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2009年6月24日 (水)

国会出頭要請をもう逃げられない竹中平蔵氏

日本郵政は西川社長ら幹部の報酬の一部を3ヵ月間返上し、売却先選定に関与した担当部長を配置転換するなどの社内処分も行うことで、疑惑に幕引きを図る。佐藤総務相は西川社長続投を承認した。

巨大経済犯罪の疑惑が濃厚に存在するなかで、疑惑に幕引きを図る動きが本悪化しているが、「かんぽの宿疑惑」も総選挙の争点のひとつになる。

西川社長更迭を阻止しようとしてきた
小泉純一郎氏-中川秀直氏-竹中平蔵氏-菅義偉(すがよしひで)氏-石原伸晃氏による「郵政××化ペンタゴン」
と「郵政××化ペンタゴン」に指令で動いているかのような
田原総一朗氏-竹中平蔵氏-大谷昭宏氏-高野孟氏-財部誠一氏の「サンプロペンタゴン」
は、「かんぽの宿」疑惑に大きな問題点はなかったと主張するが、重大な疑惑はまったく晴らされていない。

「かんぽの宿」は2400億円の資金を投じ、時価1000億円以上の価値があると判断される不動産である。時価評価の最も有力な基準は固定資産税評価基準額だが、固定資産税評価基準額は857億円である。

109億円での売却が不正売却であるとの見方が客観的な評価である

日本郵政は「競争入札」で売却先を決めたと説明してきたが、売却先決定は「競争入札」によっていない。

1000億円規模の国民資産をオリックス不動産に100億円で払い下げる「不正払い下げ」が実行されたとの疑いはまったく晴れていない。

仮に、1000億円の国民資産を100億円水準でオリックス不動産に払い下げる不正が画策されていたとしたら、その実現のために何が必要であったか。

三つの環境整備が必要であったと考えられる。

①日本郵政サイドで100億円売却を正当化する財務状況を整備すること。

②購入希望を呼び掛けて応募した業者のなかから100億円とかけ離れた購入価格を提示しない業者を最低1社作り出すこと。

③一連の売却が正当であるとの第三者発言を確保すること。

 「かんぽの宿」売却はこうしたことを念頭に入れて売却先が決定された可能性がある。

 ①の問題について、6月23日付記事
「それでも日本郵政西川社長解任すべき理由」
に日本郵政の「かんぽの宿」簿価の激烈な引き下げの事実を指摘した。

日本郵政は2006年3月期から、「かんぽの宿」の簿価を激烈に引き下げている。「週刊ポスト2009年3月13日号」に掲載された「かんぽの宿79施設」の簿価の推移を以下に再掲する。日本郵政から総務相に運び込まれた「17箱の段ボール」に含まれていた資料だ。

2003年4月 1726億円
2004年3月 1620億円
2005年3月 1535億円
2006年3月  672億円

2007年3月  326億円
公社閉鎖時    129億円
2008年3月  125億円
2008年9月  123億円

 最後に326億円を129億円に書き換えたのが「承継財産評価委員会」だが、不動産鑑定評価の中心的役割を果たしたと考えられるのが、オリックス関連企業の取締役を務める奥田かつ枝氏であった。

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 ②オリックス不動産に売却するためには、他の業者に高い価格を提示されてはまずい。日本郵政が売却の告知を示した際、400億円程度の価格を打診した業者が存在した。この業者は詳しい説明もなく「競争入札」から門前払いされた。

 私は実際にこの会社の代表者と面会したが、この業者は79施設をすべて調べたうえで、最低でも400億円程度の費用が必要であると判断して、応募に臨んだとのことである。79施設の不動産としての評価金額は固定資産税評価基準額の857億円が基準となると考えられるのだ。

 日本郵政は「事業譲渡」を強調して、「かんぽの宿」の赤字を強調したと考えられる。また、転売規制、雇用維持条件について、個別に情報を提供していることが問題である。

 例えば5年間は一切転売できないこと。最低5年間は3200名の職員の雇用条件ならびに雇用維持を義務付けること。これらの条件が明示されれば、透明な価格競争入札を行なうことが可能であったはずだ。

 郵政民営化法が成立した際に付帯決議が採択され、雇用維持に配慮することが定められた。安値売却肯定派はこの決議に基づいて雇用維持条件が付されたことが、安値での売却の理由だと主張する。

 しかし、雇用維持を重要とし、施設売却に際して、最低限、この条件が守られることが不可欠という雇用維持条件があるなら、その条件を明示したうえで「価格競争入札」を実施すれば良かったのだ。

 オリックス不動産への売却契約には、3200人の従業員のなかの620人の正社員のなかの550人について、たったの1年だけ雇用条件を維持するとの条件が付されただけである。また、転売規制にも抜け穴条項が用意されていた。

 「通常のM&Aでの手法」などの言葉を、「通常のM&Aの手法」をよく知りもしない人々が使うところが痛々しい。

 27社の応募に対して22社に第一次応募が認められ、その後価格競争入札に近い第二次応募への参加が許されたのは、たったの3社だった。

 この3社のなかには、三井住友グループの住友不動産が含まれていた。この住友不動産には、「かんぽの宿」とは別に池袋物件が水面下で提供されていた。結局、住友不動産は第二次選考への参加を辞退した。

 最終的にオリックス不動産とHMI社の2社だけが第二次選考に参加したが、この応募を締め切ったあとで、日本郵政は対象物件から世田谷レクセンターを除外する通知を行ない、HMI社は応募を取りやめた。HMI社は世田谷レクセンターを最大のターゲットとして選考に参加した可能性が高い。

 最終選考を2社に絞り、HMI社が辞退するように仕組んだと言われてもやむを得ないだろう。

 選考に参加した企業は、日本郵政が提供した財務状況の悪い個別データと雇用負担、あるいは転売規制を前提に選考への積極姿勢を示さなかったのだと考えられる。

 また、そもそも、全国79ヵ所の温泉旅館施設を一括で運用しようと考える企業は多くない。全国79施設を、雇用維持を遵守して、しかも転売できないことを前提とすれば、購入希望の業者が限られることは火を見るよりも明らかだ。

 この点、オリックス不動産はこの手の温泉旅館施設の全国展開を企業戦略として有していたと見られる。この視点で、宮内義彦氏は早い段階から「かんぽの宿」施設に目を付けていたのだろう。

 こうしてみると、日本郵政による「かんぽの宿」売却はオリックス不動産のためにすべてが用意されたものである疑いが濃厚なのだ。

①「かんぽの宿」をいくつかの地域に分割して、地域ごとに売却を図る。

②高齢者福祉施設などへの転用を容認し、地方自治体への売却を優先する。

③個別物件ごとに地域振興の物件として売却する。

さまざまな売却方法が検討されるべきであった。

 1万円で売却した物件が直ちに6000万円で売却されることなど、当たり前のことだ。1万円はあくまで帳簿上の事業収支を前提に示される数値で、これが物件の不動産時価評価金額とかけ離れていることは明白なのだ。

 田原総一朗氏はオリックスの宮内義彦氏が2009年になって、「白紙に還元されてホッとしている」と述べたと言うが、これは、オリックスの経営全体が破綻の危機に直面したからだ。オリックスは温泉旅館施設の全国展開に極めて強いインセンティブを有していたのであり、時価1000億円の施設を100億円で一括入手できることを切望していたのだと考えられる。

 「かんぽの宿疑惑」を追及し続けている社会民主党保坂展人議員6月23日のブログ記事で、衆議院予算員会で郵政問題の集中審議を求め、竹中平蔵氏の参考人招致を求めることを記述された。

 株式会社形態に移行した以上、日本郵政を西川社長の好き放題にして構わないとの主張をし続けてきたのが竹中平蔵氏である。竹中氏によると竹中氏が定めた日本郵政株式会社法第9条の総務大臣の取締役等認可権は意味を持たないらしい。

 また、「かんぽの宿」が本業でない、コア事業でないから売却することを日本郵政株式会社法に盛り込ませたのが竹中平蔵氏であるにもかかわらず、その竹中氏が、日本郵政による「本業でない」不動産事業への積極進出を奨励してきたのも大きな矛盾である。

 また、竹中氏が2002年12月11日の密会で、ゴールドマン-三井住友の異例のファイナンスにどのように関わったのかなども糺(ただ)されなければならない。

 竹中平蔵氏はこれまで国会への出頭を拒否し続けてきた理由を、出頭要請が三日前で日程調整ができなかったことにあると説明しているから、今回は4日以上前に出頭要請をしてもらいたい。竹中氏は遠吠えばかり続けているが、国会議員職も任期途中で投げ出しているのだから、国会への出頭を逃げ続けることは許されない。

「かんぽの宿」の深い闇は必ず白日の下に明らかにされなければならない。

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