、

「悪くなった」が50%
「変わらない」が43%
と、「悪くなった」が上回ったことを示した。

毎日新聞は、

「衆院選の直前に麻生太郎首相に退陣を求める自民党内の動き」について、

「評価しない」が73%
「評価する」が22%
と、「評価しない」が上回ったことを示した。

また、朝日新聞は衆院選の投票に際しての民主党鳩山代表の政治資金問題の影響について、

「重視する」が26%
「重視しない」が62%
で、「自民に投票する」人でも、
「重視しない」が55%
だったことを明らかにした。

東京都議選での得票率は、

自民 26% 民主 41%

で、今回世論調査での「比例区で投票する政党」調査結果と類似する数値だった。

比例区得票率と獲得議席数の関係は以下の通り。

1996年10月20日総選挙

自民 得票率33% 議席239

新進 得票率28% 議席156

2005年9月11日総選挙

自民 得票率38% 議席296

民主 得票率31% 議席113

小選挙区制度下の総選挙では、獲得議席数の乖離(かいり)が得票率の乖離をはるかに上回る。現在の状況が維持されれば、次期総選挙を通じて、本格的な政権交代が実現する可能性が高い。

「麻生おろし」をめぐる自民党内の内紛はあまりにも「さもしい」ものだった。2005年に見られた「郵政民営化」をめぐる党内抗争と異なり、政策路線の対立に基づく内紛ではなかった。

次期総選挙で落選しそうな議員が、総選挙を目前に控えて、選挙の顔のすげ替えに動いたものだった。内閣閣僚の与謝野馨氏と石破茂氏までが、首相辞任を直談判したことは、内閣の崩壊を意味する。

ところが、その後の情勢変化で麻生氏続投がほぼ固まった。すると、与謝野氏と石破氏は、一転して、麻生首相の下での総選挙を主張し始めた。与謝野氏と石破氏は麻生首相に向けて、いったんは弓を引いたのだから、情勢が変化したら辞職するべきである。その石破氏がテレビに出演し、自己正当化の発言を続けている。

また、「麻生おろし」の中核メンバーである中川秀直氏-武部勤氏-塩崎恭久氏-世耕弘成氏などは、クーデターが失敗に終わったのなら、責任を明確化すべきだろう。党内紛争とはいえ、筋の通らない行動を押し通してしまう人物が多数存在しているところに、自民党の危機が端的に示されているように思われる。

8月30日の投票日まで、40日の期間が存在する。政権交代実現を目指す野党勢力は、結束してこの戦いに勝ち抜く基本を一瞬たりとも忘れてはならない。

三つのことがらを警戒すべきだ。

第一は、「悪徳ペンタゴン」の一角を占める、御用メディアが偏向報道をさらに強化する可能性が高いことだ。

7月19日放送のNHK「日曜討論」、テレビ朝日「サンデープロジェクト」に、その片鱗(へんりん)は表れている。

両番組の中心議題は、

①自民党は「両院議員懇談会」を公開しないのか、

②鳩山由紀夫民主党代表の政治資金問題をどう考えるか、

③自衛隊のインド洋への派遣をどうするか、

だった。

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本来のテーマは以下の通りだ。

①企業献金全面禁止の是非

②天下り根絶の是非

③消費税大増税の是非

④日本郵政経営体制刷新の是非

⑤セーフティネット強化の是非

である。

⑥議員世襲に対する制限設定の是非

も加えられるだろう。しかし、これらの問題についての論議はなかった。

NHKの影山日出夫氏やサンプロでの田原総一朗氏の司会進行は、自民党が希望するものである。御用メディアや御用言論人は、政権交代が実現すれば、「パージ」の対象とされる。彼らも政権交代阻止に死力を尽くさねばならない瀬戸際に追い込まれている。

こうした偏向報道が、40日間、繰り広げられることを踏まえなければならない。この間、誰がどのように発言し、どのように議事進行したかを記録する必要がある。

第二は、総選挙に向けて、「偽装CHANGE勢力」が行動を仕掛ける可能性があることだ。サンデープロジェクトに出演した森喜朗氏は、中川秀直氏が新政治勢力編成に向けての意向を有していることを明言した。森氏は、中川氏の行動を総選挙後だとしたが、このなかで、重大な事実を指摘した。

中川氏が民主党の一部議員との連携を検討していることである。自民党の小泉一家は、「市場原理主義」と「対米隷属路線」を基礎に据え、反霞が関政策と軍事拡張主義的な方針を示している。この主張と、民主党内の「市場原理主義グループ」の主張と共通する部分が多い。

小泉一家-小泉チルドレン-民主党内市場原理主義グループがまとまり、単一の政治勢力を形成するのなら、非常に分かりやすい。これは、望ましい政治分化である。

しかし、この勢力が政界再編の旗を掲げて、民主党内に手を入れることは、百害あって一利なしである。

「小泉一家-小泉チルドレン-官僚OBグループ-自民別働隊地方首長グループ-民主市場原理主義者グループ」の連携による、政界再編への仕掛けに十分な警戒を払わなければならない。

政権交代を通じて樹立すべき新政府は、

①大資本、②官僚、③外国資本、と癒着する「悪徳ペンタゴン利権政治」

ではない、

「国民の幸福を追求する政府」

である。

経済政策から「市場原理主義」を排し、「セーフティネット構築」を重視し、「平和主義を基礎に据えた自主独立外交」を展開する政府を樹立するのだ。

_72 自民党別働隊の自民分派勢力は、野党共闘を分断して、「大連立」の方向に新政府を誘導し、「悪徳ペンタゴン利権政治」の復活を策謀してくるはずである。

民主党は「悪徳ペンタゴン利権政治」への回帰を許してはならない。そのためには、社民党との連携を強化し、共産党とも共闘できる部分での共闘を進めるべきである。

東京都議選後、共産党が民主党攻撃の基本姿勢を修正し、自公政治を終焉させることを望む有権者の声を踏まえ、政権交代実現と野党勢力での共闘の重要性を確認したことは意義深い。

総選挙後に、新政権が「悪徳ペンタゴン利権政治」の方向に引き戻されないための監視と、それを防ぐマニフェスト段階での明確な縛りが重要になる。

第三は、総選挙に向けて、権力が謀略を仕掛けてくる可能性が存在することだ。私の発言が封じられることも個人的には重大なことだと認識している。

さまざまな可能性が存在するため、一瞬も油断しない心構えが重要になる。2005年9月の総選挙から、今回の総選挙まで、結局4年の月日が流れた。衆議院の任期は4年であり、国民の総選挙における意思表示は、基本的に4年間の国のかたちを定めてしまうものである。

目先の空気で投票を決めてはならない。「熟慮し決断し行動すること」が求められている。

次期総選挙に向けての三大戦術

①投票率を最大限高めること

②政権交代推進勢力に投票を集中すること

「偽装CHANGE新党」が結成されても、決して「偽装CHANGE新党」には投票しないこと

も改めて確認しなければならない。

日本の歴史上初めて、民衆が政治権力を奪取し、民衆の幸福を追求する政府を樹立できるチャンスが近付いている。道を誤らずに新政府を樹立し、新政府を正しく育ててゆかねばならない。

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2009年7月19日 (日)

何があっても私が決めさせていただく解散の実施

「政権交代」を実現して日本政治を刷新するか。それとも、これまでの自民党政治を維持するのか。「政権交代」の是非を問う総選挙が実施される。

麻生首相は7月21日に衆議院を解散し、8月30日に総選挙を実施することを決める。

「何があっても私が決めさせていただく解散」

である。

総選挙は権力奪取をめぐる戦いである。戦いに勝利し、大事を成就するには「天の時、地の利、人の和」が整うことが必要である。

自民党は、このすべてを欠いている。

麻生首相は「解散については、しかるべき時期に私が決めさせていただく」と発言し続けてきた。そもそも、麻生首相は昨年10月10日に発売された月刊誌に論文を掲載し、「私は決断した。国会の冒頭、堂々とわたしと自民党の政策を民主党の小沢一郎代表にぶつけ、その賛否をただした上で国民に信を問おうと思う」と臨時国会冒頭の解散を宣言した。

昨年10月の衆議院解散を月刊誌で宣言した。

ところが、自民党内部の調査で、総選挙敗北予想が示されたために、解散を先送りした。雨が降り始めたので、ひとまず雨宿りする選択を示した。

その後、麻生首相の首相としての資質欠如が原因となり、内閣支持率が下落の一途を辿った。このなかで、3月3日に民主党代表小沢一郎氏の秘書が突然逮捕された。政治情勢の転換を狙っての謀略であるとの疑いが濃厚である。

この一件が発生したのちに、風向きが変化したが、小沢一郎氏が政権交代実現を優先して柔軟な対応を示したために、情勢は再び転換し、内閣支持率は再低下した。

このなかで、小泉改革の象徴である郵政民営化の縮図とも言える「かんぽの宿疑惑」が表面化した。麻生内閣の鳩山邦夫総務相は「かんぽの宿疑惑」を摘出し、日本郵政の経営体制を刷新する方向で行動した。麻生首相がこの方向を後押しして、日本郵政の経営体制を刷新し、解散・総選挙に進む道があった。

麻生首相はこの最後のタイミングを自ら手放した。雨宿りをやめて歩き出すタイミングは何度もあった。しかし、麻生首相は決断できなかった。決断できない間に、雨は本降りになった。

4月から総選挙前哨戦の大型地方選6連戦が始まった。名古屋市、さいたま市、千葉市、静岡県、東京都議選、奈良市の首長選および議会選だ。この地方選で自民党は6連敗した。東京都議選では自民党と民主党の得票率が26%対41%となった。自民党にとっては、土砂降りの本降りになった。

麻生首相の雨宿りは、江戸川柳にいう、

「本降りに なって出てゆく 雨宿り」

そのものになった。

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東京都議選後、自民党内で麻生おろしの動きが本格化した。麻生首相は解散を決定しない限り、首相、総裁の座から引きずり降ろされる情勢に直面した。麻生首相は、最終的に「麻生おろし」を回避するために解散の決断を下した。

「しかるべき時期」は、結果的に「土砂降りの時期」になった。

「土砂降りの総選挙」が決まることになって慌てふためいたのは、土砂降り選挙で落選しそうな議員たちだった。

麻生政権は2008年度に三度も補正予算を編成した。三度目の補正予算は14兆円の史上空前の規模になった。国民の生活不安を解消するに十分な予算規模だった。

ところが、麻生内閣はこの巨大な補正予算を官僚のお手盛りと大企業支援に集中させてしまった。わずか200億円の生活保護母子加算を冷酷に排除してマンガ博物館建設に117億円もの予算を配分した。この事例に、麻生政権の基本姿勢が象徴されている。

「かんぽの宿疑惑」では、日本郵政が郵政民営化の大義名分を隠れ蓑(みの)にして、貴重な国民資産を一部の外資系企業に私物化させようとしていたのではないかとの疑惑が一段と強まったが、麻生首相は疑惑を封印する方向に舵を切った。

こうした状況を踏まえて、国民はようやく、政権交代の必要性を痛感することになった。政権交代を求める国民の声が沸騰し始めている。

これまでの自公政権が実現してきたものは、

①大企業

②官僚

③外国資本

のための政治だった。

 これを、

国民のための政治

に変えるのが、「政権交代」の目的だ。多数の有権者が「政権交代」を明確に希求している。「地の利」も自民党ではなく、民主党にある。

 土砂降りの総選挙で落選の危機に直面した自民党議員が、沈みかけた船から海に飛び込むネズミのように、慌てふためいている。

 麻生おろしを画策した中川秀直氏-武部勤氏-塩崎恭久氏らと、これらの人々に連なる小泉チルドレンは、すべて次期総選挙での有権者による洗礼を恐れていると考えられる。

 麻生内閣では与謝野馨氏と石破茂氏までが、首相に直談判して退陣を迫ったという。しかし、自民党は昨年9月にお祭り騒ぎの総裁選を実行して自民党の総意として麻生太郎氏を新総裁に選んだのである。麻生氏が自ら辞任するのならともかく、自民党議員が麻生おろしに奔走する姿はあまりにもさもしい。

 逆に、麻生氏が自ら辞職すれば、3年連続の政権放り出しになる。福田康夫氏が2年連続で政権を放り出したことに対する国民の批判を自民党議員は記憶に留めていないのか。昨年9月に総選挙の顔として麻生太郎氏を総裁に選出した自民党に、麻生氏体制の下で総選挙に進む以外に道がないことは明らかだ。

 中川秀直氏が集めたとされる両院議員総会開催を求める署名。128名以上の署名により、両院総会の開催を求められるとのことであったが、署名した議員の考え方はまちまちだった。中川氏は自民党総裁選の前倒し実施を両院総会で決定することを念頭に置いていたと考えられるが、この前提があるなら署名を撤回する意向を示す議員が続出した。

 国民新党の亀井静香氏が「解散が自由民主党の解散みたいになった」と述べたが、けだし名言だ。沈みゆく船の甲板で激しい内輪もめが繰り広げられ、船長、副船長が非難合戦を始めた。

 政官業外電の利権ペンタゴン=「悪徳ペンタゴン」は既得権益、政治利権喪失の危機に直面して浮足立っている。テレビ各局も政権交代が実現すれば、これまで偏向報道を続けてきたことの責任を問われる。

 テレビ朝日「サンデープロジェクト」で必死に民主党を攻撃する田原総一朗氏も、その表情に焦燥感と悲壮感を隠せない。

 7月13日付記事

「都議選民主党圧勝と総選挙を勝ち抜く三大戦術」

に、共産党の戦術について論評した。自民党とともに民主党を攻撃対象とし、「政権交代」を積極推進しない姿勢が、共産党議席減の背景になった可能性を指摘した。

 こうした声に耳を傾けていただいたのかは分からないが、その後、共産党が総選挙に向けてスタンスを修正したことが報道された。民主党を必ずしも攻撃の対象とせず、個別事案ごとに政策協力を検討するスタンスが示された。

 野党陣営が、ますは自公政権を終焉させることを優先させることで結束するなら、より大きな力を得ることになるだろう。野党陣営は「人の和」を確保しつつある。

 孟子は

「天の時は地の利に如かず。地の利は人の和に如かず」

と記している。

 大事を成すにあたって「人の和」は何よりも重要である。

 自民党は、権力を維持するために、新勢力を創設して民主党との連携をはかろうと策を弄してくるだろう。民主党は日本政治を刷新するために、自民党と明確に一線を画さねばならない。野党連合での「人の和」を強固に構築することが何よりも大切である。自民党市場原理主義者と連携したい民主党議員は、民主党を離党してそれら勢力と民主党の外で合流するべきだ。

 基本を確認し、基本に沿って進むことが、大事を成すための戦術である。

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2009年7月18日 (土)

『売国者たちの末路』書評掲載に深謝します

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副島隆彦先生との対談書

『売国者たちの末路 私たちは国家の暴力と闘う』(祥伝社)

に、多数のありがたい書評を頂戴し、心より深く感謝申し上げる。

 船井幸雄氏ブログで取り上げて下さったので、転載させていただく。

「先週(6月28日~7月4日)も、私は多くの単行本や雑誌などを読みました。

 その中で私が「びっくり」したのは、副島隆彦さんと植草一秀さんの対談書の『売国者たちの末路』(7月1日、祥伝社刊)です。副島さんは親しい人ですし、植草さんとも1-2回は面識があります。二人ともアタマの良い人で、マクロに正確に把める人です。

 しかし、この本の内容には、「本当だろうな」と思いながらも「びっくり」しました。いま一番売れている本で、書店では売り切れが出ているもようですが、ぜひ一度目を通してください。皆さんも読まれると「びっくり」されると思います。

 副島さんは、この本の「まえがき」の中で、つぎのように書いています。                           

「お会いしてみると、植草氏は実に上品で、温厚で、まるで京都のお公家(くげ)様のような人である。彼は竹中平蔵ら、アメリカの指図のまま動き、犯罪的攻撃を仕掛ける者たちの毒芽(どくが)にかかった。狙われた愛国者は十字架に架けられる。

 植草氏は日本国で「郵政民営化」という名の、日本国民の資産の強奪(アメリカに貢いだ)を行なった者たちの所業を、最も正確に緻密に分析し指摘してきた一流の経済学者である。そのために植草一秀は、竹中平蔵を守り護衛する、アメリカで訓練された公務員忍者部隊に狙われ、残酷なスキャンダル攻撃で痛めつけられた。例の痴漢冤罪の謀略である。

 冤罪とは「無実の罪」のことである。この対談本を読んでいただければ、植草一秀氏を陥(おとしい)れ、恐るべき策略の罠にかけた者たちの動機と蠢(うごめ)きの様子が理解できるであろう(転載ここまで)。」

 船井氏が記述されたように、私は船井氏とお会いしたことがあり、このように書評として取り上げて下さったことに深く感謝申し上げたい。

amazonブックレビューに書評を掲載下さった皆様から、一部を紹介させていただく。

秋嶺様 「目覚めよ」

「下記のレビューを書いたすぐ後で、植草氏の最高裁上告棄却事件がありました。

それはまさにこの本の発売に危機感を抱く勢力の反応だと確信する証拠となりました。

その上植草氏の事件は完璧な冤罪であることの証明にもなりました。
なぜなら、普通の頭の普通の人が冷静にこの本を読めば疑いようの無い事実、に対する捻じ曲げた判決であることが一目瞭然だからです。

裁判官ともあろう者がこんな簡単な善悪の判断がまともに出来ないわけは無い。

逆に言えば、この本の信憑性を高めた行為だったともいえます。

まだ読んでいない方は是非読んでください。

ここに書かれている内容の重大さは国民すべてが知らなければならない事実だ。捏造でも陰謀でもない。真に日本のことを考え、間違った政策に異議を唱え続けていた植草氏の真実の声を副島氏が引き出した、革命的な対談集だ。現在の世界ならびに日本の悲惨な状況を以前から予言してきた副島氏と、当時政権の真ん中にいて小泉、竹中批判を続けていて国策逮捕されてしまった植草氏。二人の知識人の底の深い対談に圧倒される。それにしてもここまで露骨に小泉竹中政権の裏を暴露した書物は今までに無かったと思う。この対談集で今までうすうす感ずいていたことが決定的に明らかにされた思いがする。出版社の勇気に敬意を表したい。」

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ガランサス様 「売国者こそ読め!」

「この本で名指しされた輩には「必読の書」である。とりわけ「竹中平蔵氏」、内容に異議を唱えたければ、今度こそ「詭弁」ではなく「正論」で反論して戴きたい。米国の傀儡政権であった「小泉・竹中体制」。これが今日の「日本の凋落・腐敗」を決定的にしたことは、紛れもない事実だ。「米国への売国者」、「小泉」「竹中」「財務省(旧大蔵省)」「警察・検察」「マスメディア」等の関係者などには「必読の書」であり、同時に「小泉・竹中似非構造改革の真相」や「過去・現在・未来の経済、政治」とは?の問に的確に答えた「稀有の書」だ。「一般国民」に対しても、政権交代前に是非読んでおくべき内容が満載であることを強調したい。」

giallo様 「まずは読んでから考えよう」

「これまでの副島隆彦氏と植草一秀氏両氏の主張や考え方がこの本に凝縮されているため、両氏のブログの読者にとってはもちろん、あまりよく知らない方々にも最適な入門書ではないかと思います。

また、対談という形式をとっているため、両氏が互いに自然と牽制しあい、客観的事実をもとに見解を述べ、推論はできるだけ少なく、という内容になっているように思います。

しかもかんぽの宿問題等の最新の問題が含まれている上に、諸々の問題に関わった人々が多数、実名で登場します。実名を出すということは、下手をすると名誉棄損で訴えられたりする可能性もあるわけで、それだけの覚悟と責任を持って両氏が発言されているということでしょう。

小泉・竹中政治、日米関係、官僚の利権拡大、警察・検察・裁判所の恐怖政治(冤罪)、国が持つ暴力性・・・と、我々の生活がいかに危うい状態にあるか、全体が俯瞰できます。

もちろん人により考え方は様々ですで、この本に書かれていることについて、目からウロコと思う方も、眉唾ものだと感じる方も、両方いらっしゃるのではないでしょうか。

しかし、まずは読んでから、自分でよく考えてみることが大事だと思います。

6/30追記
このタイミングで植草氏の上告が最高裁に棄却されました。
先週平積みで置いていた本屋を昨日2~3周りましたが、どこも本書を置いていませんでした。ただの売切れなのか、別の措置なのか。
植草氏を応援する意味でも、一人でも多くの方に早く本書を入手して頂きたいです。」

ヒロ様 「最後まで正義を貫いた人」

「小泉劇場などとマスコミが世論を煽り国民の大半がのせられていたころ、当時コメンテーターをしていた植草さんはただ1人で小泉ー竹中政治を徹底に非難し反対していました。

これを脅威に感じた腐敗勢力は植草さんを2度も名誉を傷つける冤罪を被せました(本を読み逮捕は冤罪だと確信しました)

軽々しく誹謗中傷する輩がいますが、当時教授というとても安定した職についていた植草さんが、冤罪を被せられながら巨大な悪に気づき1人声を上げ続けて来たのです。

これこそが「正義」というものでしょう。

人を思い、国を良くしようと自分の利益にならないのに不正を訴え続ける植草さんに対して、誹謗中傷する輩には恥を知れと言いたい。

私は植草さんと同じく、人がお金より幸せを追求する国になってほしいと思う1人です。」

細谷晃夫 "てるお" 様 「推理小説より面白い」

「小泉政権の「市場原理主義」「売国政策」を糾弾し続けて痴漢冤罪に陥れられた植草氏、米国債の買い増しに抵抗したためローマG7で一服盛られた中川前大臣、財務省の内幕を暴露して口封じに窃盗容疑者に仕立て上げられた高橋洋一氏、「自分の国は自分の力で守る。アメリア軍は撤退してくれ」発言で在日米軍の失業を怖れた関係者が小沢氏の秘書を逮捕させた...読み出したら止めれない。」

読書こそ人生様 「総選挙前に必読」

「この二人にしか書けない。米国と通じた売国奴の仕掛けた罠の数々。中川昭一も高橋洋一も、やはり罠に落ちたのか。本当に、このままでは、国民には未来はないと確信させる。くしくも、読み終わったその日、6月27日の報道では、植草氏の都迷惑防止条例違反事件の上告が、社会の中では更正が期待できないとの理由で棄却され、なんとたったの4ヶ月の懲役が確定、収監の予定。これは、マスコミを追われた森田実氏が前回の参院選で選挙カーにのり応援演説をしたことが選挙の敗因の一つであることを突き止めた勢力が、植草氏を、近づく衆院の解散総選挙期間中、刑務所に閉じ込めて絶対にこれ以上発言させないために、時期を選んで、上告棄却したのだろう。戦前のような暗黒政治が、すぐそばまできている。」

 丸善ジュンクなど、大手書店でもベストセラーとして上位にランキングしていただいている。一人でも多くの国民に、本書ならびに拙著

『知られざる真実-勾留地にて-』

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をご一読いただき、日本の現実をじっくりと考える一助にしていただければ幸いである。

 8月30日に「決戦の総選挙」が実施される。総選挙までに、ぜひご一読賜りたい。この国を変えなければならない。この国の政治を主権者である国民の手元に引き寄せなければならない。

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2009年7月17日 (金)

西松建設国沢元社長に予想通り執行猶予付判決

7月17日、「西松建設」の違法献金事件で、政治資金規正法違反と外国為替及び外国貿易法違反の罪に問われた同社国沢幹雄元社長(70)に対する判決が東京地裁から示された。

判決は禁固1年4月、執行猶予3年の有罪判決になった。

最大のポイントは執行猶予つきの判決になったことだ。執行猶予期間中に問題が生じなければ刑は執行されない。実体上は無罪判決と変わりがない。

本ブログ6月19日付記事

「西松事件初公判と政権交代実現への課題」

に記述した通り、国沢元社長の取り調べにおいては、判決における執行猶予と引き換えに、被告人が検察側主張を全面的に認めることが生じやすい。日本の刑事事件取り調べでは、「司法取引」が導入されていないことになっているが、実態上は「司法取引」的な手法によって、自白や供述が誘導されることが極めて多い。

 検察側は、この「司法取引」的手法により、供述を引き出し、これを他の被告人事件に利用することが多い。

 私は6月19日付記事に次のように記述した。

「西松建設事件では本日6月19日に初公判が開かれる。(中略)

検察側の主張を被告が全面的に認めているため、メディア各社は公判で示される検察側冒頭陳述の内容などを、事実同様に取り扱って報道するだろう。被告側が認めているのだから、事実と考えて間違いないとの説明を施すだろう。

しかし、この判断には大きな落とし穴がある。被告側が検察側に全面協力して、その見返りとして判決での刑の軽減を期待している場合があるからだ。

刑事事件の判決において決定的に重要なのは、実刑と執行猶予の相違である。小室哲哉氏の詐欺事件でも、メディアは判決に執行猶予が付くかどうかを注目した。被告人への実体的な影響では、執行猶予の有無が決定的に重要になる。

したがって、被告側には、判決における執行猶予を獲得するために、検察側主張を全面的に認めようとする誘因が存在するのである。したがって、本日の公判で示される「事実経過」をそのまま鵜呑みにすることはできない。被告サイドが検察サイドのストーリーに同調している可能性があるからだ。」

この意味で、国沢氏の供述を鵜呑みにすることは出来ない。

日本の警察、検察、司法制度の近代化、民主化は、極めて重要性の高い課題である。

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署名が128名に届かず両院総会見送り解散へ

「麻生首相おろし」をめぐる自民党の内紛で、麻生おろしに奔走する勢力が両院議員総会の開催を求めて行なった署名が、総会開催に必要な128名を下回ることが確実な情勢になった。この結果、両院議員総会は開催されず、7月21日午前に、「総会」に代わる「集会」が開催され、同日午後に麻生首相が衆議院を解散し、8月30日に総選挙が実施されることが確実な情勢になった。

中川秀直氏、武部勤氏、塩崎恭久氏、世耕弘成氏、山本拓氏、清水鴻一郎氏などの倒閣派が目論んでいた両院議員総裁開催-総裁選前倒し決定のシナリオは、失敗に終わる。

中川秀直氏は7月16日に、両院議員総会開催を求める133人の署名を細田博之幹事長に提出し、両院議員総会の開催を求めたが、この署名のなかに偽造されたものが混入している疑いが表面化し、自民党執行部が、署名の真偽を確かめる作業を開始した。

また、署名を行なった議員の考え方に相違が存在しており、中川秀直氏などが、両院議員総会で総裁選の前倒しを決定する意向を有していることに関連し、そのような方向で総会が開催されるのであれば、署名を撤回するとの意向を表明する議員が多数存在することが表面化した。

署名した議員が約30名存在する津島派会長の津島雄二氏は、総裁選前倒しを決定する前提で両院協議会が開催されるなら、津島派所属議員の署名全体を撤回する考えがあることを表明した。

こうした経緯を踏まえて、自民党執行部は、両院協議会を開催しないことを決定した模様である。麻生首相がすでに表明したように、7月21日解散、8月30日投票の線で、衆議院の解散、総選挙が行なわれることになる。

この問題に関連して、三点問題を提起しておきたい。

第一は、日経新聞の報道が極めて偏向していることだ。

日経新聞は7月17日朝刊1面に「両院総会拒否へ」の見出しで記事を掲載した。さらに「自民執行部 懇談会の開催で調整 総裁選前倒し阻止」の副見出しを付している。

「両院開催 拒否」の表現は、中川氏などの「麻生おろし派議員」の署名が128名以上集まったにもかかわらず、自民執行部が両院議員総会の開催を拒否したとのニュアンスを示す。

しかし、実態は、結局、署名数が128名に届かなかったのだ。「麻生おろし派議員」が自民執行部の切り崩しに直面して、総会開催に必要な署名を集めることができなかった結果、両院総会の開催にこぎつけなかったのが実態である。「署名満たず、両院総会見送りへ」が正しい表現である。

記事のなかには、「執行部が時間切れなどを理由に両院総会の開催要求を握りつぶす場合」などの表現もみられる。自民党の内規では、国会議員の3分の1以上の署名により、両院議員総会の開催を求められた場合、7日以内に両院総会を開催しなければならないことになっているが、7月21日に衆議院を解散してしまうと、この規定が意味を持たなくなる。自民党執行部には、その選択もある。

「麻生おろし派議員」は、麻生政権執行部が、署名問題で切り崩し工作を行なっていることを批判するが、2005年の郵政民営化に際して、自民党執行部が取った強硬な行動を忘れてしまったのか。

「麻生おろし派議員」は「郵政民営化推進強硬派議員」と重なっている。2005年、小泉政権は、非民主的手法により、郵政民営化関連法案を国会に提出した。自民党部会では反対委員が賛成委員に差し替えられて議決が行なわれ、総務会では全会一致原則が突然、多数決方式に変更された。ルール、慣行を無視した手法が採用された。また、両院議員総会開催要求も無視された。

当時の自民党執行部は、総選挙に際して、郵政民営化法案に反対した議員に公認を与えず、刺客を送り込むことまで実行した。複数意見の存在を許容する民主主義政党の基本ルールを逸脱する恐怖政治を実行したのである。当時の自民党幹事長が武部勤氏であり、中川秀直氏も小泉政権の中枢で国対委員長を務めていた。

「麻生おろし派議員」の中心メンバーが、郵政民営化に際して、非民主的な手法を多用した歴史的事実を踏まえれば、これらの人々が、自民党現執行部の行動を批判するのは筋違いも甚だしい。

日経新聞が独自の見解を有し、中川秀直氏や小泉一家を応援するのは自由だが、事実を歪曲して報道することは、新聞の本来の役割から外れていると言わざるを得ない。

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第二は、麻生内閣の農水大臣を務めている石破茂氏の発言に疑問が生じていることだ。石破氏はテレビ番組に出演し、麻生内閣の一員として皆が力を合わせ、麻生首相の下で総選挙を戦うべきだと主張している。昨年9月に自民党の総意として麻生首相を選んだのだから、麻生首相で戦うのが正しいと述べている。

この発言は正論だが、この石破氏が15日に与謝野馨氏とともに麻生首相を訪問し、麻生氏が後継総裁を指名するべきと進言し、麻生首相に退陣を迫ったと日経新聞が伝えている。

もし、この新聞報道が真実であるなら、石破氏は完全な二枚舌人間ということになる。麻生首相には退陣を求める発言をし、テレビでは、麻生首相の下で力を合わせて総選挙を戦うべきだと述べたことになる。

石破氏がテレビで発言したことが真実なら、日経新聞は大誤報をしたことになる。石破氏は日経新聞に対して法的措置を取ることを検討するべきだろう。

第三は、一連の自民党内紛が、自民党政治の末期症状を象徴していることだ。自民党は昨年9月にお祭り騒ぎの総裁選を実行したばかりなのである。2006年秋にも、2007年秋にも、自民党はお祭り騒ぎの総裁選を実行した。

昨年9月の自民党総裁選は、総選挙の顔を決めるものだった。自民党は総裁選を実施して、麻生太郎氏を新総裁に選出したのだ。麻生政権の支持率が低下し、総選挙情勢が厳しくなったから、麻生首相を引きずり降ろそうというのは、あまりにも「さもしい」行動ではないか。

本ブログでは、昨年来、次期総選挙対策として「偽装CHANGE新党」が創設される可能性を指摘し続けてきた。「偽装CHANGE新党」は、「自民党小泉一家-小泉チルドレン-官僚OBグループ-自民別働隊首長グループ-民主党内市場原理主義者」の連携によって創設される可能性が高いと指摘してきた。渡辺喜美氏は官僚OBグループに近い存在だ。

「偽装CHANGE新党」は、「天下り根絶」と「地方分権」を提唱するだろうが信用できない。中川秀直氏や武部勤氏などは、小泉政権中枢にいた時期に、天下り根絶に一切、力を注がなかった実績を有する。

「天下り根絶」も「地方分権」も民主党の政策方針の二番煎じである。「偽装CHANGE新党」の残る二つの特徴は、「市場原理主義」と「軍事拡張路線」である。

民主党のなかには、「偽装CHANGE新党」に移籍する方がフィットする議員が少なからず存在する。これらの議員が民主党を離れて「偽装CHANGE新党」に移籍してくれると、民主党に投票することに伴う不安が減じられる。

民主党はマニフェストの概要を発表した。自民党は内紛にエネルギーを注いでいる場合ではない。マニフェストを直ちに公表し、総選挙に向けて活発な政策論争を展開するべきである。

①企業献金全面禁止の是非

②天下り根絶の是非

③セーフティネットの是非

④消費税大増税の是非

⑤日本郵政経営体制刷新の是非

が、主要な論点になるだろう。

自民党は、民主党の財源論を批判するが、予算を徹底的に見直し、国民生活に直結する部分に財政資金を集中的に配分し、子育てや年金制度を充実させる民主党の基本方針に、私は賛同する。

日本の歴史上初めての、「民衆の力による政治刷新」、「国民の幸福を追求する政府樹立」の大事を成就出来るよう、総選挙まで、気を引き締めて進まねばならない。

繰り返しになるが、次期総選挙に向けての三大戦術

①投票率を最大限高めること

②政権交代推進勢力に投票を集中すること

③「偽装CHANGE新党」が結成されても、決して「偽装CHANGE新党」には投票しないこと

を、確実に浸透させてゆかねばならない。

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2009年7月16日 (木)

総選挙に怖気づく人々の見苦しい悪あがき

7月16日付日経新聞1面記事。「選択09衆院選」3回シリーズの最終回。

見出しは、

「民主、追い風の危うさ」「やまぬバラマキ圧力」

日経新聞は7月13日朝刊1面トップで、キリンとサントリーの経営統合を伝えた。

 本来、1面トップは「都議選自民惨敗・民主圧勝」のはずだったが、日経新聞はこのビッグニュースを脇に追いやった。

 日経新聞は小泉政権を全面的に支援し、その後は、日経新聞出身の中川秀直氏を支援している。

 テレビ朝日は小泉一家を全面支援しているように見える。北野たけし氏は、社命を帯びてその役割を担っているのだろう。北野氏は先日の放送で、自分が二度事故を起こしたがテレビ朝日が自分を使ってくれた。テレビ朝日はプロダクションの社長を怖がったのかも知れないと述べた。

 「TVタックル」と「サンデープロジェクト」の偏向ぶりは突出している。

 産経新聞の小沢一郎民主党代表叩きは激しかった。私への攻撃も激しい。

 日本テレビ系列で辛坊治郎氏が仕切る番組も自民党清和政策研究会に偏向している。かつて私も出演していた読売テレビ番組「ウェークアップ」には、多種多様なコメンテーターが出演し、自由闊達(かったつ)な論議が行なわれたが、小泉政権の時代に番組は全面的に刷新され、自民党御用番組的な色彩を強めた。

 NHK日曜討論では、政治部の影山日出夫氏と島田敏男氏があからさまな自民党贔屓(ひいき)の司会進行を行なってきた。

 NHK出身の池上彰氏は民主党が鳩山由紀夫氏を新代表に選出した際、フジテレビ番組「サキヨミ」で、「民主党は愚かな選択をした」と言い放った。

 全国ネットのテレビ放送局はNHKを含めて6社あるが、その実態が上記の通りである。

時事通信解説委員長の田崎史郎氏も、民主党攻撃の姿勢が鮮明である。

政権交代が実現する際には、偏向報道の総検証と関係者の一掃が急務になる。メディアの民主化、政治からの独立は、民主主義を機能させる上で、極めて重要な要素になる。

自民党の内紛。

昨年9月にお祭り騒ぎの総裁選を実施して、7割の自民党国会議員が麻生太郎氏に投票して、総選挙時点から4人目の自民党総裁、内閣総理大臣を選んだ。それから、1年も経たないうちに、麻生氏を首相から引きずり降ろそうと活動している人々がいる。

安倍晋三氏、福田康夫氏は、政権を放り出して非難の集中砲火を浴びた。

麻生太郎氏は、「決して逃げない。自分の手で解散、総選挙を実行する。」と発言している。政権を無責任に放り出した前任二人とは異なって、「絶対に辞めない」と言っているのに、今度は「絶対に辞めない」と言っている麻生首相を、自民党議員が「絶対に辞めさせる」と躍起になっている。

小泉元首相に対する「偉大なるイエスマン」を自認していた武部勤氏は、次のように発言した。

「麻生首相が一番問われているのは徳がないということだ。人を愛する心、謙虚な心、恥を知る心、それから、正しい判断をする心(が問われている)」

麻生首相も、さすがにこの人にだけは言われたくないと思っているのではないか。2005年9月の郵政民営化選挙。武部氏は堀江貴文氏の応援に入り、「私の息子です」と絶叫した。その後、ライブドアが摘発されても、他人事のように振る舞った。武部氏が「恥を知る」とか「徳」などの言葉を知っていたことがわかり、驚いている人が多いのではないか。

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昨年9月に、自民党議員は麻生太郎氏を神輿(みこし)にかついだ。この神輿は、総選挙で戦うための神輿だ。

みんなでかついでいるうちに、雲行きが怪しくなってきた。すると、一人二人、三人四人と、神輿のかつぎ手が神輿から離れ始めた。

この人たちは、神輿にかつぐ人を変えれば、総選挙に勝てると考えているのだろうか。神輿のかつぎ手が減り続ければ、神輿は落下してしまう。自民党の崩壊だ。

昨日付記事

「江戸幕府末期症状の自民党と古賀氏辞意の背景」

に記述したが、都議選における政党得票率は衝撃的な数値である。もう一度掲載しておく。

1996年10月20日総選挙

自民 得票率33% 議席239

新進 得票率28% 議席156

2005年9月11日総選挙

自民 得票率38% 議席296

民主 得票率31% 議席113

(得票率はいずれも比例区のもの)

に対して、本年7月12日の都議選では、

自民 得票率26% 議席38

民主 得票率41% 議席54

だった。都議選は中選挙区制なので、議席数の開きが小さいが、この得票率を総選挙にあてはめれば、衝撃的な議席数が得られることになる。

 与謝野氏は都議選結果に衝撃を受けたのだと思われる。

 両院議員総会開催を求める署名に与謝野馨氏と石破茂氏の現職閣僚が名前を連ねたことが衝撃を与えていると報道されているが、客観的に見れば、与謝野馨氏が、総選挙での敗北リスクに怖気(おじけ)づいたとしか見えない。

 政治家としての覚悟と潔さに欠けている。状況を見定めて、じたばた騒がずに信念を持って進むのが、「徳のある」行動ではないのか。

 麻生太郎氏を選んだのは自民党国会議員なのだ。その自民党の政治に対して、主権者である国民が厳しい審判を下しつつある。自民党の責任を直視しようとせず、古賀選対委員長のタレント候補起用や、麻生首相の資質を批判するのは筋違いであると思われる。

 民主党を中心とする野党は、主権者である国民の幸福を追求する政治を、責任をもって実現する必要がある。来年夏に参議院選挙がある。参院選までの1年間に、国民が評価できる実績を残せば、参議院選挙に勝利でき、衆議院の任期4年間をフル活用できる。

 リスクは慢心にある。これから総選挙当日までが、もっとも気を引き締めなければならない期間である。

次期総選挙に向けての三大戦術

①投票率を最大限高めること

②政権交代推進勢力に投票を集中すること

「偽装CHANGE新党」が結成されても、決して「偽装CHANGE新党」には投票しないこと

を、しっかり有権者に浸透させ、政権交代を推進する野党連合による勝利を必ず勝ち取らねばならない。

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2009年7月15日 (水)

江戸幕府末期症状の自民党と古賀氏辞意の背景

自民党の内紛が拡大している。江戸末期の様相を示している。自民党に活路があるとすれば、下野を覚悟して挙党一致で総選挙を戦うことである。しかし、無血開城を誘導した勝海舟がいない。

昨年9月に自民党はお祭り騒ぎの総裁選を実施して総選挙の顔を決めた。7割もの国会議員が麻生太郎氏を支持した。開かれた総裁選を実施して、新総裁を選出した以上は新総裁を挙党一致で支えると説明していた。

しかも、自民党は2005年9月の総選挙以降、1年ごとに総裁の首をすげ替えてきた。新たに就任した安倍首相、福田首相が就任1年足らずで、相次いで政権を放り出してきたからだ。

麻生太郎首相は、小泉元首相以降、4人目の首相である。麻生太郎首相の実績を見れば、麻生太郎氏は首相の職責を担うには明らかに力不足だった。その力不足がさまざまな局面で露見し、順当に支持率を低下させてきたのだと考えられる。

総選挙を目前にして、総選挙前哨戦である大型地方選挙5連戦が実施された。民主党を中心とする政権交代推進勢力は破竹の5連勝を果たした。

民主党は3月3日に小沢一郎民主党代表秘書逮捕という、政治謀略によって激しい攻撃を受けた。この影響で内閣支持率などに大きな変化が生じたが、5月11日に小沢一郎民主党代表が政権交代実現を最優先するために代表職を辞する英断を示した。本ブログで予測したように、この英断を境に逆風は順風に変わった。

東京都議選では自民党と民主党の得票率が25.88%対40.79%になった。

1996年10月20日総選挙、2005年9月11日の総選挙結果を見ると、以下の通りだ。

1996年10月20日総選挙

自民 得票率32.76% 議席239

新進 得票率28.04% 議席156

2005年9月11日総選挙

自民 得票率38.18% 議席296

民主 得票率31.02% 議席113

(得票率はいずれも比例区のもの)

自民党が地すべり勝利を収めた2005年9月の総選挙でも、比例区の得票率は

自民38%VS民主31%

だった。それが、今回の都議選では、

自民25%VS民主40%

を記録した。選挙方式が異なるので単純比較はできないが、都議選は議席数以上の民主圧勝であったことが明白である。

このままの情勢で進めば、次期総選挙で、本格的な政権交代が実現する可能性は極めて高い。

7月6日付記事

「静岡で民主・社民・国民連合が価値ある勝利」

に記述したが、「偽装CHANGE新党」などの第三勢力が登場しても、民主の得票が自民を上回っていれば、民主が多数議席を確保することが可能になる。

 「偽装CHANGE新党」が自民別働隊であることが認知され、「偽装CHANGE新党」への投票が、民主党からではなく、自民票から流れれば、民主党と自民党の獲得議席数はさらに拡大し、民主党に有利な状況が生み出される。

 自民党内では麻生首相が解散、総選挙の日程を示したにもかかわらず、内紛状態が続いている。これまで55年にわたって維持してきた政治権力を喪失する現実に直面して、その現実を受け入れられない人々が、右往左往している。

 この期に及んで、麻生首相に斬りかかるのは、いささか見苦しい。伊吹文明氏などは、「麻生首相の下で総選挙を戦うのが当然である」との正論を述べているが、権力に執着しようとする人々の見苦しい姿がテレビ画面に映し出されている。

 中川秀直氏、武部勤氏、塩崎恭久氏、世耕弘成氏、山本拓氏、清水鴻一郎氏などが、麻生おろしを懸命に仕掛けているが、解散日程がすでに示されているなかで、麻生おろしのエネルギーは急激に後退しているように見える。

 小泉純一郎氏-中川秀直氏-武部勤氏らの小泉一家、小泉チルドレン、官僚OB、自民党別働隊知事グループ、民主党内市場原理主義者が、「偽装CHANGE新党」を設立する可能性を示しているが、自民党から「市場原理主義者」が分離独立すれば、政党の性格が分かりやすくなり、望ましい。また、民主党から市場原理主義者が離党して、「偽装CHANGE新党」に合流すれば、民主党の性格も明瞭になる。

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 次期総選挙では、「悪徳ペンタゴン」が支配する利権政治を維持するのか、それとも「国民の幸福を追求する新政権」を樹立するのかが問われることになる。

①大資本のための政治

②官僚のための政治

③外国勢力のための政治

を排除して、

「国民のための政治」

を確立することが政権交代の目的である。

 この目的を確実に実現するために、

企業献金の全面禁止

天下りの根絶

日本郵政経営体制の刷新

が、極めて重要になる。

 また、麻生首相は2011年度にも消費税大増税を実施する方針を示しているが、官僚利権などの巨大な無駄を温存したまま、その負担を一般庶民に押し付ける消費税大増税を許すことはできない。鳩山由紀夫民主党代表は、消費税増税を4年間は完全封印することを明確に公約として掲げている。

消費税大増税封印

も、重要な政権公約になる。

 また、小泉竹中政治の「市場原理主義」、「弱肉強食」政策を排除し、「共生」の思想を政治哲学の中心に据えることが求められる。この意味で、

セーフティネットの確立

の五つが、具体的な政権公約になる。

 自民党の古賀誠選挙対策委員長が辞意を表明したが、直接の引き金を引いたのは、石原伸晃氏の発言であると思う。

 石原伸晃氏は、自民党東京都連会長で都議選の最高責任者である。7月12日の開票速報のなかで、自民党惨敗の理由を聞かれて、東国原宮崎県知事に衆院選出馬を求めたことに伴うゴタゴタが惨敗の理由だと説明した。都議選の最高責任者が古賀誠氏に責任を転嫁した。

 また、石原慎太郎都知事は、麻生首相が示した衆院解散・総選挙方針について、次のように述べた。

「とち狂ってるんじゃないか。」

「世の中、軽蔑(けいべつ)ほど怖いものはない。漢字が読めないとか、(言動が)ジグザグすることは決定的なこと。」

「古賀君も芸人にたぶらかされて、自民党が手玉に取られて大恥かいた。あの騒動もだいぶマイナスになった。」

「この親にしてこの子あり」の感が強い。

古賀誠氏は、石原伸晃氏の発言を受けて、「渡りに船」の気持ちで、選対委員長を辞することにしたのだと思われる。

東国原知事出馬問題を評価する有権者は少ないと思うが、石原伸晃氏が都議選応援演説で、鳩山由紀夫民主党代表攻撃を激しく展開していたことを評価する有権者も少ないはずだ。

東京都自民党は都議選に対してマニフェストも示さなかった。しっかりとした政策論議も示さず、他党のあらさがしだけに走った石原伸晃氏の姿勢も、自民党大敗の大きな要因だったのではないか。

また、都議選での与党大敗は、石原都政に対する東京都民の評価でもある。①巨額累積損失を抱える新銀行東京の延命、②築地市場の豊洲への不自然な移転計画、③本当は都民も支持していないオリンピックの東京招致、などの石原都政に対して、東京都民が「NO」を突き付けたのだ。

それを、他人ごとのように論じ、古賀氏に責任転嫁する息子を叱責しないばかりか、息子と一緒になって古賀氏に責任転嫁する親バカ知事としか言いようがない。

政治権力の走狗であるマスメディアが懸命に政権与党寄りの報道を展開するなかで、主権者である国民の反乱、無血革命が確実に進行している。ネットから真実の情報が発信されていることの影響は、決して小さなものではなくなりつつあると感じる。

次期総選挙に向けての三大戦術

①投票率を最大限高めること

②政権交代推進勢力に投票を集中すること

③「偽装CHANGE新党」が結成されても、決して「偽装CHANGE新党」には投票しないこと

を、しっかり浸透させてゆかねばならない。

 政治の主役は政党ではない。主権者である有権者である。政権交代実現後も、主権者である国民が監視の目を光らせて、「国民を幸福にする政治」を実現してゆかねばならない。

 利権で結合されてきた自民党は、利権喪失を目前に、自己崩壊を始めつつある。ネットから真実の情報を流し続け、日本政治の刷新を必ず実現しなければならない。

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2009年7月14日 (火)

8月30日総選挙に勝利し「無血革命」を実現しよう

麻生首相がようやく解散・総選挙を決断した。7月21日に衆議院を解散し、8月30日に投票を行なう方針を示した。

一方、野党は7月13日、衆議院に内閣不信任決議案を、参議院に麻生首相の問責決議案を提出した。野党は今後一切の審議に応じない姿勢を固め、国会は事実上の会期末を迎える。

自民党内部には、麻生首相を降板させ、首相を選挙用の新しい顔にすげ替えようとする勢力が存在するが、日程的に困難であり、麻生首相体制で総選挙になだれ込む可能性が高まっている。

麻生首相は昨年10月10日に発売された月刊誌に、「臨時国会冒頭での解散・総選挙を決断した。私は逃げない。」と明言した。しかし、その後、解散総選挙を逃げ続けてきた。

江戸川柳に

「本降りに なって出てゆく 雨宿り」

とある。麻生内閣の支持率は、紆余曲折はあったが、就任直後から、基本的に右肩下がりで推移してきた。解散のベストなタイミングは結局、政権発足直後だった。

6月には、日本郵政西川善文社長の更迭問題が焦点になった。西川社長の更迭を求める鳩山邦夫総務相の主張に理があった。「かんぽの宿」疑惑はまったく解消されずに残存しているが、この問題は小泉竹中改革政策の実態を示す「縮図」であった。

西川社長を更迭し、直後に衆議院を解散し、8月2日の総選挙に臨むことが最後の決断のタイミングだった。

昨年10月以来、麻生首相は優柔不断に決断を先送りし続けてきた。4月以降、名古屋市長選さいたま市長選千葉市長選静岡県知事選東京都議選と大型地方選5連戦があった。

この5連戦で全敗し、とりわけ東京都議選では惨敗し、このまま決断を先送りすれば、麻生おろしの突風のなかで、首相退陣に追い込まれざるを得なくなった。ぎりぎりの状況に追い込まれ、「究極の選択」としての解散、総選挙を選ばざるを得なくなった。

麻生首相は東京都議選の各候補者の応援に全力を注いだ。その結果として自民党が惨敗(ざんぱい)したのだから、通常の感覚であれば、責任を痛感するところだろう。それにもかかわらず、責任をまったく感じないと言うのは、大したものかも知れない。

麻生首相が都議選の応援で、「惜敗を期する」と発言したことが話題になったが、結果的に見ると、言い間違いではなかったとの見方も可能である。麻生首相は「惨敗すること必至」と情勢を読み抜いて、「惨敗(ざんぱい)」ではなく「惜敗(せきはい)」を目標に掲げたのかも知れない。

そうだとすれば、現実を最も正確に読んでいたとも言える。

首相の職責が麻生首相の器を超えていることが、すべての問題の根源にあるのだと思われる。麻生自民党は、東京都議選でも民主党の鳩山由紀夫代表の政治資金問題を攻撃することに終始した。

御用マスコミ人筆頭と言える田原総一朗氏は、7月12日、都議選投票日のテレビ朝日放送「サンデープロジェクト」で、鳩山由紀夫民主党代表攻撃に全力を注いだ。選挙妨害の意図が明瞭に読み取れる行動だった。

しかし、政治資金の問題で言えば、自民党の与謝野馨氏、二階俊博氏、森喜朗氏、尾身幸次氏などの問題の方が、はるかに重大である。自民党の重大な問題には蓋をしておいて、鳩山由紀夫氏の問題だけをあげつらう自民党やマスメディアの姿勢を、国民は冷ややかな視線で見つめていたと思われる。

自民党東京都連会長の石原伸晃氏は、都議選の街頭演説でも鳩山由紀夫氏攻撃を続けていた。惨敗結果が明らかになると、東国原宮崎県知事に古賀誠自民党選対委員長が出馬を要請した件でのごたごたが敗戦の原因であるとの見解を表明した。責任を他人に転嫁するような人物が都議選を指揮していたことも明らかになった。

自民党議員の多数が麻生おろしの発言を繰り返している。しかし、自民党は昨年9月の自民党総裁選で、7割の国会議員の支持で麻生首相を選出したのではなかったのか。しかも、この総裁選は通常の総裁選ではなかった。

安倍晋三元首相、福田康夫元首相が二代続いて、任期1年足らずで総理大臣職を放り出して、総理大臣職が空白になったために実行された総裁選である。そのたびに自民党はお祭り騒ぎの総裁選を繰り返してきた。

「自民党は開かれた党だから、複数の候補が立候補して正々堂々と党内論戦を実行し、民主的に総裁を選出する。選挙で総裁を選出した以上は、挙党一致で総裁を支えて、総選挙に臨む」と大見栄を切ってきたのではないのか。

その人々が、内閣支持率が下がり、政権喪失の危機を感じ、また自らの選挙に自信が持てなくなると、舌の根も乾かぬうちに、公然と麻生批判を始め、麻生おろしに奔走(ほんそう)している。中川秀直氏、武部勤氏、世耕弘成氏、塩崎恭久氏、山本拓氏、清水鴻一郎氏などの行動を、国民は冷ややかに見ている。

紆余曲折はあっても、結局、自民党は麻生首相の下で総選挙を戦うことになるだろう。いよいよ、決戦の総選挙が実施されることになる。

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決戦の総選挙が行なわれ、選挙後に新政権が発足する最も重要な時期に、発言を封じられることに、激しい憤怒の念を拭えないが、政権交代を希求する多くの国民が賢明な選択を示してくれることを私は確信している。

7月9日付記事

「都議選の投票率を高め政治革命を成就させよう」

に記述したように、日本政治の歴史を振り返るとき、次期総選挙を通じて達成されるかも知れない政権交代は、日本の歴史上初めて実現する「民衆の力による革命」の意味を持つ。

徳川時代が終焉し、明治が始まったのは1868年である。爾来(じらい)、140年、日本は官僚が支配する国であった。第二次大戦後に民主化改革が実行されたが、統治者としての官僚機構が温存された。

1955年体制は、官僚と結託する自民党が政治を支配しつつ、見かけだけ、決して強大化しない野党勢力が与党に抵抗する演出が施された仕組みだった。政治権力の中心には自民党が居座り、事実上の一党独裁政治が50年以上も維持されてきた。

当初から存在した「政官業のトライアングル」に加えて、小泉政権以降、この利権複合体に、新たに「外国資本」と「御用メディア」が加わり、「政官業外電=悪徳ペンタゴン」の政治利権構造が構築されて現在に至っている。

次期総選挙を通じて実現する政権交代は、これまでの政治利権構造を破壊して、日本の歴史上、初めて一般国民を主役とする政府を樹立しようとする、「政治革命」である。

民主党を中心とする野党による新政権が樹立されても、本当の仕事はそれから始まる。

大資本のための政治

官僚のための政治

外国勢力のための政治

を排除し、

 国民のための政治

を確立することが政権交代の目的なのである。

 国民の幸福を実現する政治とは、経済運営における「市場原理主義」を排除することでもある。「弱肉強食」ではない「共生」を政治哲学の中心に据えなければならない。

民主党内の①市場原理主義者、②大資本偏向者、③軍事拡張主義者を排除してゆかねばならない。

新政権を樹立する際に、もうひとつ重要な緊急課題が存在する。メディアの民主化である。日本のマスメディアは腐り切ってしまった。ごく一部を除いて大半のマスメディアが権力の走狗(そうく)になり下がってしまった。

テレビに頻繁に登場する人々の9割以上が、「走狗」に塗り固められてしまった。第二次大戦後、GHQによる「公職追放」が実施されたが、新政権樹立後、マスメディア人材の「パージ」を実行する必要がある。偏向報道を主導した関係者の責任を明確にしなければならない。

「かんぽの宿」疑惑もその全容を解明しなければならない。また、警察、検察、司法の近代化、民主化も最重要課題のひとつである。

8月30日の総選挙投票日まで1カ月半の時間が存在する。悪徳ペンタゴンは、あらゆる死力を尽くしてくることになるだろう。野党勢力はここから気を引き締めて進まねばならない。とりわけ、権力走狗のマスメディアによる情報操作に警戒が必要だ。

テレビに登場する走狗たちも、自らの生活がかかるから必死になるだろう。野党勢力は総選挙後の適正な責任追及の方針を示し、走狗たちが早期の投降に向かうことを勧誘するべきだろう。

総選挙に向けて最重要の戦術は

①投票率を最大限高めること

②政権交代推進勢力に投票を集中すること

「偽装CHANGE新党」が結成されても、決して「偽装CHANGE新党」には投票しないこと

である。

「偽装CHANGE新党」は野党勢力の二番煎じの政策を掲げる。同じ政策を掲げるのなら、野党勢力と連携すれば良い。野党勢力と連携しない新勢力は「自民党別働隊」である。野党への投票を減少させ、自民党を側面支援することが目的になる。

「悪徳ペンタゴン」は権力死守の最後のよりどころとして、「偽装CHANGE新党」を活用しようとするだろう。権力走狗のマスメディアが「偽装CHANGE新党」を徹底的に宣伝することも考えられる。この「偽装CHANGE」勢力の「真実」をすべての有権者に伝えなければならない。

「自民党内小泉一家」、「小泉チルドレン」、「官僚OBグループ」、「自民別働隊知事グループ」、「民主党内市場原理主義者」、が連携する可能性が高い。

「民主党内市場原理主義者」は総選挙後に「偽装CHANGE新党」を新政権に引き込もうとする可能性がある。この動きは「大連立」に結びつく。

「大資本・官僚・外国資本のための政府」を「国民のための政府」に刷新する上で、大連立の方向は「百害あって一利なし」である。この意味で、総選挙後の新政府樹立の枠組みが極めて重要になる。

いずれにせよ、「偽装CHANGE新党」には投票しないことが重要である。7月21日以降の「決戦の40日」に必ず勝利を収めねばならない。

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2009年7月13日 (月)

都議選民主党圧勝と総選挙を勝ち抜く三大戦術

総選挙前哨戦となる大型地方選5連戦最終戦の東京都議会議員選挙が7月12日に実施され、民主党が圧勝した。大型地方選5連戦は民主党を中心とする政権交代推進勢力の5連勝に終わった。

総選挙での本格的な政権交代実現に大きな弾みがついたと言える。

本ブログで訴え、「カナダde日本語」様「高橋敏男のブログ」様「日本国憲法擁護連合」様「とりにく」様「アルデバランの 夢の星」様「永瀬ユキのブログ」様など多くのブロガーが投票率引き上げの働きかけをして下さった。

「アルデバランの 夢の星」様は、いつもピリリとエスプリの利いた川柳を創作して下さるが、

「投票ねっ と声かけ運動 率揚げよう」と呼びかけて下さった。

言葉が重なるが、

「投票ねっ と声かけ投票 率揚げよう」の言葉に応じて投票率が大幅上昇した。

また、Like a rolling bean (new) 出来事録」様「海舌」様Easy Resistance」様などが、都議会議員選挙に向けての貴重な考察を掲載下さった。

投票率は、前回都議選の43.99%から10.50%上昇して54.49%に上昇した。十分に高い投票率とは言えないが、前回選挙よりも10%ポイント以上も投票率が上昇したことは、大きな意味を持った。

127の定数に対して、

自民  38 

公明   23 

与党  61

民主  54

共産    8 

ネット   2 

無所属等  2

野党  66

の結果となった。

 民主党は都議会第一党に躍進した。

 自公与党は61議席に減少し、都議会過半数64を割り込んだ。

 各選挙区における各候補の得票状況を見ると、民主党候補者の得票数が抜きん出て多いことが分かる。この得票をそのまま総選挙の小選挙区の候補者に割り振ると、総選挙での民主党圧勝の数値が得られるはずである。

 民主党は単に議席数で圧勝しただけでなく、得票率でさらに著しい圧勝を遂げた。

 今回の都議会選挙の争点は以下の三点だった。

 第一は、国政レベルでの「政権交代」に対する評価

 第二は、石原都政を象徴する新銀行東京問題、築地市場の豊洲への移転問題について、都議会与党の政策実績をどう評価するか。

 第三は、石原都知事が熱心に旗振りしているオリンピック東京招致への評価。

 本ブログでは、

①国政レベルでの政権交代を望み、

②新銀行東京、築地市場移転の施策を評価しない、

③オリンピック東京招致に反対、

の有権者は、国政レベルでの「政権交代推進勢力」に投票を集中させるべきだと訴えた。

 結果的に、社民党は議席を確保できなかったが、国政レベルでの「政権交代推進勢力」である民主党に投票が集中した。社民党、国民新党、新党日本が選挙協力を実行し、これらの政党を支持する有権者が民主党候補者に投票を集中させた結果、このような選挙結果がもたらされたのだと考えられる。

 共産党は、政権交代実現に積極的ではなく、自民、公明、民主をオール与党だとして、唯一の野党としての共産党への投票を呼び掛けたが、有権者は、日本政治の現状を変革する手始めの一歩として、「政権交代実現」を重視したのだと考えられる。

 共産党が「政権交代実現」を優先し、政権交代推進勢力と共闘体制を構築していれば、多くの議席を確保できたと考えられる。各選挙区では、民主党に投票が集中した。この過剰な投票が共産党に振り向けられれば、共産党候補者の多数の当選が可能になったと考えられる。

 民主党は54議席を確保し、都議会第一党に躍進した。しかし、議会過半数の64には届かない。民主党の提案を議会で実現するには、自民、公明、共産のいずれかと連携する必要が生じてくる。総選挙の結果によっては、公明党の姿勢が大きく変化することも考えられる情勢にある。

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 いよいよ、焦点は総選挙に移行する。総選挙に向けての基本姿勢を改めて確認しなければならない。

 7月9日付記事

「都議選の投票率を高め政治革命を成就させよう」

に記述したように、日本政治の歴史を振り返るとき、次期総選挙を通じて達成されるかも知れない政権交代は、単なる政権交代以上の意味を持つ。

徳川時代が終焉し、明治が始まったのは1868年である。爾来(じらい)、140年、日本は官僚が支配する国であった。第二次大戦後に民主化改革が実行されたが、統治者としての官僚機構が温存された。

1955年体制は、官僚と結託する自民党が政治を支配しつつ、見かけだけ、決して強大化しない野党勢力が与党に抵抗する演出が施された仕組みだった。政治権力の中心には自民党が居座り、事実上の一党独裁政治が50年以上も維持されてきたのだ。

当初から存在した「政官業のトライアングル」に加えて、小泉政権以降、この利権複合体に、新たに「外国資本」と「御用メディア」が加わり、「政官業外電=悪徳ペンタゴン」の政治利権構造が構築されて現在に至っている。

次期総選挙を通じて実現する政権交代は、これまでの政治利権構造を破壊して、日本の歴史上、初めて一般国民を主役とする政府を樹立しようとする、「政治革命」である。

大資本のための政治

官僚のための政治

外国勢力のための政治

を排除し、

 国民のための政治

を、日本の歴史上、初めて創設できるかが問われる選挙になる。

 民主党中心の政権に、この課題を実現できるかとの疑問がある。もっともな疑問である。

 民主党議員のなかに、①市場原理主義者、②大資本偏向者、③軍事拡張主義者が存在することは事実である。

 「悪徳ペンタゴン」は、新政権を従来の「悪徳ペンタゴン政治」に引き込もうと、あらゆる工作活動を展開してくるだろう。「偽装CHANGE勢力」との連携、大連立構想などは、この流れに沿う動きである。

 しかし、目指すべき新政権の方向は異なる。

 大資本との癒着を解消し、

 官僚利権を排除し、

 外国資本への利益供与を断ち切り、

 平和主義を外交方針の基本に据える、

政府を樹立することが目的である。真に、一般国民の幸福を追求する政府を樹立することを目指すのだ。

 この意味で、本当の闘いは政権交代実現後に始まると考えなくてはならない。政権交代実現後に、新政府の方針を明確に定めてゆかねばならないのだ。

 新政府の基本が不明確にならないよう、総選挙に際して、基本事項を明確に政権公約に盛り込んでおかねばならない。

 企業献金の全面禁止

 天下りの全面禁止

 消費税大増税の4年間封印、

 セーフティネットの構築、

 対米隷属外交からの脱却、

などの基本公約が極めて重要な意味を持つことになる。

 民主党を軸とする新連立政権が、初めから完全な形で発足できるとは考えられない。しかし、国民本位の政治の確立を求める主権者である国民の立場からすれば、まずは、「政権交代」から始動しなければ変革を勝ち取ることはできない。

 「政権交代」実現を後押しせず、「政権交代実現推進勢力」を攻撃することは、結果的に「悪徳ペンタゴン勢力」を側面支援してしまうことになるのだ。

 今回の都議選で明らかになったことは、多くの有権者が「政権交代」を希求しているという、極めて重要な現実であった。

 次期総選挙に向けて重要な戦術が三つある。

①「投票率」を可能な限り高めること

②「政権交代推進勢力」に投票を集中させること

「偽装CHANGE新党」が創設されても、「偽装CHANGE新党」には決して投票しないこと

 この三つを、三大選挙戦術として、政権交代を希求する全国民に徹底的に周知徹底することが必要だ。政権交代実現は、手に届くところにまで近付いてきた。しかし、最後の最後まで気を抜くことは許されない。主権者である国民が手を携えて総力を結集しなければならない。

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2009年7月12日 (日)

テレ朝サンプロ竹中氏偏重と選挙妨害疑惑

政権交代が実現すれば表舞台からの退場を迫られる田原総一朗氏と竹中平蔵氏がテレビ朝日「サンデープロジェクト」にまたしても登場した。

公共の電波が私物化されているのか、外国資本の意向を受けた電通が差配しているのか。偏向番組が持続することにはいささか辟易する。

田原総一朗氏は、6月28日の放送で、「かんぽの宿」問題について、7月5日放送で取り扱うことを明言した。疑惑の中心人物である竹中平蔵氏を出演させるなら、なぜ、「かんぽの宿」問題を徹底討論しないのか。

竹中平蔵氏-田原総一朗氏-高野孟氏-財部誠一氏-大谷昭宏氏のサンプロペンタゴンは、手を携えて日本郵政西川善文社長続投支持の意見陳述を展開し続けてきたが、その主張は破綻している。

①オリックス不動産が売却先に決定された経緯が不透明

②「かんぽの宿」固定資産税評価基準額は857億円、時価は1000億円程度と推定される。109億円での売却は明らかに不正廉売である。

③日本郵政がかんぽの宿の簿価を123億円に引き下げた根拠は、収益還元法に基づく鑑定評価によるが、この鑑定評価に重大な問題がある。

④雇用維持と転売規制が安値売却の根拠とされているが、雇用維持は3200人の従業員のなかの620人の正社員のなかの550人だけについて、1年限り雇用条件を維持するというものだった。転売規制も抜け穴規定が用意されていた。これらは、安値売却の正当な理由になっていない。

⑤オリックスの宮内義彦氏は総合規制改革会議議長として郵政民営化論議に関わり、自著のなかで「かんぽの宿」の大きな価値について記述していた。

詳細には立ち入らないが、「かんぽの宿」不正売却未遂問題の重大犯罪疑惑はまったく払拭されていない。

竹中平蔵氏は国会に参考人としての出頭を再三求められながら、すべて拒絶している。テレビ番組に出演する暇があるなら、テレビ番組で適正な論客を出演させて徹底討論させるべきである。

竹中平蔵氏がその場その場で発言をくるくると変えるのは、いつものことだ。しかし、テレビ番組での発言がくるくる変わる場合、公共の電波を使用する放送局は、少なくとも過去の発言をVTRで視聴者に紹介する程度の責任ある姿勢を示すべきである。しかし、テレビ朝日にその姿勢はまったくない。

竹中平蔵氏は経済の先行き変化を「W字型」と表現したが、竹中氏の発言は、世間の経済観測の「一致指標」と考えればよいと思われる。世間の多数派が先行き楽観の時は、先行き楽観を述べる。2008年3月にサンデープロジェクトに出演した際、米国の金融波乱について、金融と実体経済は別のものだとして、2008年末には米国経済が立ち直るとの見解を示していた。

ここにきて株価が下落に転じると、一転して「W字型」だと述べる。このような「一致指標型」の見通しが語られても得るものは少ない。この番組では、必ず後方から竹中氏援護の発言が示される。この日は竹中氏が関与する東京財団の渡辺恒雄氏が援護発言を示した。

竹中氏の行動様式については、副島隆彦氏との共著『売国者たちの末路 私たちは国家の暴力を闘う』に詳述したので、ぜひご高覧賜りたい。

総選挙を目前に控えて、同書は「総選挙前、有権者必読の書」とのご高評を賜っているので、ぜひ総選挙までにご高覧賜りたい。

サンデープロジェクトでの竹中氏の発言のなかに、見逃せない誤りがあったので指摘しておく。

竹中氏は米国におけるGM処理などに関連して、米国はGMにしても破綻処理を実行し、責任処理を明確にしているが、日本は政府主導で企業救済を実行しており、これでは資本主義ではなく社会主義だと批判したが、竹中氏にこのような批判を行なう資格はない。

「退出すべき企業を退出させる」ことを基本に据えていたはずの小泉竹中政権は2003年のりそな銀行処理において、極めて不透明な「りそな銀行救済」を実行した。竹中氏が重用した木村剛氏が繰延税金資産の計上はゼロないし1年しかあり得ないと主張し続けるなかで、りそな銀行には繰延税金資産計上が3年認められ、りそな銀行には法律の抜け穴規定が適用され、公的資金での救済が実行された。

経営陣が小泉政権近親者に入れ替えられただけで、りそな銀行株主は責任を問われるどころか、巨大な利益が供与された。究極の「モラルハザード」を生み出した銀行救済を実行した竹中氏に、麻生政権の企業救済政策を批判する資格はない。

麻生政権は、公的金融機関を活用して、日本航空、エルピーダメモリー、パイオニア、オリックスなどの救済を実行している。これらの政策が自由主義経済の根本ルールから外れていることは間違いない。田原氏は竹中氏がオリックスに対する政府の救済策をどう評価するのかを聞く必要があった。

番組後半では静岡空港問題と関連させて、静岡県知事選の分析が示された。

番組の主張は以下のようなものだ。

静岡空港建設は静岡県のオール与党体質のなかで決定された。民主党の支持母体である連合静岡が空港建設賛成に回った影響が大きかったとする。

静岡県知事選に出馬した海野徹氏は静岡空港建設に反対したため、連合静岡の支援を得られず、参院選再選を果たせなかったとする。知事選に再度立候補し、県議会のオール与党体制に抵抗したが、敗北した。

このようなストーリーが述べられ、空港建設に賛成した連合静岡が批判の対象とされた。同時に、県議会のオール与党体制が批判の対象とされ、民主党も議会では与党として空港建設に賛成したことが暗に批判されていた。

この放送は、東京都議会議員選挙当日の特集としては、重大な問題をはらんでいる。東京都議選では共産党が民主党などに対して、石原都政の政策に民主党が賛成してきた経緯を批判し、共産党への投票を呼び掛けている。

共産党の主張は共産党の主張として尊重されるべきであるが、民主党や社民党は、「政権交代へのうねりを都議会選挙でも明示しよう」と、政権交代推進政党への投票を呼び掛けている。

東京都議選当日に、静岡空港問題を放送し、県議会の「オール与党体制」を批判することは、東京都議選での民主党や社民党への投票に対する「選挙妨害」の疑いが濃厚である。

自公政権は政権交代を阻止するために、民主、社民、国民新党への投票集中を阻止しようと血眼になっている。この意味で、この日の特集は重大な問題を孕(はら)んでいる。

有権者の多くは「政権交代」を望んでおり、大連立やオール与党を望んでいない。この考えを持つ有権者は、本日の投票に必ず足を運び、政権交代推進勢力に投票する必要がある。

投票率を高め、民意を正確に反映する議会の議員構成を生み出すことが、民主主義を正当に機能させる方策である。今日の都議会議員選挙の投票率をできるだけ高めなければならない

「サンデープロジェクト」は冤罪問題なども取り上げるが、すべての問題を公平に扱っているとは考えられない。政権交代を実現させ、「サンデープロジェクト」のような偏向番組が消滅する状況をできるだけ早期に生み出す必要がある。

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2009年7月11日 (土)

ネットと声かけ運動で都議選投票率を高めよう

総選挙前哨戦となる大型地方選5連戦の最後を飾る7月12日の東京都議会議員選挙

民主主義が機能するには、主権者である国民が権限を行使することが不可欠である。権限を行使せずに結果に不平を述べるのは筋違いだ。有権者の一票が政治を変える原動力になる。

投票所に足を運び、必ず投票する。この民意が政治を変化させる。

明日の東京都議会議員選挙に東京都の有権者は必ず足を運ぶべきである。投票率が上昇することによって、より正確に民意が政治に反映される。

選挙に必ず足を運ぶ特定の組織やグループに政治を支配させてはならない。政治は特定の組織やグループのために存在するものでない。政治は地域に暮らすすべての人々の生活に決定的な影響を及ぼすのだ。だから、必ず投票所に足を運び、政治を託すべき人を見出し、一票を投じるべきである。

繰り返しになるが、東京都議選の争点は以下の三つである。

第一は、国政レベルの政治図式を念頭に置き、政権交代への道筋を明確に示すのかどうか。東京都議選は総選挙前哨戦の最後を飾る。「政権交代」が最大のテーマになる総選挙に向けて、都議選でも「政権交代実現」の都民の意志を示すのかどうか。

第二は、石原都政の象徴である「新銀行東京」と「築地市場の豊洲への移転」をどのように評価するか。

第三は、石原都知事が推進するオリンピック東京招致をどう評価するかだ。

政権交代実現を望み、「新銀行東京」、「築地市場の豊洲への移転」を評価しない、オリンピックの東京招致に賛成しない有権者は、国政レベルでの「政権交代実現推進勢力」に1票を投じるべきである。民主、社民がその軸になる。

国政レベルの「政権交代実現推進勢力」に投票が集中されることにより、有権者のメッセージが明確に示されることになる。同時に、迫り来る次期総選挙での政権交代実現に大きな弾みがつくことになる。

Like a rolling bean (new) 出来事録」様が、改めて、都議選の争点をまとめて記事を掲載下さった。「Like a rolling bean (new) 出来事録」様は、築地市場の豊洲への移転問題やオリンピック招致問題に関して、膨大な記事を掲載下さってきている。

記事一覧1

記事一覧2

記事一覧3

記事一覧4

記事一覧5

都議選の投票所に足を運ぶ前に、ぜひその内容をご覧いただきたいと思う。また、日本国憲法擁護連合様が選挙選終盤の情勢に関する情報をまとめて下さった。

江戸東京の名所である築地市場を破壊し、土壌汚染にまみれた、安全性に著しく大きなリスクがある豊洲に市場が移転され、小規模事業者が排除されれば、東京都民だけでなく関東圏の国民の生命が危険に晒(さら)され、多くの事業者が仕事を失う。

築地を再開発することを最も強く望んでいる関係者のひとつが、汐留再開発地域を根拠地とする勢力である。汐留に本拠地を置くマスメディアには、電通本社と日本テレビがある。日本テレビは石原伸晃氏が就職した企業である。

Like a rolling bean (new) 出来事録」様は、2008年8月19日付日本経済新聞に掲載された電通最高顧問成田隆氏執筆の「私の履歴書」第19回を紹介された。同コラムには、1975年の都知事選前日に掲載された石原支援新聞広告の掲載に、成田氏自身が朝日新聞を説得した経緯や浅利慶太氏の関与などの赤裸々な事実が記述されている。浅利慶太氏の劇団四季の劇場は電通本社のあるカレッタ汐留にある。

オリンピック招致は築地再開発、巨大道路建設計画と連動しており、巨大利権の影がつきまとう。オリンピック招致には、地元住民の強い賛成が必要だが、東京都の住民がオリンピック招致を強く望んでいるとは、とても考えられない。

石原都知事は環境を重視したオリンピックを提唱しているが、一方で東京都稲城市では、自然環境としての価値が極めて大きいとされる里山の開発事業が強硬に推進されようとしている。

新銀行東京累積損失、築地市場の豊洲への移転、オリンピック招致の三つの問題を基準にして、有権者は都議会議員選挙に臨むべきだ。その際、次期総選挙への影響を踏まえて、「政権交代」を希求する意志を表示するかどうかをよく考えるべきである。

投票率を高めて、民意が最大限に選挙結果に反映されることを重視するべきである。投票率を高める必要があると感じる有権者は、積極的に声を掛け合って、投票所に足を運ぶべきである。

情報空間はマスメディアに支配されているから、ネット空間からの情報発信に全力を注がねばならない。ネット情報を目にした人が口コミで情報を連鎖的に拡散すれば、初めは1万、10万の情報が100万、1000万に広がる。

投票日の明日にかけて、政治に民意を反映させるべきと考える人々は、総力を結集して、明日の都議会選挙の投票率を高めるために力を注がねばならないと思う。

政治の主役は政治家ではない。主権者である有権者である。この基本をもう一度確認し、ひと汗もふた汗もかかねばならないと思う。

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2009年7月10日 (金)

旧日債銀粉飾決算事件で最高裁が口頭弁論決定

1998年に破綻(はたん)した日本債券信用銀行(現あおぞら銀行)の粉飾決算事件で、旧証券取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)罪に問われた同行の元会長窪田弘氏(78)など旧経営陣三人の上告審で、最高裁第二小法廷(古田佑紀裁判長)は、検察、弁護側双方の主張を聞く弁論を11月9日に開くことを決めた

弁論が開かれるのは二審の結論を変更する際に必要となることから、元会長など三人を有罪とした一、二審判決を見直し、逆転無罪とする可能性が表面化した。

この問題と密接に関わるのが旧日債銀と同じ1998年に破綻した旧日本長期信用銀行(現新生銀行)の粉飾決算事件で、最高裁は昨年7月、一、二審で有罪だった旧経営陣三人を逆転で無罪とした。

このことについて、本ブログでは、

昨年7月19日付記事

「長銀事件逆転無罪判決の闇」

7月20日付記事

「長銀事件逆転無罪判決の闇(2)

に、考えられる背景を記述した。

 「日債銀事件」では大蔵省OBで国税庁長官を務めた窪田弘氏が起訴され、1審、2審で執行猶予付き有罪判決が出されている。

大蔵省、財務省は、同省最高幹部を経て日債銀に天下りした窪田氏の有罪確定を回避することを最重要視してきた。

 長銀事件逆転無罪判決を出した裁判官の一人である津野修氏は大蔵官僚出身者であった。長銀事件の逆転無罪判決は、日債銀事件の逆転無罪判決を導くための伏線であったと考えられる。

 予想通りの旧日債銀粉飾決算事件の最高裁弁論決定である。

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2009年7月 9日 (木)

都議選の投票率を高め政治革命を成就させよう

「政権交代のある政治」を創り出すことは画期的である。民主主義体制を取る国では、政権交代が生じるのが自然な姿である。

次期総選挙のテーマは間違いなく「政権交代」になる。

自公政治が終末期を迎えている。2005年9月に圧倒的多数を得たことが災いしたのかも知れない。衆議院で3分の2の勢力を確保すれば、傍若無人に振る舞っても通用してしまう。

衆参両院の同意を必要とする国会同意人事だけが例外で、予算決議は衆議院が優越し、重要法案は衆院で3分の2以上の多数で再可決すれば成立してしまう。

この間の自公政権のたるみぶりは常軌を逸してきた。安倍晋三首相、福田康夫首相が相次いで就任1年足らずで政権を放り出した。そのたびに自民党は、お祭り騒ぎの自民党総裁選を実施してきた。

昨年9月には、総選挙の顔として麻生太郎氏を首相に担ぎ出した。2005年9月の総選挙から4人目の総理大臣である。

ところが、麻生首相は国民の要請に何ひとつ答えなかった。

100年に1度の金融危機を理由にして総選挙を先送りしたのに、2ヵ月もの間、補正予算を国会に提出せずに時間を空費した。年が明けると巨大な財政政策を提示したが、大企業と官僚に巨大な国費を注ぎ込むお手盛り補正予算だった。

小泉改革路線からの訣別が大きなテーマになった。「かんぽの宿疑惑」は、小泉郵政改革の縮図として、極めて分かりやすい不祥事だった。麻生首相が所管大臣である鳩山総務相に判断を委ね、日本郵政幹部を刷新し、そのタイミングで解散総選挙を決断したなら、一縷(いちる)の望みがあっただろう。

しかし、麻生首相は鳩山総務相を更迭(こうてつ)し、「郵政××化ペンタゴン」の一角を占める菅義偉(すがよしひで)元総務相に誘導されるままに、日本郵政西川善文社長を続投させる決断を示した。

本ブログ6月6日記事

「西川社長続投誘導は麻生首相おろしの策略か」

6月22日記事

「都議選前解散を阻止しようとする麻生首相側の奸」

に、麻生首相が「麻生おろし」に誘導されてゆく可能性を指摘した。

 菅義偉(すがよしひで)氏は、麻生首相に西川社長続投論を強く要請する際に、総選挙は必ず麻生首相の手によって実現することを明言したのではないか。

しかし、麻生首相に対する包囲網は着実に拡大している。イタリア・ラクイラサミットから帰国する麻生首相の帰国を東京都議選が待ち構える。自公の与党が過半数を確保すれば、麻生首相は直ちに解散を決断する考えを有しているのだろう。

しかし、菅義偉氏は解散が7月下旬にずれ込み、総選挙は8月末ないし9月初めにずれ込むとの見通しを示し始めている。解散の決定が首相の専権事項だとしながら、菅(すが)氏が解散時期について言及するのは理解しがたい。西川社長続投が目的であって、この目的さえ確保してしまえば、主君の野垂れ死になど意に介さないということなのだろうか。

麻生首相は日本郵政問題で斬らねばならない西川社長を続投させ、正論を示した鳩山総務相を斬った。この判断の誤りが、自公政権に致命的な影響を与えたと考えられる。

大型地方選では野党が4連勝を果たした。静岡県知事選は自公候補が圧倒的に有利な状況にあった。自公候補が圧倒的に有利であるから、政府は総選挙前哨戦であることを強調し、マスメディアに静岡県知事選を大きく報道させた。

その静岡県知事選で自公候補がまさかの敗北を喫した。自公両党の衝撃は大きい。自公両党は潔く下野する覚悟を固めるべきだろう。政権交代のある政治状況が民主主義政治の通常の姿である。

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しかし、日本政治の歴史を振り返るとき、次期総選挙を通じて達成されるかも知れない政権交代は、単なる政権交代以上の意味を持つ点に十分な留意が必要だ。

徳川時代が終焉し、明治が始まったのは1868年である。爾来(じらい)、140年、日本は官僚が支配する国であった。第二次大戦後に民主化改革が実行されたが、統治者としての官僚機構が温存された。

1955年体制は官僚と結託する自民党が政治を支配し、表面的に、強大化しない野党勢力が存在する政治状況であった。政治権力の中心に自民党が居座り、事実上の一党独裁政治が50年以上も維持されてきた。

この自民党政治は、官僚機構と大資本と癒着することから「政官業のトライアングル」と呼ばれてきたが、小泉政権以降、この利権複合体に、新たに、「外国資本」と「御用メディア」が加わった。これが「政官業外電の悪徳ペンタゴン利権政治構造」である。

次期総選挙を通じて実現するかも知れない政権交代は、この利権政治構造を打破し、日本の歴史上、初めて一般国民を主役とする政府が樹立されるかも知れないという、ひとつの「政治革命」なのである。

大資本のための政治

官僚のための政治

外国勢力のための政治

を排除し、

 国民のための政治

を、日本の歴史上、初めて創設できるかどうかが問われる選挙である。

 本ブログで繰り返し指摘してきているように、「悪徳ペンタゴン」は、本格的政権交代を阻止しようと必死である。そのために、野党勢力に流れる投票を吸収する「第三勢力」を構築しようと目論んでいると考えられる。

 この「第三勢力」は、野党と類似した政策を掲げる自民党別働隊である。野党への投票の一部を「第三勢力」が吸収できれば、本格的政権交代を阻止できるからである。

 したがって、日本政治の刷新、国民本位の政権樹立を目指す国民は、「第三勢力」に惑わされず、野党勢力に投票を集中しなければならない。「第三勢力」を旗揚げする人々が、本当に日本政治の刷新=CHANGEを目指すなら、野党と共闘すれば良いはずである。

野党と明確な共闘体制を構築しない「第三勢力」は「自民別働隊」と見なさざるを得ないのだ。

本格政権交代を実現するには、投票率の上昇が必要である。自公推薦候補が圧倒的に有利であった静岡県知事選で、野党推薦候補が勝利した最大の理由は投票率が15%ポイント以上も上昇したことだった。

まずは、東京都議選である。投票率を高めなければならない。日本を変えるために必ず選挙に行く。予定のある人は、必ず不在者投票を済ませる。

そして、本格政権交代を実現するには、野党候補に投票を集中させることが不可欠だ。トップ当選の候補者に投票が集中しないよう、票の割り振りを的確に誘導することも大切である。

政権交代は、この国の歴史上、初めての「民衆による政治革命」を意味するのだ。民主主義政治の主役は本来国民である。この大原則が有名無実になってきた日本に、初めて、民衆の力によって創設される、民衆のための政権を樹立すること。これが、次期総選挙のテーマである。

その前哨戦最終戦である東京都議会選挙に東京都の有権者は必ず足を運び、政治革命の意志を明瞭に示す必要がある。

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7月12日東京都議選投票を判断する三大争点

総選挙前哨戦となる大型地方選5連戦の最後を飾るのが7月12日の東京都議会議員選挙である。

4月名古屋市5月さいたま市6月千葉市に引き続き、7月5日には静岡県知事選が実施された。野党第一党の民主党は社民党、国民新党と共闘し、大型地方選で4連勝を果たした。大型地方選の最後に東京都議会選が実施される。

これまで、都議選は国政選挙の先行指標になってきた。1989年の社会党躍進、97年の共産党議席倍増、2001年の小泉旋風による自民党大量得票など、都議選が国政選挙の流れを先取りした。

衆議院は9月10日に任期満了を迎える。都議選結果は総選挙に直接的な影響を及ぼすと考えられる。

自民党は鳩山由紀夫代表の政治資金問題を執拗に追及して得点を稼ごうとしているが、政治資金問題では、与謝野馨氏、二階俊博氏、森喜朗氏、尾身幸次氏などの問題を自民党は抱えており、衆参両院で徹底審議を実行するなら、自民党が流す血がはるかに多くなると見られている。

また、自民党は東国原宮崎県知事を総選挙候補者に擁立しようとし、御用メディアが意味もなく過剰放送しているが、任期途中で知事職を放り出すことをプラスに評価する有権者は多くないだろう。

総選挙に向けて、政策の内容を競い合うことを考えるべきだ。自分の政党の金権体質を棚の上に置いて、他党のアラさがしだけに注力する姿、総選挙の瞬間だけ得票を得ようとするタレント候補擁立、選挙のときだけ税金をばらまく無責任な政策運営。有権者はこれらの行動をじっくりと注視し、「熟慮-判断-行動」しなければならない。

総選挙をにらみ、7月12日の都議選は重大な意味を持つ。東京都の有権者は何を軸に投票行動を決定するべきなのか。

三つの軸を中心に考えるべきだと思う。

第一は、総選挙後の政権の在り方を念頭に入れることだ。自公政権の持続を望むのか。それとも、本格的な政権交代を望むのか。政権交代を望むのであれば、民主、社民を中心に投票するべきである。

090707 第二は、東京都が抱える問題に対する評価である。石原都政の大きな懸案は新銀行東京累積損失と築地市場の移転問題だ。石原慎太郎都知事の目玉政策のひとつの「新銀行東京」は巨大な損失を発生し続けている。「わんわんらっぱー」様の記事によれば、2008年3月期までの累積損失額は1000億円を突破した。(グラフは「わんわんらっぱー」様より転載)

損失を拡大し続けてきた石原都政に対して、東京都民はどのような評価を下すのか。石原都政に対する評価が都議選のもう一つの焦点である。

また、石原都知事は築地市場を豊洲に移転する計画を提示している。ところが、豊洲の移転予定地が有害物質に汚染されているとの報告が示されている。

また、民主党の大塚耕平参議院議員は2008年11月13日の参議院財務金融委員会で、築地移転に絡む巨大金銭疑惑について、重大な質問を行なっている。

大塚議員は、通称「石原ファンド」と呼ばれる「東京チャレンジファンド」という東京都が出資して主体となって作ったファンド、農林中央金庫、「東京魚市場卸共同組合」との間のやり取りで、「東京魚市場卸共同組合」の9億3000万円の債務が棒引きにされた疑惑について、詳細な追及を行なった。

大塚氏は、

「築地廃止の反対派の皆さんへの懐柔策としてこの借金を棒引きしたのではないかと、今、築地市場ではずいぶん議論になっているわけです」と述べて、石原都政が強引に築地から豊洲への移転を誘導しているとの疑惑を追及した。

詳細はLike a rolling bean (new) 出来事録」様の、昨年11月17日付記事「農中・イシハラファンド・ゴールドマンサックスと築地「廃止」(参院財政金融委での大塚耕平議員質問)」を参照いただきたいが、築地市場の土壌汚染が問題視される豊洲への移転には、多数の反対者が存在する。

このなかで、移転を強行しようとする石原都政への批判が極めて強くなっている。「カナダde日本語」様「晴天とら日和」様も、かねてより築地市場移転反対の立場からの記事を数多く掲載されてきているので、ぜひご参照賜りたい。

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第三は、オリンピック招致問題だ。石原都知事はオリンピック招致の先頭に立ち、オリンピック招致反対論封殺に躍起になっている。

オリンピックの経済効果が大きいと喧伝(けんでん)されているが、「日本国憲法擁護連合」様が紹介下さった「ビデオニュース・ドットコム」によると、経済効果の試算を行なったのは電通であり、オリンピック招致で最も大きな経済効果を得る主体が電通なのだそうだ。オリンピック招致で最も大きな利益を得る企業がオリンピック招致を後押しする数値を発表しているのだ。

また、IOCの開催地決定の委員会が来日した際の映像なども、すべてが統制されており、自由な取材が許されていないとのことである。

開催候補地のなかで、日本の評点が最も低い項目が「世論の支持」であるとのことだが、日本が提供した世論調査の数値を納得する国民は非常に少ないと思う。

オリンピックよりも優先されるべき政策課題が山積している。特定の人々や企業に利益をもたらす政策よりも、都民すべての生活を改善するための施策が望まれるのは当然のことだと思う。

東京都のオリンピック招致委の「全国世論調査速報値」で賛成が6割だとされたが、この数値に納得する国民は少ないと思う。

「きっこのブログ」様が6月7日記事

「民放連の世論調査に情報操作の疑い」

で、民放連が発表したオリンピック招致に関する数値が情報操作されたものであったことを指摘されている。実際の調査結果では、賛成35.5%、反対60.3%であったという。調査サンプル中、ラジオリスナーの反対の比率が低かったために、ラジオリスナーの数値だけ発表したというのだ。

反対60%であるなら、私たちの感覚と違和感がない。東京都の有権者に純粋にアンケートを行なえば、多数が反対するのではないかと思われる。

スポーツはいまや、巨大利権ビジネスになっている。政治家がスポーツ団体と関わりを持つのは、それが巨大利権と結び付いているからである場合が多い。また、電通に代表される広告代理店にとってビッグイベントは文字通りのドル箱である。この巨大利権に群がる人々がオリンピック招致活動を熱心に展開しているのだ。

都議選はオリンピック招致に熱心な石原都政に対する信任投票の意味合いを持つと言えるだろう。

①国政における「政権交代」を東京都でも後押しするのか否か。

②新銀行東京、築地の豊洲への移転を評価するのかどうか。

③オリンピックの東京招致を応援するのかどうか。

この三つを基準に投票を考察するべきである。

間違っても芸能軍団のパフォーマンスに引きずられて投票行動を決定するなどの低次元の発想を持ってはいけない。選挙結果は、議会の構成を決定することを通じて、有権者の生活そのものに跳ね返ってくる、極めて重大な意味を持つのだ。

私の個人的な意見を述べれば、大型地方選の最後を飾る都議選で野党連合が勝利を収め、大型地方選5連勝の実績を掲げて、決戦の総選挙に臨むことが望ましと思う。

政権交代はいよいよ手に届くところまで近付いてきた。しかし、選挙は闘いである。最後の最後まで、一瞬たりとも気を抜くことは許されない。

「天の時、地の利、人の和」が整って初めて大事は成就する。

野党の軸に位置する民主党は、社民党、国民新党との「人の和」を保ちつつ、最後の最後まで気を抜かずに決戦に進まねばならない。

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2009年7月 8日 (水)

依然として不安定な内外経済金融情勢

ご愛読いただいている『金利・為替・株価特報』は、2009年7月から9月までの3ヵ月間、休刊とさせていただきます。ご購読の皆様には大変ご迷惑をお掛け申し上げますが、なにとぞご理解賜りますようお願い申し上げます。

本レポートでは、5月26日号より、内外株価反発後の調整局面への移行の可能性を警告してきた。内外株式市場は6月11日頃を境に調整局面に移行している。

また、本レポートでは、日経平均株価の推移が円・ユーロレートの変動に連動しており、円・ユーロレートの変動が日経平均株価の変動にやや先行していることを指摘し続けてきた。

サブプライム金融危機に対して、米国政策当局は迅速な対応を示した。日本の政策失敗の事例を反面教師として活用する対応が示されたと言えるだろう。

1990年代以降、日本のバブル崩壊は14年も持続した。政策対応を誤ったことが問題長期化の主因だった。日本政府は大きな失敗を3回繰り返した。

1回目は1992年。不良債権問題処理を先送りした。2回目は1997年。財政再建を急いで金融問題が深刻ななかで大増税を実行した。3回目は2000年から2003年。2回目と同じく、金融問題が深刻ななかで緊縮財政を強行した。小泉竹中政治は橋本元首相の警告を無視して同じ失敗を繰り返した。

バブルが崩壊し、金融危機が表面化するとき、取られなければならない対応策は、①金融緩和政策、②財政政策、③資本増強策、の三つの政策を組み合わせることである。

日本でこの対応を示したのは、1998年から2000年の小渕政権だった。小渕政権は三つの政策を組み合わせた施策を大胆に実行し、日本を金融危機から救出した。今回、米国政府が示した対応は、小渕政権の政策対応を範とするものであった。

オバマ政権は、政権発足直後に7800億ドルの財政政策を発動した。FRBはゼロ金利政策の採用に踏み切った。さらに、米国政策当局は巨額の公的資金を金融機関に注入した。この三つの政策を総動員した結果、米国金融市場の波乱がとりあえず沈静化された。

しかし、米国政府は、自由主義経済、資本主義経済の根源ルールを乗り越えてしまった。自由主義経済の根源ルールは「失敗の責任を自己で負う」ことにある。唯一、このルールが適用されたのはリーマン・ブラザーズである。しかし、昨年9月15日にリーマン・ブラザーズを破綻させた結果、際限のない金融破綻の連鎖が差し迫った。

米国政策選挙当局は、自由主義経済の根源ルールを踏み越えなければならないところにまで追い込まれ、自由主義経済の根源ルールを放棄した。

詳細は『売国者たちの末路』(祥伝社)をご高覧賜りたいが、デリバティブ金融の暴走の果ての爆発の前に、米国政策当局は「自己責任原則」を放棄せざるを得なくなった。「市場原理主義」が必然的にその破綻の終末を迎えたのである。

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著者:副島 隆彦,植草 一秀
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ベア・スターンズ、AIG、ファニー・メイ、フレディ・マック、シティ、などの巨大金融機関が公的資金によって救済された。米国の自由主義経済は死を迎えた。

財政金融政策と巨額の資本注入で、米国金融市場は小康状態を回復した。株価は3月から6月にかけて3割から4割の反発を示した。

しかし、確実にその代償が広がり始めている。米国連邦政府の財政赤字は2009会計年度に180兆円に激増する。そして、この高水準の財政赤字が数年間持続することは間違いない。

米国は経常収支が赤字の国である。経済が円滑に回ってゆくために、海外からの資金供給が不可欠な国である。財政赤字を国内の資金で賄うことができない。

細かな説明を省くが、中期的な米ドル下落は不可避である。海外の投資家は下落する米ドル資産への投資に慎重な姿勢を一段と強めるだろう。

4月のロンドンG20では、500兆円の財政政策発動が決定されたが、欧州諸国は財政政策発動に慎重な姿勢を崩さなかった。欧州だけが財政政策発動を控えれば、ユーロは少なくとも日本円に対しては下落しやすくなる。

1929年に始まる世界大恐慌の局面では、各国が通貨切り下げと保護貿易に走り、世界経済の大停滞を招いた。その兆候が欧州の政策対応に示され始めている。

デリバティブ金融の想定元本は600兆ドル=6京円規模に拡大した。その潜在的な破壊力を軽視することができない。株価下落と経済悪化が再び強まる場合には、この地雷が次々に暴発するリスクが存在する。

Ny0708093

グラフに示されるように、NYダウは中期下落トレンドからまだ完全に抜け出したとは言えない状況にある。日本の株価は円・ユーロレートとの強い連動関係を有しているが、円・ユーロレートが徐々に円高傾向を強めていることにも警戒が求められる。

デリバティブ金融の巨大マグマが水面下で蠢(うごめ)いている現実を軽視するべきではない。内外経済金融情勢に対する警戒感を当面解くことはできない。

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2009年7月 7日 (火)

『売国者たちの末路』書評に深謝申し上げます

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著者:副島 隆彦,植草 一秀
販売元:祥伝社
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副島隆彦先生との対談を単行本として上梓させていただいた

『売国者たちの末路 私たちは国家の暴力と闘う』(祥伝社)

の初版が多くの書店等で売り切れになり、ご購読ご予定の皆様には大変ご迷惑をおかけしております。

間もなく大増刷重版分が納品されると思われますので、なにとぞご理解賜りますようお願い申し上げます。

「植草事件の真相掲示板」様祥伝社サイトamazonサイトなどにも、多数のありがたい書評を頂戴し、心より深く感謝申し上げます。

新たに高橋清隆氏ライブドアPJニュースに書評を掲載下さったので、以下に転載させていただく。高橋氏の身に余るご尽力に深く感謝申し上げたい。

「実にまともな対談集である。5年にわたって恥辱的な悪宣伝にさらされた植草一秀元教授の潔白を断じ、彼と対峙(たいじ)した竹中平蔵元金融相や小泉元首相らの売国ぶりを赤裸々に明かす。この手の本が今まで大っぴらに出回らなかったことの方が不思議なくらい。竹中氏が飼われた強大な支配権力が機能してきた証しである。

鋭い眼力の持ち主である副島氏と、わが国最高のエコノミストである植草氏が、小泉・竹中政権から今日まで続く政府のかいらいぶりを例示していく。もちろん主人は米国で、財務省や金融庁はもとより総務省や法務省、警察までが国民を外国に服従させるために働いていることを浮き彫りにする。売国的な政策を批判する植草氏の逮捕も、この線上で起きたと副島氏はみる。

両氏は小泉・竹中政権が行った犯罪として象徴的なものを3つ挙げている。すなわち、りそな処理、UFJ・ミサワ問題、郵政民営化である。りそな銀行は2003年5月17日、当時の竹中金融相の指示で救済された。「退出すべき企業は、市場から退出させる」方針を一転したため、株価は急反発。外資系ファンドがボロもうけしたが、植草氏はこの過程でインサイダー取引があったことを指摘してきた。

旧UFJ銀行は2003年、金融庁による厳しい監査で人為的につぶされるとともに、主要融資先であるミサワホームとダイエーは産業再生機構に供出された。ミサワは創業者の三澤千代治氏が追い出され、トヨタにたたき売られる。今の社長は竹中氏の実兄。漫画のようなてん末だ。

郵貯・簡保合わせて優に300兆円ある国民の金融資産は、米国の「経済安全保障」にとって垂ぜんの的である。混迷を深める米国では、米国債を外国の投資家に持たせることによって経済の安定が保たれる。竹中氏は最近もテレビに出て「郵貯資金を米銀の救済に充てよう」と公言している。

「かんぽの宿」問題が明らかにされつつあるが、植草氏が本書で強調するのは、日本郵政が持つ優良な不動産が狙われていることだ。郵便事業会社と郵便局会社だけで簿価2兆4000億円の不動産を保有し、それらは全国の駅前や一等地に集中する。

竹中氏には、植草氏がライバルに映るのだろう。旧大蔵省財政金融研究所で2年を共に過ごし、共にテレビ東京『ワールドビジネスサテライト』に出演した。そのたびに竹中氏の方が一緒にいるのをためらった。ごまかしの物言いが見破られると思ったからだろう。

植草氏は竹中氏によりどころとなる理論がないことを、遍歴から説明。学者ではなく「情報の流通業者」と形容する。けだし、名言だ。ゼロ金利や量的緩和についても、見解がころころ変わってきた。

一方、植草氏は2002年から2003年にかけ、竹中平蔵氏の代わりに金融担当大臣に据えられようとした。副島氏によれば、自民党の最高実力者だった青木幹男氏や野中広務氏、森喜朗氏や亀井静香氏など7人が企てたとのこと。しかし、米国に見抜かれてつぶされ、彼らは政治家として生き残るためにしっぽを巻いたという。

大衆はこうした事情をつゆ知らず、「本物」の植草氏が国民の笑いの種にされ、「業者」の竹中氏は学者大臣として出世の模範のように扱われている。ただし、これはマスメディアの宣伝にすぎない。売国者たちの主人である米国はサブプライム崩れ以来、急速に力を失い始めている。副島氏は「ここから先は愛国派が団結して、彼らに追撃戦を挑まなければいけません」と訴える。(後略)」

いま、国民にとって最も大切なイベントは、次期総選挙である。総選挙に向けて私たちが考えなければならないことを、

「総選挙に向けて国民が考えなばならないこと」

に記述したので、ぜひご一読賜りたい。

 『売国者たちの末路』について、多くの皆様から、「総選挙に向けて国民必読の書」との評価をいただいている。

 同書を一人でも多くの皆様にご一読賜り、次期総選挙の意味をじっくりと考えていただきたいと思う。

 大企業のための政治

 官僚のための政治

 外国勢力のための政治

を、

 国民のための政治

に転換することが求められている。

 目先の瑣事(さじ)に惑わされずに、これから4年間の国民生活、政治体制を考えなければならない。

 国民の一票で政治を変えることは不可能でない。「熟慮し判断し行動する」ことが何よりも大切である。政治を刷新しようとする人々が力を結集し、総選挙の投票日まで全力を注ぐことが何よりも大切である。何としても本格的政権交代を実現しなければならない。

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総選挙に向けて国民が考えなばならないこと

総選挙が近付き、慌ただしい動きが続いているが、自民党は、長期間握り続けてきた政治権力を死守することしか考えていないように見える。

宮崎県知事の東国原氏の支持率が高いのは、テレビメディアが東国原氏を頻繁(ひんぱん)に取り上げてきたからではないか。東国原氏が頻繁にテレビに登場することで、宮崎県の認知度は上がり、宮崎県の特産品の販売が増加したことは事実だろう。

しかし、知事としての活動が傑出しているというわけではない。知事の任期は4年である。東国原氏は知事職を全うすることを有権者に誓って知事選に出馬したのではないのか。有権者の信託を受けて当選を果たした以上、知事職に全力を投入して任期を全うするのが最低限求められる行動だ。

自民党は、このような正論を無視してまで、東国原人気にすがろうとするのだろうか。これからの4年間の政策方針を明示し、野党が示す政策基本方針と比較して、有権者に対して自らの主張の正しさを訴え、自民党を中心とする政権の維持を有権者に訴えるべきではないのか。

2005年9月の郵政民営化選挙では自民党が地すべり的勝利を得た。この選挙が終わって間もないころ、ある落選した民主党前議員の後援会に呼ばれて講演した。このとき、元議員は次期総選挙がいつあるとも分からないと述べた。

しかし、結局、前回総選挙から丸4年間、総選挙は行なわれなかった。総理大臣は4人目になった。郵政民営化に反対した議員も自民党に復党した。総理大臣が3回も交代したから、政策方針は右へ左へと揺れた。しかし、国会の議席構成だけは不変なのだ。

この議席構成によって、国民生活に直結するすべての政策が決定されてきた。2007年7月以降、参議院では野党が過半数を握った。しかし、日本国憲法は衆議院の優越を定めており、多数の法律案が衆議院での再可決で決定されてきた。それほど、衆議院の議席構成が持つ意味は大きい。

総選挙は、これから4年間の国民生活を決定づける最重要の政治イベントである。したがって、有権者はそのときの空気、ムードだけで投票してはならない。2005年9月の失敗を繰り返してはならない。

自民党は、政治権力を死守するために、東国原人気にすがり、民主党の鳩山由紀夫代表を理不尽に攻撃している。大きな問題は、世論形成に大きな影響を与える「マスメディア=電」が政治権力の走狗(そうく)になり下がってしまっていることだ。有権者がじっくりとものを考えずに、マスメディアの情報操作に籠絡(ろうらく)されてしまうと、再び間違った判断を示してしまう懸念が存在する。

2005年9月の総選挙は「郵政民営化に賛成するか反対するか」の選挙になってしまった。御用メディアは「郵政民営化が正義」で「郵政民営化に反対するのは抵抗勢力で悪」との図式を日本中に流布した。多くの国民がこの情報操作に籠絡(ろうらく)されて、小泉元首相を支持してしまった。

ところが、小泉竹中政治は「市場原理主義」を基軸に据えて、日本社会を冷酷な弱肉強食社会に作り変えてしまった。同時に、「郵政民営化」が「かんぽの宿」に象徴されるように、一部の財界人と外国資本に国民財産を横流しするための政策であることが明らかになった。

しかし、ひとたび巨大な議席数を政権与党に付与してしまうと、4年間もその呪縛(じゅばく)から解き放たれない。すべては「後の祭り」なのである。

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このことを十分に踏まえて総選挙に臨まなければならない。目先の瑣末(さまつ)なことがらに惑わされて総選挙の投票行動を決定してはならないのだ。

次期総選挙は政権交代の是非を問う選挙である。しかし、政権交代は「手段」であって「目的」ではない。政権交代によって、何をどのように変えるのかが問題だ。

政権交代の意味を私は次のように考える。

①大企業のための政治

②官僚のための政治

③外国勢力のための政治

①国民のための政治

に変えることである。

つまり、これまでの自公政権の政治は、

_72 ①大企業(業)、②官僚(官)、③外国勢力(外)、に利益をもたらす政治(政)だった。この政治体制が維持されるように御用メディア(電)が、世論操作を担当してきた。これを「政官業外電=悪徳ペンタゴン」による利権政治構造と表現している。

①大企業のための政治、を正すには、企業献金を全面禁止することが最も有効である。これまでの自民党政治は企業からの巨大な政治献金に支えられてきたから、政策は必然的に企業の側を向く。「年越し派遣村」は労働政策が企業の側だけを向き、労働者に背を向けたために発生した問題である。

②官僚のための政治、を正すには、天下りを全面禁止することが最も有効である。これまでの自民党政治は官僚に政策立案を丸投げする代わりに官僚の天下りを全面的に擁護するものだった。

③外国勢力のための政治、を正すには、まず郵政民営化を抜本的に見直さなければならない。外国勢力に利益を供与するために郵政民営化を実行してはならない。日本郵政の経営陣を刷新して、まずは、日本郵政株式の売却を凍結し、国民の利益を最大化するための方策を検討しなければならない。

①大企業と②官僚、③政治屋の利益を維持するために、巨大な消費税大増税が計画されている。安易な増税容認は、政府の無駄排除をおろそかにする原因になる。これからの4年間は消費税増税を封印し、「天下り排除」などの無駄の排除に全力を注ぐべきである。

政府予算の内容をゼロベースで見直し、国民生活を守る施策に重点的に財政資金を投入する。政策の抜本組み換えが求められている。小泉竹中政治がもたらした「弱肉強食社会」を「共生社会」に創り変えなければならない。

①企業献金の全面禁止

②天下りの全面禁止

③消費税大増税の封印

④セーフティネットの構築

⑤郵政私物化・郵政米営化の阻止

を基軸に据える新しい政権を樹立することが、次期総選挙の最大の目標になるのだ。

政権交代が実現しても、これらの課題を確実に実行するには、さまざまな障害があるだろう。政権交代を実現したその先の課題は決して小さくない。しかし、ひとたび政権交代を実現すれば、4年間の時間を確保できる。この4年間の時間を生かして、新しい強い構造を作り出せば良いのである。

このためには、何よりも次期総選挙で、本格的な政権交代を実現することが大切なのである。民主・社民・国民新党が結束して、総選挙大勝利に照準を合わせなければならない。

鳩山由紀夫民主党代表の政治資金の取り扱いに悪質な問題があるなら別だが、そうでなければこの問題を針小棒大に取り扱うことは賢明でない。政治資金問題を徹底究明するなら、二階俊博氏、与謝野馨氏、森喜朗氏、尾身幸次氏などの政治資金の不透明性を徹底解明することが優先されるべきだ。

日本政治を刷新するために、民主・社民・国民新党の共闘体制を強化し、有権者が次期総選挙で野党連合に投票を集中させることの重要性を、日本の津々浦々にまで浸透させることに全力を注ぐべきである。

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2009年7月 6日 (月)

「かんぽの宿」論議を逃げたテレ朝サンプロ

テレビ朝日「サンデープロジェクト」MCの田原総一朗氏は6月28日の放送で、「かんぽの宿」疑惑について、7月5日の放送で論議することを告知した。

本ブログでは、

6月28日
「サンプロがかんぽの宿疑惑適正検証を行なうか」

7月1日
「テレ朝サンプロでのかんぽの宿検証について」

7月4日
「菅義偉氏西川氏宮内氏牛尾氏が料亭で祝杯か?」

の記事を掲載した。

固定資産税評価額857億円、実勢時価1000億円程度と見込まれる「かんぽの宿」79施設が、極めて不透明な選考過程を経てオリックス不動産に109億円で売却されようとした事案に関する重大な疑惑が問題の中心である。

109億円の売却価格を正当化する根拠として、

①「かんぽの宿」事業収支の赤字

②雇用維持条件

③日本郵政の簿価が123億円であったこと

があげられているが、これらのすべてに重大な疑惑が存在する。

最大の論点は、不動産鑑定評価の方法である。不動産鑑定評価には、①原価法、②収益還元法、③取引事例比較法、の三つがあるが、②収益還元法を利用する場合、事業収支が赤字であることを算定の根拠に用いると、鑑定評価額が著しく低くなる。

しかし、「かんぽの宿」は容易に黒字化することが見込まれる物件であり、年間40~50億円の赤字を前提にした鑑定評価は、「かんぽの宿」を安く売るための大義名分に使われた疑いが存在するのだ。

サンデープロジェクトがこの問題から逃避したことは問題である。7月12日にも、適正な論議を行なうべきである。その場合、保坂展人氏、川内博史氏、松野頼久氏、原口一博氏、長谷川憲正氏、あるいは町田徹氏などの論客を出演させることが求められる。

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静岡で民主・社民・国民連合が価値ある勝利

Photo_2 7月5日に実施された静岡県知事選で民主、社民、国民新党が推薦した川勝平太氏が激戦を制して当選を果たした。今回の選挙では、民主党が候補者の一本化に失敗した。海野徹氏の立候補には、自民、公明が推薦した坂本由紀子氏への援護射撃の意味合いが含まれていたと考えられる。

海野徹氏陣営には元自民党議員の渡辺喜美氏が応援に入った。自公VS民主・社民・国民の対立に、第三極が割り込む図式が示された。

共産、および第三極候補の出馬は、民主・社民・国民の得票を減少させる効果を有するから、自公への援護射撃の意味を持つ。知事選は当選者が1名であるから小選挙区制度の下での選挙と共通する特徴を持つ。

渡辺喜美氏が応援した海野徹氏の立候補は、次期総選挙に向けて創設が予想される「偽装CHANGE新党」の存在と重なる部分が強い。野党勢力と似た政策を掲げる「第三極」の創設は、野党勢力の議席を減ずる効果を持つ点で、十分な警戒が求められるのだ。

保守勢力の強い静岡県で、民主党元参議院議員が立候補したことにより、自公が推薦した坂本由紀子氏に圧倒的な有利な状況が生み出された。このなかで、民主・社民・国民の野党連合推薦候補が勝利した意義は限りなく大きい。

各候補者の得票数は以下の通り。

川勝 平太(60)民主・社民・国民推薦 728,706

坂本由紀子(60)自民・公明推薦        713,654

海野 徹 (60)無所属             332,952

平野 定義(59)共産               65,669

 33万票が海野氏に流れた。川勝氏と海野氏を合わせた得票は100万票を突破し、坂本氏の70万票を大幅に上回った。

 保守王国の静岡県で、野党連合に極めて不利な図式で選挙が実施されたなかで、野党連合が推薦した候補者が勝利した意義は極めて大きい。川勝氏が勝利した大きな要因のひとつは、投票率が大幅に上昇したことである。投票率は前回選挙の44.49%から61.05%に上昇した。

 渡辺喜美氏が海野徹氏の応援に静岡入りした事実を見落とすことはできない。海野氏の立候補は、自公候補への援護射撃の意味が強かった。

 次期総選挙に向けて「偽装CHANGE新党」が創設される場合、その最大の目的が自民党への援護射撃になることを忘れてはならない。その第三極新党が野党連合と敵対しない存在となるためには、綿密な選挙協力が不可欠になる。野党連合が候補者を立てない選挙区にだけ候補者を立てるのでなければ、選挙協力は成立しない。

 しかし、ほとんどの選挙区ですでに候補者は確定しており、「第三極新党」と野党連合による選挙協力が成立する可能性はほとんど存在しない。

 1996年10月20日に実施された総選挙では、消費税増税が最大の争点になった。自民党と新進党が対立した。

 比例区での得票率は自民32%に対し、新進28%だった。しかし、議席数では自民239対新進156の大差がついた。その最大の理由は、この年の9月29日に民主党が結成されたことであった。民主党は比例区で14%の得票を確保し、52議席を確保したが、新進と民主の合計議席数は208議席で、自民党の239議席を大幅に下回った。

 新進および民衆の比例区得票率合計は42%で、自民の32%を圧倒したが、議席数では自民が圧倒的多数を確保したのである。

 これが、小選挙区制度下での総選挙の大きな特徴である。

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 民主・社民・国民に流れるはずの投票の多数が第三極新党に流れ、民主の得票が自民の得票を下回ると、野党連合に極めて不利な結果が生まれる。

 しかし、第三極政党が登場しても、民主の得票が自民の得票を上回れば、圧倒的多数の議席は野党連合に流れることになる。

 今回の静岡県知事選挙では、33万票もの票が第三極に流れたが、それにもかかわらず、野党連合が自公連合の得票を上回った。総選挙でこの図式が成り立つなら、野党連合が過半数を確保する可能性が極めて高くなる。

 保守地盤の強い静岡県で、第三極の揺さぶりがあったにもかかわらず、野党連合が勝利したことは、この意味で極めて重要なのである。

 「小泉一家」・「小泉チルドレン」・「官僚OBグループ」・「自民別働隊知事グループ」・「市場原理主義者」が「偽装CHANGE新党」を設立しても、新党に小泉チルドレンなどの多数が参加するとすれば、新党の候補者の多くは自民党候補者と競合し、票を喰い合うことになる。

 したがって、野党連合は「偽装CHANGE新党」を恐れる必要がなくなる。

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重要なことは、野党連合による本格政権交代を実現することである。「偽装CHANGE新党」に本格的な政治刷新を委ねることはできない。「偽装CHANGE新党」創設の狙いが「悪徳ペンタゴンによる利権政治の死守」にあることを、正確に知っておかねばならない。

 静岡県の有権者が賢明な判断を下した意味は極めて大きい。「悪徳ペンタゴン」は利権政治を死守するために、断末魔の叫びのように、さまざまな工作活動を展開し続けているが、政治刷新を求める国民は決して負けてはならない。

 鳩山由紀夫民主党代表の政治資金問題を「悪徳ペンタゴン」と御用メディアが針小棒大に報道しているが、二階俊博氏、与謝野馨氏、森喜朗氏、尾身幸次氏などの政治資金の不透明さの方がはるかに重大な問題である。鳩山代表には攻撃の風圧をはねのけて、総選挙での大勝利を誘導してもらいたい。

 7月12日には東京都議会選挙がある。日本政治の刷新を求める有権者は、野党連合に属する候補者に投票を集中させ、決戦の総選挙での本格政権交代実現に向けて、もう一歩、大きく駒を前進させなければならない。

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