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2009年5月 1日 (金)

かんぽの宿不正売却で西川善文氏引責辞任へ

本年1月に鳩山法務大臣が問題を提起して表面化した「かんぽの宿」疑惑。真相が明らかになるに連れて、日本郵政が不正に、また不透明な手法で、国民資産である「かんぽの宿」をオリックス不動産に売却しようとしていたとの疑惑が濃厚になった。

総務省が実施した不動産鑑定士による資産査定も、実勢と比較して、依然として安すぎる感を否めないが、それでも、オリックスへの売却価格の2倍以上であったのだから、オリックス不動産への売却が「不正売却」であったとの疑いは一段と濃厚になった。

総務省は日本郵政に対して業務改善命令を発し、日本郵政は業務改善報告を提出する。しかし、一連の売却先決定過程に不正があったのであれば、関係者の責任が厳格に追及されなければならない。

日本郵政がオリックス不動産と交わした契約を白紙に還元させ、国会で大きな問題として取り上げながら、問題処理を尻切れトンボに終わらせるなら、鳩山総務相は「最低な人間」ということになってしまう。

検察は障害者団体向け郵便割引制度不正利用事件の捜査に熱心だが、「かんぽの宿」疑惑に対しては、捜査に着手することすらしていないようだ。検察、警察の「恣意性」、「裁量権」の問題は、民主主義の根幹にかかわる重大な意味を帯びている。いずれ、徹底的な検証が不可欠になる。

本ブログでは、1月に「かんぽの宿」疑惑が表面化して以来、この問題が「郵政民営化」=「小泉竹中政治」の縮図的意味を有することを念頭に置いて、問題を掘り下げてきた。多くの人々の真相究明への努力、保坂展人衆議院議員をはじめとする国会議員の熱心な取り組みにより、オリックス不動産への不正売却は白紙に還元された。

しかし、3月以降、鳩山総務相の問題追及姿勢が著しく後退し、尻切れトンボになりつつあるとの感を否めない。

昨年来、麻生政権の「郵政民営化見直し」発言と、小泉竹中一家の「麻生おろし」の行動は、一種の「戦闘」のような様相を示してきた。麻生内閣の支持率が10%を下回るかの情勢が生じるなかで、鳩山総務相の「かんぽの宿」問題追及は激しさを増した。「かんぽの宿」問題追及は小泉竹中一家に対する牽制(けんせい)の意味が強かったと考えられる。

このなかで飛び出したのが、2月12日の小泉元首相による「怒るというよりも、ただただ、笑っちゃうくらいあきれてる」発言だった。マスメディアの麻生おろし報道も過熱化した。

小泉発言に反応したのが中川昭一財務相だった。中川氏は「あの方も(定額給付金法案に)賛成されたんでしょう。総理までやられたお方がそういうことを言うのは理解に苦しむ」と発言した。

中川氏が、失脚の原因となったイタリア・ローマでのG7記者会見で「もうろう会見」を行なったのは、その直後の2月14日だった。中川氏が謀略の毒牙に掛けられた可能性が高いと思われる。

事態が急変したのは3月初頭である。3月1日のテレビ朝日番組「サンデープロジェクト」に出演した国民新党の亀井静香議員は、竹中平蔵氏に向かって「刑事告発する」と明言した。竹中氏は動揺を隠し切れなかった

翌3月2日の夜、小泉元首相は自民党議員10名ほどとの会食に参加し、「今後、政局の話はしないし、かかわらない」と述べたと伝えられた。

そして、3月3日。民主党代表小沢一郎氏の公設第一秘書大久保隆規氏が東京痴犬地検国策特別捜査部に政治資金規正法違反容疑で逮捕された。「虚偽記載」容疑だったが、まったく同様の事務処理をした多数の自民党議員は摘発されなかった。「法の下の平等」に反する「政治謀略」による逮捕だった。

3月3日以降、マスメディア報道は小沢代表秘書逮捕問題一色になった。マスメディアは執拗に小沢代表辞任を要求し続けて現在に至っている。

事件直後、3月24日の起訴後、3月29日の千葉県知事選後、の三つの局面が「小沢おろし」を一気呵成に成就するチャンスと捉えられたのであろう。しかし、小沢代表は状況を詳細に説明し、本質が「政治謀略」=「国策捜査」であることを訴えて、逆風をかわしてきた。

①「かんぽの宿」、②二階俊博経産相、③森田健作氏の問題の方がはるかに明白で重大であるにも拘わらず、検察はこれらの問題を放置し、マスメディアも小沢問題だけを執拗に追及してきた。

民主党内に「悪徳分子」が存在し、小沢氏辞任要求を提示するなどの小賢(こざか)しい動きが残されているが、小沢氏は不当な風圧をはねのけて総選挙に向けて邁進(まいしん)する腹を固めたと見られる。

世論は、①「かんぽの宿」、②「二階俊博経産相問題」、③「森田健作氏」にもう一度関心を向けなければならない。

「かんぽの宿」問題の核心のひとつは、西川善文日本郵政社長の出身母体である三井住友ファイナンシャルグループが、日本郵政を私物化してきたとの疑惑である。「かんぽの宿」売却先決定過程でも、三井住友銀行出身の横山邦男専務執行役が恣意的に選考を歪めたとの疑惑が浮上している。

横山氏は日本郵政の不動産総括部門であるCRE部門を統括し、とりわけ、「かんぽの宿」売却を担当する「資産ソリューション部」には、担当部長に、やはり西川社長人事で日本郵政に入社した伊藤和博執行役が配置され、「西川特命チーム」の専権で意思決定ができるようになっていたと見られる。

また、『選択』2009年4月号が伝えるように、
①郵便局会社が取り扱う第三分野保険で、アフラックのがん保険とともに住友生命の医療保険が選ばれ、
②変額個人年金保険で、住友生命、三井住友海上メットライフ生命が選ばれ、
③ゆうちょのカード事業で、三井住友ビザカードが選ばれ、
④従業員持ち株会の幹事証券業務に大和証券SNBCが選ばれる、
など、日本郵政が三井住友ファイナンシャルグループを優遇してきたとの疑惑が浮上している。

Tokyonotes 東京義塾」様が直近の記事で紹介された「データマックス」社配信ニュースの恩田勝亘氏署名記事は、障害者団体向け郵便割引制度不正利用事件が「西川派の反撃」であるとの見方を提示している。

「日本郵政グループ」企業は、全株式を日本政府が保有する「完全国有会社」である。その業務は当然のこと、資産売却、プロジェクトの業者選定などのすべてが、国民の利益に適うように運営されなければならない。

特定の企業や個人が不正に利得を得ることは、株主である国、国民に対する「背任」行為になる。この視点から、まずは、西川氏と横山氏の責任が厳格に追及されなければならない。

西川氏の日本郵政社長の任期はこの6月末までだ。小泉竹中一家に連なる西川善文社長、高木祥吉副社長、横山邦男専務執行役の退陣だけは、最低限、確保する必要がある。

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