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2009年6月16日 (火)

テレ朝偏向TVタックル「かんぽの宿」疑惑隠蔽

6月13日付記事
「テレ朝報道ステーションの救いようのない欺瞞」
に、「かんぽの宿」、「郵政民営化」、「日本郵政西川社長更迭問題」に関するマスメディアの著しい偏向を記述した。

とりわけ、朝日、産経、日経の偏向が著しい。読売系列は「かんぽの宿」問題では鳩山総務相の主張を支援する方向にスタンスを修正しているが、その背後には「政権交代」を「大連立」に誘導しようとの思惑が働いているとの指摘がある。

突出している偏向三番組が「サンデープロジェクト」、「TVタックル」、「報道ステーション」である。

6月15日の「TVタックル」も酷かった。BPOに番組の是正を申し入れる必要があると思う。

日本郵政西川社長続投問題。

番組の流れは出演者の構成で決まる。

この番組は、もともと自民党小泉一家につながる人物が主要アンカーを務めている。

北野たけし氏三宅久之氏が常に小泉一家寄りのスタンスを維持している。

6月15日放送では、ここに自民党田村耕太郎議員、竹中平蔵氏の秘書官を務めていた岸博幸氏が登場。また、元朝日新聞編集委員の萩谷順氏が出演した。岸氏はネットでも論考を発表しているが、読むに堪えないような文章しか発表していない。

自民党の田村耕太郎参院議員は政府紙幣発行論などを通じて、中川秀直氏、元財務相職員の高橋洋一氏などとも関わりの深い議員である。また、竹中平蔵氏、奥田かつ枝氏、オリックス専務取締役小島一雄氏などが関わるCMSA本支部でも講演し、竹中平蔵氏ともつながる議員である。

番組でVTR出演するのが屋山太郎氏だが、完全な小泉一家陣営の御用言論人的な発言を繰り返す。

こうしてみると、西川社長問題を論じるための番組に、もとより西川社長続投を擁護するとみられるメンバーが6人も用意されていることになる。

江田憲司氏は一見、中立公正の論議をしているように装うが、「かんぽの宿」の40億円の赤字だけを強調することに象徴されるように、小泉一家の別働隊の一員とみるべきだろう。渡部喜美氏とともに行動する「偽装CHANGE勢力」は小泉一家別働隊であると理解するべきだろう。江田氏を含めると西川社長続投派が7名になる。あいまいな発言を示した北野氏を除いても6名だ。

唯一、日本郵政の問題を追及したのが民主党の長妻昭議員だが、長妻議員は年金問題に重点を置いて国会活動を展開しており、かんぽの宿問題の詳細までは把握していないとみられる。大竹まこと氏だけが、国民目線の素朴な疑問を提示するが、大竹氏の正しい指摘を補強する専門家が出演しないと、西川社長続投派が詭弁を展開して問題をすり替えてしまう。

この出演者構成で「かんぽの宿」を論議させるのは、放送法第3条の「政治的公平」に反していると言わざるをえない。

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偏向した番組制作は以下の点にポイント置いた。

①「かんぽの宿」が「年間40億円の赤字を垂れ流している」との印象を視聴者に植え付ける。

②「かんぽの宿」売却手続きは「第三者委員会」に違法性なしとのお墨つきを得ていることを強調する。

③鳩山総務相の行動は政治的なパフォーマンスであることを強調する。

江田憲司氏は「かんぽの宿」が毎年40億円もの赤字を垂れ流し続けるなかで、売却を先送りしたことが国民に損失を与えることを強調した。「真実」を知らない視聴者は、「かんぽの宿」売却が正しい行動だったのではないかと錯覚してしまう。

「第三者委員会」がお手盛り委員会であることは、6月9日付記事
「参院総務委日本郵政西川社長更迭問題集中審議」

ならびに、6月1日付記事
「かんぽの宿が戦後最大疑獄事件に発展の可能性」
に記述した。

日本郵政株式会社の2008年3月期損益計算書における宿泊事業収支には、4億円の赤字しか計上されていない。

日本郵政が総務省に提出した17箱の段ボール資料から発見されたメルリリンチ作成の「かんぽの宿売却関連資料」には、2007年の27億円の赤字が、

2009年以降に10億円、13億円、16億円、17億円、17億円の黒地になるとの見通しが示されていたことが明らかにされている。

「毎年40億円の赤字を垂れ流す「かんぽの宿」」の事実は確認されていないし、存在もしていない。

公共の放送であるのだから、最低限以下の2点を視聴者に示すことが必要だ。

第一は、かんぽの宿79施設の固定資産性評価基準が857億円であるという事実。首都圏社宅9施設、ラフレさいたまだけで、時価評価は140億円に達する。全国79施設の売却価格が109億円などということはあり得ない。

第二は、かんぽの宿の事業収支が大幅に改善してきた事実である。しかも、2009年以降には黒字化が見込まれていたのである。「年間40億円の赤字が垂れ流される」との説明は「嘘」である。 

民営化されたのなら、経営を合理化する努力を注ぐことは当然である。利用料金も見直す必要がある。これらの経営努力によって早期に黒字化することは明らかだ。

竹中氏は「かんぽの宿」が本業でなく、コア事業でないから、売却することを決定したと説明するが、一方で、日本郵政の不動産事業を積極推進する。発言が完全に矛盾している。

ホテル事業は一般に、不動産事業の一部門に分類される。本業でない不動産事業を積極推進しておきながら、その一部門とも言える宿泊事業を、本業でないから売却を法律に盛り込んだことが、極めて不自然である。当初からオリックスに売却する予定が存在したのだとも考えられる。

仮に売却するなら、その前に黒字化することが先決だ。日本郵政株式会社法附則第2条は「かんぽの宿」売却期限を2012年9月30日と定められており、資産価格が暴落している局面に売却を拙速に強行する積極的理由は皆無である。むしろ、安く売るタイミングを選んだとも考えられる。

「TVタックル」は最重要な真実を隠蔽(いんぺい)し、一般視聴者を騙す「嘘」で固めた放送を行なっていると言わざるを得ない。

国会議員のなかに、「かんぽの宿」問題に精通した多数の議員が存在する。

民主党:川内博史氏原口一博氏、松野頼久氏、

社民党:保坂展人氏

国民新党:亀井久興氏自見庄三郎氏長谷川憲正氏

などが、問題にきわめて詳しく、ジャーナリストの町田徹氏、週刊朝日編集長の山口一臣氏など朝日関係者でも問題の詳細を知る人物は存在する。

 川内氏、原口氏、保坂氏に出演を要請しないところに、番組の歪んだスタンスが示されている。

 西川社長更迭問題を論じるのなら、論議が成り立つ出演者を確保するのが、公共の電波を取り扱う放送局の責務である。このような「ゴミ」のような放送を繰り返すから「マスゴミ」と呼ばれるのだ。

 新聞も放送も政治権力から、電波の供与、再販価格の維持など、特別の取り計らいを許認可の形で受けている。新聞、放送は重大な公共性を背負っているのであり、「偏向しない」最低限の「政治的公平」を義務付けられている。テレビ朝日番組は放送法の「政治的公平」を逸脱する程度があまりに大きい。

 「かんぽの宿」問題の詳細を知る論客を登場させ、公平なルールの下で論議させる番組をどこかの局が制作するべきだ。

 NHKは「かんぽの宿」問題を取り扱う番組を編成する方針を有していたが、政治状況を見極めている間に、政治状況が変化してしまった。

 1000億円の国民財産が、「郵政民営化」の名の下で、小泉改革関係者に109億円という破格の安値で売却されようとしていたとすれば、これは重大な経済犯罪である。2005年9月総選挙の唯一のテーマであった「郵政民営化」とは何であったのかとの重大な問題を国民に突き付けるものだ。

 個別議員のパフォーマンスであるとか、大騒ぎするような大きな問題ではないなどとする悪質な評論に惑わされてはならない。

 「テレビ朝日」は放送に対する信用を失墜させている偏向報道の現実を直視して、是正する措置を施すべきだ。

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