« 2009年4月 | トップページ | 2009年6月 »

2009年5月

2009年5月31日 (日)

総選挙接近で御用メディア偏向報道が全開

5月27日に行われた鳩山由紀夫民主党代表と麻生首相とによる党首討論は、客観的に見て鳩山代表の圧勝だった。

鳩山氏が民主党を中心とする野党による政権交代実現によって目指す社会、政治の展望を示し、具体的な政策の柱を明示したのに対し、麻生首相は明確なビジョンを示さなかったばかりか、具体的な政策提案に対する見解も明示せず、ただひたすら西松事件をネタにした迫力のない民主党攻撃に終始した。

この点については、「カナダde日本語」の美爾依さんが、5月28日付記事
「党首討論:これで決まった!ボンクラ首相の「ご臨終」(YouTube動画あり)」
に詳しく解説されている。党首討論の模様を通してご覧になっていない方は、ぜひYouTube動画でぜひ確認していただきたい。

鳩山代表は、短い時間のなかで手際よく要点を盛り込んだ討論を行なった。

①北朝鮮の核実験情報の入手時期、方法についての政府情報の混乱
について、政府の対応を質すところから質問を始めた。その後、
②「友愛」社会創設の考え方を、具体的事例を用いて説明
③官僚主権国家の現状、天下りの実態を具体的数値をもって追及
④「政治とカネ」の問題につき、「企業献金全面禁止」を法案化して国会に提出する方針への協力を要請
⑤補正予算における巨大な無駄、官僚利権焼け太り政策を糾弾
⑥消費税大増税方針に対する明確な反対を表明、
⑦世襲立候補への批判に対応し、政治資金の継承と同一選挙区からの立候補を禁止するルール作りへの協力を要請
した。

 御用メディアは、鳩山代表の発言について、
①どのような社会を目指すのかビジョンが示されなかった
②具体的な政策提言に乏しい
③総選挙に向けての争点が明確に示されなかった
と論評したが、すべて「嘘(うそ)」である。

 総選挙に向けての争点も、
①企業献金全面禁止VS企業献金温存
②天下り全面禁止VS天下り温存、
③消費税大増税阻止VS消費税大増税実施
④世襲立候補制限VS世襲立候補ざる制限
⑤国民生活重視VS大企業重視
の五つの争点が明確になった。

 有権者に争点を明確に示すためには、
「献金・天下り・消費税」
と表現すれば良いと思う。

 企業献金に依存する政治が「政治と大資本の癒着」を生み出し、「国民に背を向け、大資本への利益供与に専念する政治」を生み出している。

 また、「天下り」を根絶するなど、官僚の巨大利権を放置したままでの消費税大増税が許されるはずがない。

 「天下りを温存して消費税を増税する与党」

 「天下り根絶もせずに消費税を大増税することを絶対に認めない野党」
のどちらの主張を国民が選択するか。 

 「献金・天下り・消費税」が争点になる。

 麻生首相はビジョンを示さなかっただけでなく、鳩山代表の追及に何ひとつ明確に反論できなかった。

 麻生首相はただひたすら西松事件を材料にして攻撃を試みたが、「推定無罪の原則」をも把握しないお粗末なものだった。この点についても、「カナダde日本語」の美爾依さんが、5月29日付記事に整理して下さっている。郷原信郎名城大教授が極めて重要な問題を摘示されている。

 「きっこのブログ」様が実施した投票では
鳩山代表 8718票
麻生首相 1378票
鳩山代表の圧勝である。

 党首討論後のマスメディア報道が歪(ゆが)み切っている。

 5月30日放送では、

よみうりテレビ「ウェークアッププラス」では、塩川正十郎氏が、懸命に麻生首相擁護論を展開した。

 テレビ朝日「サタデースクランブル」は、驚くことに党首討論を取り扱わなかった。北朝鮮核実験と東関親方退職を延々と報道した。

テレビ東京「週刊ニュース新書」は、党首討論を取り上げながら、内容を放送しなかった。討論後の反応のインタビューが流されたが、
鳩山邦夫総務相、細田博之幹事長、中川秀直元幹事長、
プラス 
民主党渡部恒三氏
の三名のインタビューだ。渡部氏は自民党と通じているとしか考えられない。鳩山氏圧勝の党首討論を「いい勝負」とコメントするのだから、不自然極まりない。

 

自民党サイドの声だけ4名紹介したようなものだ。TBSやフジテレビは鳩山代表を高く評価した社民党福島代表コメントと国民新党糸川氏コメントを放送しなかった。すべて「放送法第3条違反」と言ってよいだろう。

テレビ局が伝えた民主党内の感想は、すべてが渡部恒三氏に統一されていた。「出来レース」であると考えられる。

司会の田勢康弘氏は、一切内容を報道しない番組を仕切りつつ、「五分五分」だったの発言で総括してしまった。鳩山代表圧勝が正直な判断だっただろうに。

党首討論の内容を詳細に報道すれば、鳩山代表圧勝の真実がどうしても国民に伝わってしまう。各局報道は、できるだけ内容を正確に伝えないようにするものだった。

NHKは、党首討論の夜に「党首討論」をそのまま再放送すべきである。昼間勤務している人はほとんど党首討論を見ることができない。偏向メディアによって改ざんされたニュースを見ても「真実」を知ることができない。「真実」を伝えないために再放送が封殺されているのだろう。

30日夜の「ニュースキャスター」では、民主党攻撃の使命を帯びていると見られる北野たけし氏が、姑息(こそく)な小細工を演じた。

毎回、天井からモノが落ちて北野氏に当たるのだが、今回は麻生太郎氏と鳩山由紀夫氏の似顔絵が両面に描かれた張りぼて人形が落ちた。北野氏は人形をくるりと回して鳩山代表側を表に向けて、「気持ちわり」と言いながら鳩山氏の顔を殴りつけた。小細工もここまでくると見苦しい。

テレビ朝日で田原総一朗氏が仕切る番組には、民主党主流派議員がほとんど招かれない。30日未明の「朝まで生テレビ」は「自民党対民主党」と謳(うた)いながら、民主党議員が2人しか出演しない。枝野幸男氏と浅尾慶一郎氏だ。民主党主流派の考えが伝わらない。

31日「サンデープロジェクト」は前原誠司氏と野田佳彦氏だ。反小沢陣営の議員だけを出演させる。

31日のフジテレビ「新報道2001」は岡田克也氏だ。岡田氏は幹事長だから無理筋ではないが、テレビ出演させた議員から鳩山代表と異なる発言を引き出すことを狙っているのだろう。

「新報道2001」には慶応大学の権丈善一氏なる人物がゲストコメンテーターとして登場したが、問題の多いコメンテーターだった。感情的な民主党攻撃を繰り返し、見るに堪えなかった。岡田氏VS細田氏+権丈氏では公正な討論にならない。この手の不正が横行している。

権丈氏は年金制度の長期的安定性の論議を繰り返し、「100年安心」の説明が破綻しつつあるとの民主党などの批判を感情的に攻撃した。同じ話の繰り返しで意味が通じない。

長期的な年金財政試算は、①出生率推移、②名目経済成長率、③名目金利、の前提の置き方によって結果が定まる。過去10年の実績を当てはめた試算結果において、収支の破綻結果が得られれば、「100年安心」の前提は崩壊する。それだけのことだ。権丈氏が立腹し、民主党がその八つ当たりの犠牲になるいわれはない。

メディアの偏向ぶりに唖然とし、めまいがしてくるが、現実を見なければならない。

民主党はメディアへの出演者選択を執行部でコントロールするべきである。メディアが中立公正でなく、民主党攻撃を組織的に実行している現実を踏まえれば、民主党が組織的に対応する必要がある。

「悪徳ペンタゴン」総選挙後の消費税大増税を最重要視している。このことを理由に、民主党の財源論での足並みの乱れを誘発するためのさまざまな工作を仕掛けてくると思われる。しかし、正義は民主党の主張にある。利権維持のツケを一般国民に押し付けることを許してはならない。この点が民主党のメディア対応のつぼになる。

麻生首相は選挙情勢が急激に悪化したことを受けて、再び総選挙に逃げ腰の姿勢を強め始めた。野党は粛々と国会審議を進め、法案採決終了次第、解散総選挙を求めるべきだ。麻生首相が逃げ回るなら、参議院で首相問責決議を可決するべきだ。総選挙は8月上旬に実施するべきだ。

御用メディアが偏向報道を一段と強化することは目に見えている。政府や自民党は政府広報や新聞広告の手法を通じて御用メディアに巨額の資金を投入している。御用メディア買収と言っても良いだろう。資金は大資本から出る。これが「悪徳ペンタゴン」の構造だ。情報操作の弊害を抑止するために、ネットからの御用メディア監視を強化しなければならない。

人気ブログランキングへ

人気ブログランキングへ

 

知られざる真実―勾留地にて― Book 知られざる真実―勾留地にて―

著者:植草 一秀
販売元:イプシロン出版企画
Amazon.co.jpで詳細を確認する

2009年5月30日 (土)

多くの皆様のご支援に感謝申し上げます

多くの皆様から温かなご支援をいただいたお陰で「人気ブログランキング」のポイントカウントをノーマルな状態に修復していただいたようである。また、「ココログ人気ブログランキング」でも、ランキングリストへの復帰が実現した。

運営当局から詳細の説明がないので、どのような事情が存在したのかの詳細が不明だが、多くの皆様が適切運営に向けてのメッセージを発して下さったことが、早期の問題解決につながったものと理解している。深く感謝申し上げる。本ブログのケアレスミスを正当化する考えは毛頭ないが、不透明で不自然な現実に対しては、毅然とした姿勢で、適正に対応することが不可欠であると考える。

本ブログがコメントを受け付けていないところ、「植草事件の真相掲示板」様には多くのメッセージを受け付けて下さいまして、深く感謝申し上げます。誠に恐縮に存じますが、今後とも情報センターとしてコメントを掲載下されればとてもありがたく存じます。

「高原千尋の暗中模索」様「神州の泉」主宰者の高橋博彦様、「文藝評論家・山崎行太郎の『毒蛇山荘日記』」主宰者の山崎行太郎様、「カナダde日本語」の美爾依様、「ふじふじゑ日記」様Aobadai Life」様kobaちゃんの徒然なるままに」様には、貴重な分析と温かなお言葉を賜りまして深く感謝申し上げます。

また、「低気温のエクスタシーbyはなゆー」様「天真爛漫」様「時空MERCURYDUO」様「鬼が島」様「永遠の夢に向かってツクールブログ」様をはじめ、非常に多くの皆様から温かい支援のメッセージとご助言を賜りました。皆様のお名前をすべて記載できないことを大変申し訳なく感じておりますが、ご厚情に心より感謝申し上げます。

「植草事件の真相掲示板」様「神州の泉」様コメント欄「カナダde日本語」様コメント欄にも多くのお言葉をいただきました。「真相掲示板」様には、「トミ」様より、心のこもった長文のメッセージをいただきました。この場を借りて心よりお礼申し上げます。また、少し前になりますが、「カナダde日本語」様5月16日付記事掲載のコメントをお送りくださった「印象派 GoKato」様にも感謝申し上げます。

また、日頃、感銘を受けながら拝読させていただいている白川勝彦先生の「永田町徒然草」の掲示板である「平成海援隊BBS」様の「下町のクッキー」様からも「真相掲示板」様にメッセージをいただき、私は生まれて初めての掲示板への書き込みを「平成海援隊BBS」様に投稿させていただきました。

この国の政治を国民の手に確保するための政権交代実現に向けて、多くの志を共有する皆様と、手を携えて、私も微力ながら力を尽くして参る所存です。なにとぞ、今後ともよろしくお願い申し上げます。

今回の問題の実情は定かでないが、多くの皆様が大きな声を発して下さったことにより、問題の早期解決がもたらされたものと理解している。今回の問題を別としても、巨大な利権政治構造を死守しようとする「悪徳ペンタゴン」が、利権維持のために手段を選ばずに行動してくることは想像に難(かた)くない。

 

_72_2  

 

私は本年1月16日付記事
「手段を選ばぬ「悪徳ペンタゴン」次の一手」
に次のように記述した。

「突然浮上した西松建設裏金問題は、民主党攻撃の一方策として仕組まれた可能性が高い。「悪徳ペンタゴン」は「目的のためには手段を選ばぬ」ところにまで危機意識を高めている。

日本の政治を「悪徳ペンタゴン」の手から国民の手に奪還するためには、決死の覚悟が求められる。「敵を知り己を知れば百戦危うからず」である。これから表に出る政治スキャンダルには、必ず「政局的」背景があると見るべきである。スキャンダルが捏造される可能性もある。「国民の幸福を追求する政府」を樹立するには、これからの激闘に勝利しなければならない。敵は目的のために手段を選ばない。究極の覚悟が必要だ。」

その後、3月3日に小沢一郎民主党前代表の秘書が突然微罪逮捕された。この後のマスメディアによる集中豪雨のような民主党攻撃は記憶に新しい。

「郵政不正郵便事件」の捜査が進展しているが、この問題にも「政治的背景」があるのではないかとの疑念が存在する。総選挙に向けて、政権交代実現を目指す人々は、あらゆる面で監視を怠れない。

悲しい現実だが「政治権力」と「市民」は相互に「対峙(たいじ)」する位置に置かれてしまっている。「政治権力」が「権力のツール」を行使すれば、非力な「市民」は簡単に吹き飛ばされてしまう。だからこそ、「市民」は「権力の濫用(らんよう)」に対し、常に注意を払い、問題に対して結束して対応することが必要になる。

権力に対して牽制(けんせい)力を働かせ、国民に真実の情報を伝える役割を、本来は、「メディア」=「ジャーナリズム」が担うべきである。ところが、Aobadai Life」様が指摘されるように、「ジャーナリズム」がこの役割を担わなくなった。第四の権力を呼ばれる「メディア」=「ジャーナリズム」は逆に、「悪徳ペンタゴン」の一角を担い、権力の意向に沿う世論誘導に注力している。 

「神州の泉」主宰者の高橋博彦様、「カナダde日本語」の美爾依様が指摘されるように、ブログ情報、ネット情報は、こうした日本の現状において、国民に「真実の情報」を伝える極めて重要な役割を担っている。

私たちは手を携えて、ブログやメルマガによる「真実」の情報発信を、日本の情報伝達空間における、唯一残された「清冽(せいれつ)な地下水」として守り続けなければならない。

2005年9月の郵政民営化総選挙戦の時期から、自民党がネット情報、ブログ情報を重要な情報コントロールの対象に位置付けてきたことは、当事者でさえ認めている事実である。その領域に対する統制的な行動に対して、「市民」は鋭敏でなければならない。過剰反応する必要はないが、小さな問題を見過ごさない注意深さが必要である。

「決戦の総選挙」が秒読み体制に入るなかで、巨大利権を死守しようとする「悪徳ペンタゴン」がどのような手段を用いてくるか、予断を許さない。民主党が激しい攻撃を受け、政権交代実現勢力が分断される危機に直面したが、ギリギリのところで危機をしのいだ。

小沢前代表の戦術の巧みさが功を奏したと言えるが、ネットからの「真実の情報」発信の影響は決して小さなものでなかったと思う。

この意味で、今後とも、国を憂(うれ)い、日本を刷新しようとの真摯(しんし)な思いを共有する多くの同志と力を合わせて、政権交代実現に向けて、私も微力ながら力を尽くして参りたいと思う。

話は変わるが、イラク戦争への日本政府加担に対して、勇気をもってその誤りを指摘した気骨の元外交官である、尊敬する天木直人氏と対談を行なったことを、先般、報告させていただいた。

この対談を収録したDVDが制作されて、「まぐまぐ」から発売されることになった。対談(2009年5月15日収録)は、
「小泉竹中経済政策の罪~日本経済混迷の真相~」(第1巻)
「小沢事件の真相と政権交代~これからの日本に在るべき政治~」(第2巻)
の2本立てのDVDに収録された。

販売価格が、私が想定した水準より高く、皆様にご負担をおかけしてしまうことを大変申し訳なく思うが、各巻2100円の予定と聞いている。

大変恐縮だが、上記テーマについて、縦横無人に対論を展開しているので、なにとぞご高覧賜りたく謹んでお願い申し上げる。

内容については、改めてご紹介させていただく予定である。拙著『知られざる真実-勾留地にて-』第5刷も順調にご購読いただいている。Amazonサイトではありがたい新しいブックレビューも掲載していただいており、大変恐縮に思うが、DVDと合わせてご高覧賜れれば、とても嬉しく思う。

貴重な情報空間を多くの志を共有する皆様と守り抜き、「日本政治刷新」という大願を何としても成就させたいと思う。今後とも温かなご支援を賜りますよう謹んでお願い申し上げます。

 

人気ブログランキングへ

人気ブログランキングへ

 

知られざる真実―勾留地にて― Book 知られざる真実―勾留地にて―

著者:植草 一秀
販売元:イプシロン出版企画
Amazon.co.jpで詳細を確認する

お手盛り・バラマキ補正予算成立と総選挙日程

総額13.9兆円=史上最大の2009年度補正予算が5月29日成立した。民主党などの野党が過半数を握る参議院本会議は政府が提出した補正予算案を否決したが、両院の決定が異なったため、両院協議会が開催されたが結論を得ず、日本国憲法第60条の規定に従い、衆議院が可決した補正予算が成立した。

5月27日に行われた民主党代表鳩山由紀夫氏と麻生太郎首相とによる初めての党首討論で鳩山代表が厳しく追及したように、成立した補正予算は、大資本と官僚利権の「てんこ盛り」予算である。財政事情が厳しく、100年に1度とも言われる大不況により国民生活が疲弊(ひへい)する状況を尻目に、「利権互助会の内輪だけ大盤振る舞い」の補正予算が成立した。

党首討論に向けて民主党は最新「天下り天国」の実態を調べ、鳩山代表が追及した。

4500の天下り機関に25000人が天下りし、12.1兆円もの国費が投入されていることが判明した。天下り機関への巨額の国費投入はまったく是正されていない。鳩山代表は4500の天下り機関の半分が政府と随意契約を結んでいることも明らかにした。

補正予算では、本予算で6490億円しか予算が計上されない公的部門の施設整備費に2.8兆円もの国費が投入されることが明らかにされた。大盤振る舞いの補正予算で、役人が使用する公共施設を豪華に刷新しようというのだ。

マンガ・アニメの殿堂には建設費だけで117億円が用意される。思いつきで決めた支出対象に、無尽蔵の国費を使いたい放題である。

また、「エコカー」、「エコ家電」にかこつけて、役所の公用車が1万5000台=588億円、地デジ対応テレビが7万1000台=71億円、購入される。補正予算を「官僚のこづかい」と捉えているのだろう。

さらに、補正予算では58の基金に4.6兆円の国費が投入される。4.6兆円のうち、どれだけが事務経費に充当されるのかは国会審議でも明らかにされなかった。58基金への4.6兆円が「天下り」利権拡大に利用されることは間違いないだろう。

14兆円もの国費を投入するなら、はるかに優先順位の高い費目が存在する。
①失業者の生活保障、非正規労働者のセーフティネット整備、
②高齢者の介護、医療体制整備、
③子育て・教育費助成、
④障害者自立支援法改正、
⑤後期高齢者医療制度廃止、
⑥消えた年金修復事業の早期完結、
⑦生活保護強化、

などの施策が優先されなければならなかった。

本当に必要とされる対象には国費が投入されず、「大資本」と「官僚」への利益供与だけが実行された。

繰り返し指摘してきたが、「エコカー」、「エコ家電」政策は、「地球温暖化対策」でない。「エコカー」では環境負荷の大きい、高排気量乗用車購入に最大の財政支援が実行される。「地デジ薄型テレビ」も電気使用量の大きい大型テレビ購入に最大の財政支援が実施される。「地球温暖化対策」でなく、「経団連対策」なのだ。

麻生政権の政策方針の極めつけは、このような「バラマキ全開」、「お手盛り全開」の巨大補正予算を編成しておいて、その「ツケ」を2011年度以降の消費税大増税で、一般大衆に押し付けることだ。麻生首相はこれを、「政権担当能力を示す責任ある対応」と自画自賛する。

麻生首相の主張に同意する国民は、総選挙で与党に投票すれば良いだろう。しかし、大半の国民は納得できないのではないか。

昨日5月29日に発表された4月完全失業率は、2003年11月以来、5年5ヵ月ぶりに5%台に上昇した。求職者1人に対する求人数を示す有効求人倍率(季節調整値)は、0.46倍で、過去最低を記録した1999年5月、6月と同水準にまで低下した。正社員の有効求人倍率は0.27倍で過去最低を更新した。

仕事を求めてハローワークに行っても、すべての仕事を合わせても、2人に1人分しか仕事がない、正社員では4人に1人分しか仕事がない。大資本への利益供与、官僚へのお手盛りをする前に、本当に困難な状況に直面する国民が求める施策を優先するべきなのは当然のことだ。

民主党が企業献金全面禁止提案を明確に掲げ、法案を国会に提出することを明言したのは、国民の幸福を考えずに大資本の顔色ばかりをうかがう自民党の政策姿勢を打破するには、その原因を取り除く必要があると考えたことに一因があると思われる。

また、民主党は政治資金の無税での継承(相続)を認める現行制度を修正し、これを禁止するとともに、同一選挙区からの世襲立候補を禁止する制度改正を提案した。自民党の骨抜き世襲制限案に明確な対案を突きつけた。

御用メディアは事実を無視して頓珍漢(とんちんかん)な報道しか行なっていないが、5月27日の党首討論で、総選挙の争点は明確になった。この争点をめぐって総選挙が闘われることになるだろう。

①企業献金全面禁止VS企業献金温存
②天下り全面禁止VS天下り温存、
③消費税大増税阻止VS消費税大増税実施
④世襲立候補制限VS世襲立候補ざる制限
⑤国民生活重視VS大企業重視

の五つが総選挙の争点になるだろう。

 民主党鳩山代表登場で、選挙情勢は一変した。5月11日を境に風向きが転じると私は記述したが、風向きは「野党に順」に変わった。

 このなかで、麻生首相が解散・総選挙日程を定める。

 麻生首相は補正予算関連法案成立後の解散を明言しており、可能性は次の三つに絞られる。
①8月2日、9日
②8月30日、9月6日
③10月18日

のいずれかである。

 『金利為替株価特報2009年5月26日号』に詳述したのでご高覧賜りたいが、麻生政権は8月20日ごろ発表される2009年4-6月期GDP成長率統計を利用しようと考えていると思われる。2四半期続いた二桁のマイナス成長後、小幅プラス数値が予想されているからだ。しかし、このような姑息(こそく)な狙いは通用しないと思われる。

 補正予算関連法の成立が7月後半にまでずれ込む場合、投票日は8月30日ないし、9月6日に設定されるだろう。自民党が低投票率を望んでいるようなので、8月30日の投票日が有力だと考えられる。

 補正予算関連6法案のうち、税制関連法案は5月13日に衆議院を通過しており、遅くても7月12日には成立する。政府が成立を目指す残りの4法案は6月上旬に衆議院を通過する見通しである。

 天皇・皇后のカナダ・ハワイ訪問が7月3日から17日に予定されており、6月中に関連法が成立すれば、この前後に解散が実施され、8月2日、9日の投票日設定が見込まれる。ただし、9日は原爆被災日であり、古賀誠氏が反対の意向を示している。このため、このケースでは8月2日が有力になる。

 第三のケースは任期満了選挙であるが、麻生自民党総裁の任期も満了になるため、解散後に自民党総裁選が実施され、10月18日投票になる可能性も指摘されている。

 麻生首相は8月30日の選挙を狙っていると考えられるが、国会審議が長引く可能性は低く、7月上旬解散、8月2日投票が選択される可能性が高いだろう。10月選挙では明確な「追い込まれ解散」になる。

 いずれにしても、自民党に対する逆風は変わらないと思われる。自民党は6月19日第1回公判が予定されている西松建設事件を政治利用することを考えると思われるが、この種の手法に対する批判も強まりつつあり、大きな成果を上げることは難しいだろう。

 政権交代実現を目指す野党支持者は連携して、政権交代推進運動を活発化させなければならない。

人気ブログランキングへ

人気ブログランキングへ

 

知られざる真実―勾留地にて― Book 知られざる真実―勾留地にて―

著者:植草 一秀
販売元:イプシロン出版企画
Amazon.co.jpで詳細を確認する

2009年5月29日 (金)

「人気ブログランキング」ポイント急減問題(その3)

引き続き、ブログランキングのポイント急減問題について続報する。

昨日の本ブログのアクセスは
ユニークアクセス:19,059
トータルアクセス:46,650
であった。

5月11日以降のアクセスを以下に再掲する。


2009
511() 19,177 44,716


2009
512() 20,810 45,919


2009
513() 17,331 37,216


2009
514() 16,856 35,756


2009
515() 16,307 36,098


2009
516() 15,336 35,660


2009
517() 15,826 37,058


2009
518() 19,629 46,006


2009
519() 18,279 40,952


2009
520() 17,666 38,882


2009
521() 16,854 37,684


2009
522() 17,089 37,661


2009
523() 14,206 30,880


2009
524() 14,378 32,859


2009
525() 17,244 37,250


2009
526() 16,846 36,432


2009
527() 17,371 39,197


2009
528() 19,057 46,650

 昨日、5月28日も多数の読者の閲覧を賜った。心からお礼申し上げたい。

 「人気ブログランキング」からは、本日10時40分に下記のメールがあった。

  

(ID:629348)植草一秀の『知られざる真実』  管理者様
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/

『人気ブログランキング』です。
修正を確認致しました。ご対応ありがとうございます。
今後とも、当サービスを宜しくお願い致します。
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=

人気ブログランキング
http://blog.with2.net/
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=

 

 この通知では、どのようなルールが設定されており、どのような措置が取られているのかが分からない。ルールが明確でなければ、「恣意的な」運用を行なうことも可能になってしまう。その意味でルールの開示と今回の措置についての説明を求めたい。

 昨日も本ブログへのアクセスは非常に多かったが、すべての修正を終えたにもかかわらず、まだ、ランキングポイントへの反映が制限されているのだろうか。「人気ブログランキング」には、実情をお知らせ賜りたいと同時に、ぜひとも公正な運営をお願いしたい。

 ところが、驚いたことに、ニフティが運営する「ココログ人気ブログランキング」でも驚くべき事態が発生した。

 本ブログが突然、ランキングから除外された。

 昨日のアクセス数は
ユニークアクセス:19,059
トータルアクセス:46,650
と極めて多かった。最近はココログ人気ブログランキングで3位~5位あたりにランキングされていたが、突然、何の連絡もなくランキングから除外された。

 昨年10月に本ブログが閉鎖された件では、ニフティからの事前連絡が、「当該記事削除」(2008年10月28日通知内容)であったにもかかわらず、10月30日に、突然、「ブログ閲覧不能措置」(2008年10月30日)が取られた。事前通告の内容と取られた措置が異なるのは問題であったと思う。

 今回の措置について、ココログ事務局からはまったく連絡がない。

 「文藝評論家・山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記』」主宰者の山崎行太郎氏が、
「植草ブログの「人気ブログランキング」の急落について」
と題する記事を掲載下さり、次のように記述された。

「「人気ブログランキング」の上位に、つまり具体的に言えば、この所、常に「二位」を維持し、政界その他への影響力も無視できない人気ブログ「植草一秀ブログ」が、突然、ランキングが急落し始めているが、明らかにこれは、ランキング会社サイドからの何らかの操作があったと思われるわけで、その理由としては、「ランキング誘導の説明文が、長すぎる」ということのようで、会社から植草氏の下へ警告が来たらしく、それが原因で急落ということのようだが、何故、今頃になって、「ランキング誘導の説明文が長すぎる」という警告が発せられるのか、そして点数がカウントされなくなるのか、ちょっと首を傾げたくなる事態だが、実は、僕もまったく同じことを、僕が激しく「小泉・竹中構造改革批判」「安倍晋三内閣批判」を展開している頃に体験しているので、別に不思議なこととは思わない。

「小泉・竹中構造改革」の頃から、政権側が、ネットやブログを政権運営のツールとして利用していることは明らかで、あるいは監視していることは明らかであり、たとえば小泉政権、安倍政権の頃、上位にいた有名な人気ブログが、すでに役目を終えたのかどうか知らないが、いくつかブログ自体が消えている場合もあるわけで、それら消えたブログの背後には、明らかに、その後「ポリシーウォッチ」に結集する竹中平蔵グループや、「チーム世耕」と呼ばれた政権サイドのグループ等がいたはずだと僕は見ている。」

 さらに、
「この「人気ブログランキング」も、かなり恣意的に操作され、政治的に悪用されているらしいことは、おそらくこの「人気ブログランキング」に登録している人の多くが、うすうす感じていることで、僕も、登録しているにもかかわらず、この「人気ブログランキング」の数字をまったく信用していない。特に上位10位以内のブログの点数には、何らかの政治的操作が加わっているらしく、特に政権交代、解散・総選挙を目前に控えている今、政治的操作は活発に行われているはずで、怪しいものだと思っていた方がいいだろう。それでも、僕がこの「人気ブログランキング」に登録しているのは、この「人気ブログランキング」からやってくる読者が圧倒的に多く、まだまだ利用価値があると思うからである。」
と指摘されている。

 昨日紹介した、「チラシの裏」様の指摘と重なる部分が多い。私は、ブログ初心者で、「人気ブログランキング」へのリンクの貼り方も長い間、間違っていた。バナーをクリックしていただいても、得点を得られないような間違ったリンクを貼っていた。そのためポイントを得られずにいたところ、「チラシの裏」様が、「リンクの貼り方がおかしい」とご指摘くださり、修正したところ、ポイントが急増してランキング上位に移行した経緯があった。

 「チラシの裏」様の論評を私はいつも感慨をもって拝読させていただいているが、この意味でも「チラシの裏」様にはいつも深く感謝申し上げている。

 誤解があると困るので明記するが、私は私の個人的な利害に基づいてこの問題やブログランキングにこだわっているのではない。個人的には、ランキングが大きな励みになることは事実だが、重大な問題だとは思っていない。

しかし、政権交代を問う、日本の命運を分ける総選挙を目前にして、国民が間違った判断を下さぬよう、また、国を憂い、日本刷新を追求する政党や政治家、あるいは本当の意味での有識者に、間違った判断を下してもらいたくないと願っている。そのために、ネットから「真実」の情報を発信し、ひとりでも多くの方に、「真実」を探求してもらうことが極めて重要だと考えている。これが、ランキング問題等を重視する理由である。

もちろん、自分の力が微小なものであることは認知している。しかし、マスメディア情報空間が政治権力によって支配されている今日、唯一、「知られざる真実」の情報を発信できるのは、「単行本」と「ネット情報」、そしてごく一部の優良ジャーナリズムしかないのが現状である。

ネット情報はそれでも万単位の人々にリアルタイムで情報を発信できる、現状では最も有力な情報発信手段になっている。そして、より重要な点は、ネット情報を入手する人々の多くが、極めて強い政治意識を保持していることである。この万単位の人々が核になって情報を積極的に発信してゆけば、マスメディア情報に対する一定の抑止力を働かせることが可能になると考える。

明治維新の時代、日本の人口は3000万人だった。3000万人の人口の時代、3000人の志士が日本を動かした。政治意識の高い1万人は1億人の日本を動かしうる力を潜在的には有していると思う。

ブログランキング上位に位置することで、「真実」の情報を一人でも多くの方に伝えることができる。そのことを私は重視している。

「人気ブログランキング」と関係のない「ココログ」「ニフティ」「富士通」が、ランキングから本ブログを除外したことは、重大な事象であると認識する。

幸い、本ブログへのアクセス数はまったく減少しておらず、むしろ、やや増加しているので、私としては、いかなる妨害や弾圧があろうとも、草の根からの情報発信を継続してまいりたいと思う。

「特権官僚」、「大資本」、「外国資本」と「政治屋」が癒着し、「御用メディア」を総動員して世論を誘導することによって、「政官業外電=悪徳ペンタゴン」が巨大利権政治構造を死守しようとするなかで、日本政治を「国民の幸福を実現する政治」に刷新する、史上最大のチャンスが近づいている。それが、次期総選挙である。

この総選挙を通じて本格的な政権交代を実現し、日本政治を「利権政治」から「民主政治」=「国民主権政治」に刷新しなければならない。この志を共有する多くのブロガーの皆様と連携して、私も微力ながら力を尽くしたいと思う。何らかの連携運動を展開できたらとも思う。

こうしたブログを支援してくださる多くの読者の皆様がすべての力の源泉になる。引き続き温かい、そして熱いご支援を賜りますよう心からお願い申し上げる。

末尾になってしまいましたが、「植草事件の真相掲示板」管理人のgigi様には、大変ご負担をおかけしてしまい、恐縮に存じます。gigi様ならびに有益な情報を提供下さっている投稿者の皆様に深く感謝申し上げます。

人気ブログランキングへ

人気ブログランキングへ

知られざる真実―勾留地にて― Book 知られざる真実―勾留地にて―

著者:植草 一秀
販売元:イプシロン出版企画
Amazon.co.jpで詳細を確認する

2009年5月28日 (木)

「人気ブログランキング」ポイント急減問題(その2)

本ブログのアクセスポイントが減点措置を取られている問題について、「人気ブログランキング」に、以下の問い合わせをしているが、現時点で回答がない。

2通のメールを送信した。

1通目は本日午前5時27分で、文面は以下の通り。

 

人気ブログランキング 御中

「植草一秀の『知られざる真実』」

ご指摘のありました、20字以上のリンク部分をすべて修正いたしました。

システム概要に、違反があった場合、「減点の処置をとらせていただくことがある」との記載がありますが、今回の処置について、その内容をお教えくださいますようお願いいたします。

当方の不注意ではありますが、字数制限の存在にまったく気がついておりませんでした。

不正な投票は存在しなかったものと理解しております。

今後ともよろしくお願いいたします。

「植草一秀の『知られざる真実』」管理人

 

 2通目は本日午後3時25分に送信した。

 

人気ブログランキング御中

本日午前5時27分に下記内容のメールを送信しております。

送信エラーが発生した恐れもありますので、再送させていただきます。

なお、確認のため、受信確認のメールを送信くださいますようお願いいたします。

「植草一秀の『知られざる真実』」管理人

 このあとに、午前5時27分送信のメールコピーを添付した。

 

 しかし、現段階ではまだ連絡がない。

 細かな規則を当方が見落としたケアレスミスがあるから、明確なルールに基づいたペナルティーがあるなら、その規則に従う考えである。

 しかし、「人気ブログランキング」サイトを見ても、細かなルールが記載されていない。ケアレスミスはあったが、まったく悪質な意図は存在しない。今回の件について、どのようなルールに基づいてどのような措置が取られたのかを確認しようとしているが、現時点で連絡がないので、まだ確認できない。他方、ポイント減点処置は続いているようである。

 ココログアクセス解析では、午後2時までのアクセスしか表示されていないが、午後2時段階でトータルアクセスが24000を超え、24時間集計では5月27日の39,197アクセスを大幅に上回り、45,000アクセスを超すペースで推移している。

 ところが、人気ブログランキングのポイントはほとんど増加せず、午後8時30分現在、週刊INが59,650ポイントにとどまっている。同水準のアクセス数で推移した時期に比べて、2分の1程度のポイント数に留まっている。

 強い減点措置が取られていることは間違いないと思われるが、「人気ブログランキング」から連絡がないため、実情を把握できない。

 ブログランキングは公正さが確保されなければ信頼して利用することができない。ブログランキング第2位でアクセス数が急増する局面で、第1位のアクセス数が連動するように急増する局面が多かった。偶然という可能性があるから、何か特別な要因が存在するなどと主張する気はないが、非常に不思議に感じていた。したがって、第1位に浮上することは困難であると考えていた。

 今回の問題について、「高原千尋の暗中模索」様記事を掲載下さった。本ブログにはコメント欄を設置していないので、「神州の泉」様に情報を伝達下さり、「神州の泉」様が記事を掲載下さった。その後、高原千尋様も記事をご自身のブログに掲載されたとのことだ。

 本ブログ記事「「人気ブログランキング」でのポイント急減について」に、事実をありのままに記述した。現段階では何らかの「恣意」が働いているのかどうかは分からない。したがって、「恣意」が介在したとの記述を示していない。仮に、何らかの「恣意」が働いているのだとすれば重大な問題である。この問題意識を「神州の泉」主宰者の高橋博彦氏や高原千尋様と共有する。

 高原千尋様は現実に観察された事実を記述されるとともに、
「ことがことだけに、私の理解不足や誤解があることも考えられる。慎重な対応が必要だろうと考える。」
と慎重な記述をされている。しかし、同時に、
「しかし一方で、ことがことであれば重大である。私以外の方で、同じような事実を体験されている方があれば、何らかの手段で、植草氏にメッセージを届けていただきたいと思う。複数の情報が集まれば、「真実」に近づく可能性が高くなる。」
と付け加えられている。

 私が上記記事末尾に、「総選挙が近づき、ブログも情報管理・情報操作の対象になっているのだと思われるが、」と記述したのは、2005年9月の総選挙に向けて、自民党がブログ情報を重要視して、対応策を実際に行使した事実を踏まえている。この情報対策については、当事者が著書を著してもいる。

 私は現段階で、何らかの「恣意」が介在するのかについて、判断を控えているが、近年の政治情勢からすれば、政権交代実現を主張する本ブログが、既得権益を維持しようとする勢力の観察の対象になっていることは間違いないと考えられる。

 次期総選挙は日本の命運を分ける極めて重要な選挙になる。4月3日付記事
「3月アクセス解析と本ブログ執筆の目的」に、
「本ブログ執筆の最大の目的は、日本の政治をすべての国民の幸福実現を目指す方向に転換させることに、微力ながら力を注ぐことにある。」
と記述した。

 さらに、
「小沢代表の秘書逮捕は、日本の現実が恐ろしい秘密警察国家に転換している現実に国民が気付くきっかけを与えた点では、極めて意義深い部分を有していると思う。「国策捜査」の言葉が市民権を得つつあることが、真実の情報を発信するうえで、極めて大きな支えになっている点を見落とせない。」
とも記述した。

 既得権益による利権構造を死守しようとする勢力=「悪徳ペンタゴン」が徹底した「情報操作」を実行して、本格政権交代実現阻止に動いていることは間違いないと思う。その意味で、ブログ情報空間においても、私たちは警戒を怠れないのである。それでもこうした警戒感を絵空事と考える人は存在するだろう。それはそれで構わない。思想・信条の自由は憲法で保障されている。

 しかし、日本刷新を求める憂国の人々は、こうした現実から目をそらしていないと思う。こうした問題意識もあり、この問題の実情を正確に把握しておきたいと思う。そこで、「人気ブログランキング」に質問を送付しているのだが、現時点では、何か問題があったのか、なかったのかが、まったく白紙の状況である。予断を持っていない。誤解が生じないようこの点を明確にしておきたい。

「チラシの裏」様は、かねてより「人気ブログランキング」の問題点指摘されてきた。私は、他のランキングで活躍されておられる優良なブロガーが多数存在するので、とりあえず、この「人気ブログランキング」へのエントリーを続ける考えでいたが、この問題に明確な回答を得られない場合には、エントリーするランキングを変更しようと思う。

高原千尋様が複数の情報が集まれば有益であるとご示唆下さったので、私が管理するサイトでなく誠に恐縮であるが、「植草事件の真相」様サイト掲示板にご意見をお寄せいただければ誠にありがたく思う。「植草事件の真相」様には誠にかたじけなく存じる。

また、「神州の泉」様には、貴重な情報を提供下さり、感謝申し上げるとともに、「神州の泉」様サイトにコメントを下さった「オホーツクの詩季」様、ならびにJAXVN様にも感謝申し上げたい。

実際のアクセス数を知っていただくために、本ブログの5月11日以降のユニークアクセス、ならびにトータルアクセスの推移を以下に再掲するので参照賜りたい。

アクセス推移

2009年5月11日~5月27日

年月日    UA  TA

2009511() 19,177 44,716 

2009512() 20,810 45,919

2009513() 17,331 37,216

2009514() 16,856 35,756

2009515() 16,307 36,098

2009516() 15,356 34,660

2009517() 15,826 37,058

2009518() 19,629 46,006

2009519() 18,279 40,952

2009520() 17,666 38,882

2009521() 16,854 37,684

2009522() 17,080 37,661

2009523() 14,206 30,880

2009524() 14,378 32,859

2009525() 17,244 37,250

2009526() 16,846 36,432

2009527() 17,371 39,197 

人気ブログランキングへ

人気ブログランキングへ

知られざる真実―勾留地にて― Book 知られざる真実―勾留地にて―

著者:植草 一秀
販売元:イプシロン出版企画
Amazon.co.jpで詳細を確認する

「人気ブログランキング」でのポイント急減について

本ブログへのアクセス数と「人気ブログランキング」におけるポイント数との乖離の原因が判明した。

 「人気ブログランキング」より、本ブログにおける「人気ブログランキング」へのリンク表示の「字数」が規定を超えているとの通知があった。

 本ブログのケアレスミスであり、この点は深く反省したいが、リンク表記に20字の字数制限が存在することにまったく気付いていなかった。

 他のブログなどを参考にして、
「植草一秀の『知られざる真実』」を応援下さる方はクリックよろしくおねがいいたします」の表記を採用していたが、これが、文字数オーバーということだった。

 急遽、5時間ほどの時間をかけて突貫工事で対処し、字数オーバーのリンクをすべて修正した。これで、ペナルティーは解除になると思われる。

 ブログランキングのポイント数が急減してきたために、調査した結果、事実が判明したのだ。

「人気ブログランキング」の「システム概要」には「減点の処置をとることがある」との表記があるが、激しい減点を課されているのだと思われる。

 本ブログをご高覧下さって、応援のクリックを賜っている皆様には、皆様の投票がランキングのポイントに加算されない大変申し訳ない事態を招き、深くお詫び申し上げたい。

 ただし、ランキング上のポイントが急減していても、アクセスが減少している訳ではないので、引き続き、ご高覧と応援のクリックを心からお願い申し上げたい。

ご参考までに、本ブログの5月11日以降のユニークアクセス、ならびにトータルアクセスの推移を以下に示す。

アクセス推移

2009年5月11日~5月27日

年月日    UA  TA

2009511() 19,177 44,716 

2009512() 20,810 45,919

2009513() 17,331 37,216

2009514() 16,856 35,756

2009515() 16,307 36,098

2009516() 15,356 34,660

2009517() 15,826 37,058

2009518() 19,629 46,006

2009519() 18,279 40,952

2009520() 17,666 38,882

2009521() 16,854 37,684

2009522() 17,080 37,661

2009523() 14,206 30,880

2009524() 14,378 32,859

2009525() 17,244 37,250

2009526() 16,846 36,432

2009527() 17,371 39,197 

 小沢民主党前代表の辞意表明以来、非常に多くの皆様のご高覧を賜っており、直近でもアクセス数はほとんど減少していない。

 ココログ人気ブログランキングでも、「きっこのブログ」様すぐ下の第4位のランキングを頂戴したままである。

一刻も早くペナルティーから解放されることを願っている。

 「人気ブログランキング」様には、ペナルティーがどのように課せられるのかの実態について、質問を送信したので、返信が届き次第、読者の皆様にご報告申し上げたい。

 ポイント数が激減する前には、本ブログから「人気ブログランキング」への情報更新データが届かない状況が数日間続いた。

総選挙が近づき、ブログも情報管理・情報操作の対象になっているのだと思われるが、日本刷新を実現するために、微力ながら、今後も力を尽くして参りたい。

 なにとぞ、切に切に、皆様の温かいご支援を賜りますよう心よりお願い申し上げます。

人気ブログランキングへ

人気ブログランキングへ

知られざる真実―勾留地にて― Book 知られざる真実―勾留地にて―

著者:植草 一秀
販売元:イプシロン出版企画
Amazon.co.jpで詳細を確認する

御用メディア全体を覆う党首討論偏向報道

 昨日5月27日に実施された、民主党鳩山由紀夫代表と自民党麻生首相とによる初めての党首討論について、マスメディアがそれぞれに報道したが、昨日付け本ブログ記事
「党首討論鳩山代表西松発言核心をカットしたNHK」
に記述した問題が、広範に広がっていたことが判明した。

 麻生首相が最も強調した問題点は、西松事件についての小沢前代表の「説明責任」だった。麻生首相は小沢前代表ならびに民主党の説明が不十分であることを問題とした。

 これに対し、鳩山由紀夫代表は、「民主党が設置した有識者会議がすでに小沢代表から2時間程度のヒアリングを実施して、近く報告書が出るので、その報告書をよく読んでいただきたい」と明言した。

 マスメディアはこれまで念仏のように「説明責任」と叫び続けてきた。麻生首相もそうだ。その疑問を党首討論で麻生首相が執拗に問いただした。

 この質問に対して、民主党が真摯に取り組み、「説明責任」を果たすために取った行動を説明した民主党鳩山代表が、マスメディアが騒ぎ続けてきた質問に対する「回答」を示したのに、テレビ各社は私が確認した範囲では、1社も鳩山代表のこの発言を放送しなかった。

 メディア各社は世論調査にいそしんで、「国民は説明を求めている」と言い続けてきたのではないのか。その「質問」に真正面から答えているのに、一切報道しないのは一体どういうことなのか。

 御用メディアが、「民主党攻撃」を目的に行動していることを明白に示す証左(しょうさ)である。民主党はこのような「偏向メディア」の存在を前提に、次期総選挙で勝利しなければならないのだから、勝利のハードルは極めて高い。

 アウェイのゲームで、かつ、「中東の笛」以上の偏向レフェリーの審判で試合をするのだから、サッカーで言えば10対0以上の大差で勝利しないとならないことになる。

 TBSフジテレビ「各党の反応」の放送から、社会民主党と国民新党を除外した。国会勢力から社会民主党と国民新党を排除するのは、テレビ朝日「サンデープロジェクト」方式だが、メディアの権力迎合汚染が深刻に広がっていることを端的に示している。

 党首討論に関連して、もう一点、明確にしておくべきことがある。

 麻生首相は鳩山氏が民主党代表に就任し、小沢前代表が代表代行に就任したことについて、「これが責任の取り方なのか」と批判した。

5月11日付記事
「逆風を順風に転じさせる小沢民主党代表の英断」
にすでに記述したが、麻生首相は小沢前代表の辞意表明記者会見の内容を自分の目で確認したのだろうか。確認したうえで、今日のような質問をするのなら、麻生首相は日本語を理解する能力を持っていないとしか考えられない。

5月11日の記者会見で、小沢前代表は、代表辞任が「引責辞任」でないことを明言している。政治資金の処理に関しても「一点のやましいところもない」ことを明言している。

3月3日の秘書逮捕そのものを、「政治謀略」、「不正な検察権力行使」であるとの認識を示しているのだ。そのなかで、マスメディアが政治権力の手先と化して、不正で不当な民主党攻撃を続け、民主党に非はないが、次期総選挙に対する激しい妨害が展開される恐れが高まったため、小沢代表が筋を曲げて代表を辞任することで、政権交代実現に向けての障害を取り除く判断をしたのである。

小沢前代表はこのことを、非常に分かりやすく記者会見で説明した。仮に記者会見の録画を見ていなくても、発言内容を確認すれば、この内容を知ることは可能である。

小沢氏の主張、見解に対してどのような意見、感想を持とうとも、それは自由である。麻生首相が、小沢氏の考え方を正しくないと思うなら、その考えを述べることは妨げられない。

しかし、代表をやめたのに代表代行に就任したのが理解できないとか、鳩山氏が「殉ずるときには共に殉ずると言っていたのに代表に就任するのはおかしい」と批判するのは、批判内容が間違っている。

小沢氏は「引責辞任」したのでないから、堂々と党の要職に就任したのだ。鳩山氏が代表に就任する正統性を備えているのも、小沢代表の辞任が「引責」ではなく、「戦術的」なものだったからである。小沢氏が「引責辞任」したのであれば、鳩山氏が後継代表に就任する可能性はゼロだったと断言できる。

私が後継代表に就任するのは鳩山氏が最適であると主張したのも、小沢氏の辞任が「引責でない」ことが明確だったからである。

麻生首相が批判するなら、「小沢氏は引責辞任でないことを明言して辞任したが、責任を感じないのはおかしいのではないか」と主張するべきだ。

これに対し、鳩山氏も、小沢氏も、「政治資金の処理は適正に行っており、引責の事由は存在しない」ことを明言して反論するだろう。

麻生首相は「逮捕されたんだから悪いことがあったのではないか」との趣旨の発言を繰り返したが、この発言に麻生首相の前近代的な理解が示されている。

フランス人権宣言第9条(無罪の推定)に以下の条文がある。
「何人も、有罪と宣告されるまでは無罪と推定される。」

さらに、裁判所の「有罪」にも多くの間違いが存在することが随所で明らかになっている。

鳩山代表は、検察権力の不正行使の疑いに対して、民主党として、毅然とした態度で対峙することを鮮明に示した。この事実ひとつをもって、民主党が代表選で最善の選択を示したことが証明されている。

国民は、小沢代表が「引責辞任」ではなく、マスメディアの集中攻撃が政権交代実現の妨げになるから、筋を曲げて代表を辞任し、その後に前幹事長であった鳩山氏が代表に就任し、小沢氏が筆頭代表代行に就任して総選挙の責任者を務めるとの布陣を確認したうえで、世論調査に回答した。

その世論調査では、

次期首相には麻生氏よりも鳩山由紀夫氏がふさわしく、
総選挙比例区ではより多くの人が自民党でなく民主党に投票し、
自民党よりも民主党を支持する、

との見解が示されたのだ。

鳩山代表が麻生首相に指摘したように、麻生首相が「国民世論の声」を強調するなら、民主党代表選後の世論調査結果さいたま市長選結果などに示された国民の声にも耳を傾けなければ、辻褄が合わないのではないか。

岩見隆夫氏もまったく麻生首相とおなじ誤りを犯している。小沢代表の発言を、まずは言葉通りに受け止めるのが基本だろう。そのうえで論評すればよいのに、自分の頭の中だけで、勝手にストーリーを決めて、小沢氏の行動がそのストーリーから外れるからといって小沢氏を非難するのだ。さすがに、麻生首相に会食に呼ばれて食事をする関係だけのことはある。

どのような論評を示そうと、それは自由だが、民主党の小沢前代表が「引責辞任」したのでないことは、紛れもない事実で、このことは数千万人が注視する記者会見で明言したことなのである。その事実を踏まえない議論は、議論として失格である。

西松事件を通常の事件と見なす見地と、これを卑劣な政治謀略と見なす見地との間に大いなる隔たりが存在することを忘れてはならない。そして、この二つの見地のいずれか一方を無条件に正しいとする論拠は存在しない。与党の見地と野党の見地は対等に扱われねばならない。

人気ブログランキングへ

人気ブログランキングへ

知られざる真実―勾留地にて― Book 知られざる真実―勾留地にて―

著者:植草 一秀
販売元:イプシロン出版企画
Amazon.co.jpで詳細を確認する

2009年5月27日 (水)

党首討論鳩山代表西松発言核心をカットしたNHK

民主党代表鳩山由紀夫氏と麻生太郎首相とによる初めての党首討論NHKが7時の定時ニュースで伝えた。

当然のことながら討論場面は編集されて放映されるが、看過できない重大な問題が存在するので指摘する。

麻生首相は西松事件での小沢前代表の説明責任ひとつに標的を定めて、繰り返しこの問題をネタに迫力のない攻撃を続けた。

これに対し、鳩山代表が決定的に重要な発言を示した。

その内容は、西松事件を検証する民主党の第三者委員会が、小沢前代表から2時間に及ぶ意見聴取を終え、近く詳細を公表することを明らかにしたNHKが事実を報道するなら、鳩山氏のこの発言を隠ぺいすることは許されない

ニュース報道では、麻生首相の「国民が一番求めているのは、西松問題での小沢前代表の説明責任だ」発言を放送したが、その指摘に対する鳩山代表発言の核心部分をカットするのでは話にならない。

民主党が、国民が納得するための説明責任を果たそうとしているのに、その事実を伝えないのは、意図的であると言わざるを得ない。

また、各党の反応で自民党細田幹事長のコメントを放送したのに対し、民主党からは渡部恒三氏のコメントを流した。

渡部氏は本ブログでこれまで指摘してきたように、自民党と通じている可能性のある、信頼できない人物である。「鳩山6:麻生4の五分五分の勝負」のコメントそのものが意味不明だが、鳩山氏圧勝の党首討論を「互角の勝負」とコメントするところに、渡部氏の不透明な姿勢が示されている。

自民党がコメントで下品に自画自賛し、民主党を「口撃」することは明白で、渡部氏の行動は反党的であるとしか言えない。

各局が渡部氏コメントを流したのは、単なる偶然ではないと考えられる。自民党では、細田博之幹事長、菅義偉氏、鳩山邦夫総務相などが、見え見えの民主党攻撃の発言を行ない、テレビ各局がそのコメントを流している。

自民党議員による「麻生氏は西松問題に比重を置き過ぎた」のコメントを紹介した局があるが、映像はなかった。

話は変わるが、本ブログからブログランキングへの情報更新が暫く妨げられていた。原因不明だが、不具合が生じていた。また、ブログへのアクセス数とランキングでのポイント数に大きなかい離が生じているように思われる。

osuzuのひとりごと」様「ブログを操作されていた」との記事を掲載されており、大変気になるところだ。

それはさておき、国民が最も注目する「党首討論」の最大の核心部分を、NHK定時ニュースが意図的に「カット」し、「情報操作」を行なっているとすれば、由々しき事態である。NHKは鳩山邦夫総務相の実質管理下に置かれており、成果が期待できるか疑わしいが、民主党はNHKに申し入れを行なう必要があると思われる。

人気ブログランキングへ

人気ブログランキングへ

知られざる真実―勾留地にて― Book 知られざる真実―勾留地にて―

著者:植草 一秀
販売元:イプシロン出版企画
Amazon.co.jpで詳細を確認する

ビジョン明示の鳩山発言が共感を呼ぶ党首討論

5月27日午後3時から3時50分にかけて、民主党代表鳩山由紀夫氏と麻生太郎首相とによる初めての党首討論が行われた。鳩山氏が民主党を中心とする野党による政権交代実現によって目指す社会、政治の展望を示し、首相の見解を質したのに対し、麻生首相は明確なビジョンを示さず、西松事件をネタにした迫力のない民主党攻撃に終始した印象が強い。

党首討論の結果、次期首相に鳩山氏を望む国民の声がさらに拡大すると予想される。

鳩山代表は政権交代を実現して目指す社会の方向、政治の方針について、五つの視点を提示した。内容は本ブログ5月25日付記事
「政権交代への胎動が響くさいたま市長選」
に記述した「政権交代が必要である五つの理由」に、ほぼ重なるものである。鳩山氏が指摘した五つの視点は以下の通りだ。

第一は、企業団体献金を3年以内に全面禁止し、「政治とカネ」の問題に対する国民の声に全面的に応えること。また、政党支部を通じる迂回献金については直ちに全面禁止に移行することも明言した。

第二は、「官僚天下り天国」を終焉させることである。麻生首相は3年以内に「天下り」、「渡り」を禁止するかのような発言を示したが、これは国民を欺(あざむ)く発言である。

麻生首相の言う「天下り、渡りの禁止」は当該機関が「天下り」と定義するものを規制するだけで、天下り機関が自発的に動いて行なう官僚OBを迎え入れる人事を含まない。結果的には、現存する天下りがそのまま全面的に容認されるもので、「天下り」、「渡り」の禁止ではなく、「容認」、「温存」である。鳩山代表はこの点を指摘すべきだったが、時間の制約が強く、指摘できなかった。

鳩山代表は「天下り」と補正予算での「官僚利権拡大」の実態を、数値をあげて説得力をもって説明した。

鳩山代表は民主党が調べて明らかにした「天下り」の実態として、4500の天下り機関に25000人が天下りし、12.1兆円もの国費が投入されていることを指摘した。4500の天下り機関の半分が政府と随意契約を結んでいるとのことだ。

本予算で6490億円しか予算が計上されない公的部門の施設整備費に補正予算で2.8兆円もの国費が投入されること、役所の公用車購入1万5000台=588億円、地デジ対応テレビ7万1000台=71億円が補正予算に計上されたことが厳しく指摘された。

補正予算では58の基金に4.6兆円の国費が投入され、これも官僚利権拡大の「バラマキ」政策と批判されているが、質問のなかったこの点について麻生首相が弁解じみた説明をした一方で、鳩山代表が質問した点については答弁がなかった。巨額の国費投入について「バラマキ」との自覚があるのだろう。

第三に、このような「バラマキ」予算を組みながら2年後に消費税大増税をすることなど許されないことを鳩山代表が指摘した。この点についても麻生首相の説明はなかった。

第四に、鳩山代表は、世襲批判に対応して、三親等以内の親族が同一選挙区から世襲立候補することを禁じる提案を示したが、麻生首相は、各党が定めることだとして同意しなかった。

自民党は世襲候補者に公認を与えないことで、この問題を乗り切ろうとしているが、選挙後に追加公認する可能性が高い。小泉元首相の次男の世襲立候補が批判されているが、自民党は抜本的な規制を実行する考えを持たないのだと思われる。

第五に、鳩山代表は「友愛」の思想を政治の世界で実現する具体的な考え方を示した。三鷹(みたか)第四小学校の事例を示し、生徒、学校、ボランティアの指導者、がタイアップして学校運営に取り組み、成果を上げていることを説明した。

市場原理主義でもなく、借金漬けの官僚丸投げの政策でもなく、第三の道を模索する重要性を指摘した。

日本の社会から「温(ぬく)もり」が消え、人と人との「絆」が消えたことを憂慮(ゆうりょ)し、この「絆」を回復し、すべての人に居場所が与えられる社会を創出することの重要性についての鳩山氏の主張には、恐らく多くの国民が共感を覚えると考えられる。

麻生首相は、鳩山代表が提示した五つの提言に対して、言及しなかった消費税以外の四点について、基本的に後ろ向きの考え方を示した。「絆」の回復に関して反対の意見表明はなかったが、具体的提案は示されなかった。

企業献金については、企業も社会の一員であることを根拠に、正当化する主張を示した。麻生首相は企業献金を合法とした最高裁判決を企業献金を肯定する論拠とするが、「政治とカネ」の問題が長期にわたって解消しない背景に、企業献金を容認している現行制度があることを踏まえる必要がある。

こうした現実を踏まえて民主党は「企業団体献金の全面禁止」に踏み込み、その法制化を提案しているのである。

麻生首相は小沢氏の秘書が逮捕されたことだけを頼りに、民主党攻撃の同じ話を繰り返したが、鳩山代表が指摘したように、逮捕=有罪ではない。

鳩山氏は、むしろ同じ行動が存在しながら、自民党議員に対して捜査がまったく波及せず、小沢氏秘書だけが逮捕されたことが問題であると指摘した。正鵠を射た指摘である。不正な政治謀略に対して毅然とした姿勢を示した鳩山氏の行動が高く評価される

小沢氏の問題についての説明責任については、第三者委員会がすでに小沢氏に対する意見聴取を終えて、近く詳細を報告することが明示された。当事者である小沢氏秘書は昨日26日に保釈され、「政治資金規正法に則って適正に処理してきた」との見解を公表している。3月25日午前零時のNHK定時ニュースでの「大久保氏が容疑事実を大筋認める供述を始めた」との大誤報の真相が明らかにされなければならない。

そもそもこの問題には、当初から「国策捜査」、あるいは「政治謀略」の批判が付随している。疑惑当事者の麻生首相が「国策捜査批判はおかしい」と訴えても、まったく説得力を持たない。

この問題について麻生首相は、「逮捕されたから違反があったのだろう」との趣旨の発言を繰り返したが、攻撃とはいえ、いかにも迫力を欠いていた。

国民の多くが今回の検察捜査に強い不信感を抱いている。麻生首相は世論調査での「小沢氏の説明責任が足りない」との声を頼りにしているようだが、自身に対する「高不支持率」、次期首相にふさわしい人物で鳩山代表の後塵(こうじん)を拝していること、次期総選挙での投票先で民主党が自民党を大幅に上回っていること、などについてどのように考えているのか。見解を示すべきだった。

総選挙が目前に迫る。鳩山代表が、
①企業団体献金の全面禁止
②「天下り」、「渡り」の全面禁止
③消費税大増税阻止
④世襲立候補制限
⑤「絆」を取り戻す政治

五つの方針を明示したのに対し、

麻生首相率いる自公政権
①企業団体献金温存、
②「天下り」、「渡り」温存、
③2011年度以降の消費税大増税
④抜け穴付き世襲立候補制限
⑤「市場原理主義」容認
が基本方針であると、理解されて構わないのか。次回党首討論では、明確な方針提示が強く求められる。

御用メディアが党首討論をどのように伝えるのかが注目されるが、党首討論を直接視聴した国民は政権交代の必要性をさらに強く実感したと思う。鳩山代表の発言が強い共感を呼ぶ意義ある党首討論であった。

人気ブログランキングへ

人気ブログランキングへ

知られざる真実―勾留地にて― Book 知られざる真実―勾留地にて―

著者:植草 一秀
販売元:イプシロン出版企画
Amazon.co.jpで詳細を確認する

大久保隆規氏保釈実現と西松事件の本質

すでに「カナダde日本語」様「晴天とら日和」様などが詳しく伝えて下さっているが、3月3日に政治資金規正法違反容疑で逮捕された小沢一郎前民主党代表公設第一秘書の大久保隆規氏が昨日5月26日に保釈された。大久保氏は3ヵ月近くの長期間勾留からようやく解放された。

東京地裁の保釈許可決定に対して東京地検は準抗告して抵抗を示した。東京地裁が地検の準抗告を却下したことにより保釈決定が確定し、大久保氏は無事保釈された。

大久保氏は本当に巨大な理不尽、不条理によく耐えられたと思う。テレビカメラ映像は人権への配慮を欠いているが、それでも、お元気そうな様子を知ることができ、多くの支援者の皆様とともに保釈実現を喜びたいと思う。

日本の警察・検察行政の真実を実体験として知る方がまた一人増えたと思うが、このことにより数百万人、あるいは数千万人の方が、重要な「知られざる真実」に目を向ける機会を得たと思う。大久保氏の受難を日本刷新のひとつの原動力にしてゆかねばならないと思う。

身体の自由は基本的自由の最も根源的なものである。検察は「逃亡の恐れ」や「罪証隠滅(ざいしょういんめつ)の恐れ」を理由に、長期勾留を求めるが、一方で、法律の条文に照らして明らかに罪を犯しており、さらに本人も罪を認めている事案であるのに、逮捕しない、起訴しない、などの事例が散見される。

つまり、日本は厳密な意味での法治国家ではない。警察、検察当局に刑事事件の取り扱いに関する「巨大な裁量権」が付与されている。この「裁量権」こそ、警察、検察権力の「巨大利権」、「巨大権力」にほかならない。

拙著『知られざる真実-勾留地にて-』第一章「偽装」第7節「摘発される人・されない人」にもこの問題に関する事例を記述した。「摘発される人・されない人」を振り分ける基準に「政治的要素」が存在することは間違いない。

警察・検察権力に「巨大な裁量権」が付与され、この警察・検察権力が政治的に利用されるなら、日本は「秘密警察国家」、「暗黒警察国家」になる。

大久保氏が逮捕、起訴された事案は、政治資金収支報告書に虚偽の記載をしたということが摘発されたものだが、元長崎地検次席検事の郷原信郎名城大教授が指摘するように、完全に公正さを欠く摘発事例である。

要点を整理すると、

①政治資金規正法は「寄付行為者」を記載することを求めており、大久保氏は「寄付行為者」である二つの政治団体の名称を記載した。

②政治団体が「ダミー団体」で、実際に政治献金を行なったのが西松建設であり、政治団体名を記載したことが「虚偽記載」にあたるとするなら、多くの自民党議員の政治資金管理団体も摘発されなければおかしい。

③小沢氏の政治資金管理団体の受け入れた政治献金が突出して大きいと指摘されるが、摘発された政治献金額は3500万円であり、地検が内規としている1億円を大幅に下回り、小沢氏の資金管理団体だけを摘発する正当な根拠にならない。

④政治資金規正法が定めていることは、「寄付行為者」を収支報告書に記載することであり、大久保氏はこの規定に則った報告を行なっていた。「虚偽記載」であるとするには、その政治団体が完全に架空の団体であることが必要だが、当該政治団体は、事務所住所を持ち、パーティー開催の実績を持つなど、「架空団体」と認定することは難しい。

⑤検察は大久保氏が政治資金の実際の拠出者が西松建設であることを認識していたことを摘発理由に掲げると見られるが、自民党議員の資金管理団体が寄付行為者の所在住所を西松建設本社所在地としている事例があり、このことをもって摘発するのは、「法の下の平等」に反する。

 企業から政治家個人に対する献金は禁じられているが、企業から政党支部への政治献金は認められている。たとえば、森田健作千葉県知事は企業からの政治献金を森田氏が支部長を務める自民党政党支部で受け入れて、その資金を同じ所在地で届け出ている森田氏個人の政治資金管理団体に移し替える「迂回献金」を実行している。

 小沢前代表が記者会見で説明したように、政治献金の実際の寄付行為者が西松建設であったなら、政党支部に対する献金として事務処理を行なえば良いのであり、このような事例では、これまで修正報告によって処理されてきている。

 企業献金において悪質であるのは、(イ)裏献金、(ロ)収賄、(ハ)あっせん利得、などの「汚職」の範疇(はんちゅう)に分類されるものであり、小沢氏の事例に限って摘発するのは、公正性、「法の下の平等」に反している。

 「カナダde日本語」の美爾依さんが、「日刊サイゾー」2009年4月16日号での鈴木宗男氏と青木理氏の対談を紹介しているが、このなかで、二つの重要事項が示されている。

 第一は「迂回献金システム」に対する検察の捜査姿勢に関する指摘だ。鈴木宗男氏による以下の指摘を「カナダde日本語」様から転載する。

「検察は今回、西松建設から政治団体を経て小沢サイドに献金されるお金の流れが、ダミーの政治団体を使った一種の「迂回献金」に当たるとしている。しかし過去、「日本歯科医師連盟(日歯連)事件」などで自民党の大規模な迂回献金疑惑が持ち上がった時、検察はメスを入れませんでした。「なのに今度は、それをなぜ今やるのか?」という疑問です。」

「日歯連事件では迂回献金先として、国家公安委員長である佐藤勉氏らの名前が挙がりましたよね。この件については、朝日新聞記者である村山治氏の著書『市場検察』(文藝春秋)に詳しく書かれています。同書の268ページには、「特捜部は、迂回献金システムを使って資金提供を受けた政治家をターゲットに据えた。その結果、浮上したのが、元厚生労働政務官の自民党衆議院議員、佐藤勉が国民政治協会経由で受け取ったとされる500万円の迂回献金をめぐる受託収賄疑惑だった。」

(ここまで転載)

 日歯連事件の場合は、「迂回献金システム」が「贈収賄」につながる、より悪質な事案だったが、検察は贈収賄の立件を見送った。

 第二の指摘は、西松建設をめぐる「迂回献金システム」に関して、かつて小沢氏の秘書を務めていた高橋嘉信氏が関与しているのではないかとの疑惑である。この点についての鈴木宗男氏の発言を同様に転載する。

「現在、私の知り得ているところでは、西松建設からの献金の枠組みは、大久保秘書の前任者である高橋嘉信氏(元衆議院議員/小沢氏の秘書を約25年間務めた)が作ったとされている。高橋氏は現在、岩手県自民党第4選挙区支部長で、次期衆議院選の立候補予定者でもあります。小沢代表の秘書だった人が、同じ選挙区で小沢氏と戦うというのだから、これは尋常な関係ではないでしょう。彼が検察に上申書を出しているという話もありますが、だとすれば、どのような情報を上げているのか。それが客観的な事実であるとは限らないはずです。」

 この点については、ジャ-ナリストの横田一氏が詳しく、『週刊朝日2009年5月29日号』に「今回の検察捜査はありえない」と題する記事を掲載されており、今回の事件報道で、報道各社が高橋嘉信氏の存在についてまったく触れないことの不自然さを指摘している。

 高橋嘉信氏は、かつて25年間も小沢氏の秘書を務めながら、次期総選挙で自民党公認候補として小沢前代表の地元である岩手4区から立候補することが予定されている人物である。この高橋氏が「迂回献金システム創出」に深く関与しているとの疑惑が存在するのである。高橋氏の関与につては、本ブログでも3月6日付記事
「国策捜査と情報操作がまかり通る暗黒国家日本」
をはじめ、繰り返し指摘してきた。

「迂回献金システム」が「悪」だとするなら、企業が政党支部に献金し、その資金が個人の資金管理団体に還流するのも、紛れもない「迂回献金システム」である。

また、内閣改造があると公共事業受注企業から新任大臣への献金が表面化するが、こうした献金も、献金を返却することなどによって事務的に処理されている。

つまり、法律は存在するが、その運用があまりにも不透明なのである。

制限速度60Kmの公道で、多くの車が60Km以上のスピードで走っていたとする。スピード違反の取り締まりに際して、80Kmや100Kmのスピードで走る車を見過ごしつつ、51Kmで通行する車を摘発する不自然さが存在するのだ。あるいは、40kmで走っているのに、55kmだと事実を捻じ曲げて摘発することすらあり得るのが現状である。

「摘発される人・されない人」の区分基準が「政治目的」であるとすれば、これは重大な問題である。

フランス人権宣言第6条、第7条から、該当部分を転載する。

第6条 法律は、保護を与える場合にも、処罰を加える場合にも、すべての者に対して同一でなければならない

第7条 恣意的(しいてき)な命令を要請し、発令し、執行し、または執行させた者は、処罰されなければならない

 フランス人権宣言の時代から、この問題は存在し、重大視されてきたのだ。

 「日本の民主主義の危機」は、
①警察・検察権力の「巨大な裁量権」
②政治権力による警察・検察権力の不正使用、
③政治権力によるマスメディア支配=「情報操作」

によって、もたらされている。

 野党が主張する取り調べ過程の全面可視化などの制度改革も急務である。西松事件では「立件の可否」ではなく「法の下の平等」、「適正な法の運用」の視点から問題を捉えることが不可欠である。

人気ブログランキングへ

人気ブログランキングへ

知られざる真実―勾留地にて― Book 知られざる真実―勾留地にて―

著者:植草 一秀
販売元:イプシロン出版企画
Amazon.co.jpで詳細を確認する

2009年5月26日 (火)

内外経済金融に残存する三つの重大リスク

諸事情があり、『金利・為替・株価特報091号』の発行日が本日5月26日になった。『特報』ご購読の皆様には、ご不便をおかけしたことをお詫び申し上げたい。

日本の1-3月期GDP成長率がマイナス15.2%を記録した。2四半期連続のマイナス成長だ。設備投資と輸出が激減したことが大きく響いている。戦後最悪の不況である。

それでも、失業、倒産に直面する国民は比率にすれば少数派である。経済が大不況に陥って苦しみに直面するのは、経済的な弱者である。昨年末に大きく報道された「年越し派遣村」はその象徴だった。

高齢者、障害者、一人親世帯、非正規労働者、生活困窮世帯、などが、経済が悪化するときのしわ寄せを最も強く受ける。

だが、麻生政権にそのような国民の生活を慮(おもんぱか)る視点は存在しない。彼らが考えるのは、いかにして権力を維持するか。それだけである。麻生首相の祖父である吉田茂元首相も、権謀術数(けんぼうじゅっすう)の人物だったようだ。

秘密のファイル(上) CIAの対日工作 Book 秘密のファイル(上) CIAの対日工作

著者:春名 幹男
販売元:株式会社共同通信社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 

秘密のファイル(下) CIAの対日工作 Book 秘密のファイル(下) CIAの対日工作

著者:春名 幹男
販売元:株式会社共同通信社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 

 

名古屋大大学院教授の春名幹男氏の著書『秘密のファイル-CIAの対日工作』には、戦争加担者としてパージリストに載せられた吉田茂氏がどのような手段を用いてパージを回避したかが詳細に記述されている。

選挙に勝利して首相就任を目前にした鳩山一郎氏が、突然公職追放となり、総理の座を掴(つか)み損(そこ)ね、結果として吉田茂氏が首相の座を手中にした事実も記されている。吉田氏は鳩山一郎氏の危機を知りながら、鳩山氏のパージ回避にまったく動こうとしなかったようだ。

いまを読み解く手掛かりとして、歴史を振り返ることは有益である。2009年の総選挙は、政権交代の是非をめぐって麻生氏と鳩山氏との間で争われる。

このなかで、日本の政治を理解する上で見落とせない存在が「CIA」である。メディアによる情報操作とCIAの関わりを、いずれ明らかにしなければならない。また、核持ち込みに関する日米密約などの歴史的事実を白日の下に晒(さら)し、歴史を再検証しなければならない。

日本経済は深刻な状況にあるが、麻生首相は総選挙での勝利、権力の維持しか眼中にない。そうでなければ13.9兆円もの巨大な補正予算を「バラマキ」だけに充当することはないだろう。

58基金に4.6兆円の国費が投入され、補正予算全体の2割にあたる2.9兆円が天下り機関に注がれるエコポイント、エコカー支援策は、経団連企業の在庫一掃セール支援策であって、環境対策ではない大企業と官僚に対する利益供与がてんこ盛りである一方、一般国民には、一回限りの定額給付金と子育て支援金しか支払われない。

障害者自立支援法、後期高齢者医療制度、介護保険制度、非正規労働者のセーフティネット、生活保護の母子世帯加算、老齢加算、など、根底に広がる問題には手をつけようともしない。

麻生政権は総選挙の日程を検討している。西松事件は6月19日に初公判が開かれる。西松建設幹部は起訴事実を認めており、初公判での検察側冒頭陳述は検察側主張を一方的に展開することになる。

小沢氏秘書の事件は西松建設幹部の事件と別に取り扱われるため、小沢氏サイドの反論を示す場が存在しない。こうした公判までもが政治利用される。元地検次席検事である郷原信郎名城大教授が、不公正な期日設定を大批判している。

麻生政権は大不況を取り繕(つくろ)う姑息(こそく)な方法を検討していると考えられる。日本のGDP成長率が4-6月期に小幅ながらプラスに転じる可能性が高く、これを政権の成果としてアピールしようというのだ。

4-6月期GDPは8月中旬に発表される。8月30日に投票日を設定して、投票日直前にGDP統計を発表し、政策の成功をアピールしようというのである。そのために、いまから、景気底入れを強調するマスメディア報道が創作され始めている。

戦後最悪の不況で日本経済は「未曾有(みぞうゆう)」の苦境に直面しているが、本当の苦しみに見舞われている国民は比率では高くない。選挙のことだけ考えるなら、絶対数は問題でなくなる。比率が重要なのだ。

多数の国民が深刻な苦しみのなかに置かれているのに、その人々を救済する行動が取られない。多数を占める一般国民に、「一回限りの定額給付金」、「一回限りの子育て支援金」をバラ撒き、「高速道路1000円」と「エコポイント、エコカー」の目くらまし政策で投票誘導が図られる。

大資本と官僚には大盤振る舞いの政策を提示し、そのツケを一般国民に対する消費税大増税で賄(まかな)おうというのだ。

しかし、こんな茶番劇が通用するはずがない。通用させてはいけない。

日米株価は3月9日前後の最安値から約30%反発し、金融危機に対する警戒感が大幅に後退した。麻生政権は日本経済がこのまま順調に浮上するとの前提に立っているように見える。

与謝野馨経財相は、5月23日のNHK番組で、「最悪期は過ぎた」、「少し上がってくる局面になったのではないか」と述べた。楽観論に立っていることが分かる。

『金利・為替・株価特報091号』に詳述したが、リスクは決して小さくないと思われる。

いまから8か月前、昨年9月15日に米国投資銀行リーマン・ブラザーズが破たんした。日本経済は2008年夏からつるべ落としに大不況に直進していた。このとき与謝野馨氏は次のように述べた。

「日本経済は揺るぎもしない。蚊に刺された程度だ。」

ところが日本経済は現実に、
あっという間に「みぞうゆうの不況」に陥り、
さらに、「100年に一度の金融不況」に陥った、
と麻生首相が述べる状況に移行した。

与謝野氏から「最悪期は過ぎた、少し上がってくる局面になった」とお墨付きを得ると、逆に心配になる経済人が多いと思われる。

詳しくは『金利・為替・株価特報091号』をご高覧賜りたいが、見落とせぬリスクが存在する。NY株価は反発したが、長期下落トレンドからまだ抜け出したとは言えない状況にある。

①長期金利上昇リスク
②米国財政赤字激増を背景とするドル暴落リスク
③円高リスク

への警戒を怠れない。

投票日を先送りするしかないと考える麻生首相の判断が大きな間違いになる可能性がある。

政治は困難な状況に直面した人々のために存在する。政治の力によって例外なくすべての人を支えることが、政治の果たすべき最大の使命である。この基本を考えもせず、ただ権力の維持だけを優先する麻生政権には大きな試練が待ち受けるのではないか。

内外経済金融を覆い尽くす濃い霧が消え去るには、なお時間を要すると思われる。

人気ブログランキングへ

人気ブログランキングへ

知られざる真実―勾留地にて― Book 知られざる真実―勾留地にて―

著者:植草 一秀
販売元:イプシロン出版企画
Amazon.co.jpで詳細を確認する

2009年5月25日 (月)

政権交代への胎動が響くさいたま市長選

5月24日に実施されたさいたま市長選挙で、民主党埼玉県連が支持する元県議清水勇人氏(47)が、自民、公明両党の県組織推薦で3選を目指した現職相川宗一氏(66)ら無所属5人を大差で破り、初当選した。

民主党新代表に鳩山由紀夫氏が就任して初めての与野党対立選挙となり、注目を集めた。民主党支持候補が自公推薦候補に圧勝したことで、政権交代実現に大きな弾みがついた。

投票率は42・78%で、前回を7・27ポイント上回った。当選の報を受けた清水氏は支持者を前に「さいたま市の政権交代から日本全体の政治改革へのうねりに変わっていくことを期待する」と国政レベルでの政権交代に対する期待感を表明した。

鳩山新生民主党は力強い第一歩を記した。

惨敗した相川氏は「政党選挙は望ましくないと言っていたが、もろにそうなって残念だ」と記者団に述べた。今回の市長選が国政レベルでの「政権選択」の行方を左右する与野党対決選挙であったことを裏付ける発言だ。

鳩山新生民主党を中心とする新しい政権と麻生首相が総指揮者である自公政権のいずれが望ましいか。次期総選挙は、文字通り「政権選択」選挙になる。

私は、「政権交代」が必要だと思う。

その理由を五つ、以下に示す。

第一の理由は、これまでの「大資本のための政治」を「生活者のための政治」に変えることだ。

自民党政治は、巨大な「企業献金」に土台を置く政治である。西松建設事件で自民党は小沢前代表を攻撃するが、「政治とカネ」の問題が深刻なのは自民党である。

新聞報道が伝えた民主党鈴木克昌衆院議員調べによる07年度政治資金収支報告では、小沢代表の収入総額は全国会議員中71位、企業団体献金額は全国会議員中27位である。小沢氏の政治献金が問題とされるのなら、その前に問題にされなければならない国会議員が数十人もいる。その大半は自民党議員である。

本ブログでたびたび紹介してきたが、

自民、民主両党の2007年政治献金実績は、
自民:総額224億円、うち企業献金168億円
民主:総額 40億円、うち企業献金 18億円
 経団連加盟企業の経団連を通じる企業献金は、
自民:29億1000万円
民主:   8000万円

である。金権体質は自民党の問題である。

麻生政権は13.9兆円もの規模の補正予算を策定したが、その政策の大半は「生活者を支援する政策」ではなく、「大企業を支援する政策」である。

エコポイント、エコカー支援策は、経団連企業の在庫一掃セール支援策であって、環境対策ではない。企業に金を渡す政策が目白押しで、生活者に直接手を差し伸べる政策がほとんど盛り込まれていない。

野党は次期総選挙で、「企業献金全面禁止」を政権公約に掲げる。これが実現すると、政治は「大資本」でなく「国民」の側に向かうようになる。これまでの自民党政治は「巨大な企業献金」を目当てにした「大企業の側に向いた」政治であった。この基本路線を転換する。

第二は、「官僚主権の政治」を「国民主権の政治」に転換することだ。麻生政権が提出した補正予算では、日本政策投資銀行と日本政策金融公庫の肥大化策が盛り込まれた。これは、財務省の最重要天下り機関である両機関を増強するための施策である。

また、58基金に4.6兆円の国費が投入され、補正予算全体の2割にあたる2.9兆円が天下り機関に注がれる。国民が窮乏生活を強いられているときに、官僚の天下りを焼け太りさせる予算が「てんこもり」に計上された。

麻生政権に「天下り」を廃止する考えはない。国民に対する政策は、絞れるだけ絞り、官僚利権だけは「てんこもり」にするのが現在の政治姿勢である。政権交代は「官僚主権の政治」を「国民主権の政治」に転換するために不可欠なのだ。

第三は、大衆大増税になる消費税大増税を阻止することだ。現在の自公政権は、「政治屋」が「官僚」、「大資本」、「米国」と癒着し、「御用メディア」に世論を操作して利権構造を維持しようとするものである。これを「政官業外電の悪徳ペンタゴンによる利権政治構造」という。「悪徳ペンタゴン」は次期総選挙で政権を維持して、消費税大増税を実施しようとしている。

この企みを妨害する、もっともうとましい存在が小沢一郎民主党前代表だった。小沢氏を排除し、消費税増税派である岡田氏を民主党代表に据えて大増税を実現しようとした。

しかし、ここに鳩山由紀夫氏が立ちはだかった。鳩山氏は次の総選挙後の政権任期中に消費税増税を実行しないことを確約した。「悪徳ペンタゴン」はこれを無責任だと攻撃する。とんでもないことだ。

鳩山新代表が主張するのは、「天下り」に象徴される、「官の無駄」を排除することもせず、大衆大増税など絶対に許さない、ということだ。当たり前のことだ。鳩山新代表がしっかり説明すれば、国民は必ず、どちらの言い分が正しいか理解するはずだ。

消費税大増税は、巨大な官僚利権を維持するために目論まれている政策なのである。こんなことを許して良いはずがない。

新聞、テレビは幹部が財務省の「財政制度等審議会」、「政府税調」に取り込まれているから、官僚利権を守る発言しかできなくなっている。メディアの堕落が日本弱体化の大きな理由である。

第四は、政治から世襲色を取り除くことだ。本当に優秀なら世襲でも良いだろう。世襲を禁止するわけではない。しかし、「地盤、看板、かばん」をすべて受け継いで選挙に出るのでは、「機会の公平」を保てない。

同一選挙区からの世襲立候補を禁止する。もちろん、無所属で当選したのちに追加公認するなどは、「抜け穴」以外の何者でもなく、認められない。

世襲議員は、政治資金を受け継がず、選挙区を変えて立候補しなければならない。

第五は、政治における人間性を回復させることだ。小泉竹中政治は、政治から「ぬくもり」を消し去った。「友愛」の言葉を受け止められない人がいるが、政治に「愛」が吹きこまれて、政治は初めて命の息吹を獲得する。

政治は困難な状況に直面した人々のために存在する。政治の力によって、例外なくすべての人が支えられることが、政治が果たすべき最大の使命である。この目的が達成されたときに、社会は強い連帯を取り戻す。

「絆」、「ぬくもり」、「慈愛」を否定し、破壊したのが小泉竹中政治だった。日本社会に「ぬくもり」を取り戻すこと。これが「政権交代」を実現する第五の理由だ。

御用メディアは、民主党代表選を通じて、次期総選挙に向けての与党との争点が見えてこない、と主張する。節穴としか言いようがない。

ここに示した五つの政権公約がそのまま総選挙の争点になる。

「官僚中心の政治」は「中央中心の政治」でもある。

「大資本の論理」、「官僚の論理」、「中央の論理」を基軸とする自公政治から、「生活者の論理」、「国民の論理」、「地域の論理」を基軸とする政治に転換する。これらによって、「革命」と呼べる変化が実現する。

鳩山新生民主党を軸に、社民党、国民新党、新党日本などが、叡智を結集して、政権交代の意義を国民に訴えてゆかねばならない。「政権交代」を求める国民の声が、いま、大きなうねりになり始めている。この流れをより確かなものにしなければならない。

人気ブログランキングへ

人気ブログランキングへ

知られざる真実―勾留地にて― Book 知られざる真実―勾留地にて―

著者:植草 一秀
販売元:イプシロン出版企画
Amazon.co.jpで詳細を確認する

2009年5月24日 (日)

失政主犯竹中平蔵氏延命に懸命の田原総一朗氏

 ものごとがよく見える人は田原総一朗氏のいかがわしさを正確に見抜く。しかし、田原氏のテレビ出演機会が多いために、ものごとがよく見えない人は、その発言に籠絡(ろうらく)されてしまう。

田原氏は小沢一郎民主党代表を代表の座から引きずり下ろすことに懸命に取り組んできた。本ブログで指摘してきたように、1955年体制確立以来、55年間も維持し続けてきた既得権益を死守しようとする「政治屋・官僚・大資本」に「米国・御用メディア」を加えた「政官業外電の悪徳ペンタゴン」は、小沢一郎氏を最も大きな脅威と見定めて、攻撃し続けてきた。

田原総一朗氏がテレビ朝日番組「サンデープロジェクト」などで展開し続けてきた小沢一郎氏批判は、「悪徳ペンタゴン」の意志を背景にしたものだと思われる。

5月11日に小沢一郎氏は民主党代表を辞任する意向を電撃的に発表した。民主党は直ちに後継代表選出の日程を決定し、5月16日に鳩山由紀夫氏を民主党新代表に選出した。民主党代表選後の各社世論調査では、
次期首相にふさわしい人物 鳩山氏 > 麻生氏
次期総選挙での投票対象  民主党 > 自民党
政党支持率        民主党 > 自民党

の結果が示された。

小沢氏は、卑劣な政治謀略による攻撃を見極め、ギリギリのところで民主党を危機から脱出させることに成功を収めた。小沢氏の力量がいかんなく発揮された。油断は許されないが、民主党が次期総選挙で勝利し、政権交代を実現する可能性は確実に高まっている。

5月17日放送の「サンデープロジェクト」で、田原総一朗氏の態度が豹変し、民主党びいきの発言が繰り返された。風向きの変化を知って保身に動き始めたのだろう。しかし、これまで同番組が民主党内反小沢陣営議員ばかりを出演させてきたことは客観的に明らかであるし、田原氏が一貫して小沢代表攻撃を続けてきたことはたしかである。

田原総一朗氏は4月25日放送の「朝まで生テレビ」で、北朝鮮による拉致被害者である横田めぐみさんと有本恵子さんについて、「横田めぐみさんと有本恵子さんは生きていない」と断言した。さらに田原氏は、「外務省も生きていないことは分かっている」と発言した。

この発言に対して拉致被害者家族会と支援組織「救う会」は5月11日、田原氏とテレビ朝日に抗議文を送付した。これに対して田原氏は「家族会の方が抗議される気持ちはよく分かる。しかし、私は事実を言ったまで。情報源は言えないが情報を得ている」と反論したことが報道された。

この問題について中曽根外相は5月19日の閣議後記者会見で、「田原氏の発言はまったくの誤りだ」と指摘した。

田原氏は5月14日付日経BPnet寄稿記事に次のように記述している。

「私の言葉が足りなかったのかもしれない。
「被害者が生きていない」と私が発言したということだけが大きく取り上げられているが、私の主張は、北朝鮮と本格的な、本気の交渉することが政府の責任であり、それが被害者家族の方々に対しても責任を果たすことになる、ということだ。
 しかし、私の言葉が足らなかったために、被害者家族の方を傷つけ、あるいは怒らせてしまったことは申しわけなく、それについてはお詫びしたい。」

「言葉が足りる、足りない」が問題なのではない。事実が問題なのだ。

田原氏が確実な情報に基づいて発言したなら、その根拠を明示すべきだ。「外務省もわかっている」との田原氏の発言について、外相が完全否定しているのだ。明確な根拠を示せないのだろう。

田原氏が明確な反論を示せないなら、田原氏の発言全体の信憑性(しんぴょうせい)が低下する。もともと信憑性が低いと洞察してきた人々に変化は生じないが、信憑性が低いことの根拠が明らかになったことには意味がある。

田原氏がいい加減な発言をしていることが明らかになったと言えるだろう。今後は、すべての視聴者が、その前提で田原氏の発言を受け止める必要がある。

本日5月24日放送の「サンデープロジェクト」も偏向報道の特徴をいかんなく発揮した。

各党討論会では、不自然な4党討論形式が採られる。

NHKでも政治討論会は6党討論である。共産党は反民主党の行動を示しているから、4党討論では、自・公VS民主VS共産の図式になる。共産党は対民主党では自民党に足並みを合わせることが多い。民主党は1対3の図式で討論に応じなければならない。4党討論が民主党攻撃の目的を持つことは明白だ。

田原総一朗氏は竹中平蔵氏の政治生命を維持させる「使命」を帯びているのだろう。日経新聞、よみうりテレビ、産経新聞、テレビ朝日が懸命に竹中平蔵氏の政治生命延命を図っている。

日本郵政の西川善文社長を強引に続投させようとする勢力が存在する。

竹中平蔵氏を延命させようとする勢力と重なると考えられる。

「市場原理主義者」、「売国主義者」が重なる。

日本経済の崩壊、社会の荒廃をもたらしたのが、小泉竹中政治の「市場原理主義」だった。日本全体が外国資本に収奪され、その最後の仕上げとして、巨大な日本郵政グループがいま「私物化」されつつある。

「市場原理主義者」、「売国主義者」をせん滅しなければならないが、これらの勢力が「ゾンビ」のように蠢(うごめ)いている。「ゾンビ」と「ゾンビの延命に手を貸す勢力」を見極めて、そのせん滅を図らなければならない。

竹中平蔵氏の失敗はもはや誰の目にも明らかになっている。

竹中氏は、支援者のいる「やらせ」の場にしか登場しない。国会への出頭から逃げ回っている。この日の番組では渡部某氏とかいう支援者が予定通りに意味不明の援護射撃を演じた。

番組は竹中氏と加藤紘一氏の対論を放送した。小泉竹中経済政策の失敗は明らかである。竹中氏は言葉の多さでごまかそうとするが、真実を知る者をごまかすことはできない。

下のグラフを改めて見ていただきたい。

Nikkei04220914  

日本は1990年以降のバブル崩壊過程で、3回の政策失敗を演じた。

1回目は1992-93年である。バブルが崩壊し、金融問題が表面化した。住宅金融専門会社の経営危機が表面化した。この時点で不良債権の抜本処理を断行すべきだった。私は92年10月の日経新聞「経済教室」に「公的資金投入を含む問題処理策」を提言したが、当時、抜本処理を主張した者はほとんどいなかった。結局、大蔵省は問題の隠ぺいと先送りを実施した。

2回目の失敗は1996-98年だった。日本経済が浮上した1996年、橋本政権は大蔵省の路線に乗せられて大型増税方針を決定した。当時の政調会長が加藤紘一氏だった。大型増税で日本経済を悪化させ、株価を暴落させ、金融問題を噴出させてしまった。

3回目の失敗2000-03年の日本経済破壊である。森政権、小泉政権が橋本政権を上回る緊縮財政を実行した。その結果、日本経済崩壊、株価暴落に連動して金融問題が火を噴いた。

96-98年とまったく同じ失敗を犯した。今日の放送で竹中氏が指摘したように、96-98年に加藤紘一氏を含む当時の政権が政策失敗したのは事実だが、その失敗を竹中氏が2001-03年に繰り返したのだ。加藤氏はこの点を指摘しなければならなかった。

しかも、2001年の自民党総裁選で、96-98年の失敗の総責任者である橋本元首相が「同じ轍(てつ)を踏まぬ」よう強い警告を発した。この警告を無視して同じ失敗を繰り返したのが小泉竹中政権である。こちらの方が、はるかに罪が深い。

2008年から2009年にかけて、米国が反面教師として活用したのが、96-98年の橋本政権の失敗、01-03年の小泉竹中政権の失敗だった。

金融危機が深刻なときに緊縮策を強行するのは自殺行為である。96-98年の失敗、01-03年の失敗の本質がこの点にある。

米国は、金融危機を深刻化させないために、大胆な財政政策発動、超金融緩和政策、大胆な資本注入政策を総動員した。日本の実例で言えば、この政策を採用して日本経済を危機から救出したのは小渕政権である。竹中氏は小渕政権の財政政策活用を批判し続けた。しかし、いま米国が採用している政策体系は、まさに小渕政権が採用した政策体系と同一のものである。

竹中さん、嘘を言ってはいけない。2001-03年の日本経済崩壊は、小泉竹中経済政策によるもので、03-06年の改善は焼け野原からの軽微な改善に過ぎない。

本来、日本経済と日本社会を破壊した主犯として糾弾(きゅうだん)されなければならない人物を、人為的操作で延命させてはならない。

日本経済を破壊し、日本を収奪し尽くそうとする勢力が存在する。この勢力の日本支配力が依然として根強い。

「ゾンビ」を延命させ、「ゾンビ」の復活を許せば、日本再生の希望は挫(くじ)かれる。メディアには多くの工作員が配置され、国民の洗脳が企(くわだ)てられている。ネットから真実の情報を発信して、日本国民洗脳の悪行に立ち向かわねばならない。

人気ブログランキングへ

人気ブログランキングへ

知られざる真実―勾留地にて― Book 知られざる真実―勾留地にて―

著者:植草 一秀
販売元:イプシロン出版企画
Amazon.co.jpで詳細を確認する

2009年5月23日 (土)

西川善文日本郵政社長続投論を覆う黒い霧

5月22日付「日刊ゲンダイ」が伝えるところによると、西川善文日本郵政社長解任にブレーキがかかっている最大の理由は、自民党内市場原理主義勢力が麻生首相に対して、予算関連法案の衆議院再可決に関連して圧力をかけたことにあるという。

この2月12日に、小泉元首相が「ただただ笑っちゃうくらいあきれてる」発言をした。発言は、麻生首相による「郵政民営化に賛成でなかった」、「4分社化の見直しが必要」発言に対応したものだった。

小泉元首相は定額給付金法案の衆議院再可決に反対する意向を表明した。このことを中川前財務相が強烈に批判した。中川氏は、「あの方も(法案に)賛成されたんでしょう。総理までやられたお方がそのようなことを言われるのは理解に苦しむ」と述べた。正鵠を射た指摘だった。

中川氏がイタリア・ローマでのG7で「もうろう会見」を行い、失脚の原因を作ったのは2日後の2月14日だった。単なる偶然とは考えられない。

3月2日、小泉元首相は自民党議員約10名と会食し、「今後、政局の話をしない。政局にかかわらない」と発言したと伝えられた。その翌日、小沢氏の秘書が逮捕された。

自民党内の麻生おろしの動きがピタリと止んで、自民党は挙党一致体制で民主党攻撃に向かった。「かんぽの宿」疑惑追及は急速に後退した。

「かんぽの宿」疑惑を摘出し、「郵政私物化」を進めた勢力を追及しようとした麻生・鳩山一家と、「郵政私物化」を実行し、なおその温存を図ろうとする勢力に見える小泉・竹中一家が手打ちをしたように見えた。

ところが、鳩山総務相の西川善文社長の責任を問う姿勢は残存した。西川社長は6月末で任期満了を迎える。鳩山総務相は西川氏更迭(こうてつ)の判断を固めていたようである。

そこに横やりが入った。横やりを入れたのは菅義偉(すがよしひで)自民党選挙対策副委員長である。日刊ゲンダイは菅氏の横やりとその解説を次のように伝えている。

「補正予算が衆院を通過しても、関連法案は60日後の7月中旬に再議決になる。その際、衆院の3分の2の勢力が必要だが、6月末の日本郵政の株主総会で西川続投が却下されたらどうなるか。郵政民営化が政局になる。党内の郵政民営化賛成派は再議決に反対する可能性もありますよ」

「つまり、西川を更迭したら、小泉チルドレンらが再議決で造反するぞ、という“脅し”である。
 本当なら豪腕の菅ならではだが、同じ頃、小泉元首相も官邸に電話を入れ、同じような情報を麻生に伝えたという。だとすれば、西川更迭が唐突に白紙撤回された理由も納得だ。」

(ここまで転載)

2月の横やりと同じ手法で、麻生政権の「かんぽの宿」疑惑追及を封じ込めようとの動きが表面化している可能性があるのだ。

日刊ゲンダイの指摘は正しいと思う。

日本郵政の最高幹部が入れ替えられれば、西川社長時代のさまざまな事実=「知られざる真実」が明らかにされることになるだろう。

「知られざる真実」を知られてはまずい人々が存在するのだ。この人々こそ、日本郵政を、「郵政民営化」の名の下に「郵政私物化」してきた人々である。

ここで、二つの視点から問題を見つめる必要がある。

第一は、竹中平蔵氏と西川善文氏の個人的な接点において決定的に重要だと考えられる出来事が、2002年12月11日の密会であることだ。この日まで、西川氏は反竹中金融相の急先鋒(きゅうせんぽう)と言える存在だった。

ところが、12月11日の密会を境に、西川氏は竹中氏との蜜月時代に移行した。この密会こそ、秘密を解く鍵を握る。

第二の視点は、菅義偉氏が2005年11月に総務副大臣に就任し、その後、2006年9月に総務相に就任した事実である。2005年11月は竹中氏が総務大臣に就任した時期である。竹中氏は「郵政民営化」=「郵政私物化」=「郵政米営化」プロジェクトを実行するパートナーに菅氏を選任したのだと考えられるのだ。

竹中氏は2006年9月に突如、議員辞職を表明し、総務相を辞した。竹中氏の資金疑惑が週刊誌で報じられることに連動するかのような議員辞職だった。小泉政権を引き継いで安倍政権が発足したが、安倍政権が発足した2006年9月に菅(すが)氏が竹中氏の後継として総務相に就任した。この人事は竹中氏の意向を受けたものであったと考えられる。

第一の視点について内容を補足する。この会合は、米国投資銀行ゴールドマン・サックスのCEOであるヘンリー・ポールソン氏、同COOであるジョン・セイン氏と、西川善文氏、竹中平蔵氏の4名による密会であった。

この後、ゴルードマン・サックスは三井住友銀行に5000億円のファイナンスを実施した。三井住友ファイナンシャルグループは、このファイナンスを契機に、限りなくゴールドマン・サックスの影響を受けることになる。

このことについて、読売新聞の渡邉恒雄氏は『文藝春秋』2009年1月号に、次のように証言している。

「僕は竹中さんから直接聞いたことがあるんだが、彼は「日本の四つのメガバンクを二つにしたい」と明言した。僕が「どこを残すんですか?」と聞くと、「東京三菱と三井住友」だと言う。あの頃はまだ東京三菱とUFJは統合していなかったんだが、「みずほとUFJはいらない」というわけだ。どうして三井住友を残すのかというと、当時の西川善文頭取がゴールドマン・サックスから融資を受けて、外資導入の道を開いたからだと言う。「長銀をリップルウッドが乗っ取ったみたいに、あんなものを片っ端から入れるのか」と聞くと、「大丈夫です。今度はシティを連れてきます」と言った。今つぶれかかっているシティを連れてきて、日本のメガバンクを支配させていたらどうなったか、ゾッとする。」
(この部分は「文藝春秋」からの引用)

 つまり、日本のメガバンクを二つにするとの考えをもって、竹中氏がゴールドマン・サックスによる三井住友への出資を斡旋(あっせん)したと解釈することができる。このこと自体、問題にされなければならない行動である。

 三井住友グループによる日本郵政支配は、その裏側にあるゴールドマン・サックスによる日本郵政支配の図式のなかで捉えなければならないのだ。これが第一の視点である。

 第二の視点は、菅義偉(すがよしひで)氏の役割である。

 菅氏は2006年9月に総務相に就任し、翌2007年3月に日本郵政公社総裁の生田正治氏を解任している。生田氏を排除して、西川氏による日本郵政公社支配を生み出した。西川氏は日本郵政公社総裁職を兼務したのちに、2007年10月に発足した持株会社としての日本郵政社長に就任した。

 日本郵政はこれまで指摘してきたように、財界による日本郵政私物化を絵に描いたような人事を実行した。日本郵政プロパー職員、日本郵政サービス利用者、生活者が取締役に一人も登用されない、異様な姿での出立であった。

 また、日本郵政公社時代の日本郵政保有不動産のバルク売却の不透明性も表面化している。旧郵政公社時代の所管大臣が竹中平蔵氏と菅義偉氏である。

 安倍晋三氏と竹中平蔵氏をつなぐ人物に杉山敏隆氏が存在し、安倍元首相の後援会である「安晋会」や「竹中平蔵経済塾」などの名が浮上する。「安晋会」には穴吹工務店などが名を連ねるが、こうした企業がバルク売却の買い手に登場する。

 西川善文日本郵政社長を力づくで続投させねばならないと考える勢力が存在するように見える。

鳩山総務相が「かんぽの宿」疑惑追及で、「郵政私物化」の氷山の一角を白日の下に晒(さら)しながら、日本郵政株式会社法第九条が定める

 
(取締役等の選任等の決議)、
「会社の取締役の選任及び解任並びに監査役の選任及び解任の決議は、総務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない」

 
との条項を生かすことができなければ、鳩山氏はもはや政治家として存続する意味を失うだろう。

鳩山総務相は、もはや一歩も引き下がることのできない場所に身を置いてしまっている。

人気ブログランキングへ

人気ブログランキングへ

知られざる真実―勾留地にて― Book 知られざる真実―勾留地にて―

著者:植草 一秀
販売元:イプシロン出版企画
Amazon.co.jpで詳細を確認する

2009年5月22日 (金)

新型インフルエンザ政府対応の誤りと影響

 新型インフルエンザに対する政府の対応策が変更された。

 CBNewsは次のように伝えている。

政府は5月22日、「新型インフルエンザ対策本部」を開き、鳥インフルエンザを想定したガイドラインに代わる新たな基本的対処方針を発表した。

これまで全国一律だった対応策について、感染状況に応じて2つの地域に分け、状況に応じた対策を取れるように改めた。

急激な患者数の増加が見られる地域では、一般医療機関でも患者の直接診察を行うなど、大きく対応が変わることになる。

(ここまで転載)

本ブログ5月19日付記事
「インフルエンザと急減する鳩山新生民主党報道」
に記述したが、日本政府は今回の問題に対して二つの重大な失敗を犯した。改めて記述する。

 第一は、感染防止対策の中心を「水際対策」に置いたことだ。

政府は「強毒性」のH5N1型インフルエンザを想定した対応を取った。この対応に基づいて、国際空港での「検疫」に重点を置いた。テレビは空港でのものものしい「検疫」体制に関する過剰報道を繰り広げた。しかし、先進国でこのような対応を示した国はない。

 新型インフルエンザは10日間程度の潜伏期間があるため、入国した人のすべてを10日間程度隔離して発症を確認しなければ意味がない。また、感染しても発症しない人が存在する。「水際対策」で国内への感染を遮断することは、もとより不可能であると指摘されていた。空港での過剰な検疫体制は、もとより意味のないものと捉えられていた。

 第二の問題は、新型インフルエンザが「弱毒性」であり、政府が想定した「強毒性」とは、とられるべき対応に大きな落差が存在することである。

舛添厚労相は深夜にものものしく記者会見を行うなど、国民が必要以上の警戒感を持つ行動を煽(あお)る行動を示した。詳細な情報を持たない一般国民は、政府が「強毒性」インフルエンザを前提とした対応を示したことを受けて、「強毒性」インフルエンザに見合う警戒感を持たされてしまった。

「弱毒性」と「強毒性」との間には、巨大な落差が存在する。「弱毒性」ウィルスによるインフルエンザの致死率が1~2%程度、あるいは1%以下とされているのに対し、「強毒性」ウィルスによるインフルエンザは致死率が60%を超すとされる。

また「弱毒性」インフルエンザは毎年経験する「季節性」インフルエンザと大きな違いがない。「ワクチン」がないために、事前に予防措置を取ることができない点などに違いがあるだけだ。

 舛添厚労相は、国会答弁で「このような問題にはやり過ぎくらいでいいんだ」と開き直ったが、この答弁は適正でない。「強毒性」を前提とした政府の対応がもたらす「負の側面」が無視できない程度に重要だからだ。

「新型インフルエンザ」も時間が経過すれば「季節性インフルエンザ」になって定着してゆくものである。現在の「季節性インフルエンザ」も発生当初は「新型インフルエンザ」だったわけだ。

決定的に重要であるのは、「強毒性」であるか「弱毒性」であるかの「見極め」であり、「弱毒性」インフルエンザに対して「強毒性」を前提にした対応をとれば、多くの「負の側面」が表面化することを避けられない。

もちろん、「弱毒性」から「強毒性」への突然変異には警戒が必要だが、対応転換を取る前には「強毒性」への突然変異を示す何らかの手がかりが必要である。

二つの大きな「負の側面」が表面化した。

第一は、「水際対策」に重心を置き、「水際対策」で国内での感染発生を防止できるとの前提に立ったため、国内でのインフルエンザ発生の発見が大幅に遅れ、感染が拡大したことである。

厚労省の指導により、非海外渡航歴保有者が新型インフルエンザであるかどうかの優先検査対象から除外されていたという。このために国内感染者の発見が遅れ、関西地方で感染が拡大してしまったのだ。

第二は、「弱毒性」インフルエンザを「強毒性」インフルエンザ並みに扱ったために、国民の過剰反応が広がり、経済活動に深刻な影響が生まれていることである。外食産業、観光・興行などのレジャー産業には重大な影響が広がるだろう。

問題の一因は舛添厚労相や麻生首相のパファーマンス優先の行動様式にある。国民に冷静な対応を求めるなら、政府が率先して冷静に対応する必要がある。事務官が事務的に公表すればよいことを、大臣が深夜にものものしく発表するのは、国民に過剰反応を求めているようなものだ。

このような批判を「結果論」だとする向きがあるが、そうではない。WHOは早い段階で今回のインフルエンザを「弱毒性」であると発表してきた。「弱毒性」である限り、季節性インフルエンザへの対応に準拠した対応を示すべきだったのだ。

手洗い、うがい、マスク着用の励行、患者へのタミフル等の処方体制整備、診断・診療体制整備などに注力するとともに、過剰な反応を戒める広報が求められたのではないか。「季節性インフルエンザ」は毎年経験していることで、この「季節性インフルエンザ」に準拠すべきとの情報が、最も有効な政府広報であったと思われる。

政府がこれまでの対応の誤りを認めたくないのは分かるが、はっきりと見解を示さなければ、「強毒性」を前提とした国民の過剰な反応を抑制することは困難になる。その場合、経済活動に大きな影響が表れて、苦境に追い込まれる国民が急増することになる。明確な説明が不可欠であると思われる。

ブログランキングのクリックお願いします!

人気ブログランキングへ

人気ブログランキングへ

知られざる真実―勾留地にて― Book 知られざる真実―勾留地にて―

著者:植草 一秀
販売元:イプシロン出版企画
Amazon.co.jpで詳細を確認する

鳩山邦夫総務相の真価が問われる日本郵政人事

日本郵政の最大の問題は、日本郵政の取締役に、日本郵政プロパー職員、日本郵政サービス利用者、生活者が一人も登用されていないことだ。この背景に、郵政民営化を仕切った竹中平蔵氏の歪んだ「郵政民営化解釈」が存在する。

「郵政民営化」についての竹中氏の見解を改めて記す。

日本郵政初代社長に三井住友銀行頭取の西川善文氏が起用された。起用したのは竹中氏である。竹中氏は自著に、2005年10月21日に郵政民営化関連法が成立し、2005年10月29日に西川氏に日本郵政初代社長就任を依頼したことを記述している。

このことに関連して竹中氏は「民営化」について次のように記述している。

「辞書によると、民営化とは、「民間の経営に任せること」とある。文字通り郵政民営化とは、郵政の経営を民間に任せることであり、政府はそれが可能なように、また効率的に行われるように枠組みを作ることである。これで、西川氏に、経営のすべて、民営化のすべてが委ねられることになった。」
(『構造改革の真実』239ページ)

また、竹中平蔵氏は2008年10月2日付朝日新聞記事「私の視点・郵政民営化1年」に、
政治は経営の邪魔をすべきではない
と指摘した。

「かんぽの宿」疑惑が表面化したのち、竹中氏は鳩山総務相に対する稚拙(ちせつ)な批判を、本年1月19日付産経新聞に「かんぽの宿は“不良債権”」のタイトルを付して寄稿した。竹中氏の主張は次のようなものだ。

「(「かんぽの宿」売却の時期や価格の判断は)市場や経営を知らない政治家や官僚に判断できる問題ではない。経営者が判断するべき問題である。そもそも民営化とは、民間の判断に任せることであり、経営判断の問題に政治が口出しすること、しかも機会費用の概念を理解しない政治家が介入することは、根本的に誤っている。

竹中氏の「民営化」についての見解は次のようなものだ。

①郵政事業の運営が株式会社形態に移行したことをもって「民営化」が実現したと判断する。

②「民営化」とは「民間の経営に任せること」であり、日本郵政社長に西川氏が就任したのちは、「西川氏に経営のすべて、民営化のすべてが委ねられる」。

③したがって、政治や行政が日本郵政の経営に介入することは許されない。

これが、竹中氏の「民営化」解釈であろう。しかし、この竹中氏の判断が根本的に誤っていることは明白だ。日本郵政は現時点で、株式の100%を日本政府が保有する「完全国有会社」である。行政府や立法府が、国民の視点で日本郵政を監視することは当然であり、責務である。竹中氏はとんだ勘ちがいをしている。

この西川体制で構築された日本郵政経営体制が次の布陣である。

代表取締役 西川 善文(にしかわ よしふみ)

代表取締役 高木 祥吉(たかぎ しょうきち)

社外取締役 牛尾 治朗(うしお じろう)
ウシオ電機株式会社代表取締役会長

社外取締役 奥田 碩(おくだ ひろし)
トヨタ自動車株式会社取締役相談役

社外取締役 西岡 喬(にしおか たかし)
三菱重工業株式会社相談役

社外取締役 丹羽 宇一郎(にわ ういちろう)
伊藤忠商事株式会社取締役会長

社外取締役 奥谷 禮子(おくたに れいこ)
株式会社ザ・アール代表取締役社長

社外取締役 高橋 瞳(たかはし ひとみ)
青南監査法人代表社員

社外取締役 下河邉 和彦(しもこうべ かずひこ)
弁護士

日本郵政が西川社長の続投方針を決めたと伝えられているが、続投方針を決めた日本郵政の指名委員会メンバーは以下の通りだ。

委員長 牛尾 治朗(うしお じろう)

委員  西川 善文(にしかわ よしふみ)

委員  高木 祥吉(たかぎ しょうきち)

委員  奥田 碩(おくだ ひろし)

委員  丹羽 宇一郎(にわ ういちろう)

鳩山総務相が指摘したとおり、完全な「お手盛り人事」である。泥棒に金庫の鍵を預けて、「金庫番を頼んでいるから大丈夫」と言っているようなものだ。

上記の人事布陣に、日本郵政の経営体質が如実に示されている。

日本郵政取締役を財界人が独占しているのだ。高木祥吉氏は元金融庁長官で竹中氏の軍門に下った人物である。株式会社ザ・アールオリックスが大株主の企業であり、ザ・アールは日本郵政公社から接客マナー研修で7億円もの業務を受注した。役員人事と取引関係に不透明な部分が多い。

日本郵政の事業、資産は、国民共有の貴重な財産である。民営化するなら、国民の視点、利用者の視点が経営に生かされるべきことは当たり前だ。

ところが、日本郵政取締役には、一般国民、利用者、生活者が一人も登用されていない。さらに驚くべきことは、日本郵政プロパー職員が一人も登用されていないことだ。これでは一部財界による「日本郵政乗っ取り」と言わざるを得ない。

本ブログ5月1日付記事
「かんぽの宿不正売却で西川善文氏引責辞任へ」に記述したように、
①郵便局会社が取り扱う第三分野保険で、アフラックのがん保険とともに住友生命の医療保険が選ばれたこと
②変額個人年金保険で、住友生命、三井住友海上メットライフ生命が選ばれたこと
③ゆうちょのカード事業で、三井住友ビザカードが選ばれたこと
④従業員持ち株会の幹事証券業務に大和証券SMBCが選ばれたこと
など、日本郵政が三井住友ファイナンシャルグループを優遇してきたとの疑いを裏付ける事実が明らかにされている。

「かんぽの宿」売却先決定は、西川社長直属の特命チームが担当した。このラインは以下の通り。
日本郵政取締役代表執行役社長 西川善文
同専務執行役 横山邦男
同執行役   伊藤和博

このほか、住友グループ企業関係者が日本郵政グループ幹部に多数配置されている。

日本郵政
執行役副社長  寺阪元之(元スミセイ損保社長)
常務執行役   妹尾良昭(住友銀行、大和証券SMBC)

郵便局
代表取締役社長 寺阪元之(元スミセイ損保社長)
専務執行役   日高信行(住友海上火災)
常務執行役   河村 学(住友生命保険)

ゆうちょ銀行
執行役副社長  福島純夫(住友銀行、大和証券SMBC)
常務執行役   向井理奇(住友信託銀行)
常務執行役   宇野 輝(住友銀行、三井住友カード)
執行役     村島正浩(三井住友銀行)

 これらのことがらが明らかにしていることは、「郵政民営化」の名の下で、「郵政私物化」が着々と進められてきたとの限りなく濃い疑惑である。

 郵政民営化関連法は国会で審議された。しかし、現実に巨大な郵政事業と郵政財産を4つの会社にどのように承継するかを具体的に定める「郵政民営化実施計画」や日本郵政人事は、国会の手を離れて決定された。

 その骨格は竹中氏が深く関与して決定されたのだが、竹中氏はこうした直接的な利害に絡む部分について、その後に行政や政治が介入することを拒絶する意向を示し続けてきた。

このことが、竹中氏自身がその巨大利権に深く関わりを有するとの疑いを惹起(じゃっき)させる原因になっている。

「かんぽの宿」売却規定は、郵政民営化関連法案が確定する直前に、竹中氏の指示によって法律に潜り込まされたことが、国会審議で明らかにされた。

竹中氏は「かんぽの宿」事業が「本業でない」=「コア事業でない」から売却することにしたと説明するが、竹中氏が積極推進する日本郵政の不動産事業も「本業」ではなく、「コア事業」でない。一般に「ホテル事業」は「不動産事業」の一部門と分類されることからすると、竹中氏の説明は説得力を持たない。

日本郵政の西川善文社長は国会議員12名により、商法の特別背任罪未遂容疑などで刑事告発されている。鳩山総務相は本年年初以降、「かんぽの宿」売却先決定が不正に進められたことを明らかにしてきた。

「民営化」に際して、限りなく「黒」に近い「グレー」が明らかになった以上、当該責任者の責任を厳しく追及すべきことは当然である。これを「改革の後退」と言うなら、「改革」など実行するべきでない。

国民の貴重な財産が、一部の特定利害関係者によって、私的利益に転換されていたとの疑惑は、重大である。

麻生首相は担当相である鳩山総務相の判断に委ねることを明言した。

鳩山総務相は責任を厳しく追及する方針を明示している。

この二つで答えは出ている。

与謝野馨財務相が、首相の判断に従う見解を示したが、その首相は総務相の判断に委ねる見解を明確に示している。

最後は、鳩山総務相が有言実行で判断を下せばよい。鳩山総務相は後継社長は民間人が望ましいと発言しているから、民間人でも構わないだろう。

結局、鳩山総務相は最後に鳩山総務相自身が最終判断を示す舞台を自分の手で整えたことになる。この期に及んで鳩山総務相が腰砕けになるなら、鳩山総務相が特定利害関係者の「操り人形」になっていることを示してしまう。腰砕けの判断はもはや許されない

また、参議院予算員会および総務委員会、財務金融委員会は竹中氏の予定を確認のうえで、竹中氏の参考人招致を実現する必要がある。竹中氏が「郵政民営化」の実態を「郵政私物化」にしてしまった原因を作り出した張本人であるとの疑惑が濃厚になっているからだ。

ブログランキングのクリックお願いします!

人気ブログランキングへ

人気ブログランキングへ

知られざる真実―勾留地にて― Book 知られざる真実―勾留地にて―

著者:植草 一秀
販売元:イプシロン出版企画
Amazon.co.jpで詳細を確認する

竹中平蔵氏が国会出頭から逃げ回っていた理由

5月21日の参議院予算委員会審議で、国民新党の自見庄三郎議員は、新型インフルエンザ問題に対する舛添厚労相の対応が力み過ぎていると指摘した。厚労省の過剰反応、首相がテレビCMにまで登場する過剰反応が、社会の過剰反応を生み出す原因になっていることを的確に指摘した。

麻生首相のテレビCM出演は、政府広報予算の総選挙対策への流用であると批判されても仕方がないだろう。

また、自見庄三郎議員は、鳩山総務相に西川善文日本郵政社長の解任を強く要求した。鳩山総務相が最も重要な局面で腰砕けになるなら、鳩山氏は政治生命を失うだろう。鳩山総務相の西川氏解任方針を麻生首相が拒絶するなら、鳩山氏は総務相を辞任するべきだ。いずれにせよ、この期に及んで方針が定まらないのは優柔不断のそしりを免れない。

「かんぽの宿」疑惑に関連して、参議院総務委員会は竹中平蔵氏に対して、2度にわたって参考人としての出席を求めた。

「日本郵政が株式会社として発足したのちは、日本郵政のすべてが西川社長に委ねられ、行政や担当相が介入することは「根本的に誤っている」」とする竹中平蔵氏の姿勢が、問題の根源に存在する。

竹中氏は国会への出頭を2度とも拒絶したが、このことについて、竹中氏は「週刊ダイヤモンド」のインタビューで、「三日後の昼何時に来いと言われて行けるわけないじゃないですか」と答えている。

検索してみたところ、「喜八ログ」様も同じ指摘を示されていた。

参議院総務委員会ないし予算委員会は、ある程度前もって竹中氏の出頭可能な日時を確認のうえ、竹中氏の出頭を求めるべきだ。この場合、竹中氏は国会出頭から逃げることを許されない。竹中氏が国会出頭から逃げ回るようであれば、参考人招致を証人喚問に切り替えるべきだ。

ブログランキングのクリックお願いします!

人気ブログランキングへ

人気ブログランキングへ

知られざる真実―勾留地にて― Book 知られざる真実―勾留地にて―

著者:植草 一秀
販売元:イプシロン出版企画
Amazon.co.jpで詳細を確認する

2009年5月21日 (木)

社民党福島瑞穂党首が「エコ」政策の矛盾を追及

5月21日の参議院予算委員会審議で、社民党の福島瑞穂党首
「エコポイント」、「エコカー」に対する優遇策が環境負荷を高める懸念、
②補正予算が成立していないのに、5月15日からエコポイント制度をスタートさせていることの不当性、
③エコポイントを扱う事務局と業者選定の不透明性、
を指摘した。

5月15日から「エコポイント制度」が発足し、マスメディアが政府広報を担うかのように大々的に宣伝したが、この制度は補正予算が成立しない限り、まったく意味を持たない制度である。予算が成立しないのに、制度が始動するのはおかしい。日本国憲法ないし各種法令に違反しないのか。検証が求められる。

政府が新たに、「基金」に4.4兆円もの資金を投入することが補正予算案に盛り込まれているが、4.4兆円のどれだけが事務経費に充てられるのかが明示されていない。事務経費は政策に貢献する資金ではなく、多くが事務経費に充てられれば、「天下り」拡大などにつながりかねない。

エコカー、エコポイント制度は、高排気量乗用車、高消費電力製品に大きな恩典が付与される制度で、環境対策ではなく、反環境の性格を持つ、企業への便宜供与策である。

福島党首の指摘は極めて重要である。

ブログランキングのクリックお願いします!

人気ブログランキングへ

人気ブログランキングへ

 

知られざる真実―勾留地にて― Book 知られざる真実―勾留地にて―

著者:植草 一秀
販売元:イプシロン出版企画
Amazon.co.jpで詳細を確認する

改革クラブ荒井広幸議員国債費80兆円の根拠

5月21日の参議院予算委員会審議で、改革クラブの荒井広幸氏が質問に立った。荒井氏は、民主党が一般会計、特別会計合わせて212兆円のなかから1割にあたる20兆円程度の支出削減を目標に、歳出削減を実行しようとしていることに対して、批判的見解を表明した。

荒井氏は、社会保障支出と国債費、地方への支出が合計で182兆円存在し、残りの30兆円から20兆円の支出削減を実現することは不可能ではないか、との趣旨の発言を示した。

荒井氏はパネルを用意し、政府支出の内訳を示し、社会保障支出、国債費、地方交付税交付金を赤字で表示した。

録画をしていないので、詳細を確認することができないが、荒井氏は国債費が80兆円規模であると説明していたように記憶する。これは、どこから入手した数値であるのか。

2009年度一般会計当初予算での国債費
20,243,731,000,000円、20.2兆円である。これが、80兆円に拡大する要因は存在しないと考えられる。

荒井議員は、民主党反党分子が結成した「改革クラブ」に所属して以来、予算委員会審議で、麻生首相を応援する発言を精一杯示しているが、議場にはいつも、白けた空気が広がっている。

麻生氏を応援しようとするのはよいが、信頼できる数値を用いて説明しなければ、逆効果になる。荒井氏は、民主党が提示する数値の根拠があいまいであることを厳しく糾弾(きゅうだん)している。その荒井氏が根拠不明な数値を使用して民主党を攻撃しても、攻撃の成果はあがらない。国債費80兆円の根拠を明らかにして欲しい。

ブログランキングのクリックお願いします!

人気ブログランキングへ

人気ブログランキングへ

 

知られざる真実―勾留地にて― Book 知られざる真実―勾留地にて―

著者:植草 一秀
販売元:イプシロン出版企画
Amazon.co.jpで詳細を確認する

財界による「日本郵政私物化」を拒む改革が必要

政権交代を実現する意義は、日本の政治をこれまでの、
「資本の論理」、「官僚の論理」、「中央の論理」に基づく姿から、
「生活者の論理」、「国民の論理」、「地域の論理」に基づく姿に転換すること
にある。

明治維新から140年、1955年体制構築から55年、日本の政治構造は一貫して「資本の論理」、「官僚の論理」、「中央の論理」に従うものだった。

主権者である日本国民は、選挙の期間だけ主権者となり、目くらましの投票誘導政策に洗脳されてしまった。あるいは、マスメディアの情報操作によって投票が誘導された。国民の利益を代弁する強力な野党が存在しなかったことも、旧来の政治が長期間、残存した大きな要因である。

この政治構造を転換するチャンスが到来している。最大の功労者は小沢一郎氏である。2006年に解党の危機に直面した民主党を政権交代実現に手が届くところにまでけん引した。

今回の選挙に際して、「サンデー毎日」2009年5月31日号が、「自民党関係者の「岡田氏が代表になると総選挙を闘いにくい」発言は「まんじゅう怖い」発言そのもの」の指摘を紹介し、「まんじゅう怖い」について解説を施しているが、「まんじゅう怖い」説は本ブログの指摘である。私は「サンデー毎日」を名誉棄損で訴え、現在公判係争中だが、「サンデー毎日」は、「まんじゅう怖い」の出典が本ブログにあることを知らずに記事を執筆したのだろう。

閑話休題(かんわきゅうだい)、日本の政治構造を大転換するための鮮烈な政権公約
①企業献金全面禁止
②「天下り」、「渡り」の全面禁止
③世襲立候補制限
④消費税大増税阻止
⑤人間尊重の経済政策

である。

①、②の政権公約は自民党政治の本質にかかる問題提起である。自民党が民主党に対抗して、政権公約を盗用することは難しいだろう。

③について自民党は世襲候補に公認を与えないとの対応を示す動きを示しているが、無所属で立候補して、当選後の自民党入党を認めるなら、何の意味もない。小泉元首相の二男にこの制度を適用して目玉にしようとするのだろうが、見え見えの芝居に過ぎないことが誰にでも分かる。底が浅すぎる。

「悪徳ペンタゴン」が目論む、総選挙後の最大のイベントが「消費税大増税実現」だ。27日に予定される、鳩山代表と麻生首相とによる初めての党首討論でもこの問題が争点になるだろう。

民主党の姿勢は、
「最後の一滴まで財政の無駄を排除し終えるまでは増税を決して認めない」

とするもので、この姿勢が「真の財政改革」を実現する唯一の正道だ。

これに対して、自公政権=「悪徳ペンタゴン」は、
「天下りなどの巨大利権を温存したまま、国民に大増税を強要する」
姿勢を示している。

補正予算での究極のバラマキを見せつけられるなかで、そのツケを大衆増税である消費税大増税で払えとする麻生首相の提案に、国民が賛同するとはとても思えない。

「巨大な企業献金」が政治を「資本の論理」に導く主因になる。

企業献金は企業からの富の流出であり、合理的な資金流出であるなら「見返り」が必要になるし、「見返り」のない資金流出は、株主の利益に反することになる。

たしかに、社会貢献的な企業献金が存在しない訳ではないが、資金力で一般個人を凌駕する企業による献金が容認されれば、政治は「生活者」ではなく「資本」の側に強く引き寄せられてしまう。

今回の補正予算でも、巨大な財政資金は、本来、国民を支えるために投入されるべきだった。障害者、高齢者、一人親世帯、派遣労働者、非正規労働者、生活困窮者の生活を支えることが何よりも優先されるべきだった。

ところが、現実には、①官僚利権増大策、②金持ち優遇策、③大資本支援策に圧倒的な比重が置かれた。

「エコカー」、「エコポイント」というが、政府が提供する恩典は、高排気量の乗用車、高使用電力の電化製品に手厚く、まだ使用できる電化製品の買い替えが促進されるなら、環境に対する負荷は拡大する。企業の「エゴ」を満たす政策でしかない。「エゴカー」、「エゴポイント」に名称を変えた方が実態に近い

郵政民営化に際して、何よりも重要なことは、国民の貴重な財産である「日本郵政グループ」を、国民の利益に適(かな)う形で運営することである。そのためには、国民の声が正しく反映されるような経営形態が採られる必要がある。

日本郵政の取締役は以下の通りである

代表取締役 西川 善文(にしかわ よしふみ)

代表取締役 高木 祥吉(たかぎ しょうきち)

社外取締役 牛尾 治朗(うしお じろう)
ウシオ電機株式会社代表取締役会長

社外取締役 奥田 碩(おくだ ひろし)
トヨタ自動車株式会社取締役相談役

社外取締役 西岡 喬(にしおか たかし)
三菱重工業株式会社相談役

社外取締役 丹羽 宇一郎(にわ ういちろう)
伊藤忠商事株式会社取締役会長

社外取締役 奥谷 禮子(おくたに れいこ)
株式会社ザ・アール代表取締役社長

社外取締役 高橋 瞳(たかはし ひとみ)
青南監査法人代表社員

社外取締役 下河邉 和彦(しもこうべ かずひこ)
弁護士

 どう考えてもおかしなことが二つある。

 このなかに、日本郵政プロパー職員がひとりも存在しないことだ。

 日本郵政は経営破たんして、再建された企業ではない。もともと、政府の税金を1円も入れずに、健全な経営を実現していた企業体である。

 2005年9月の熱病のような郵政民営化選挙の結果、郵政民営化の方針が定まったものだ。仮に民営化するなら、その経営幹部には、最大限、郵政プロパー職員を充てるべきだ。なぜ、郵政事業に関わりのない民間人を経営幹部に据えるのか、正当な理由が見当たらない。

 もう一つの問題が、外部から起用された人材が、弁護士と会計士を除いてすべて「財界人」であることだ。「国民の声」、「生活者の声」、「郵便局サービス利用者」の声が反映されるはずがない。

 社外取締役に名を連ねる株式会社ザ・アール代表取締役の奥谷禮子氏は、経済同友会メンバーで、宮内義彦氏が議長を務めた総合規制改革会議の委員も務めた。株式会社ザ・アールはオリックスが出資する企業である。

 

週刊 ダイヤモンド 2009年 5/23号 [雑誌] Book 週刊 ダイヤモンド 2009年 5/23号 [雑誌]

販売元:ダイヤモンド社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

  

 この株式会社ザ・アールは、日本郵政公社から職員マナー研修で7億円もの業務の発注を受けた。週刊ダイヤモンド2009年5月23日号によると、株式会社ザ・アールが受注したマナー研修に関連してスタートした接客態度ランク付け制度は、2007年10月の日本郵政発足後に雲散霧消してしまったという。週刊ダイヤモンドは「七億円はどぶに捨てたようなもの」という郵政関係者の声を紹介している。

 日本郵政プロパー職員が一人も持株会社である日本郵政取締役に起用されていないことも異常である。日本郵政次期社長の最有力候補は、日本郵政代表執行役副社長の團宏明氏であるが、團宏明氏は日本郵便代表取締役社長を兼務している。

障害者団体向けの郵便割引制度を悪用した問題が刑事事件に発展しているが、この摘発が團宏明氏の日本郵政社長昇格を阻止するための材料に活用される可能性がある。5月1日付記事に既述したように、今回の摘発が「西川派」による「反撃」的な裏があるとの指摘が早い段階から存在した。日本郵便の不祥事の最終責任を西川日本郵政社長が負うことも忘れてならない。

日本郵政プロパー職員を排除し、外部の特定利害関係者だけを日本郵政の幹部に起用すること自体が、そもそもおかしいのだ。これが「郵政私物化」の実態を示す何よりの証左(しょうさ)である。

鳩山総務相は、重要な問題を摘出し、氷山の一角ではあるが、「日本郵政私物化」の一端を広く国民に知らしめる役割を果たした。

ところが、最後の、最も重要な局面で腰砕けになるなら、国民の信頼は音を立てて崩れ去るだろう。

鳩山総務相は西川氏の続投を拒絶し、團宏明氏を日本郵政次期社長に起用するべきだ。同時に、日本郵政取締役の構成を大きく変更するべきだ。

ブログランキングのクリックお願いします!

人気ブログランキングへ

人気ブログランキングへ

 

知られざる真実―勾留地にて― Book 知られざる真実―勾留地にて―

著者:植草 一秀
販売元:イプシロン出版企画
Amazon.co.jpで詳細を確認する

2009年5月20日 (水)

鳩山邦夫総務相の政治生命を決す日本郵政人事

日本郵政株式会社人事が大詰めの攻防を演じているが、この問題の処理が所管大臣である鳩山邦夫総務相の政治生命を決する重みを持つと言って過言でない。

鳩山総務相は本年年初以来、「かんぽの宿」疑惑にメスを入れた。

「かんぽの宿」疑惑は、「郵政民営化」の実態が「郵政私物化」であったことを鮮明に浮かび上がらせる事例である。2400億円の資金を投じた、固定資産評価額が856億円の貴重な国民資産が、極めて不透明な手続きを経て、オリックス不動産に109億円で売却されようとした。

郵政民営化を主導した竹中平蔵氏、竹中氏によって日本郵政初代社長に起用された三井住友銀行頭取だった西川善文氏、総合規制改革会議議長として郵政民営化論議に深くかかわった宮内義彦オリックス社長。このトライアングルが「郵政民営化の闇」=「郵政私物化疑惑」を解明する鍵を握るというのが、問題を見つめてきた識者の一致した見解である。

「かんぽの宿」70件プラス首都圏社宅9件の計79物件が109億円でオリックス不動産に売却されるとの契約が締結されたが、常識的に見て、まったくあり得ない不当廉売だと判断されてきた。

この点は、アドバイザーに選定されたメリルリンチ日本証券に支払われることになっていた最低手数料6億円が、売却価格の1.4%を手数料とするとの取り決めを踏まえると、物件が最低でも429億円で売却されることを前提としていたことからも明らかである。

79件の物件のなかには、「ラフレさいたま」という巨大な首都圏施設も含まれている。「ラフレさいたま」は約300億円の資金が投入された施設で、現状でも100億円程度の資産価値があると見られている。首都圏9ヵ所の社宅施設は地元不動産会社の鑑定では47億円程度の価値があると見られている。

鳩山総務相の指示に基づいて実行された調査により、売却先がオリックスに決定された経緯が極めて不透明で、公正さを欠いていることが明らかになった。

結局、日本郵政はオリックス不動産への売却契約を白紙に還元せざるを得なくなった。「かんぽの宿」競争入札は昨年4月に告知されたが、不動産売却を取り巻く環境は最悪で、このなかで売却を強行すれば、不当に低い価格での売却にならざるを得ないことも予想された。

アドバイザーのメリルリンチ日本証券は日本郵政に売却中止を提案したが、日本郵政は拒否した。日本郵政に不当に低い価格での売却を実現しようとの思惑があったのだと考えられる。

また、日本郵政に高価格での物件購入意向を示した一部の業者が、日本郵政サイドの判断で門前払いにされたことも明らかにされている。「かんぽの宿」は国民の貴重な財産である。売却するのであれば、1円でも高い価格での売却を実現するために、最善を尽くすことが求められるのに、日本郵政の行動は、不当に低い価格でのオリックス不動産への売却を誘導するものであったと言える。

日本郵政で「かんぽの宿」売却を担当したのは、CRE部門資産ソリューション部だったが、この部門は西川善文社長-横田邦男専務執行役-伊藤和博執行役のラインの西川社長特命チームによって専権的に担当されたことが明らかになっている。横田氏も、伊藤氏も西川社長人事で日本郵政に入社した人物である。

本ブログ5月1日付記事
「かんぽの宿不正売却で西川善文氏引責辞任へ」
に記述したように、「かんぽの宿」疑惑以外に、日本郵政の業務が「私物化」されているとの疑惑が数多く浮かび上がっている。

①郵便局会社が取り扱う第三分野保険で、アフラックのがん保険とともに住友生命の医療保険が選ばれたこと
②変額個人年金保険で、住友生命、三井住友海上メットライフ生命が選ばれたこと
③ゆうちょのカード事業で、三井住友ビザカードが選ばれたこと
④従業員持ち株会の幹事証券業務に大和証券SNBCが選ばれたこと
など、日本郵政が三井住友ファイナンシャルグループを優遇してきたとの疑惑が浮上している。

問題の根源にあるのは、日本郵政が株式会社形態に移行したことによって、「民営化」が実現し、これ以後は、「経営のすべてが日本郵政社長の西川氏に委ねられ、政治は一切、日本郵政の事業に介入すべきでない」とする、竹中平蔵氏の歪んだ「民営化」解釈である。

二つの大きな問題がある。

第一は、日本郵政の経営が株式会社形態に移行したが、株式の100%を日本政府が保有しており、現時点では、日本郵政が完全な国有会社であることだ。「株式会社に移行した以上、日本郵政の経営のすべてを、西川社長の一存で決することができ、政治は一切介入すべきでない」との竹中氏の主張は、完全な誤りである。

このような判断に基づき、日本郵政の経営が実行されてきたところに、根源的な誤りの原点がある。竹中平蔵氏の責任も明確に追及されなければならない。

第二は、したがって、日本郵政の人事決定に際しては、国民の利益を最大化する視点での検討が不可欠であることで、本来は、日本郵政幹部人事を国会同意人事とするべきだった。

日本郵政は、340兆円の巨大な国民金融資産を保有し、また、不動産保有規模においても、日本最大級の水準を擁する巨大企業である。その企業の経営者が特定の人物によって選ばれ、選ばれた経営者が特定勢力の利益追求に走り、しかも、行政府や立法府による企業経営適正化に向けての指導、監督を許さない、との理屈が成り立つはずがない。

国会や政府による、「郵政私物化」を阻止するための強力な行動は、禁じられるべきものではなく、国民の利益を守るために推進されるべき「責務」である。

日本郵政の幹部人事を見てみよう。

以下が日本郵政取締役である。

代表取締役 西川 善文(にしかわ よしふみ)

代表取締役 高木 祥吉(たかぎ しょうきち)

社外取締役 牛尾 治朗(うしお じろう)
ウシオ電機株式会社代表取締役会長

社外取締役 奥田 碩(おくだ ひろし)
トヨタ自動車株式会社取締役相談役

社外取締役 西岡 喬(にしおか たかし)
三菱重工業株式会社相談役

社外取締役 丹羽 宇一郎(にわ ういちろう)
伊藤忠商事株式会社取締役会長

社外取締役 奥谷 禮子(おくたに れいこ)
株式会社ザ・アール代表取締役社長

社外取締役 高橋 瞳(たかはし ひとみ)
青南監査法人代表社員

社外取締役 下河邉 和彦(しもこうべ かずひこ)
弁護士

他方、日本郵政の役員人事案を決定する指名委員会委員は

委員長 牛尾 治朗(うしお じろう)

委員 西川 善文(にしかわ よしふみ)

委員 高木 祥吉(たかぎ しょうきち)

委員 奥田 碩(おくだ ひろし)

委員 丹羽 宇一郎(にわ ういちろう)

である。西川氏、高木氏が含まれ、5名全員が日本郵政の取締役である。

鳩山総務相が「お手盛り人事」と指摘したが、自らの処遇を自らで決めている。

繰り返すが、日本郵政はその株式の100%を日本政府が保有する完全国有会社である。したがって、その役員人事については、一義的に、日本政府に完全な決定権がある。鳩山総務相には、日本郵政役員人事について、法律で定められた認可権があり、取締役の全面的な刷新を図る必要も生じている。

日本郵政取締役人事の正統性は、唯一、100%株主である日本政府が適正であると認めることにのみ存在する。

日本郵政は「指名委員会」が西川社長の続投を決めたことを、西川氏続投の正統性の根拠とするが、指名委員会に所属する取締役自身が、日本政府のお墨付きを得て初めて、取締役として存在する正統性を確保する存在なのだ。

認可権を有する総務相が、日本郵政取締役人事刷新を求めるなら、本来は、指名委員会がその意向に沿った決定を下すことが適正である。指名委員会が認可権を持つ総務相の意向に反する意思決定を示すなら、総務相は指名委員会の委員である取締役を解任し、適正な人事を実行するべきである。

「天下り」禁止が論議の対象になっている。

拙著『知られざる真実-勾留地にて-』にも記述したが、政府系機関の幹部人事にあたっては、当該組織のプロパー職員から幹部を登用することを基本とするべきである。

いかなる機関であれ、当該機関に対する忠誠心、愛着を持つ第一の存在はプロパー職員である。JRにしろ、たばこ産業にしろ、当初は、所管官庁からの「天下り」が続いた。日本政策金融公庫、日本政策投資銀行、国際協力銀行などの機関では、いまも「天下り」が続いている。

「天下り」廃止後の基本的な姿は、当該機関に永年勤務したプロパー職員のなかから、能力と貢献に応じて、幹部に登用することである。

多数の公益法人は「天下り」そのものを目的に設立されているから、「天下り」が廃止されれば、機関そのものの存在意義が問われることになる。

日本郵政を民営化する方針であるなら、日本郵政幹部は日本郵政プロパー職員から選出することを基本とするべきだ。JRなどでも、当初は旧運輸省などからの「天下り」によって経営幹部が占有されたが、その後は、JRプロパー職員が経営幹部に登用されている。

日本郵政人事について、西川社長の後任社長が旧郵政省職員になることを「官僚支配」の復活だとする意見が散見されるが、妥当でない。

総務省の郵政三事業に該当する部門が、行政部門から切り離されて日本郵政グループ会社に衣替えされたのだ。衣替えした日本郵政経営幹部に日本郵政プロパー職員が登用されることは、当然であり、むしろ望ましいことだと言える。

小泉政権の時代に顕著になったのは、民間人が政府部門の要職に重用(ちょうよう)されたことである。政府に重用された民間人のなかには有為な人材も存在するが、一方で、政府要職のポストが、民間人を利益誘導する材料として用いられてきたことも事実である。

政治権力に迎合する民間人に政府主要ポストを配分する、利益誘導人事は、「金権政治」に代わって「人事権政治」を生み出してきたことを否めない。この点についても、拙著『知られざる真実-勾留地にて-』に記述したので、ご高覧賜りたい。

政府系機関のトップへの民間人起用が散見されるが、実務に詳しくない民間人が「お飾り」として機関トップに据えられるだけで、実質的な最高経営責任者の機能がその下の「天下り」幹部に握られている例も多い。

また、民間から起用されたトップが、その人物の出身機関などに利益供与等の便宜供与を図っているとの疑いも浮上している。

民間人を経営幹部に据えることは「改革」でも何でもない。むしろ、特定の利害を有する勢力を、公的機関幹部に据えることの不透明性、国民への不利益が十分に認識されなければならない。

「日本郵政」が西川社長続投を決めた後に、鳩山総務相が西川社長続投人事を認可しないことを、マスメディアが「鳩山氏の横暴」との印象を付して報道する可能性が高いが、正義は明らかに鳩山総務相の側にある

「かんぽの宿」疑惑を白日の下に晒(さら)し、日本郵政の「郵政私物化」の実態を明らかにした鳩山総務相が、最も重要な局面で、腰砕(こしくだ)けになれば、鳩山総務相は政治生命を失うことになるだろう。

麻生首相は、「麻生おろし」を防ぐために、「郵政私物化勢力」、「郵政米営化勢力」に妥協し、日本郵政人事での西川社長続投を容認するのか。

日本郵政の現執行部が、政府の意向に反して、日本郵政幹部人事を決定する正統性は存在しない鳩山総務相は政府の意向に反する人事を決定しようとする日本郵政取締役を一掃すべきである。それが、日本郵政株式会社法に定められた政府の責務である。鳩山総務相がどのように行動するかが注目される。

ブログランキングのクリックをお願いします!

人気ブログランキングへ

人気ブログランキングへ

 

知られざる真実―勾留地にて― Book 知られざる真実―勾留地にて―

著者:植草 一秀
販売元:イプシロン出版企画
Amazon.co.jpで詳細を確認する

2009年5月19日 (火)

インフルエンザと急減する鳩山新生民主党報道

5月11日に民主党の小沢代表が電撃的に辞意を明らかにした。通常国会開会中との事情を考慮して、16日に代表選を実施することが決定された。鳩山由紀夫氏と岡田克也氏の二名が立候補し、鳩山由紀夫氏が第7代民主党代表に選出された。

小沢氏の辞意表明から代表選実施までの期間は短かったが、テレビ番組への出演、日本記者クラブでの公開討論会、民主党両院議員総会での立候補演説、ディベートなど、代表選出に必要な最低限の討論は実施され、次期総選挙に向けての基本政権構想、基本公約などが明らかにされた。短い期間に効率的で中身の濃い代表選が実施されたと評価できる。

本格的な政権交代を阻止するため、民主党大躍進をけん引した小沢前代表に標的を定め、手段を選ばずに攻撃し続けてきた「悪徳ペンタゴン」を率いる自公政権が、民主党小沢前代表を標的にした卑劣な政治謀略を仕掛けたのだと考えられる。代表選実施に際してマスメディアは、総力をあげて岡田克也氏を全面支援する選挙介入活動を展開した。

御用メディアが紹介した「岡田克也氏が選出されたら手ごわい」との自公政権の声は、典型的な「まんじゅう怖い」発言だった。

岡田氏が民主党代表に就任するなら、
①民主党内内部分裂が加速し、
②「悪徳ペンタゴン」の最優先課題「消費税大増税」実現が容易になり、
③「天下り」根絶と「企業献金全面禁止」が大幅に後退する、
ことが期待できた。

「悪徳ペンタゴン」は小沢氏の類(たぐい)まれな選挙戦術能力と、「悪徳ペンタゴン」の利権構造を破壊する腕力を、何よりも警戒し続けてきた。これが、2006年4月の小沢氏の民主党代表就任以来、「悪徳ペンタゴン」が小沢氏攻撃を展開し続けてきた理由だ。テレビ朝日「サンデープロジェクト」、「TVタックル」、よみうりテレビ「ウェークアッププラス」などの偏向報道は目に余るものだった。

3月3日の小沢代表秘書逮捕後、民主党は挙党一致で卑劣な政治謀略に立ち向かう必要があったが、民主党内反小沢派の一部の議員を中心に、愚かなことに民主党内で小沢代表おろしの動きを演じる失態を演じてしまった。ここに、若い政党のアキレス腱があった。

民主党内で小沢代表おろし発言を示した議員は少数だったが、これが小沢代表失脚工作を進めるマスメディアの格好の材料にされた。御用メディアの情報操作活動が拡大の一途をたどり、次期総選挙に少なからぬ影響が生じることが懸念された。

この現実を踏まえて、小沢代表が5月11日に代表辞任の意向を表明し、5月16日の鳩山代表選出の流れを生み出した。御用メディアは民主党代表選に対して、悪質な選挙妨害を展開したが、民主党はぎりぎりのところで、小沢氏を卑劣な攻撃から守り、鳩山新代表を選出した。民主党の見識が民主党を危機から救った

御用メディアは民意を確認する前に激しい鳩山新代表攻撃を展開したが、この悪質な情報操作を跳ね返し、鳩山新代表は国民から高い評価を獲得した。

①企業献金全面禁止
②「天下り」、「渡り」の全面禁止
③消費税大増税封印
④議員世襲立候補制限
⑤人間尊重の経済政策

を明確に公約として掲げた鳩山新代表が国民から高い評価を得るのは当然である。

 テレビ画面での受け答えからも、鳩山氏の誠実で慈愛(じあい)に溢(あふ)れる人柄は正しく伝わってくる。上から目線で、弱きものへの冷酷な心が透けて見える、どこかの国の宰相(さいしょう)と見比べて、鳩山人気が沸騰(ふっとう)するのは当然だ。

 鳩山氏が自民党新総裁に就任したのなら、テレビは連日、鳩山新代表報道一色になっただろう。麻生氏が自民党総裁に選出されたときの、過剰報道を思い起こしても、御用メディアのスタンスの違いは鮮明である。

 NHK「日曜討論」の鳩山新代表に対するインタビューは、NHKの質的な劣化をあますことなく表示するものだった。影山日出夫氏が政権与党に擦り寄る姿勢を隠さずに司会をこなす姿はあまりにも痛々しい。NHKは民主党支持者が組織的に「受信料不払い運動」を実行することへの覚悟を固めているのだろうか。

 TBSテレビの夕刻ニュース番組「総力報道」は5月18日に、鳩山新代表に対する単独インタビューを放送した。番組MCの後藤謙次氏が鳩山新代表にインタビューを行なった。

 後藤謙次氏は、メインゲストである鳩山氏を下座である下手に着席させ、自分が上座である上手に着席してしまった。番組制作者が「上手」、「下手」を区別しないことはあり得ない。番組が意図して、鳩山氏を「下手」に着席させたのだろう。「御用メディア」の民主党攻撃の一端はこんな細部にも表れる。

 NHKは5月16日の民主党代表選挙報道を途中で打ち切り、「インフルエンザ報道」に切り替えた。日本政府と御用メディアのインフルエンザ報道は「バイオテロ」並みのものである。

 本来、マスメディア報道は民主党新代表報道で染め抜かれる局面である。自民党総裁選では、安倍晋三氏、福田康夫氏の二人の首相が首相就任1年にも満たない局面で、無責任に政権を放り出した。

 メディアは政権政党の責任を厳しく糾弾(きゅうだん)するべき局面だったが、政権批判を瞬(またた)く間に放り出して、自民党総裁選を懸命に盛り上げる大政翼賛報道を演じた。

 すべては、既得権益勢力である「悪徳ペンタゴン」が、明治維新以来140年間、あるいは1955年体制確立以来の55年間、維持し続けてきた「既得権益」を死守するための行動である。この死に物狂いの抵抗を振り切り、本格的な政権交代を実現することは、決して容易ではない。

 政府の過剰な「インフルエンザ報道」により、陰に追い込まれたのは「民主党新代表報道」だけではない。鴻池祥肇(こうのいけよしただ)官房副長官更迭(こうてつ)報道、麻生首相の「子供二人を設けて最低限の義務を果たした」発言などが、陰に隠され、不問(ふもん)に付されたのである。

 問題のインフルエンザだが、今回、感染が問題になっている新型インフルエンザはH1N1型のウィルスで、「弱毒性」であることが報告されてきた。

ところが、政府のインフルエンザ問題への対応は「強毒性」の鳥インフルエンザ、H5N1型ウィルスを想定したものである。

 政府の対応は二つの重大な失敗を犯している。

 第一は、「水際対策」と称して国際空港での「検疫」に重点を置いたことである。テレビ報道は空港でのものものしい「検疫」体制を過剰報道したが、先進国でこのような対応を示した国はない。

 新型インフルエンザは10日間程度の潜伏期間があるため、入国した人のすべてを10日間程度隔離して発症を確認しなければ意味がない。また、感染しても発症しない人が存在するため、この方法を用いても、国内への感染を遮断(しゃだん)できるとは考えられないのだ。

 第二の問題は、政府が想定した「強毒性」と、現実に感染が広がっている「弱毒性」との間には、巨大な落差が存在することである。「弱毒性」ウィルスによるインフルエンザの致死率が1~2%程度であるのに対し、「強毒性」ウィルスによるインフルエンザは致死率が60%を超すとされる。

 政府が強毒性ウィルスを前提とした対応を強行した背景のひとつに、パフォーマンスを好む舛添要一厚労相の強い意向が存在すると指摘されている。国内初の感染が確認された5月9日、豚インフルエンザ対策本部幹事会は、本来、厚労省庁舎で開催される予定だったものを、舛添厚労省の強い意向により、首相官邸で開催されたと伝えられている。

 感染者が発生したことを舛添大臣が記者会見で、「重大報告」として発表することにより、国内での過剰反応が拡大していった。

 急激に感染者が増加している関西地方では、経済活動に重大な影響が出始めている。一般市民は過剰反応して外出を極力控えるようになるだろう。関西地方の消費活動が急落することは明白である。

 国民の健康と安全を確保することは重要だが、致死率60%の感染症への対応と、致死率2%の感染症への対応が同水準であるはずがない。舛添厚労相は、政府対応の切り替え方針を表明し始めたが、政府の責任を免れるものではない。

 弱毒性ウィルスが強毒性ウィルスに突然変異するリスクには十分な警戒が必要だが、この点は、季節性インフルエンザでも懸念がゼロであるわけではない。舛添厚労相は「感染を水際で止める」と豪語していたようだが、この発言を示す間にウィルスは国内に侵入していた。

 他の先進国で、日本政府のようなパニックに陥っ政府は存在しない。政治的な思惑で新型インフルエンザが利用された疑いが濃厚である。政府の対応がなぜこのようなものになったのかについての検証が求められる。

ブログランキングのクリックお願いします!

人気ブログランキングへ

人気ブログランキングへ

 

知られざる真実―勾留地にて― Book 知られざる真実―勾留地にて―

著者:植草 一秀
販売元:イプシロン出版企画
Amazon.co.jpで詳細を確認する

正統性ない西川善文日本郵政社長続投論

「かんぽの宿」疑惑は、「郵政民営化」の実態が「郵政私物化」であったことを鮮明に浮かび上がらせた。2400億円の資金を投じた、固定資産評価額が856億円の貴重な国民資産が、極めて不透明な手続きを経て、オリックス不動産に109億円で売却されようとした。

鳩山総務相が問題の不透明性を指摘し、詳細の解明を求めた途端、日本郵政はオリックス不動産への売却契約を白紙に還元することを決定した。日本郵政自身が不正売却を認めたから、白紙還元を決定したのだと考えられる。

民主党、社民党、国民新党の野党3党の有志議員12名は、5月15日、東京地検に日本郵政の西川善文社長を特別背任罪未遂等の容疑で刑事告発した

鳩山総務相は日本郵政に対して業務改善命令を発し、日本郵政は6月末までに業務改善報告を提出しなければならない。

「かんぽの宿」70件プラス首都圏社宅9件の計79物件が109億円でオリックス不動産に売却されるとの契約が締結された。79件の物件のなかには、「ラフレさいたま」という巨大な首都圏施設も含まれている。「ラフレさいたま」は約300億円の資金が投入されて建設された施設で、現状でも100億円程度の資産価値があると見られている。首都圏9ヵ所の社宅施設は地元不動産会社の鑑定では47億円程度の価値があると見られる物件である。

これらの施設が、すべて合わせて109億円で売却されようとしていた。日本郵政は当初、一般競争入札を行なったとの説明を示していたが、現実には「随意契約」の一類型で売却先決定であったことが、保坂展人衆議院議員などの国会での追及により判明した。

アドバイザーに選定されたメリルリンチ日本証券には、最低でも6億円の手数料が支払われることが決められたが、6億円は600億円程度での売却を前提にした数値であった。

売却の告知は2008年4月に行われ、12月に契約が成立したが、この期間の金融環境は劣悪なものだった。米国では2008年3月に大手証券会社ベア・スターンズ社の経営危機が表面化し、FRBは緊急大幅利下げを断行した。さらに、9月には大手証券会社リーマン・ブラザーズ社が破たんし、世界的な金融危機が広がった。

日本でも不動産金融不況が深刻化し、不動産価格が大幅に下落した。2008年は上場企業が33社も倒産したが、そのうち25社が不動産関連企業だった。不動産不況が進行している局面では、不動産の買い手は極端に減少する。

メリルリンチ日本証券は、3度にわたって売却中止提案を日本郵政に示したが、日本郵政に拒否された。仮に「かんぽの宿」を売却するなら、日本郵政は貴重な国民資産である「かんぽの宿」売却にあたって、1円でも高い価格で売却する義務を負っている。これが日本郵政経営者に課せられた「善管注意義務」である。日本郵政の行動は、この大原則に反している

日本郵政に高価格での物件購入意向を示した一部の業者は、日本郵政サイドの判断で不透明に排除された。価格競争入札的な選考が2度実施されたが、日本郵政の専務執行役によって、人為的に順位が入れ替えられたことも明らかになっている。

これまでに明らかにされている事実は、オリックス不動産への109億円での売却が、不正に決定されたとの疑惑を補強するものになっている。鳩山総務相はこの点を問題視し、日本郵政関係者の責任を問う姿勢を示しているが、これまでのところ、明確な措置は取られていない。

こうしたなかで、6月末に日本郵政取締役の任期が満了になる。日本郵政は指名委員会制度を採用しており、取締役人事については、指名委員会が原案を提示し、株主総会で決定されることになっている。

現在、日本郵政の指名委員会委員は以下の5名である。
委員長 牛尾 治朗(うしお じろう)

委員  西川 善文(にしかわ よしふみ)

委員  高木 祥吉(たかぎ しょうきち)

委員  奥田 碩(おくだ ひろし)

委員  丹羽 宇一郎(にわ ういちろう)

このなかの西川氏は日本郵政現社長、高木氏は同副社長である。残る3名は財界人である。 

この指名委員会が西川氏の続投を容認する方針を示している。「郵政私物化」勢力は、この手続きを根拠に、西川氏続投を強行しようとしている。

問題の本質は、日本郵政のガバナンスに関する歪(ゆが)んだ解釈にある。その元凶は、郵政民営化を担当した竹中平蔵元郵政民営化担当相の歪んだ考え方にある

何が問題なのか。

一言で言えば、日本郵政株式会社は、現時点で日本政府が100%株式を保有する、完全な国有会社であるにも関わらず、日本郵政の意思決定を株主である日本政府ではなく、日本郵政自身に完全に委ねようとすることに、本質的な間違いがある。

このことを、竹中氏の記述をもとに検証してみよう。

竹中氏は自著のなかで、2005年10月21日の郵政民営化関連法成立を受けた時点で、日本郵政株式会社のCEOを人選することが重要な仕事であるとして、2005年10月29日に竹中氏が西川氏に就任を依頼したことを記述している。

日本郵政初代社長に西川氏を起用したことに関連して、竹中氏は自著のなかで、「民営化」について次のように記述している。

「辞書によると、民営化とは、「民間の経営に任せること」とある。文字通り郵政民営化とは、郵政の経営を民間に任せることであり、政府はそれが可能なように、また効率的に行われるように枠組みを作ることである。これで、西川氏に、経営のすべて、民営化のすべてが委ねられることになった。」
(『構造改革の真実』239ページ)

また、「日々・from an architect」様は、竹中平蔵氏が寄稿した2008年10月2日付朝日新聞記事「私の視点・郵政民営化1年」について、次のように記述している。

「朝日新聞10月2日「私の視点・郵政民営化1年」での、元総務相竹中平蔵氏の論には、唖然とし憤りを覚える前に、なんとも情けなくなった。竹中氏は言う。民営化というのは、民間人に経営を委ねるということで、政治家が日本郵政の経営者を政治の場に呼び出しているのはけしからん。そして「政治は経営の邪魔をすべきではない」と明言する。」

さらに竹中氏は、「かんぽの宿」疑惑が表面化したのち、本年1月19日付産経新聞に「かんぽの宿は“不良債権”」と題する文章を寄稿した。竹中氏は次のように記述した。

「(「かんぽの宿」売却の時期や価格の判断は)市場や経営を知らない政治家や官僚に判断できる問題ではない。経営者が判断するべき問題である。そもそも民営化とは、民間の判断に任せることであり、経営判断の問題に政治が口出しすること、しかも機会費用の概念を理解しない政治家が介入することは、根本的に誤っている。」

これらの記述を通じて窺(うかが)えるのは、竹中氏が、日本郵政株式会社が発足した2007年10月の時点で、あるいは、郵政民営化関連法が成立した2005年10月の時点で、「民営化」が成立しており、これ以降、「日本郵政」は民間会社であって、政治家や官僚が口出しすることが「根本的に誤っている」と考えていると判断されることだ。

これは、とんでもない思い違いであると言わざるを得ない。

政府は国民に代わって、貴重な国民資産である「日本郵政」を監視する役割を負っている。ところが、竹中氏は政府が日本郵政を監視することを「間違いだ」と言うのだ。日本郵政を「私物化」することを邪魔するなということなのだろう。

政府保有の株式のすべてが民間に売却され、日本郵政株式保有者が完全民間主体になれば、日本郵政は完全に「民営化」されたことになる。仮にそのような状況が生じたなら、日本郵政の意思決定は日本郵政自身に委ねられることになる。

しかし、現時点では、日本郵政の株式の100%を政府が保有している。したがって、日本郵政の意思決定権限は、100%日本政府にある。この基本を確認する必要がある。

日本郵政役員人事について、指名委員会が提案権を保持するとしても、その提案が決定されるのは株主総会である。株式を100%政府が保有している以上、その提案を認めるか認めないかの権限は、100%政府にある

メディア報道は、日本郵政が西川善文社長の続投を決定するかのような表現を用いているが、日本郵政自身に人事を決定する権限は存在しない決定権限を持つのは、あくまで日本政府である

したがって、本来は指名委員会が原案を策定する段階で、100%出資者である政府に意向を確認することが不可欠である。株主の意向を無視して原案を策定しても無意味であるし、そもそも、指名委員会は株主である日本政府の意向を反映して意思決定する責務を負う存在である。

日本郵政株式会社法には以下の規定が定められている。

(取締役等の選任等の決議)

第九条  会社の取締役の選任及び解任並びに監査役の選任及び解任の決議は、総務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。 

 日本郵政は総務相の意向に反する人事を強行する構えを示しているが、まったく正統性のない行動である。意味もない。日本郵政株式がすべて民間に売却され、日本郵政が「民営化」された段階であれば、その民間株主の意向によって定めれば良いが、現状では株式の100%を政府が保有している。

担当相が、国民の利益を最大化するとの基準に基づいて株主としての権限を行使しようとするなら、日本郵政サイドにその意向に反する行動を示す根拠は まったく存在しない。

日本郵政株式会社法に定められているように、日本郵政取締役選任の認可権限は総務大臣にあり、これがすべてである。

指名委員会と総務相を同じレベルで捉えて、「総務相対日本郵政」との図式で報道することは、本質的な間違いである。この間違いは、竹中平蔵氏が犯している稚拙(ちせつ)で、まったく根拠のない主張と同レベルのものだ。

刑事告発については、今後の東京地検の対応を見守らなければならないが、極めて重大で悪質な事案であるだけに、検察当局の厳正な法の運用が強く求められる。

竹中氏が日本郵政社長に西川善文氏を起用した際に、竹中氏に対して西川氏を推薦したのはオリックスの宮内義彦氏であるとの竹中氏と親しい人物の証言があるとも伝えられている。

「かんぽの宿」疑惑は徹底的に解明されなければならない。最終的には、小泉元首相、竹中平蔵氏、宮内義彦氏に関する疑惑解明が求められるが、まずは、7月人事での西川善文社長と高木祥吉副社長の解任が求められる。

ブログランキングのクリックお願いします!

人気ブログランキングへ

人気ブログランキングへ

 

知られざる真実―勾留地にて― Book 知られざる真実―勾留地にて―

著者:植草 一秀
販売元:イプシロン出版企画
Amazon.co.jpで詳細を確認する

2009年5月18日 (月)

逆風下で党勢急騰を示す鳩山民主党世論調査

民主党代表選後に実施された緊急世論調査結果がほぼ出揃った。

結果は、与党に衝撃を与えるものになった。

総選挙を目前に控えて、調査項目のなかで最も注目されるのは、
①麻生首相と鳩山代表のどちらが首相にふさわしいか
②次の総選挙比例区でどの政党に投票するか
③政党支持率
の三つの項目である。同時に、④麻生内閣支持率、も当然注目される。

各社世論調査結果は以下のとおり。

毎日新聞

首相にふさわしいのはどちら
鳩山代表 34% 麻生首相21%
投票する政党
民主党  56% 自民党 29%
政党支持率
民主党  30% 自民党 23%
麻生内閣を  
支持しない58% 支持する24%

朝日新聞
首相にふさわしいのはどちら
鳩山代表 40% 麻生首相29%
投票する政党
民主党  38% 自民党 25%
政党支持率
民主党  26% 自民党 25%
麻生内閣を  
支持しない56% 支持する27%

読売新聞
首相にふさわしいのはどちら
鳩山代表 42% 麻生首相32%
投票する政党
民主党  41% 自民党 27%
政党支持率
民主党  31% 自民党 28%
麻生内閣を  
支持しない60% 支持する30%

日経新聞
首相にふさわしいのはどちら
鳩山代表 29% 麻生首相16%
政党支持率
民主党  38% 自民党 33%
麻生内閣を  
支持しない62% 支持する30%

共同通信
首相にふさわしいのはどちら
鳩山代表 44% 麻生首相32%
投票する政党
民主党  37% 自民党 26%
政党支持率
民主党  30% 自民党 25%
麻生内閣を
支持しない60% 支持する26%

5月11日に、小沢前代表が電撃的に辞意を表明した。小沢前代表は民主党を取り巻く情勢を分析し、次期総選挙での民主党勝利、政権交代実現という最大の目標を実現するために最も有効な道を選択したのだと考えられる。

問題の発端は3月3日に小沢代表公設第一秘書が政治資金規正法違反容疑で突然逮捕されたことだった。総選挙を目前とした時期に、通常は収支報告書の訂正で済むような事案で、いきなり逮捕、勾留の措置が取られたことに対する民主党の反応は、ほとんど反射的と言えるものだった。小沢代表は検察捜査の不当性を直ちに指摘した。

その後、時間の経過とともに事件の詳細が明らかになっていった。明らかになる客観事実は、一連の行動が政治的背景をもった謀略であるとの仮説を補強するものであった。

民主党は党をあげて、政治謀略の疑惑に対して毅然とした対応を示す必要があったが、既得権益勢力はマスメディアを総動員して、小沢氏攻撃、民主党攻撃を強めた。

小沢氏は当初から、不正な検察権力の行使に対しては、妥協せずに闘い抜く意志を表示していたが、不正な情報操作による実害が拡大する気配を示した現実を踏まえて、筋を曲げて代表を辞任し、総選挙対策を優先する姿勢を示した。

小沢代表の辞任は引責辞任ではなかった。小沢氏は辞意表明の記者会見でこのことを明確に示した。したがって、次期代表を選出するにあたっては、小沢代表の辞任が引責でなく、不当な情報操作に対する自衛策であることを明確に踏まえることが極めて重要であった。この意味で、鳩山氏の次期代表就任は正統制を備えている。

代表選に立候補した岡田克也氏をはじめ、岡田氏を支援した民主党議員の大半は、日本の真の構造改革を実現するための政権交代、官僚が実権を握り続けてきた日本の政治構造を打破し、国民本位の政治を確立することを真摯に(しんし)に追求する優れた人々である。

この意味で、代表選で最も重要な留意点は、「対立」ではなく「挙党一体制」をいかに確立するのか、換言すれば、党分裂を回避することにあった。

政権交代の実現は、これまで既得権益を享受(きょうじゅ)し続けてきた勢力=「悪徳ペンタゴン」勢力の利権構造を破壊することを意味する。それだけに、政権交代実現を目指す勢力が、想像を絶する抵抗に遭遇することは当然である。

本ブログで記述してきたように、「悪徳ペンタゴン」は既得権益を維持するために、既得権益構造を破壊する最大の脅威と見なす小沢一郎氏の影響力を排除するための行動を展開し続けてきた。

2007年参院選での小沢氏に対するネガティブ・キャンペーン、大連立構想、日銀総裁人事での小沢氏失脚工作、民主党代表選実施工作などは、いずれも小沢氏の影響力を排除するための行動であったと考えられる。

昨年秋の民主党代表選において、「悪徳ペンタゴン」勢力は執拗に民主党代表選実施を要請した。その狙いが今回の民主党代表選ではっきり表に表れた。御用メディアは、「親小沢対反小沢」の図式化を強要し、「反小沢」陣営全面支援活動を展開した。

「反小沢」陣営が勝利すれば小沢氏の影響力排除との最大の成果を得られるし、「反小沢」陣営勝利を得られなくても、両者の対立が激化し、民主党の内部分裂を実現できれば、大きな成果を得られると考えたのだと思われる。

民主党は党をあげて、政権交代実現への妨害活動に対抗する必要があった。「悪徳ペンタゴン」が、小沢氏を標的にし、小沢氏失脚を最重要目標に設定してきたことは明らかである。3月3日以降の問題発生に対しては、民主党が、民主党内部分裂誘導などの外部からの工作活動を絶対に許さないとの意識を共有して、一丸となって対応することが求められた。

この視点に立てば、岡田氏が小沢氏秘書逮捕問題を小沢氏個人の問題であると切り捨てたことは適正な対応ではなかったと言える。このなかで、仮に岡田氏が代表に選出され、小沢氏の影響力が排除されていたなら、民主党は致命的な打撃を受けたに違いない。これこそ、「悪徳ペンタゴン」の狙いであったのだと考えられる。

政権交代の実現は、これまでの「既得権益政治」=「悪徳ペンタゴンによる利権政治」を根絶し、国民の側に立った、国民の幸福実現を目標とする政府を樹立することに目的がある。

この目的を満たすためには、単に政権交代を実現するだけでは不十分であり、総選挙に際して、明確な政権公約が示されることが不可欠である。

鳩山氏が代表選で示した公約は正鵠を射るもので、最重要争点として十分なものであった。鳩山氏は、
①企業献金の全面禁止
②「天下り」、「渡り」の全面禁止
③議員世襲制限規則の廃止
④消費税大増税の阻止
⑤人間尊重の政治

を明確に公約として掲げた。

御用メディアは、民主党代表選で、自民党との政策の違いが明らかにならなかったなどのコメントを付しているが、これ以上の争点明確化はあり得ない。①~④の民主党の明確な公約に自民党がどのように対応するのかを注目しなければならない。

麻生首相は「消費税大増税」を政権公約に掲げて、争点にしたいとの意向を示している。しかし、無駄遣(つか)い満載(まんさい)の補正予算を提示して、そのツケを大衆大増税で賄(まかな)うとの麻生政権の政策方針をどれだけの国民が支持するだろうか。

紆余曲折はあったが、鳩山氏が民主党新代表に選出され、岡田氏が新幹事長、小沢氏が選挙担当筆頭代表代行に就任した新執行部体制は、考えられる最高の布陣である。

代表選を終えた以上、小沢代表の意思を踏まえて、挙党一致体制を確立することが何よりも重要である。民主党が挙党一致体制を確立する上で、鳩山新代表の「包容力」は何よりも貴重な資産である。明確な政策方針を貫き妥協を許さない菅直人氏が代表代行に留任した。長妻昭議員などの一段の活躍も期待される。

「愚かな選択」と言い切った池上彰氏、「「友愛」が意味不明で通訳が必要」とまで述べたテリー伊藤氏などの発言とは裏腹に、世論調査では、民主党の党勢が急激な回復を示した。世論調査数値は、民主党の党勢が3月3日の政治謀略疑惑事件発生以前の水準に回帰した。

小沢前代表の英断と、民主党議員の高い見識が、「悪徳ペンタゴン」による利権政治維持工作活動を、ぎりぎりのところではねつけた。

しかし、政治権力を国民の手元に引き寄せるための闘いは、甘いものではない。真の政治改革を意味する本格政権交代実現を目指す民主党、野党連合およびこの活動を支持する国民は、全身全霊を注いで目標実現に向けて邁進(まいしん)しなければならない。ブログ情報発信においても、「きっこのブログ」様「カナダde日本語」様「晴天とら日和」様をはじめ、「副島隆彦様」「天木直人様」「神州の泉」様,「雑談日記(徒然なるままに、。」様などの多くの優れたブロガーと力を合わせて微力ながら力を尽くして参りたい。

ブログランキングのクリックお願いします!

人気ブログランキングへ

人気ブログランキングへ

 

知られざる真実―勾留地にて― Book 知られざる真実―勾留地にて―

著者:植草 一秀
販売元:イプシロン出版企画
Amazon.co.jpで詳細を確認する

フジテレビ偏向民主攻撃を粉砕する毎日世論調査

偏向フジサンケイグループのテレビ部門であるフジテレビの偏向番組「サキヨミ」で、5月17日、偏向コメンテーターによる民主党攻撃が繰り返された。

番組が「世論、世論」と叫ぶのなら、民主党代表選後に実施された全国紙および通信社の世論調査結果を示すべきでないのか。

毎日新聞が、民主党代表選で鳩山由紀夫氏が新代表に選出されたのを受けて、16、17日に緊急全国世論調査を実施した。

毎日新聞は、ネットで毎日新聞記事を紹介することに対して、非常に狭い料簡(りょうけん)を保持しているため、本ブログでは、毎日新聞記事を紹介することを原則としてとりやめているが、民主党代表選実施後、最初に公表された世論調査であるため、以下にその結果を紹介する。

毎日の世論調査結果は、世論動向が急変したことを明らかにした。

 

051709_4 「麻生太郎首相と鳩山氏のどちらが首相にふさわしいか」
麻生氏 21%(21%)
鳩山氏 34%(12%(小沢氏))
(カッコ内は代表選前の12、13日の調査結果)

次の衆院選で勝ってほしい政党
自民党 29%(34%)
民主党 56%(45%)
(カッコ内は代表選前の12、13日の調査結果)

政党支持率
自民党 23%(27%)
民主党 30%(24%)
(カッコ内は代表選前の12、13日の調査結果)

「悪徳ペンタゴン」の手先である「御用メディア」は、懸命に民主党攻撃を実行している。「悪徳ペンタゴン」にとって御(ぎょ)しやすい岡田克也氏の人気が上昇するように、岡田氏全面支援の報道を繰り返し、民主党代表選での岡田氏当選を画策した。

 

しかし、工作活動の力が及ばず、鳩山氏が代表に選出されると、今度は、「世論と乖離(かいり)した代表選出」、「イメージ改善に失敗した民主党」との宣伝活動が一斉に開始された。フジ「サキヨミ」もその情報操作工作の一環であると見られる。

「サキヨミ」では、御用政治評論家筆頭格のひとり、田崎史郎氏が自民党選挙対策副委員長菅義偉氏と連携して、民主党新体制批判を繰り広げた。NHK「やらせ」「週刊こどもニュース」MCを務めていた池上彰氏は、民主党の選択を「愚かな選択」だと言い切った。この発言によって、皆が池上氏自身を「愚かな人」だと気付くことに考えが及ばないところが、哀れの情を誘う。

勝間和代氏も懸命に民主党批判を展開した。

昼のテレビ朝日番組「サンデースクランブル」では、御用芸人のテリー伊藤氏が、懸命に民主党批判を展開。テリー伊藤氏は「「友愛」がまったく意味不明」と死に物狂いの形相で、民主党攻撃を繰り返した。

多くの悪質コメンテーターは、政権交代が実現すれば、テレビの画面から一掃されることになるだろう。新時代のテレビメディアでは、一定水準以上の見識を持つ人々しか出演できなくなるだろう。現在は一部の例外を除けば、一定水準以下の見識を持つ人しか出演できない状況になっている。

鳩山新代表の言葉をじっくりと聴いた有権者は、早速、「岡田氏が善で鳩山氏が悪」というマスゴミの「情報操作」が偽(いつわ)りであることに気付いたと思われる。

民主党の代表選の詳細、記者会見の模様などについては、「晴天とら日和」様が、あらゆる情報を網羅して掲載下さっている。代表選立候補演説、記者会見などの動画情報まで網羅して提供下さっている。民主党公式サイトよりも内容が充実している言っても過言でない。

鳩山由紀夫新代表の実像を知りたい方は、ぜひ「晴天とら日和」様が提供下さる情報を精査して、実際に動画情報をご覧になっていただきたい。民主党の記者会見は記者クラブメンバー以外にも開放され、鳩山新代表は、多数の質問に、実に丁寧に答えていた。その姿は感動的ですらある。

浅薄(せんぱく)な、うわすべりした言葉を並べて、権力に擦(す)り寄ることしか考えていないと見えるテリー伊藤氏は、鳩山氏を誹謗中傷(ひぼうちゅうしょう)する言葉だけを並べるが、鳩山氏が示した言葉には、重大なメッセージが数多く示されていた。

鳩山氏は、
①3年以内の企業献金全面禁止
②「天下り」、「渡り」の全面禁止
③世襲立候補の制限
を明示した。社会民主党の福島瑞穂代表が「新政治改革三原則」と呼ぶ政策が明示された。

「悪徳ペンタゴン」の手先であるマスゴミは、鳩山新代表が明言した「消費税増税封印」発言を、「無責任」と批判するが、考え違いもほどほどにした方がよい。御用メディアは次の4年間に消費税大型増税を実現することを至上命題とする「悪徳ペンタゴン」の鳩山発言攻撃の指令に従っているだけだ。

鳩山氏の姿勢は、
「最後の一滴まで財政の無駄を排除し終えるまで増税を決して認めない」

とするものだ。この姿勢が「真の財政改革」を実現する唯一の正道だ。

これに対して、自公政権=「悪徳ペンタゴン」は、

「天下りなどの巨大利権を温存したまま、国民に大増税を強要する」
姿勢を示している。

 鳩山氏の示した、さらに二つの方針は
①消費税大増税の封印
②人間尊重の政治

である。

 「友愛」の表現が用いられるから、すぐにはピンとこないが、その真髄は「人間尊重」である。「友愛」は鳩山氏の「持論」の核であり、いわば、鳩山氏のアイデンティティーの中核だ。その中核に対して、教養の深みどころか片鱗(へんりん)すら感じさせないテリー伊藤氏が、頭ごなしに批判するのは、喜劇としか言いようがない。

 テリー伊藤氏も末端の「悪徳ペンタゴン」手先として喧伝(けんでん)してきた小泉竹中政治の「市場原理主義」、「自由放任の経済政策」が、日本社会を破壊した。サブプライム金融危機は、小泉竹中政治の根本的な誤りを国民に知らせる結果をもたらした。そのなかで、鳩山氏が「人間尊重の政治」を重視する姿勢を明示した意義は重い。国民が鳩山氏の言葉を高く評価するのは当然だ。

 鳩山新代表の素の姿が伝えられるにつれて、鳩山人気が上昇すると考えられる。

 毎日世論調査は自民党を中心とする「悪徳ペンタゴン」に衝撃を与えただろう。その結果、ますます、御用メディアに対する偏向報道圧力が増すと考えられる。

 鳩山新代表は、偏向NHK「日曜討論」の悪質な詰問にも一歩も引き下がらなかった。鳩山氏は、すべての質問に的確、かつ、適正に回答を示した。権力迎合が売りの影山日出夫氏は「ぐうの音」も出なかった。

 サンデープロジェクトでも、鳩山新代表の「凛(りん)とした」、背筋の伸びた姿が印象的だった。

 

 なお、サンデープロジェクトで亀井静香氏が指摘した、検察権力を利用した卑劣な政治謀略疑惑に対する岡田克也氏の腰の引けた対応については、「憂き世の日々に埋もれて、たまには温泉へ」様も、早期に問題を指摘されていたことを報告させていただく。

 鳩山新代表は、民主党の両院議員総会で
「日本の大掃除をする。日本の世直しをする」
ことを高らかに宣言した。

 明治維新の時代、坂本竜馬は姉に宛てた書簡に、
「日本をいま一度、洗濯いたし申し候」
としたためた。

 1868年の明治維新から140年。140年続いた「官僚主権国家」を「国民主権国家」に転換させる「平成維新」が目指されている。

 維新の志士は多士済々(たしさいさい)だろう。多士済々の志士を束ねて、大きな仕事を実現するには、鳩山新代表の「包容力」が不可欠だ。

 民主党は国民に政権交代の必要性
「悪徳ペンタゴンの利権政治」を終焉させ、「国民の生活が第一の政治」を樹立する必要性
を、愚直(ぐちょく)に国民に訴えかけてゆくべきだ。

 「悪徳ペンタゴン」は、国民が「真実」に目を向けないように、必死の「目くらまし」工作を続けるだろう。

 これまでの自公政権による政治は、
「官僚の論理」、「資本の論理」、「中央の論理」に従うものだった。

 これを、
「国民の論理」、「生活者の論理」、「地域の論理」基軸に大転換する。

これが「政権交代」の意味である。

①企業献金全面禁止
②「天下り」、「渡り」全面禁止
③世襲立候補制限
④消費税大増税阻止
人間尊重の政治

を、政権公約に掲げ、野党連合は総選挙を闘うべきである。

 国民は必ず目を覚ます。5月11日の小沢前代表大英断から、風向きは転換した。「天の時、地の利、人の和」が整い、大きな成功が視界に入り始めた。

ブログランキングのクリックお願いします!

人気ブログランキングへ

人気ブログランキングへ

 

知られざる真実―勾留地にて― Book 知られざる真実―勾留地にて―

著者:植草 一秀
販売元:イプシロン出版企画
Amazon.co.jpで詳細を確認する

2009年5月17日 (日)

偏向NHK「日曜討論」悪質なタイトルと映像

日本偏向放送協会の看板番組のひとつ、「日曜討論」に5月17日、民主党鳩山由紀夫新代表、自民党の河村建夫官房長官が出演した。

現在のような「偏向」報道を続けるなら、NHKの「偏向」に同意できない視聴者は、一斉に受信料不払いを堂々と主張し始めるだろう。

NHKは受信料支払いを「義務」とする制度変更を希望し、政権にその働きかけを行なっている。NHKの運営は制度的に、NHKの財政基盤を支える視聴者ではなく、政府、与党に支配されている。

NHKが率先して偏向報道にいそしんでいるのは、政権与党に取り入って、受信料の義務化を進展させたいからなのだろうか。NHKは、自らの利益のためには、NHKの財政を支える視聴者に背を向けても意に介さないように見える。

このような姿勢を取る限り、受信料義務化など「夢もまた夢」である。

NHKは「カネ」だけを追求して、報道機関としての中立公正な適正報道を脇に置き忘れている。いずれかの日程で、「日曜討論-NHKの報道姿勢を問う-」という番組を制作し、NHK番組制作責任者を政治家が問い正す必要があるだろう。

本日の放送の酷(ひど)さは、「偏向」NHKのなかでも異彩を放っていた。多くの視聴者からクレームが多数寄せられてもおかしくない内容だった。

誰にでも分かる問題がふたつある。

番組タイトルとカメラワークだ。

番組タイトルは、
前半が「鳩山民主党を問う」
後半が「河村官房長官に問う」
だった。

NHKは「言葉遣(つか)い」に特段の神経を使う。ニュース報道における、いわゆる「枕詞(まくらことば)」ひとつをとってみても、例えば、小沢一郎氏について報道するときに、「西松建設問題で公設秘書が逮捕された・・・」の枕詞を使って報道を繰り返すことによって、視聴者のイメージが特定の方向に誘導される。「枕詞」の選択には、それぞれ、報道機関の「意図」、「恣意」が込められている。この問題については、「喜八ログ」様が記述されている。

同様に、番組のタイトルをどうつけるかにも、細心の注意が払われている。鳩山由紀夫氏が5月16日に民主党両院議員総会で新代表に選出された。民主党代表は次期総選挙で民主党が勝利すれば、次期内閣総理大臣に就任する人物である。

代表に選出された翌日早朝の出演をNHKが要請し、鳩山氏が出演した。NHKは最低限の礼節をわきまえるべきだ。

適正なタイトルは「民主党鳩山新代表に聞く」だ。こんなことはNHK自身が百も承知だ。それをあえて、「鳩山民主党を問う」だ。「鳩山民主党に問う」でもない。

「鳩山民主党を問う」は鳩山新代表への詰問(きつもん)である。司会者の影山日出夫氏の姿勢は無礼な「尋問」だった。NHKの思い上がりもはなはだしい。

拙著『知られざる真実-勾留地にて-』にNHK問題を記述した。

NHK番組『総理にきく』は、当初、政策について総理と討論するための『総理と語る』だったのが、田中角栄首相の時代に、聞き手を首相官邸が選ぶ首相の自己PR番組『総理にきく』に変えられたという。

細かい話だが、「鳩山新代表に聞く」、「鳩山新代表に問う」、「鳩山新代表を問う」など、NHKは詳細を検討してタイトルをつけている。

鳩山氏に対するインタビューは「鳩山民主党を問う」であった。これは、詰問(きつもん)、尋問である。

一方、河村氏に対しては、「河村官房長官に問う」だった。NHKの「偏向」が明瞭に示されている事例だ。

もうひとつの問題がカメラワークである。ストップウォッチで計測したわけではないが、鳩山新代表の映像は、大半が「下から撮影のアップ映像」だった。失礼極まりないカメラワークだった。

人物に対する印象は、相当程度カメラワークによって操作できる。鳩山新代表に対して敬意を払う放送を行う場合に、このようなカメラワークはあり得ない。麻生首相を出演させて、このようなカメラワークを取ることがあり得るか。絶対にあり得ない。

河村官房長官に対しても、質疑応答中、一部分、下から撮影のアップ映像が用いられた。しかし、このカメラワークが用いられたのは、河村官房長官に鴻池官房副長官の不祥事を問いただした場面だけだった。

河村官房長官は鴻池官房副長官の辞任を「更迭(こうてつ)」と明言し、「解任」であったことを明らかにした。下から撮影アップ映像は、河村官房長官を問い詰める場面で用いられた。

鳩山氏に対するカメラワークは、大部分が下から撮影のアップ映像で、番組を見る者に対しても、強い不快感を与えるものだった。 

NHKがサブリミナル効果を活用した映像を使用したことが問題になっているが、NHKの姑息(こそく)さ、悪質さ、偏向ぶりは、もはや「暴走」の領域に入っている。

私はNHK「日曜討論」に数十回の単位で出演した経験を持つが、番組司会者の劣化が著しい。かつて、司会を担当した山本孝氏は、極めて公平で中立の運営を実行した。権力者に対しても、躊躇することなく、問うべきことを問う姿勢が鮮明だった。

山本氏に代わって登場したのが影山日出夫氏である。影山氏は「権力迎合」を絵に描いたような運営を示した。その姿勢は現在まで一貫して貫かれている。私が出演した時期には登場していなかったが、その後に登場した島田敏男氏も「偏向」が著しい。影山氏以上の「偏向」を示していると言ってもよいだろう。

一般国民のなかには、NHK報道に対する「中立公正で信頼できる」との幻想が残っているが、もはや、過去の遺物である。政治権力がNHKに対する圧力を強めているのも事実だろう。他方、不祥事の相次いだNHKの経営状況が悪化し、権力へのすり寄りを強めた面もあるだろう。さらに、NHKの経営改革にかこつけて、NHKを監視する名目で外部から投入された人材が、権力の手先としての活動を活発化させている面も否めない。

民主党新代表は、民主党所属の国会議員の選挙によって選出された。国会議員は民主党支持者の信託を受けている存在である。その人々による選択に対しては、一定の敬意を払う必要がある。

NHKは世論調査を「錦の御旗」のように掲げるが、世論調査ほど疑わしいものはない。国民は岡田氏のことも鳩山氏のこともよく知らない。メディアが良いイメージで報道すれば「良いイメージ」が出来上がるし、悪いイメージで報道すれば、「悪いイメージ」が出来上がる。

麻生首相も就任当初、麻生氏の真の姿がよく知られる以前に、人気が高かった時期が存在した。首相に就任し、実情が十分に浸透するにしたがって、つるべ落としのように支持率が急低下した。

人物の本当の姿がよく分からない時点での世論調査など、まったくあてにならない。今回の民主党代表選では、岡田氏を民主党新代表に据えたいと企(たくら)む「悪徳ペンタゴン」が、御用メディアを総動員して岡田人気を高めただけである。

今日のテレビ朝日番組「サンデープロジェクト」で、国民新党の亀井静香議員が、本ブログで私が主張したこととまったく同じ見解を示された。亀井氏は岡田氏が民主党代表の資格を持たないことを強調した。最大の理由として、3月3日以降の政治謀略に対して、何らの抗議、憤りを示さなかったことを指摘した。本質を突いた指摘である。

鳩山新代表は御用メディア=マスゴミの民主党総攻撃をかわし、政権交代実現に向けて、強力なリーダーシップを発揮してゆくだろう。しかし、本格的政権交代実現阻止を至上命題とする「悪徳ペンタゴン」の卑劣な攻撃、工作活動は、今後、一段と激しさを増すはずである。鳩山民主党は、一瞬たりとも気を緩めることができない。

政権交代が実現した段階で、検察・警察・司法制度の抜本改革、マスメディアの総括を断行しなければならない。大粛清も求められることになるだろう。当然、NHKの抜本改革と人事の刷新が必要になる。

マスゴミが不正と欺瞞に満ちた情報を氾濫させても、「真実」を発信するネット情報が作られた偽りの世論、「偽装民意」に確実に風穴を開けてゆくことになるだろう。

民主党は「真実の情報」を国民に広く伝える活動を本格化させなければならない。情報選が「決戦の総選挙」の帰趨(きすう)を決する鍵を握るだろう。

ブログランキングのクリックお願いします!

人気ブログランキングへ

人気ブログランキングへ

  

知られざる真実―勾留地にて― Book 知られざる真実―勾留地にて―

著者:植草 一秀
販売元:イプシロン出版企画
Amazon.co.jpで詳細を確認する

2009年5月16日 (土)

民主党の見識を示す鳩山由紀夫新代表選出

5月16日、小沢一郎代表の辞任に伴う民主党代表選が実施された。都内ホテルで両院議員総会が開催され、鳩山由紀夫氏、岡田克也氏の2名の立候補者に対する応援演説、立候補演説、対論が行なわれたのち、衆参国会議員による投票が実施された。

投票の結果、鳩山由紀夫氏が民主党の新代表に選出された。得票数は
鳩山由紀夫氏 124票
に対し、
岡田克也氏   95票
だった。大差での鳩山氏選出となった。

鳩山氏が民主党の次期代表に選出されたことは、民主党国会議員の高い見識を示している。

3月3日に小沢代表秘書が、突然、政治資金規正法違反で逮捕され、民主党に動揺が広がった。

政権交代の是非を問う、決戦の総選挙を目前にしたタイミングでの小沢氏秘書逮捕は、検察権力を使って政敵を追い落とそうとする卑劣な政治謀略であるとの疑いを生み出した。多くの有識者、専門家が政治謀略の可能性を指摘した。

この事態をきっかけに、マスメディアは激しい民主党攻撃、小沢代表攻撃を展開し続けた。

小沢代表は一貫して検察捜査の不当性を主張し続けたが、マスメディアが偏向した不当な世論誘導活動を継続したために、民主党が次期総選挙で不当な不利益を受ける懸念が高まった。

小沢代表はこうした現実を踏まえ、筋を曲げ、断腸の思いで、自らが一歩身を引いて、次期総選挙での必勝、政権交代実現を優先する、柔軟でしなやかな戦術を提示した。

民主党としては、不当な選挙妨害、卑劣な政治謀略が仕掛けられたとの可能性を否定しきれないとの認識に立ち、毅然(きぜん)とした姿勢で、党をあげて不正に立ち向かい、不正な謀略に屈服することなく闘うことが強く求められた。

こうした情勢下で実施された民主党代表選だった。この基本背景を適正に踏まえた姿勢を示したのが鳩山由紀夫氏であった。岡田氏は、民主党が卑劣な政治謀略の攻撃にさらされた可能性がゼロではないにもかかわらず、小沢代表に対する攻撃、卑劣な政治謀略の可能性を十分に検証しようともせず、小沢代表の個人的問題として切り捨てる姿勢を示した。

この意味で、次期代表に当選する資格を有するのは鳩山由紀夫氏に限られていた。岡田氏が一定の得票を確保したのは、小沢氏の影響力排除を至上命題とする御用メディアが岡田氏を全面支援したことに加えて、民主党内の小沢代表に対する牽制勢力が岡田氏支持に回ったためである。

民主党は、卑劣な政治謀略により、政党活動が破壊される重大な危機に直面したが、見識ある民主党議員の力により、最大の危機を切り抜けることに成功した。

マスメディアが鳩山候補を攻撃し、全面的に岡田氏支援姿勢を示したのは、現在の利権政治構造を死守しようとする「悪徳ペンタゴン」勢力が、小沢代表の指揮してきた、本格政権交代実現を目指す動きを封じ込めるためであった。

しかし、民主党が鳩山氏を次期代表に選出したことで、「悪徳ペンタゴン」の企(たくら)みは、とりあえず挫折した。

しかし、既得権益構造を死守しようとする「悪徳ペンタゴン」は、今後も「御用メディア」を総動員して、鳩山新体制を激しく攻撃し続けると予想される。

「悪徳ペンタゴン」は「小沢氏の影響力残存」、「西松事件の説明責任」などの言葉を並びたて、新生鳩山民主党を攻撃し続けるだろう。「悪徳ペンタゴン」が検察権力をさらに政治利用することにも警戒を払わなければならない。

民主党は、「悪徳ペンタゴン」の卑劣な攻撃を受け続けながらも、その謀略の成就(じょうじゅ)を見事に粉砕(ふんさい)し続けて、今日に至っている。

民主党の大目標は、「悪徳ペンタゴン」が支配する「利権政治の構造」を打破して、「国民の生活が一番の政府」、「国民の幸福を追求する政府」を樹立することである。

焦点は次期総選挙に移る。鳩山新生民主党は、
「政治献金全面禁止」、
「天下り根絶」、
「消費税大増税阻止」

の旗を鮮明に掲げて次期総選挙に臨むことになる。

「悪徳ペンタゴン」の利権死守に向けての執念はすさまじく、今後も卑劣な手段をいとわずに多用してくると考えられる。鳩山新生民主党は、決して気を抜くことが許されない。

小沢代表が最重要視した「挙党一致体制の確立」を確実に実現しなければならない。民主党内反小沢陣営勢力も、公明正大な代表選が実施されて、鳩山新代表が選出された以上、挙党一致体制確立に全面的に協力することが求められる。

鳩山新代表が示した政権公約は、日本の利権政治構造を根本から変革する爆発力を持つものである。この政権公約がそのまま、次期総選挙の争点になる。

民主党新代表に選出された鳩山由紀夫氏が指摘したように、本当の闘いは、今日から始まる。「政権交代の是非」を問う、本当の闘いが始まる。

「政官業外電=悪徳ペンタゴン」の利権政治の存続を今後も許すのか、それとも、「国民の生活を第一とする政治」「国民の幸福を追求する国民が主役の政治」を新たに確立するのか。選択する主権者は国民である。

新生鳩山民主党が「悪徳ペンタゴン」の卑劣で激しい攻撃に耐え抜いて、政権交代を実現することを強く期待する。本日の代表選で、日本の新しい歴史を切り開く礎(いしずえ)が強固に打ち立てられたことを心から祝福する。

ブログランキングのクリックお願いします!

人気ブログランキングへ

人気ブログランキングへ

  

知られざる真実―勾留地にて― Book 知られざる真実―勾留地にて―

著者:植草 一秀
販売元:イプシロン出版企画
Amazon.co.jpで詳細を確認する

2009年5月15日 (金)

消費税増税推進派岡田氏全面支援のマスゴミ

今日は午後1時から4時まで、東京・京橋で天木直人氏と対談の収録をした。「まぐまぐ」の主催で2時間におよぶ対談を収録した。「まぐまぐ」からDVDとして販売される予定である。有料での購入になり、大変恐縮に感じるが、ぜひご購入賜ってご高覧賜りたい。

天木氏に直接お会いするのは初めてで、貴重な機会をいただいた。日本政治を刷新するための政権交代の必要性について、大いに意義ある対談をさせていただいた。天木氏ならびに、対談を企画してくれた「まぐまぐ」に感謝申し上げたい。

「決戦の総選挙」に向けての予備選とも言える民主党代表選が明日実施される。15日には鳩山氏と岡田氏による公開討論および街頭演説が実施された。

次期総選挙では、間違いなく「企業献金」、「天下り」、「消費税」が最重要の争点になるだろう。

二人の候補者の主張は、見掛け上大差がないが、実行力において大きな違いがあるように感じられる。

既得権益勢力である、「政治屋」、「特権官僚」、「大資本」、「米国」、は次期総選挙後に「消費税大増税」を実現することを最重視している。既得権益勢力にとって「税金」とは利権の源泉そのものである。しかし、増税は「国民からの収奪」そのものであり、増税の実現は最も困難な政治課題である。

既得権益勢力は、この「国民からの収奪」を意味する増税を実現するために、「御用メディア」を総動員して、国民を欺(あざむ)き、増税への道筋を作り出そうとしている。次期総選挙で国民が判断すべき最大の問題がこの消費税大増税問題である。

「特権官僚」は「天下り」の利権を得ることと引き換えに、「政治屋」の指示に従い、政策を立案する。

「大資本」は巨大な企業献金を実行する見返りとして「政治屋」から恩恵を受ける。

「政治屋」は「大資本」から巨大献金を受け取る代わりに、「大資本」、「外国資本」に利益を供与する政策を「官僚機構」に発注する。

「官僚」には「天下り」利権を付与し、「御用メディア」を擁護する。また、「政治屋」は米国からの庇護(ひご)を受けようとする。

「御用メディア」はこの利権互助会の一員として世論操作活動に専心することにより、「政治屋」の庇護を受け、「大資本」、「外国資本」から広告収入を得る。

これが、「政官業外電の悪徳ペンタゴン」である。これまでの日本政治は、実際のところ、「悪徳ペンタゴン」が巨大利権を国民から収奪する構造だった。

_72  

 

この利権構造の最重要の財源が税金である。増税はこの利権互助会から外れる、「収奪の対象」である「一般国民」からの「さらなる収奪」を意味する。よほど巧妙に国民を欺かない限り、増税を実現することはできない。

拙著『知られざる真実-勾留地にて-』に詳述したが、大蔵省、現在の財務省において、最高の評価が与えられる仕事は増税の実現である。このために大蔵省は1985年に「TPR」という名称の世論操作活動を発足し、現在までその活動を継続している。「TPR」とは、TaxのPRを意味する。大蔵省の造語である。

財政当局、「悪徳ペンタゴン」は、次期総選挙後が消費税大増税の千載一遇のチャンスであると位置付けている。麻生政権の巨大景気対策を財政当局が容認したのは、政権交代によって消費税大増税が消滅することを恐れたからである。麻生首相は2011年度以降の消費税増税を明確に宣言している。

民主党代表の小沢氏が「悪徳ペンタゴン」に執拗に攻撃されてきた最大の理由が、この問題にあったと考えられる。小沢氏が民主党を率いて、政権交代を実現すれば、消費税大増税は大きく遠のく可能性が高い。このために、小沢氏排除の工作が執拗に維持されてきたと考えられる。

マスメディアが総力をあげて岡田氏を支援する報道を展開している最大の理由は、岡田氏が消費税増税に賛成していることが大きな要因だ。メディアは口裏を合わせたかのように、消費税増税に積極的でないことを「無責任」と喧伝(けんでん)する。民主党次期代表から「消費税増税容認」の言質(げんち)を取り付けようとの意図が明瞭である。

同時に、民主党代表選を「親小沢VS反小沢」の図式で説明しようとしている主体は「御用メディア」であり、その裏側には、小沢氏の影響力を排除したいとの「悪徳ペンタゴン」の強烈な意志が存在する。

このなかで、鳩山由紀夫氏は、次期総選挙後の4年間に消費税増税を検討しないことを明言した。年金制度改革の長期プログラムとの関わりで消費税を論議することまでを否定してはいないが、次期総選挙後の4年間は消費税増税を封印することを明言した。

鳩山氏が財政健全性回復に無責任であるかと言えば、それは違う。

鳩山氏は、

「最後の一滴まで財政の無駄を排除し終えるまでは増税を認めない」

との厳しい姿勢を示したのである。

これに対して、現在の自公政権のスタンスはどうであるか。自公政権が示しているスタンスは、

 
「無駄の排除を徹底せず、安易に増税に依存する姿勢」
  

と言わざるを得ない。

結びつく問題が、「天下りの根絶」である。自公政権は「天下りを温存」したままで、「消費税大増税」を国民に押し付けようとしている。

「天下り問題」と「消費税問題」は表裏一体をなしているのだ。この問題について、岡田氏の姿勢には強い疑問が残る。岡田氏が「消費税増税を容認して、天下り温存を容認する」のではないかとの疑念が色濃く残存する。

「政治屋」が利益を得る最重要のルートが「巨大な企業献金」である。「企業献金が全面禁止」されると、「政治屋」は最大の収益源を失うことになってしまう。

「企業献金全面禁止」、「天下り根絶」、「消費税大増税阻止」が、次期総選挙での最大の争点になるだろう。財政当局と「悪徳ペンタゴン」は、消費税が争点として浮上することを絶対に避けたいと考えている。この目的を達成するには、民主党の次期代表に岡田克也氏が就任することが不可欠なのだ。

こうして考えると、有権者が「悪徳ペンタゴンの利権政治構造」を打破し、「国民の生活が第一の政府」を樹立するには、鳩山氏を民主党新代表に選出しなければならないということになる。

 

「御用メディア」は、世論が岡田氏支持に向かうように全力をあげている。世論が岡田氏を支持しているのではない。岡田氏を支持する世論が情報操作によって創作されているのだ。

この情報操作、世論操作に欺(あざむ)かれてはならない。情報操作を排除して、明日の代表選では、鳩山氏を選出しなければならない。民主党国会議員の見識が問われている。

5月14日の岡田氏代表選出馬表明記者会見で、岡田氏が重大な問題発言を示したことを、「カナダde日本語」の美爾依さんの指摘で知った。これを見逃すわけにはいかない。

「反戦な家づくり」様が指摘されたことを美爾依さんが教えて下さった。岡田氏は小沢代表秘書逮捕問題について、会見で次のように述べたという。

「政党が国家権力の中核にある検察を否定するような言い方は絶対に避け、一定の自制をするべきだ。」

この発言ひとつで、岡田氏が政党の代表として、最も重要な資質を欠いていることが明白になった。民主党が岡田氏を代表に選出するとき、民主党は終焉(しゅうえん)する。総選挙も大きな意味を失う。

岡田氏は、3月3日の小沢氏秘書逮捕を小沢氏個人の問題であるとする。このような人物が民主党幹部として存在し続けてきたことを、民主党員と民主党支持者は心から憤らなければならない。岡田氏の行動は前原誠司氏の行動と大差がない。

岡田氏はいかなる根拠をもって、検察を絶対視するのか。検察を崇(あが)め奉(たてまつ)らなければならない、特別な事情があるのだろうか。

小沢代表秘書逮捕を「政治謀略」であると断定することは困難であるが、客観的な事実は、小沢氏秘書逮捕が「政治謀略」である可能性を強く示唆する。多くの見識ある識者が同様の指摘を示している。

この種の「政治謀略」は、民主主義後進国では決して珍しい事例でない。万が一にでも、「政治謀略」が実行されたとするなら、問題は小沢氏個人の問題ではない。政党が政党の総力を結集して対峙(たいじ)すべき問題である。問題の本質は、「民主主義に対する挑戦」、「民主主義の危機」を意味するものだからだ。

明確な証拠を掴む前に「政治謀略」であると断定することには慎重であるべきだが、「政治謀略」が仕掛けられることなどあり得ないとの前提で、この重大問題を小沢氏個人の問題だと、熟慮もなく切り捨てるのは、あまりにもおめでたい。岡田氏は危機意識のかけをも保持しない人物であると言わねばならない。

政治は政治権力をめぐる壮絶な闘争でもある。政治の現実には、利権が渦巻き、悪魔も介在し得ることを可能性として認識する、冷徹な洞察力がなければ、政治闘争で勝利を得るなど期待できない。

温室育ちの机上の空論だけでは、政治闘争に打ち克ち、国民の手に政治権力を引き寄せることなど不可能だ。岡田氏が民主党代表に就任するとき、無数の民主党支持者が民主党と決別することになるだろう。岡田氏がこの重要事項に気付かなければ、民主党の未来は暗いものにならざるを得ない。

ブログランキングのクリックお願いします!

人気ブログランキングへ

人気ブログランキングへ

 

知られざる真実―勾留地にて― Book 知られざる真実―勾留地にて―

著者:植草 一秀
販売元:イプシロン出版企画
Amazon.co.jpで詳細を確認する

2009年5月14日 (木)

マスゴミの情報操作が通じない民主党代表選

鳩山由紀夫氏と岡田克也氏が民主党代表選への出馬を表明した。マスメディアは岡田克也氏支援姿勢を強めている。岡田克也氏支援を民主党攻撃につなげようとしている。

民主党が次期代表選出を、国会議員による投票で、大きな時間的空白を作らずに5月16日に行なうことを決めたのは次の三つの理由による。

①国会開会中であり、予算関連審議、重要法案審議が行われている最中だ。自民党は重要な問題が山積するなかで、昨年も一昨年も、3週間もの時間をかけてお祭り騒ぎの総裁選を実施した。民主党は自民党の行動を反面教師として、時間的空白を最小限にとどめようとした。

②次期代表選出を国会議員による選挙で行なうことは、民主党の党規に従うものだ。一部メディアは、小沢代表が強権を発動したかのような報道をしたが、小沢氏は代表選が党規に従って実施されるべきだとの常識論を示したにすぎない。国会開会中である現状を踏まえれば、小沢氏の意見は正しい見識を示している。

③代表選出までに長い時間を開ければ、「悪徳ペンタゴン」が手先の御用メディアを総動員して、民主党代表選に介入してくる。小沢氏在任中から、マスメディアは岡田氏を次期代表に据えるための工作活動を積極化させてきた。小沢氏は筋を曲げて代表を辞任したが、これも、御用メディアの不正で不当な情報操作に対抗するための苦渋の決断によるものだった。

政権交代を実現し、「悪徳ペンタゴンの利権政治」を「国民の生活が第一の政治」に変えることが、民主党の政治行動の基準である。この基準に照らし、「悪徳ペンタゴン」による不当な介入を排除するために、投票日を前倒ししたのだ。土日を挟めば、「悪徳ペンタゴン」の走狗(そうく)である御用言論人が、岡田氏支援の不正な情報誘導を図ることは目に見えている。

御用メディアは、世論が岡田氏支持であるなかで民主党が鳩山氏を次期代表に選出すれば、「小沢氏院政」、「小沢氏支配体質を引きずる民主党」と集中攻撃するだろう。しかし、民主党は「偏向メディア」に負けてはならない。そろそろ、「偏向メディア批判」を全面展開することを検討するべき段階に至っている。

「悪徳ペンタゴン」が民主党次期代表に岡田克也氏の就任を渇望するのは以下の三つの理由による。

①小沢氏に比べて、岡田氏の選挙戦術が明らかに甘いと考えられることである。2007年7月の参議院選挙に際して、小沢代表は「国民の生活が第一」のメッセージを鮮明に打ち出した。ここには、ドブ板を踏んで、有権者の真の声を読み取る小沢代表の政治姿勢が色濃く反映されている。

 2005年9月の総選挙で岡田代表は、消費税3%増税を訴え、「日本をあきらめない」のメッセージを発したが、岡田氏のメッセージが心に響いたと感じた有権者はいなかった。

 岡田氏は2005年以降、全国を行脚したというが、本当の国民目線のメッセージを示すことが残念ながら現在でもできていない。自民党が岡田氏の代表就任を求めるのは当然だろう。

②これが最大の理由と考えられるが、岡田氏が積極的な消費税増税論者であることだ。「悪徳ペンタゴン」が次期総選挙後の衆議院任期で最重視している政策は、「消費税大増税」である。今回、麻生内閣による大型景気対策決定を財政当局が容認したのは、2011年度以降の消費税大増税を前提にしたからだ。この点を踏まえれば、民主党の代表は岡田氏でなければならないのだ。

③消費税問題と裏表の関係になるが、岡田氏は特権官僚の天下り利権根絶に積極的でないと見られている。岡田氏は徹底した無駄の削減を主張するが、「天下り根絶」を積極的に主張しない。2005年の総選挙に際し、私は「天下り根絶」を提言したが、岡田氏は「天下り根絶」を明確には示さなかった。

岡田氏はむしろ公務員の削減、公務員給与の引き下げに力点を置いている。「悪徳ペンタゴン」の一角である「霞が関特権官僚」は、「天下り根絶」についての政策を注視している。岡田氏は「消費税増税」と「天下り温存」を容認する民主党代表候補と見なされているのである。

岡田氏がこの二点に対する疑念を払拭したいと考えるなら、今回の代表選出馬に際して、
「次期総選挙後の4年間に消費税増税を実施しないこと」

「特権官僚の天下りを根絶すること」
を明確に公約として宣言しなければならない。

鳩山由紀夫氏は5月14日、テレビ番組に出演して、この二点を明確に宣言した。次期総選挙での明確な争点とされることになるだろう。 

さらに、次期総選挙で重要な争点になるのは、「企業献金の全面禁止提案」である。この点は、鳩山氏と岡田氏で意見に相違はない。

「企業献金の全面禁止」は日本の政治を根本的に変える最大の原動力になるだろう。与党政治家には「カネ」を目的に政治家になった人々が多数存在すると思われるが、「企業献金が全面禁止」されると、政治を志す人々の属性が変わることになる。

「企業献金全面禁止提案」こそ、西松事件でクローズアップされた「政治とカネ」問題に対する、究極の「説明」である。鳩山氏が指摘するように、小沢氏が受け入れた政治献金が何に使われたかを説明することも必要かもしれないが、何よりも重要なことは、この問題を大きく前進させるために、「企業献金を全面禁止」することだ。「核兵器削減交渉」のなかで「核廃絶提案」を示したに匹敵する。

民主党は御用メディアの情報操作活動を「柳に風」で、受け流すことが賢明である。鳩山氏の真髄を知る国民は少ない。御用メディアが「岡田氏はクリーン」、「岡田氏はクリーン」と懸命に宣伝しているために、街角調査での岡田氏人気が高いだけだ。

岡田氏はクリーンで誠実な、気骨ある政治家に映るから、高く評価されるのは理解できる。しかし、「天下り」、「消費税」が争点になる次期総選挙で岡田氏を民主党代表に就任させるのは、民主党と野党連合にとって正しい選択ではない。

鳩山由紀夫氏は人格的に政界随一の逸材である。姑息で卑劣な政治手法とはまったく無縁の政治家である。野党勢力との共闘関係を構築するうえでも適任であると考えられる。鳩山氏に対する国民の評価を得るのは、代表に就任し、総選挙で勝利し、内閣総理大臣に就任したのちで遅くない。

民主党は16日の代表選で次期代表を正々堂々と選出し、挙党一致体制を構築することによって、次期総選挙での必勝に向けて、反転攻勢の足場を固めるべきである。

3月3日の卑劣な政治謀略から、民主党への人工的な逆風が吹き付けられたが、5月11日の小沢代表の英断を契機に、風向きの逆転が始まったのではないか。

「企業献金全面禁止」、「天下り根絶」、「消費税大増税阻止」を明確に掲げる野党連合は、次期総選挙で必ず勝利する。「天の時」、「地の利」、「人の和」の三条件が整いつつある。政権交代が実現し、そこから日本の新しい歴史が始まる。

ブログランキングのクリックお願いします!

人気ブログランキングへ

人気ブログランキングへ

 

知られざる真実―勾留地にて― Book 知られざる真実―勾留地にて―

著者:植草 一秀
販売元:イプシロン出版企画
Amazon.co.jpで詳細を確認する

2009年5月13日 (水)

NHK偏向と消費増税派岡田克也氏まんじゅう説

NHKが本日5月13日午後7時30分から『クローズアップ現代』で、「民主党 揺れる~小沢代表辞任の波紋~」と題する番組を放送した。

番組冒頭、司会者の国谷裕子氏は、「選挙に強い小沢代表の存在が理由となって小沢代表の辞任が遅れたことで民主党の自浄能力が問われている」との趣旨の説明をした。

「権力迎合新聞」とも呼ぶべき産経新聞と匹敵する、歪んだ報道姿勢がいかんなく発揮されていると言わざるを得ない。「日本放送協会」はやはり、実態に即して「日本偏向協会」に協会名を変更すべきではないか。

『クローズアップ現代』の偏向報道は、私も現実に経験済みである。詳しくは拙著『知られざる真実-勾留地にて-』第二章「炎」第17節「政治権力に支配されるNHK」をご高覧賜りたい。

今回の問題の発端は3月3日の政治資金規正法違反容疑での小沢代表秘書逮捕だった。検察捜査に対する評価は真二つに割れている。検察当局は「悪質な偽装献金」だと主張するが、政治資金規正法運用の第一人者とも言える元地検次席検事の郷原信郎名城大教授が、今回の検察当局の活動を厳しく糾弾(きゅうだん)している。問題を詳細に検証する限り、郷原氏の説明が最も強い説得力を有している。

小沢代表の秘書は法律に則って政治資金を漏れなく正確に記載していた。当初、マスメディア報道が憶測で報じた「裏献金」、「収賄」、「あっせん利得」などの事実も発見されなかった。「裏献金」、「収賄」、「あっせん利得」の疑いは自民党議員に濃厚に残存している。

ところが、検察当局は自民党議員に捜査の矛先をまったく向けていない。警察庁長官出身の漆間巌官房副長官が「自民党議員には捜査が波及しない」と述べたが、この発言はやはり、観測ではなく、政府の方針であったと考えられる状況が生じている。

この意味で、小沢代表秘書逮捕は、政治目的で検察権力を行使した「卑劣な政治謀略」である疑いが色濃いのである。元自民党国会議員で自治大臣兼国家公安委員長を歴任した白川勝彦氏も当初から、この見解を示し続けた。

NHK放送は、「今回の事件でマイナスイメージを受けた民主党は、そのイメージ回復に努めなければならない」と説明し、事件について、民主党、小沢代表に非があるとの判断をベースに置いた番組制作を示したが、根本的に間違っている。

報道機関は、裁判員制度の発足に際して、事件報道のあり方を根本的に改める方針を定めたのではないか。日経新聞が掲載した方針の一部を転載する。以下は日本経済新聞5月6日付記事からの転載である。

「犯人視しない事件報道に 日本経済新聞社の指針」
から、「公判の報道」の項目にある記述を転載する。

「裁判報道では、公判が始まったばかりなのに、検察の冒頭陳述の内容を確定した事実のように表現することがあった。これからは検察の冒頭陳述や論告についても、検察側の主張であることを記事に盛り込み、弁護側の主張も可能な限り同等に扱って、対等報道を心がける。」
(転載ここまで)

フランス人権宣言第9条を記す。

第9条(無罪の推定)

「何人も、有罪と宣告されるまでは無罪と推定される。ゆえに、逮捕が不可欠と判断された場合でも、その身柄の確保にとって不必要に厳しい強制は、すべて、法律によって厳重に抑止されなければならない。」

 今回の問題では、元地検次席検事を務め、政治資金規正法の運用に精通する郷原氏が検察捜査の不当性を指摘し、元自民党議員で国家公安委員長を歴任した白川氏が麻生政権の行動を「卑劣な行為」と断じている。

 当事者の小沢氏は、検察捜査の不当性を指摘するとともに、今回の辞任が政権交代実現を優先するための戦術的な選択であることを明言した。小沢氏からすれば、小沢氏は犯罪者でも容疑者でもなく、卑劣な国策捜査と偏向報道の最大の被害者なのだ。私にはその気持ちがよく分かる。

 献金に問題があったとする見解以外に、これと完全に対峙(たいじ)する無実の訴え、不正な検察捜査を糾弾(きゅうだん)する見解が存在することを紹介しない報道は、客観報道の基本を完全に見失った、典型的な「偏向報道」と断じなければならない。NHKの劣化、権力への媚(こ)びへつらいも深刻な状況にまで進展している。

検察捜査が不正で、不当なものであるなら、報道機関が擁護すべき対象は小沢氏であり、民主党であり、卑劣な行為を実行した政治権力は厳しい糾弾(きゅうだん)の対象にされねばならない。

現時点で、どちらが正しいと決めつけることはできないだろう。しかし、対立する二つの見解が存在する以上、二つの見解を公平に扱うことが、放送法第3条の2が定める「政治的公平」のルールである。

番組は前原誠司氏と岡田克也氏を偏重して登場させた。両者のコメントには、総選挙を目前に控えたタイミングで、卑劣な政治謀略が実行された可能性に対する、敢然(かんぜん)たる闘争の姿勢が微塵(みじん)も存在しない。

これまでに明らかになっている客観事実からすれば、小沢代表、郷原信郎氏、白川勝彦氏が指摘する、不正捜査、政治謀略の可能性が明らかに高い。このことを踏まえれば、「政治謀略」を断じて許さないとの毅然とした姿勢が、野党第一党幹部として最低限求められる。

前原氏と岡田氏は、3月3日以降、意図的に創出された小沢代表批判の「世論」に動揺し、「このままでは政権交代が遠のく」として、小沢代表辞任論に加担した。

前原氏や岡田氏は、テロリストから「要求を飲まなければ命を奪う」と脅されれば、正義も国民も、友人も家族でさえ、テロリストに差し出してしまうに違いない。

番組の意図が、民主党代表選における岡田氏支援にあることはあからさまに見て取れる。自民党関係者の「岡田氏が代表になると総選挙を闘いにくい」発言は、「まんじゅう怖い」発言そのものである。

岡田氏は2005年9月の前回総選挙で民主党を大敗に導いた。前回総選挙で、民主党は大金を注いで、岡田氏が登場する「日本をあきらめない」との、意味不明のテレビCMを大量放映した。

私は岡田氏に書状を送り、小泉自民党が「国家公務員を25万人も削減する郵政民営化に賛成か反対か」を訴える時に、このままでは大敗する。「郵政民営化」に対して、「天下り根絶」の旗を掲げ、「郵政民営化と天下りの全廃。あなたはどちらが本当の改革だと思いますか」とのキャンペーンを張るべきだと進言した。

さらに、
「障害者自立支援法に代表される弱者切り捨ての見直し」
「イラク戦争に見られる対米隷属からの脱却」
を主張するべきだと進言した。

進言は生かされず、民主党は大敗した。岡田氏が捲土重来(けんどじゅうらい)を果たすのはまだ早いのではないか。岡田氏が大敗したのは、何と言っても前回総選挙なのだから。ポストへの野心ばかりが目立ってしまう。

「悪徳ペンタゴン」が岡田氏の代表就任を渇望(かつぼう)しているのは、岡田氏が選挙で闘いやすいことに加えて、岡田氏が「消費税増税推進論者」であることが最大の要因だ。岡田氏が民主党代表に就任すれば、選挙結果に関わりなく、2011年度以降に消費税大増税を実現できる。

また、岡田氏は「企業献金」と「天下り」を根絶しないと読まれている。

小沢代表が統率する「決戦の総選挙」の図式は何ひとつ変化していない。民主党は次期総選挙に勝利を収めたうえで、政治謀略の真相を白日の下に晒(さら)さねばならない。小沢氏はそのために、いったん身を引いたにすぎない。

「大義」を実現し、「正道」を取り戻すためには、鳩山氏を代表に就任させなければならない。鳩山政権のものとで、小沢氏は副総理兼法務大臣を担うことになるだろう。これによって、日本政治構造の刷新が初めて可能になる。

民主党支持者は本質を見誤ってはならない。16日の代表選では圧倒的多数で鳩山氏を選出するべきだ。

ブログランキングのクリックお願いします!

人気ブログランキングへ

人気ブログランキングへ

       

知られざる真実―勾留地にて―

Book 知られざる真実―勾留地にて―

著者:植草 一秀
販売元:イプシロン出版企画
Amazon.co.jpで詳細を確認する

民主党代表選政権公約論争の焦点

産業経済新聞社が産経新聞社の正式名称なのだろう。発行部数が激減して経営が苦境に立たされているのかも知れないが、社名を「権力迎合新聞社」と変えてみてはどうだろうか。

民主党はいまや押しも押されもせぬ二大政党の一角である。2006年には偽メールの取り扱いを党幹部が誤り、党勢を失い、解党の危機に直面したが、小沢一郎氏が代表に就任して以来、民主党は飛ぶ鳥を落とす勢いで、党勢を拡大し、参議院では院内第一党の地位を占めるに至った。

日本国の主権者である国民が民主党に多数の議席を付与した結果である。新聞社も国民の購読によって存立していることを踏まえれば、主権者である国民の意志を十分に尊重し、敬意を払う姿勢が不可欠だ。

ところが、産経新聞は、民主党を敵対視する行動を示し続けている。昨年秋の民主党代表選では、複数候補による代表選実施を求めて民主党を誹謗中傷する主張を展開し続けた。

政権与党の公明党も、代表選では太田昭宏氏一人が出馬し、無投票再選された。しかし、産経新聞による公明党の無投票再選を批判する主張は、寡聞にして知らない。

3月3日の不当な小沢代表秘書逮捕以降、産経新聞は小沢代表辞任工作に血道を上げ続けた。小沢代表はマスメディアの情報操作の激しさに辟易(へきえき)して、筋を曲げて代表辞任の英断を下した。小沢氏は政治資金規正法の問題について、一点のやましいところもないことを明言した。

マスメディアが不当な情報操作を展開し、悪質な選挙妨害を展開している現実を踏まえて、小沢氏は断腸の思いで身を引き、総選挙での勝利、政権交代実現を確実にしようとしたのだ。

いざ、小沢氏が辞意を表明するとどうだ。産経新聞は引き続き常軌を逸した誹謗中傷活動を継続している。

【ポスト小沢】鳩山氏でも岡田氏でも新鮮味なし?「ほかに人材は

【ポスト小沢】民主代表選は一騎打ちの様相 小沢氏、露骨に圧力

【主張】民主党代表選 政策論争なぜ封じるのか

などの記事がズラリと並ぶ。

 二大政党のひとつである民主党を精いっぱい攻撃して、自民党に対する忠誠心をアピールしているとしか見えない。

 産経新聞は新党日本の田中康夫代表が小沢一郎氏と会談した際に、田中氏が小沢氏に手渡した江藤淳氏の記事について、事実に反する報道を行なったことについて、謝罪と責任処理を終えたのだろうか。報道機関として守るべき最低限のルールがあるはずだ。それすら守れない企業に報道機関を名乗る資格はないのではないか。

 自民党は小沢氏の辞任を「引責辞任」としたいのだろうが、11日の辞意表明会見で小沢代表が示した見解は、「引責辞任」ではなかった。マスメディアの激しい偏向報道によって、民主党は選挙妨害を受けており、小沢氏が断腸の思いで自衛策を取ったに過ぎないのだ。

 これが、「事実」としての小沢氏の主張である。報道機関であるなら、独自の見解を示す前に、事実関係を正確に報道する責務を負っている。小沢氏が表明した見解を正確に伝えたうえで、それに対する与党の見解、報道機関としての見解を示すのが当然の手順である。

 政府・与党から発せられた、「責任逃れ」や「敵前逃亡」などの論評は、民主党と敵対する政府・与党の見解であって、批評を加えずに、その一方的な論評を「客観的事実」であるかのように扱うのでは、お話にならない。

 民主党は、権力迎合言論機関であるマスゴミが、今後もこの種の低劣で悪質な偏向報道を展開し続けることを踏まえて戦術を構築しなければならない。

 かつて、ハンドボールの国際試合で、「中東の笛」と呼ばれる、「不公正な審判」が問題になったが、世論形成に圧倒的な影響力を持つマスメディアがここまで腐り切っていると、そのなかで総選挙勝利を得るには、強大な力が必要になる。

 民主党新代表選出にあたり、鮮明な政策方針を明示する必要があるのはこのためだ。

 西松建設からの企業献金について、「説明責任」が足りないと言われるが、小沢氏の資金管理団体が受けてきた献金額は自民党議員と比較すればはるかに少ない。それでも多額の献金が実行されたのは、過去からの経緯に理由があるのだろう。

 金額が多いことが問題とされているが、企業献金にルールが存在し、ルールのなかで、法律で認められた献金を受けてきたのなら、強い批判は妥当でない。

 「裏献金」、「収賄」、「あっせん利得」などの悪質な問題が取りざたされてきたが、そのような事実は存在しない。疑惑は自民党議員に山積している。しかし、検察は漆間巌官房副長官が言明したように、自民党議員を捜査する姿勢を示さない。

 「政治とカネ」の問題を断ち切るには、「企業献金を全面禁止」することが最も明確で分かりやすい。小沢代表は、「政治とカネ」の問題に対する抜本的対応策として「企業献金の全面禁止」を提案した。

 自民党議員の大半が「カネ」を目当てに政治に携わっているのだと考えられてしまうのもやむを得ないだろう。こうした「金権体質」の政治屋のターゲットは「企業献金」である。

 企業は見返りがなければ金を出さない。見返りもないのに金を出せば、株主に対する背任行為になる。直接的な見返りを求めれば、「贈賄」や「あっせん利得」に抵触するから、間接的な形態をとるが、突き詰めて考えれば、企業が政治屋に金を出すのは、政治屋から何らかの見返りを期待するからということになる。

 麻生首相が打ち出した15兆円の景気対策を見ると、自民党政治の基本構造が手に取るように分かる。

 大企業の利権
特権官僚の利権
につながる対象に貴重な国費が集中して投下される。

 一般国民向けには、「定額給付金」だの「子育て支援金」だの、あからさまな「選挙用買収資金」だけが用意されたのだ。

国民生活を守る、ファンダメンタルズの改善、拡充はまったく考慮されていない。大資本、特権官僚、政治屋が、自分たちの利得だけを考えている。

一般国民対策としては、「選挙用買収政策」による目くらましと、「御用メディア」による「権力迎合御用報道」が用意され、この力で、なんとか総選挙をしのごうというのだ。

小沢代表の辞意表明会見について、橋下徹大阪府知事が、適正な意見を述べた。橋下氏は小沢代表の英断を高く評価した。これに対して、東国原宮崎県知事は、権力迎合見え見えの小沢氏・民主党誹謗中傷コメントをまくし立てた。

テレビ番組では、当初、両者を均等に放送したにもかかわらず、再放送では橋下知事発言がカットされ、高い評価部分が削除された。また、よみうりテレビの「ミヤネ屋」コメンテーターの春川氏は、小沢氏の近くで仕えた人が必ず小沢氏から離反することを執拗に強調する。意図的なネガティブ・キャンペーンが展開されていると推察される。

歪んだ情報空間が日本を支配するなかで、政権交代を追求するのだから、覚悟が必要だ。サッカーの試合で言えば、10対0程度の大差を付けなければ、不正な力で「負け」にされてしまうのだ。

だからこそ、インパクトのある「政権公約」が必要になる。

爆発力のある政策公約
①企業献金全面禁止
②天下り全面禁止
③消費税大増税阻止
の三つである。

マスゴミが「政治とカネ」の問題をどれほど執拗に追及しても、「企業献金全面禁止」提案の前には、歯が立たない。

自民党は「企業献金全面禁止」提案を絶対に飲めないと思われる。「企業献金全面禁止」を実現すれば、政治家を目指す人間の属性も変化するだろう。政治家は本来「カネ」を目的に従事する仕事ではなく、無私の立場で国民の幸福を追求する仕事なのだ。

官僚利権と一体化した「悪徳ペンタゴン政治」=「自民党政治」は「天下り」を軸とする「官僚利権」を決して根絶できない。麻生首相は官僚機構にすべてを委ねる決意を固めたと見えて、官僚機構の「天下り」利権を排除する考えをまったく持ち合わせていないようだ。景気対策では天下りに流用されかねない資金が2兆円以上も注ぎ込まれた。

「天下り利権」を擁護するから「大型消費税増税」が必要になる。「消費税増税」を検討する前に「天下り」を根絶することが不可欠だ。「天下り」を根絶し、なお、財源が不足する場合、どのように財源を調達するか。それは将来の検討課題だ。

マスゴミの偏向報道を打ち返し、総選挙必勝を得るには、
「企業献金全面禁止」、「天下り根絶」、「消費税大増税阻止」の三つを提示することが、どうしても必要だ。

「献金、天下り、消費税」を総選挙最大の争点として明確に掲げ、自民党政治の継続と、野党による新政権樹立のいずれを国民が望むのかを、国民に選択してもらう。これを、次期総選挙の基本図式とするべきである。

次期民主党代表就任者には、この点を確実に実行してもらいたい。この選挙公約を掲げられないなら、政権交代が実現しても、巨大利権確保者が交代するだけで、国民生活は変化しない。鳩山氏、岡田氏の政権公約を厳しく点検しなければならない。

ブログランキングのクリックお願いします!

人気ブログランキングへ

人気ブログランキングへ

       

知られざる真実―勾留地にて―

Book 知られざる真実―勾留地にて―

著者:植草 一秀
販売元:イプシロン出版企画
Amazon.co.jpで詳細を確認する

2009年5月12日 (火)

民主党次期代表が掲げねばならない五大公約

民主党の小沢一郎代表が辞意を表明したことについて、小沢氏の続投を支持する多くの有権者から憤懣と怒りの声が上がっている。

3月3日の小沢一郎民主党代表の秘書逮捕以降の小沢氏辞任工作は政治謀略以外の何者でもない。謀略はテロと同類の卑劣な行為である。テロに屈服することはテロを容認することであり、テロを助長するものである。謀略に屈服することは謀略を容認することであり、謀略を助長するものである。

この意味で、民主党は挙党一致で政治謀略に対峙(たいじ)し、政治謀略を糾弾(きゅうだん)するべきだった。これが「正道」である。

「カナダde日本語」の美爾依さん、「どなんとぅぬ だぁ」様「ふじふじのフィルター」様と私は気持を共有する。

民主党の腰の引けた諸氏の、ものごとの本質を見ようとしない、正義を重んじず、悪に対して敢然と立ち向かわない、己の利益だけを追求する行動が、このような結果を導いたことに対する強い怒りを共有する。

しかし、私たちは現実に生きる身である。現実に生じたことを前提に、そのなかで、可能な範囲で「最善」を選択してゆく以外に道はない。

私は自分が不条理、理不尽極まりない運命に直面し、わらわたがが煮えくり返る思いでその不当性を憤り、現状を回復したいと強く願う。しかし、現実は現実である。そのなかで、未来に向かい、最善を選択するしか道はない。その認識に立って、現在から未来に向かって、可能な方法で道を選択し、最善を尽くすしかないと考えて行動している。

理不尽、不条理に直面した小沢氏が誰よりも怒りを抱えておられると思う。その小沢氏が、個人の利益ではなく、国民にとっての利害得失を最優先して熟慮して示した辞意表明である。私はその意志を尊重したいと思う。

小沢氏は卑劣な政治謀略に屈服したわけではない。卑劣な政治謀略を用いるような現実が横行することを含めて、日本政治の現状を刷新することが、何よりも重要で、優先されるべきだと考えたのではないか。本格的な政権交代を実現すれば、不正な警察、検察当局を大粛清することが可能になる。

優先順位を再確認し、まずは政権交代実現を優先し、そのうえで問題の根源を刷新しようと考えたのだと思う。正しくはない不正が存在する現実を踏まえ、大きな戦略実現のために、断腸の思いで当面の戦術を、柔軟にそしてしなやかに変更したのだと思う。

私たち国民にとって何よりも重要なことは、「特権官僚」、「大資本」、「外国資本」と癒着する「政治屋」がその巨大利権を擁護し、「御用メディア」を総動員して一般国民を欺く「政官業外電=悪徳ペンタゴンの利権政治構造」を破壊し、国民の側に立つ、国民の幸福を追求する政府を樹立することである。

小沢氏の辞意表明を契機に、政権交代を求める有権者が内部分裂してしまっては、この大目標は永遠の彼方に消滅してしまう。そうなれば「悪徳ペンタゴン」が高笑いするだけである。

さまざまな思い、憤懣が渦巻く局面ではあるが、ここは、小沢氏の意志を尊重して、意義ある政権交代実現に向けて、心ある有権者が力を結集することが大事だと思う。

本格的な政権交代を実現し、「悪徳ペンタゴンによる利権政治構造」を破壊できる力量を有する政治家は、小沢一郎代表をおいて他にない。だからこそ、多くの有権者が、小沢氏が民主党を率いて総選挙に臨んでほしいと考えてきた。

しかし、永遠に小沢氏の力量に依存することはできない。また、小沢代表はその身に疾患を抱えながら、国民の利益を優先し、わが身に鞭を打って日々奮闘してこられた。少し長い目で考えれば、小沢氏の意志を引き継いで、真に国民の側に立つ政府を樹立する力を、民主党を中心とする野党が持たねばならないのである。

その時期が少し早まったと考えることも必要だ。

断腸の思いで決断されたと思われる小沢氏の英断を尊重し、その意志を正しく引き継ぐことが、小沢氏を支援する行動になると思う。小沢氏を熱烈氏に支援してきた人々が、ここで政権交代実現に向けての熱意を失ってしまうと、政権交代は実現しないだろう。それは、小沢代表の意志に反することになる。

小沢代表辞任を動かせないとすると、焦点は次期代表選出に移る。ここで、重視すべきことは、小沢氏が引責辞任したのではないとの事実だ。小沢氏は卑劣な政治謀略、不正、不当な検察権力行使に正面から闘う姿勢を一貫して示している。

代表辞任は引責辞任ではなく、「悪徳ペンタゴン」勢力が「御用メディア」をフル動員して小沢代表攻撃、民主党攻撃を継続する現実を踏まえ、柔軟にそしてしなやかに戦術を変更して決断されたものである。

この事実を踏まえれば、鳩山由紀夫幹事長が連帯責任を負う必要は生じない。小沢氏が引責辞任するのでなく、政権交代実現をより確かにするための「戦術変更」として辞任するなら、鳩山由紀夫幹事長が次期代表に就任することが、もっとも合理的な選択ということになる。

この事情を加味して考察するなら、次期代表は鳩山由紀夫氏を軸に選出するべきだと言える。岡田克也氏は、代表就任、総理大臣就任に強い野心を示しているが、前回の総選挙で大敗した責任を強く自覚するべきだ。また、野党共闘維持や小沢民主党が掲げた政策方針継続の面でも不安が強い。

前原誠司氏は2006年に引責辞任し、そのあとを小沢代表が就任した経緯を踏まえて、今回は代表選に立候補しない意向を表明したが、この見解表明は正当なものである。

菅直人氏は社会保険庁のミスにより代表を辞任した経緯があり、また、本格政権交代にふさわしい政策路線を明確に示すことが期待されるだけに、次期代表候補の有資格者であるが、「挙党一致体制」、「野党共闘維持」を確立できるかという点に不安を残す。

このような状況を踏まえれば、鳩山由紀夫幹事長が次期代表に選出されることが、もっとも順当であると考えられる。鳩山氏が代表に就任すれば、挙党一致体制確立、野党共闘維持にはもっとも近道であると考えられる。

問題は、その場合に、本格的政権交代の名に値する政策路線を明確に敷けるかどうかだ。

新代表は三つの政策公約を明示することが不可欠だ。

第一は、企業献金全面禁止を明示することである。西松建設事件でクローズアップされた問題は、「政治とカネ」の問題だ。この問題に対する説明責任として、「企業献金全面禁止」以上に明確なものはない。  

自民党こそ、金権体質にとっぷりと浸かり切った金権体質政党である。卑劣な政治謀略である西松建設事件を粉砕し、「政治とカネ」について、クリーンな新平原を生み出すには、「企業献金全面禁止提案」を総選挙最大の争点として掲げることが不可欠だ。

第二は、「天下り根絶」を明示することだ。鳩山由紀夫氏は日銀幹部人事の最終局面で、財務省出身の渡辺博史氏の副総裁就任に同意する意向を表明した。財務省の天下り利権根絶に対する姿勢に不明確さが窺われた。

政権交代を実現する最大の意義は、「官僚主権構造」からの決別である。こ点では菅直人氏の姿勢が明確である。また、岡田克也氏は自身が通産官僚出身であり、疑念が残る。鳩山氏、岡田氏が代表に就任する場合には、この点を明確にすることが不可欠である。

第三は、自民党が掲げる2011年度消費税大増税方針に明確に反対することだ。特権官僚の天下り利権を根絶する前に、消費税論議をすることは許されない。選挙公約に「消費税大増税阻止」を明示しなければならない。

岡田氏は従来から、消費税増税に積極姿勢を示し続けてきた。この政策路線は間違っている。その持論が修正されることが不可欠である。

二点補足すれば、「日本外交の対米隷属からの決別」と、「セーフティネット強化」も小沢氏が明示した重要な政策方針であった。この点ももちろん維持されなければならない。

逆に言えば、①「企業献金」、②「天下り」、③「消費税大増税」、④「対米隷属」⑤「セーフティネット破壊」が温存されるなら、仮に政権交代が生じてもこれまでの自民党政治から何も変わらないことになる。

「悪徳ペンタゴン」が執拗に小沢氏を攻撃し、小沢氏失脚を最重要目標に定めた理由は、小沢氏がこの五つの基本を破壊する最大の脅威と認識したからである。

小沢氏が代表を辞任し、次の代表が自民党の五つの基本方針を擁護するなら、「悪徳ペンタゴン」は、もはや政権交代を警戒する必要がなくなる。この場合には、政権交代が実現しても、日本政治構造は何も変わらない。

この意味で、次期代表は、①「企業献金全面禁止」、②「天下り根絶」、③「消費税大増税阻止」、④「対米隷属根絶」、⑤「セーフティネット構築」を明確に政権公約として掲げなければならない。この五つの公約を掲げない民主党は、もはや国民政党としての意義を失う。本格的な政権交代実現は永遠の彼方に消滅する。

民主党は誰を次期代表に選出するにせよ、この五つの基本を明確に掲げなければならない。民主党がこの旗を降ろすとき、政権交代実現に向けての「大決戦」は不戦のまま終結することになる。

ブログランキングのクリックお願いします!

人気ブログランキングへ

人気ブログランキングへ

       

知られざる真実―勾留地にて―

Book 知られざる真実―勾留地にて―

著者:植草 一秀
販売元:イプシロン出版企画
Amazon.co.jpで詳細を確認する

2009年5月11日 (月)

逆風を順風に転じさせる小沢民主党代表の英断

民主党小沢一郎代表の代表辞意表明会見が行われた。

小沢代表は次期総選挙での勝利、政権交代実現を優先し、不本意ながら代表の地位を辞することを決断した。このことが明瞭に伝わる辞意表明会見であった。

3月3日の小沢秘書逮捕は、結果的に振り返ってみても、筋の悪い「政治謀略」であったことは明らかである。本来、民主党は党を挙げてこうした「政治謀略」に抵抗するべきであった。「謀略」に屈服することは「謀略」を容認することであり、「謀略」を助長するものである。

この意味で、民主党は党を挙げて「政治謀略」を糾弾し、小沢氏代表体制を維持して総選挙に臨むべきであった。

ところが、この「正道」が二つの要因で維持されなかった。第一の要因は、一部民主党議員の腰の引けた対応が際立ったことだ。民主党内部には反小沢代表派の議員が少なからず存在する。こうした議員が、今回の「政治謀略」を党内政治に利用したことは極めて残念なことであった。

第二の要因は、「悪徳ペンタゴン」が小沢代表失脚を最重要目標に定めて、情報操作・世論操作を担う「御用メディア」が総力をあげて小沢氏攻撃を継続したことである。不正で低劣な情報操作だが、総力を挙げて展開されれば、総選挙にも影響が生じることを否定し切れない。

この二つの要因を踏まえ、小沢代表は「正道」を維持することを断念し、総選挙での勝利、政権交代実現を優先して、断腸の思いで代表辞任を決断したのだと思われる。

もとより、小沢代表は地位に恋々とするような政治家ではない。これまで何度も首相に就任する機会がありながら、政治ポストに執着することは一度もなかった。

小沢代表は「正義の筋を通す」ことと、「政権交代という大きな政治目標」を実現することを重視し続けてきた。この意味で、今回の代表辞任は、一時的に「正義の筋を通すこと」を脇に置いて「政権交代実現」を優先したものだと言える。

しかし、小沢代表は卑劣な「政治謀略」を容認したわけではない。政権交代が実現すれば、「政治権力による不正な警察、検察権力の使用」=「卑劣な政治謀略」を糾弾することが可能になる。順序は逆になるが、「正道」を回復することは不可能でない。大きな目標を優先して、「急がば回れ」の選択を示したのだと言える。

小沢代表が会見で明確に述べたように、小沢代表は引責辞任したのではない。西松事件に関する検察捜査の不当性を指摘しつつ、何よりも「政権交代実現」を優先し、民主党の挙党一致体制を確保するために辞任の決断を下したのだ。

麻生首相が小沢氏辞任の意味を理解できない旨の発言を示したが、漢字を読めないだけでなく、日本語の意味もよく理解できないのではないかと思われるコメントであった。

小沢代表が辞意を表明したことで自民党は攻撃の手掛かりを失うことになる。また、民主党が小沢氏辞任により、挙党一致体制を回復することができれば、最大の逆風を順風に変えることができる。

小沢代表は、代表に留まる場合の国民の得失と、代表を辞任する場合の国民の得失を冷静に比較考量し、代表辞任の決断をしたのだと考えられる。断腸の思いで立派な決断を示したと言える。

今後の問題が三つある。

第一は、民主党が適正な新代表を選出し、挙党一致体制を構築できるかどうかだ。

第二は、今後も激化すると予想される御用メディアの民主党攻撃に対してどのように対応するかである。

第三は、政権交代の目的、野党共闘に揺らぎを生じさせないことである。

ばらばらな民主党を取りまとめ、政権交代実現に手の届く位置に民主党をけん引したのは言うまでもなく小沢氏の力量だった。小沢氏が辞任することで民主党の結束が揺らぐ懸念がある。

第一の懸念を払拭するには、挙党一致で新代表を選出するとともに、小沢氏が引き続き、総選挙を指揮する要職に留まるなど、新執行部に残留することが求められる。

第二に、「悪徳ペンタゴン」の一角を担う「御用メディア」が本格的政権交代実現を阻止するために、民主党攻撃を継続することへの備えを急ぐことだ。小沢氏辞任にかこつけて「御用メディア」が小沢氏誹謗中傷報道を加速させる可能性がある。「引責辞任」でないことを執拗に攻撃する可能性もあるだろう。民主党は党を挙げて偏向報道に対応し、偏向報道を粉砕しなければならない。

小沢代表辞任に合わせて早速、権力の狗(いぬ)的存在に成り下がっている東国原宮崎県知事が、「説明責任が足りない」、「臭いものに蓋」、「民主党のイメージが悪化する」などの、見え見えの、権力迎合小沢氏批判を得々と展開している。情けないほどに醜悪(しゅうあく)な姿だ。

小沢代表が身を引いて総選挙勝利・政権交代実現を優先した意志を尊重し、民主党が本格的政権交代実現に向けて、挙党一致で揺るぎない方針を固めることが不可欠だ。

政権交代の意義は、これまでの利権政治を払拭することにある。60年以上継続した自民党政治は、「特権官僚」、「大資本」、「外国資本」の巨大利権を擁護し、「御用メディア」を用いて一般国民を欺く政治を維持し続けてきた。この「悪徳ペンタゴンによる利権政治」を破壊し、国民の利益を優先する政権を樹立することが政権交代を実現する意義である。

このために、小沢代表が提案した「企業献金全面禁止提案」を受け継ぐことが不可欠だ。また、「天下り全面禁止」提案を明確にマニフェストに盛り込むことも求められる。

麻生政権が掲げる2011年度消費税大増税に対しても明確な反対姿勢を明示することが必要だ。消費税大増税を論議する前に、「天下り利権」を根絶することが不可欠である。

「天下り根絶」、「企業献金全面禁止」、「消費税大増税阻止」の視点を踏まえれば、次期代表は菅直人氏を軸に選出するべきであろう。代表交代に伴って、この三つの方針が揺らぐことは、政権交代の意味を後退させることにつながる。

 

岡田氏が代表に就任する場合には、三つの方針を明示することが不可欠だ。ただ、岡田氏は前回総選挙で民主党を大敗させており、今回は出馬を控えるべきだ。菅直人氏は不当な理由で代表を辞任した。その雪辱を果たさせるべきだろう。

小沢氏の英断を生かし、民主党は結束して総選挙に勝利し、政権交代を実現しなければならない。小沢氏が推進した野党共闘も重要である。

小沢氏辞任とともに民主党内対立激化、野党共闘崩壊となれば、「悪徳ペンタゴン」の謀略が成就してしまう。小沢氏の意志を最大限生かし、民主党が挙党一致体制を確立することが政権交代への活路を確実にする。

この時期の代表辞任表明により、民主党は7月12日の同日選にも対応が可能になった。7月12日選挙でも8月選挙でも民主党は対応できる。小沢代表は総選挙勝利に向けて全力を注ぐものと考えられる。

柔軟な思考と対応が逆風を順風に転換する。政権交代を求める有権者も今日の小沢代表辞意表明をひとつの区切りとして、心機一転、政権交代実現に全力を注いでゆかねばならない。

ブログランキングのクリックお願いします!

人気ブログランキングへ

人気ブログランキングへ

       

知られざる真実―勾留地にて―

Book 知られざる真実―勾留地にて―

著者:植草 一秀
販売元:イプシロン出版企画
Amazon.co.jpで詳細を確認する

小沢氏辞任報道と「正義の勝利」に向けての戦略

民主党の小沢一郎代表が代表を辞任する意向を固めたとの報道があった。本日5月11日午後5時から記者会見が開かれると伝えられている。まずは、記者会見を聞いて、事実を正確に把握しなければならない。

 

「悪徳ペンタゴン」による小沢氏辞任工作活動が成就する可能性が高まったと言えるだろう。しかし、最終的な決着はまだつかない。日本の政治権力を「悪徳ペンタゴン」から一般国民の手に奪還することが、最終的な目標である。この目標を踏まえて問題を捉えなければならない。

 

「大資本」、「特権官僚」、「米国資本」と癒着し「御用メディア」を支配する「政治屋勢力」は、既得権益の巨大利権構造を破壊する最大の脅威として小沢代表を位置付けてきた。その標的とされた小沢代表が、遂に陥落したことになるのか。

日本の政治構造刷新に黄信号が灯ったことは確かだ。しかし、現時点ではまだ情報が不足している。事実を正確に把握しなければならない。

小沢氏は不当な風圧によく耐えたと思うが、闘い抜くことができなかったことになるのか。あるいは、精密な計算に基づき、今回の行動が選択されたのか。小沢氏辞任により政局が一気に流動化することも考えられる。小沢氏が新党を設立すれば事態は急変する。新党設立を予想するわけではないが、小沢氏の政権交代実現に向けての強い意志は不変だろう。

  

小沢氏が「悪徳ペンタゴン」の執拗な工作活動により代表の座から引きずり降ろされるだけであるなら、「大資本」、「特権官僚」、「外国資本」の利害と対立する「一般国民」の利益を追求し、「一般国民」の幸福を実現する政治勢力が見えなくなってしまう。

この場合には、「一般国民」の利益を追求する政権樹立が遠ざかってしまうと言わざるを得ない。その場合、政治謀略を用いたと見られる麻生政権の高笑いをそのまま容認してしまって良いものか。考察が求められる。

日本政治刷新の大目標の旗を降ろさなくてはならないのか。情勢を見極める必要がある。本格的政権交代実現を成就するには激しい抵抗を克服しなければならないことは当然だ。したたかに、そして、しなやかに戦略を構築することが求められる。

「悪徳ペンタゴン」の利権死守に向けてのエネルギーは強烈だ。

この事実を踏まえて戦略を再構築することが求められるが、最終的な「正義の勝利」の道筋を再発見できるかどうか。事態の推移を見守りつつ、最終的な「正義の勝利」に向けて戦略を綿密に再検討することが求められる。

ブログランキングのクリックお願いします!

人気ブログランキングへ

人気ブログランキングへ

       

知られざる真実―勾留地にて―

Book 知られざる真実―勾留地にて―

著者:植草 一秀
販売元:イプシロン出版企画
Amazon.co.jpで詳細を確認する

日経田勢康弘氏の読むに堪えない論説記事

産経、テレビ朝日の偏向がこれまで突出してきたが、小沢氏攻撃の異常さはすべての全国紙、全国放送に共通している。小沢氏の秘書が逮捕されたのは3月3日である。その後、この逮捕の不自然さ、不当性が証明されてきた。

秘書が逮捕されたとき、多くの検察関係者が、虚偽記載はあくまで「入り口」で、「収賄」や「あっせん利得」などの問題に発展しない限り、この時期の秘書逮捕を説明できないと明言した。

ところが、3月24日の起訴は「虚偽記載」だけを対象とするものだった。このことから、今回の捜査が「歴史的な痴犬地検の大失敗捜査」(郷原信郎元検事)と評価された。

まったく同じ事務処理をした自民党議員の資金管理団体には捜査が着手もされていない。自民党議員には「裏献金」や「職務権限とのつながり」など、より本質的で悪質な疑惑が渦巻いている。それにもかかわらず、「自民党議員には捜査が波及していない」のだ。

こうしたことから、今回の検察捜査が「政敵を追い落とすために検察権力が利用された卑劣な行為」=「政治謀略」であると判断されている。

客観的な事実は、今回の検察捜査の不当性、政治的偏りを明白に裏付けている。これまで小沢氏を支持してこなかった人々が、小沢代表の辞任を絶対に容認できないと主張する最大の理由は、今回の問題を判断する基準を、摘発事案そのものにではなく、摘発の背景と構造に置くからである。

刑事問題の摘発や処理が政治的に歪められ、政治的に利用されることは民主主義後進国ではよく見られることである。この意味での民主主義後進性が現代日本の最大の構造問題だ。

今回の小沢氏秘書の問題だけでなく、私が巻き込まれている悪質な冤罪事案も同じ範疇にくくることができる。警察や検察権力の運用に対する極めて深刻な不信感が問題の根に存在する。

政権交代を目前にしたタイミングで、政治権力が政権交代を阻止するために次期首相候補筆頭の野党党首を不正に警察、検察権力を利用して追い落とす行為が取られたとするなら、言うまでもなく重大な問題だ。

疑惑は単なる憶測の域を超えて、多くの有識者が一致して指摘する問題になっている。白川勝彦氏も、問題発生当初から一貫してこの問題意識に立つ見解を表明し続けてきた一人である。白川氏は自民党衆議院議員を務め、自治相、国家公安委員長という警察組織を統括する地位にあった人物である。弁護士でもあり警察、検察行政に精通する専門家の一人である。

白川氏や郷原氏などの専門家が、今回の摘発事案の重大性を厳しく追及しているのだ。ものごとに対する見解が全員で一致することはまれだから、今回の問題について、見解が分かれるのは当然だろう。

しかし、民主主義の根幹にかかわる重大な問題が存在する以上、この視点についての考察を欠いた論説は、論説としての基本を欠いていると言わざるを得ない。

Aobadai Blog」様が指摘するように、日経新聞は昨日5月10日のテレビ朝日番組「サンデープロジェクト」での菅直人民主党代表代行の発言についても、真意を捻じ曲げた報道を示した。菅直人氏発言は、共同通信が報じたように、「小沢氏でないと政権交代できないじゃないかという国民もたくさんいる」との指摘に力点があった。

ところが、日経新聞は「即時辞任を促したとも取れる発言を示した」と報じた。「とも取れる」との言い回しを用いて、「誤報」としての訴えを回避する「さもしい」思惑を見て取れるが、発言の真意を捻じ曲げた悪質な「偏向報道」と言わざるを得ない。

マスメディアは政権交代阻止を至上課題とする「悪徳ペンタゴン」の一角を占めており、総力をあげて情報操作に取り組んでいるのだろう。しかし、世の中のすべてが、情報操作でコントールされるわけではない。

5月11日の日経新聞朝刊5面「核心」に、客員コラムニストの田勢康弘氏が「小沢代表で選挙へ?」と題する記事を寄稿した。

あまりにも稚拙な論理構成は、日経新聞の良識と水準を疑わせるに十分なものである。田勢氏は「公設第一秘書が逮捕されたケースでは、過去に議員自身が議員辞職するか離党するかというのが永田町のいわば常識だった」としたうえで、「これが検察による政治的意図を持った強制捜査であるかどうかと党首としての進退とは切り離して考えるべきものである」と主張する。

問題の核心についての論評が、長い論説記事のなかのわずか数行であるこの部分に集約されている。田勢氏はまったく論拠を示さずに、国策捜査であるかどうかに関わりなく小沢氏が辞任すべきなのだと結論する。問題の核心について全く考察しないこの論説記事に「核心」のタイトルが付せられているのは、紙面編集人によるいやがらせにしか見えない。

田勢氏は「「国策捜査」の勇ましい言葉を用いて政党全体で検察とことを構える形にしたのは利口なやり方ではなかった」、「どこまでも小沢氏個人の問題なのだ」と述べる。

田勢氏が権力に迎合し、ジャーナリズムに不可欠な「正義感」と、「悪に対して敢然と闘う闘争心」とまったく無縁の、目先の損得しか考えない「小利口な」小人であることが、文章全体からよく伝わってくる。

小沢氏が辞任すべきだとする田勢氏の最大の理由は、小沢氏秘書の公判が始まり、検察が「冒頭陳述」で、小沢氏に不利なことがらを述べることだとする。

田勢氏は裁判員制度開始に伴い、日経新聞が5月6日付朝刊13面に掲載した特集記事を知らないように見える。

日経新聞は特集記事左下欄に
「犯人視しない事件報道に 日本経済新聞社の指針」
と題する記事を掲載した。

記事に「公判の報道」の項目がある。以下に引用する。

「裁判報道では、公判が始まったばかりなのに、検察の冒頭陳述の内容を確定した事実のように表現することがあった。これからは検察の冒頭陳述や論告についても、検察側の主張であることを記事に盛り込み、弁護側の主張も可能な限り同等に扱って、対等報道を心がける。

ここにも、日経新聞の腰の引けた姿勢が垣間見られる。

「弁護側の主張も可能な限り」、「心がける」と表現するところに、逃げ道が隠されている。

弁護側の主張も同等に扱い、対等報道を行なう」とすればよいところ、上記表現を用いるところに、「建て前」と「本音」の使い分けが観察される。

それでも、国民が「国策捜査」であると強く疑っている今回の事件報道について、検察側の主張を一方的に行うことは許されない。弁護側は真っ向から「国策捜査」批判を展開するだろう。マスメディアが「対等報道」を行なうならば、小沢氏や民主党が一方的な批判にさらされることは考えられない。

むしろ、これまでの偏向報道の誤りを国民が気付くようになるかも知れない。もっとも、マスメディアがこれまで同様に、「偏向報道」を繰り返すなら、問題は是正されないが、それでも、これまでの状況が維持されるだけで、新規のマイナスは発生しない。

小沢氏秘書逮捕問題の核心は、「それが政治的意図をもった強制捜査であるかどうか」の一点に集約される。検察捜査が不当であることを否定できなくなった政治評論家は、問題の本筋で小沢氏を批判できなくなったことを映して、小沢氏の献金額の多さ、不動産所有を攻撃するが、この点について、小沢氏だけが批判されることの不当性はすでに明らかにされている。

小沢氏の政治資金収入総額は全国会議員第71位、企業献金額は第27位である。小沢氏を批判するなら、その前に多数の自民党議員を批判しなければ筋が通らない。

政権選択を国民が判断する総選挙の直前に、野党第一党党首が、不正に、政治目的で狙い撃ちされたのが今回の事件の本質であり、この本質を踏まえる限り、小沢氏辞任を容認することは絶対に容認できないとするのが、「正義を重んじ」、「悪に向かって敢然と闘う」スタンスをもつ識者の一致した見解なのである。

田勢氏の論評記事には、問題の核心を論じる視点が完全に欠落している。完全に「根なし草」の論評なのだ。

この程度の論評に大きな紙面を割かねばならないところに、日経新聞の論説機関としての弱体化が如実に示されている。

文藝評論家の山崎行太郎氏が、発行部数がいよいよ200万部を下回ろうとする産経新聞の窮状について、的確な論評を掲載されているが、マスメディアの堕落、凋落ぶりは目を覆うばかりである。その窮状を脱するために、権力迎合を強化しているのだとすれば、それは、言論機関としての自殺行為に等しい。

信用を一度失墜してしまえば、信用を取り戻すことは困難だ。

日本経済新聞はこの際、「日本迎合新聞」とか「自由民主新聞」などに、紙名を変更してはどうだろうか。その方が読者が納得して紙面を眺めることができるようになるだろう。

マスメディアの小沢氏辞任工作活動は今後も続く。総選挙での本格的政権交代を阻止するため、小沢氏の代表辞任を実現することが最重要の指令として交付されているのだろう。

明瞭にこの構造が見えている以上、政権交代を求める有権者は、体を張って、力を結集し、小沢氏代表続投を支援しなければならない。菅直人民主党代表代行による
「小沢氏でないと政権交代できないじゃないかという国民もたくさんいる」
発言が真実を端的に示している。

悪質、低劣なマスメディア報道を粉砕し、政権交代実現に向けて、心ある有権者がスクラムを組んでゆかねばならない。本日夜のテレビ朝日「TVタックル」も悪質・低劣番組の代表である。放送内容を厳しく監視しなければならない。

ブログランキングのクリックお願いします!

人気ブログランキングへ

人気ブログランキングへ

       

知られざる真実―勾留地にて―

Book 知られざる真実―勾留地にて―

著者:植草 一秀
販売元:イプシロン出版企画
Amazon.co.jpで詳細を確認する

2009年5月10日 (日)

森田健作氏を告発する会が署名活動を展開

 「カナダde日本語」様には、拙著『知られざる真実-勾留地にて-』について、Aobadai Blog」様の記述をご紹介賜り、また、ありがたいお言葉を賜りまして誠にありがとうございました。心よりお礼申し上げます。

 

 

知られざる真実―勾留地にて― Book 知られざる真実―勾留地にて―

著者:植草 一秀
販売元:イプシロン出版企画
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 

また、「チラシの裏」様には、これまで継続して拙著に対する温かな励ましのお言葉を含めて、意義深い記事を掲載し続けておられますことに、敬意を表します。マスメディアに汚染された日本の情報空間を洗浄できるのは、優れたネット情報だけであると思われます。

小沢氏秘書が不当な理由で突然逮捕されたにもかかわらず、マスメディアが摘発事案の正当性を論じることもせずに、小沢氏辞任を要求する小沢氏攻撃報道を土石流のように展開する。詳細な情報を持たない国民は、マスメディアの情報操作に少なからず誘導されてしまう。

国民の判断が、歪んだ情報操作によって歪められ、その延長上で国政選挙が実施されたのでは、政治が歪められる。「民主主義の危機」が日本を覆っている。

Aobadai Blog」様が指摘されるように、マスメディアの堕落が日本の危機をもたらしている。民主党は党をあげて政治権力の横暴に立ち向かわねばならぬところ、逆に民主党がマスメディアの情報撹乱に翻弄(ほんろう)されているように見える。

マスメディアは民主党内の反党分子の声を増幅して報道する。民主党内の前原誠司氏、仙谷由人氏、小宮山洋子氏などのグループは、もとより反小沢代表派の議員である。政治謀略の機に乗じて党内クーデターに走っている。「さもしい」人々と言わねばならない。

民主党支持者の多数が小沢氏続投を支持している。党代表を支持できず、政治謀略に加担したいのなら、民主党を離脱して新党を結成するか、自民党と合流すればよい。客観的なデータは、小沢代表、民主党よりも、自民党の方がはるかに金権体質に汚染されていることを示している。

政治献金の全面禁止で「政治とカネ」の問題に明確な姿勢を示すとの小沢代表のスタンスは極めて分かりやすい。

仙谷氏は日銀幹部人事で財務省からの天下りに反対の意向を示していたにもかかわらず、副総裁人事の最終局面で財務省元財務官の渡部博史氏の副総裁就任容認に転じた。小沢代表の足元をすくうことが狙いであったと見られる。小沢氏に対する辞任要求は私的な利害に基づく行動であると断じざるを得ない。

総選挙を目前にしたこの時期に、国民の前に明らかになった事実は、
①警察・検察権力が政治権力に支配され、政治目的で行動する現実が存在すること
②マスメディアが中立公平の立場から離れて、政治権力の目的に沿って情報を操作し、世論操作活動を実行すること
③政治権力が総選挙に合わせて、「買収行為」と言わざるをえない「利益誘導」の政策をあからさまに展開すること
などである。

私が拙著『知られざる真実-勾留地にて-』で伝えようとしたのは、まさにこうした日本政治の現実だった。

警察・検察の判断がいかに不透明で、恣意的なものであるかが、いくつかの事例によって明らかになりつつある。

刑を執行され、刑期が完了したのちに冤罪の事実が判明した事例も表面化した。多くの冤罪事件が水面下に隠れている。

他方で、明らかに罪を犯しているケースであるのに、警察、検察の「裁量」、「恣意」によって無罪放免とされることが存在することも明らかになった。ここに「天下り」を含む警察、検察の巨大利権の源泉がある。

フランス人権宣言が明記するように、もっとも根源的な基本的人権に介入する刑事手続きにおいては、「法律が明確であり」、「手続きが明確に定められその運用が厳正に行われ」、「すべての人に平等に適用される」ことが不可欠である。

①明確な法規定=罪刑法定主義、②Due Process of Lawの厳正な適用、③法の下の平等、が満たされなければならない。現実には、無実の人間が政治目的で罪を着せられ、罪を犯しているのに政治的背景で無罪放免される事例が続発している。警察・検察の根源的な問題に国民の目が振り向けさせられた点では、小沢氏の秘書逮捕は意義を有するのかも知れない。

 

(参考)フランス人権宣言(1789年)第6条
第6条(一般意思の表明としての法律、市民の立法参加権)
「法律は、一般意思の表明である。すべての市民は、みずから、またはその代表者によって、その形成に参与する権利をもつ。法律は、保護を与える場合にも、処罰を加える場合にも、すべての者に対して同一でなければならない。すべての市民は、法律の前に平等であるから、その能力にしたがって、かつ、その徳行と才能以外の差別なしに、等しく、すべての位階、地位および公職に就くことができる。」

 

また、「罪刑法定主義」は、
「ある行為を犯罪として処罰するためには、立法府が制定する法令(議会制定法を中心とする法体系)において、犯罪とされる行為の内容、及びそれに対して科される刑罰を予め、明確に規定しておかなければならないとする原則のことをいう。

公権力が恣意的な刑罰を科すことを防止して、国民の権利と自由を保障することを目的とする。事前に法令で罪となる行為と刑罰が規定されていなければ処罰されない、という原則である。」
(ここまで参考)

民主党が第三者委員会を設置して西松建設事件を調査しているが、法務省を含む行政当局は政治資金規正法の運用について、明確な見解を示さない。

小沢氏の政治資金管理団体は政治献金を行なった「寄付行為者」の名称を収支報告書に記載した。政治資金規正法第12条は、「寄付をした者」を記載することを求めており、資金拠出者の記載を求めていない。

法律の条文を忠実に読む限り、「寄付行為者」を記載することが政治資金規正法の求めている行為である。小沢代表の公設第一秘書の大久保隆規氏は、法律の条文に忠実な事務処理を行なっただけにすぎない。

第三者委員会が、総務省の担当部署ならびに法務省当局に、この条文の運用に関する解釈について再三質問しているのにかかわらず、行政当局は明確な回答を示さない。これでは市民生活は成り立たない。

すべてが警察、検察当局の裁量で決定されるのなら、市民はいつでも逮捕されたり、摘発されたりしてしまうことになる。

  

森田健作氏こと鈴木栄治氏に対して千葉県の有権者が刑事告発した。告発の理由は政治資金規正法違反容疑と公職選挙法違反容疑だ。

公職選挙法第235条には以下の規定が定められている。

 

(虚偽事項の公表罪)
235 当選を得又は得させる目的をもつて公職の候補者若しくは公職の候補者となろうとする者の身分、職業若しくは経歴、その者の政党その他の団体への所属、その者に係る候補者届出政党の候補者の届出、その者に係る参議院名簿届出政党等の届出又はその者に対する人若しくは政党その他の団体の推薦若しくは支持に関し虚偽の事項を公にした者は、2年以下の禁錮又は30万円以下の罰金に処する。

  

千葉県知事に当選した森田健作氏こと鈴木栄治氏は、自民党籍を有し、自民党政党支部長の職位に就いたまま、県知事選挙を戦った。

森田健作氏は「完全無所属」を謳い文句に選挙戦を戦った。

「完全無所属」の意味は、既成政党とまったく関わりを持たない「まったくしがらみのない」候補ということだ。森田氏は既成政党とかかわりのない候補であることをアピールして選挙を戦った。

最も重要なのは、公職選挙法第235条が何を規定しているのかである。

もう一度、公職選挙法の条文を確認してみる。条文は以下の通りだ。
当選を得又は得させる目的をもつて公職の候補者若しくは公職の候補者となろうとする者の身分、職業若しくは経歴、その者の政党その他の団体への所属、その者に係る候補者届出政党の候補者の届出、その者に係る参議院名簿届出政党等の届出又はその者に対する人若しくは政党その他の団体の推薦若しくは支持に関し虚偽の事項を公にした者は、2年以下の禁錮又は30万円以下の罰金に処する。」

  

太字部分を原文に即して考える必要がある。

森田氏が「当選を得る」目的をもって「虚偽の事項」である「完全無所属」の表現を用いたことは明らかである。

森田氏は「政党と関わりのある無所属候補」と対比させる意味をもって、自分自身を「完全無所属」の候補であると有権者に訴えた。

森田氏が選挙期間中に配布したチラシ下段には次の表現がある。
29は政党より千葉県民第一の候補者に投票しよう!

法律の条文解釈においては、「一般読者の普通の注意と読み方を基準として解釈した意味内容」が基準とされる必要がある。森田氏の行動をこの基準に照らしてみれば、公職選挙法に抵触することは明らかである。森田氏は「当選を得る目的」で、「完全無所属」との虚偽事項を公表したのである。

「森田健作氏を告発する会」では、現在、署名活動を実施している。法律の適正な運用を確保するには、より多くの国民が行動を起こす必要がある。国民が行動を示さないと法律が適正に運用されないのはおかしなことだが、おかしな現実が存在する以上、その現実を踏まえて行動しなければならないだろう。

森田氏の政治団体については、政治資金管理団体を含め、政党支部、「元気モリモリ、千葉を日本一にしようの会」の三つがすべて、同一の所在地にあることも明らかにされている。

2004年から2007年にかけての4年間の資金収支をみると、自民党政党支部で受け入れた資金が、そのまま森田氏の資金管理団体に移されているように見える。

法律の運用を委ねられている検察当局が、この問題についてもまた、政治的背景によってその運用を歪めるなら、警察・検察に対する不信は修復不能な状況に追い込まれることになるだろう。

その場合には、警察、検察の大粛清が政権交代後に実行されることになるだろう。

ブログランキングのクリックお願いします!

人気ブログランキングへ

ランキング

       

知られざる真実―勾留地にて―

Book 知られざる真実―勾留地にて―

著者:植草 一秀
販売元:イプシロン出版企画
Amazon.co.jpで詳細を確認する

2009年5月 9日 (土)

拙著第5刷出来と「Aobadai Life」様への感謝

知られざる真実―勾留地にて― Book 知られざる真実―勾留地にて―

著者:植草 一秀
販売元:イプシロン出版企画
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 

拙著『知られざる真実-勾留地にて-』第5刷が出来上がり、ようやくamazonブックサイトにも「在庫あり」と表示されるようになった。出版社からの連絡では5月1日時点で、新刷本が確実に納品されていたとのことだが、amazonの在庫表示が、連休中、「在庫なし」のままで、取り寄せに数週間要する表示のままだった。

最近、Google検索では、本ブログの小沢一郎氏関連記事、フジテレビ『桑田佳祐氏の音楽寅さん』での小沢代表攻撃についての記事などが、ブログ検索にかからなくなっていたりした。

Google八分」などについて、私は詳しくないのでよく分からないが、本ブログがそのような言論弾圧の対象とされないことを願っている。

4月23日記事「「週刊新潮」論評と『知られざる真実』第5刷出来」に、「週刊新潮」の低劣な記事について記述したが、この問題について、「神州の泉」主宰者の高橋博彦氏も貴重な論評記事を掲載下さった。「悪徳ペンタゴン」の言論弾圧が、政治権力に支配される言論空間の最後の砦であるインターネット空間にまで波及しつつある現実に対して、十分な警戒感をもって臨む必要性を高橋氏も強調される。

拙著『知られざる真実-勾留地にて-』を一人でも多くの方に読んでいただきたく思っている。2006年9月の事件で、私は132日間の勾留を受けた。その期間に、東京拘置所内で執筆したのが同書である。

最近の高橋洋一氏無罪放免、草なぎ剛氏無罪放免の一方での小沢代表秘書大久保隆規氏の逮捕・長期勾留などの報道に接するにつけ、日本の警察・検察行政における「裁量・恣意」、「法の下の平等」、「罪刑法定主義」などの問題が、由々しき程度にまで深刻化している現実を痛感する。

拙著執筆に際しては資料の制約が大きく、新聞情報を朝日新聞一紙に全面的に依存し、さまざまな資料は、支援者が送付して下さった。

事件の詳細、私の生い立ちと生き方、考え方、最近の日本の実情と望ましい社会の方向について、思いを集約して執筆した。

最重要のテーマが小泉政権5年半の総括だった。2006年、2007年は小泉政権から安倍政権に政権が引き継がれ、日本経済も緩やかな回復を続けていたから、小泉政権は成功したのではないかとの空気が日本を支配した。

しかし、2001年から2006年の小泉政権の誤りを、私たちは決して見落としてはならないと考えた。

市場原理にすべてを委ね、結果における格差を容認し、セーフティネットを可能な限り簡素化した小泉政権。

金融危機を誘導して日本経済を金融恐慌寸前の状況に追い込み、最終局面で税金による銀行救済で資産価格反転上昇を演出して、特定のインサイダーに巨大な利益を供与した小泉政権。

その巨大利得の裏側でどれだけの同胞が、失業、倒産、自殺の阿鼻叫喚(あびきょうかん)地獄に追い込まれたことか。

国民を犠牲にして、一部の政商と外国資本の利益増強を実現したことを私たちは容認して良いのだろうか。

日本の議院内閣制の頂点に位置するのは内閣総理大臣である。この内閣総理大臣が、与えられた権能を最大に行使すると、内閣総理大臣は危険な独裁者に変身し得る。日本の議院内閣制が、そのような危険な側面を持つことを私たちは知らなくてはならない。

小泉政権が実行した最も危険な行動が、メディア・コントロール、情報支配だった。全国紙と全国放送、そして地方紙に情報を提供する二つの通信社。この12社をコントロールすると、日本のマス情報を支配できる。

明治以来、日本を支配してきたのは官僚機構である。第二次大戦後の民主化の過程で、官僚機構だけは温存された。戦前の高文試験が戦後の上級公務員試験に受け継がれた。特権官僚の利権は温存された。

特権官僚が主導権を握り、政治が大資本、資産家、米国資本だけを尊重しつつ、一般大衆を支配するためにマスメディアを全面支配しているのが、現代日本の基本構造だ。

私はいま、この構造を「悪徳ペンタゴンの利権互助会構造」と呼んでいるが、この構造を破壊して、一般国民の利益を追求する政府を樹立することが求められている。

日本の現実、日本の真実に光を当てて、私たち国民が「真実」に気付かなければならない。国民の力で、日本の構造を根本から作り変えることができたらと思う。

一人でも多くの人々に、「真実」を知ってもらい、望ましい社会を作り出すためのたたき台を提示したいと思い、拙著を執筆した。

一方で、人の世が理不尽と不条理に包まれてきた歴史を見落とすこともできない。望ましい社会を実現することを決してあきらめてはならないが、不条理の現実、理不尽な現実のなかに、「救済」が存在することを知っておかねばならない。私は理不尽に包まれたが、それでも「救済」を受けた。その大切な事実をも伝えることができたらと思った。

4月23日付記事にも記述したが、Aobadai Life」様が、
「植草一秀事件も国策逮捕だったことを知らなかった個人的反省()
「植草一秀事件も国策逮捕だったことを知らなかった個人的反省()
「植草一秀事件も国策逮捕だったことを知らなかった個人的反省()
「植草一秀事件も国策逮捕だったことを知らなかった個人的反省()
「植草一秀事件も国策逮捕だったことを知らなかった個人的反省()
と、5回にわたって、拙著について、身に余る、そして深みのある論評を掲載下さった。心から感謝申し上げたい。

とりわけ、最終回の第5回執筆文については、私が同書を執筆したときの思いが蘇(よみがえ)り、読み進める間、涙が止まらなかった。拙著をこのうえなく丁寧に読んで下さり、感無量である。

大手出版社から出版すれば、より多数の方に読んでいただくことができたと思う。しかし、ご縁をいただいた方を通じて本書を上梓させていただいた。大増刷とはいかないが、一人でも多くの方に、じっくりと目を通していただければありがたく思う。

Amazonなどでの一部の悪意あるレビューのなかに、2004年事件での被害者とされる女性側から、「被害届を出した覚えもない。起訴して裁判にしないでほしい」との上申書が提出されたことに関連して、誹謗と受け取れる表現があるが、当方が事件の容疑事実を完全否認していることを十分に認識したうえで女性側が提出した上申書であることを明記しておく。

特定勢力による私を攻撃するネット上の活動は、現時点でもなお活発である。また、Wikipediaの私に関する記述には、多数の誤りが存在するので、いずれ、機会をみて訂正を求める考えである。

話が横にそれたが、国民主権の「建て前」を行使できる唯一の機会が「選挙」である。「選挙」のなかでも、政権を決定する「総選挙」が何より重要だ。

次の選挙で、国民が間違った判断を下すことは許されない。しかし、巨大利権の維持を目論む「悪徳ペンタゴン」は、あらゆる手段を用いて、国民の判断を歪めようとしている。国民は今度こそ、間違ってはならない。

拙著を執筆したのも、本ブログで情報を発信するのも、私たちが力を合わせて、国民の正しい判断を導き、この世を少しでも望ましい方向に誘導したいと願うからだ。拙著にお目通し賜り、日本の未来を考察する材料として活用賜れればとてもうれしく思う。

ブログランキングのクリックお願いします!

人気ブログランキングへ

人気ブログランキングへ

       

知られざる真実―勾留地にて―

Book 知られざる真実―勾留地にて―

著者:植草 一秀
販売元:イプシロン出版企画
Amazon.co.jpで詳細を確認する

2009年5月 8日 (金)

雑誌『選択』「小沢続投論に異議」への反論

 『選択2009年5月号』政界スキャン291「「小沢続投」支持論に異議あり」に対して、批判を受けた高野孟氏がNews Spiral」に反論を掲載された。

 3月3日に東京痴犬地検国策特別捜査部が小沢一郎民主党代表の公設第一秘書である大久保隆規氏を政治資金規正法違反容疑で逮捕して以来、マスメディアは「小沢辞任論」を大合唱して現在に至っている。

 私は本ブログならびに

『紙の爆弾2009年5・6月合併号』所収
「「郵政民営化」「小沢一郎秘書逮捕事件」
 エコノミスト・植草一秀が語る
 日本の“知られざる真実”」

『月刊日本2009年5月号』
巻頭特集「これは政治謀略だ!」所収
「権力の狙いは既得権益の死守だ」

などの媒体を通じて、一貫して小沢代表続投論を主張し続けてきた。

 名指しされていないが、この意味で、『選択』掲載「「小沢続投」支持論に異議あり」に対して、答えない訳にはいかない。

 私はテレ朝「サンプロ」MCの田原総一郎氏が、3月28日放送の「朝まで生テレビ」で小沢代表辞任論を強硬に誘導しながら失敗し、翌3月29日の「サンプロ」で、「朝生」での視聴者投票結果における「小沢代表続投論圧倒」を隠ぺいして、再び小沢代表辞任論を誘導しようとしたところ、高野孟氏に粉砕(ふんさい)された事実を下記記事に記述した。

3月28日「偏向田原氏「朝まで生テレビ」世論操作に大失敗」
3月29日「田原氏醜悪サンプロ情報操作を高野孟氏が粉砕」

 『選択』投稿者「地雷」氏が弊ブログを無視したい気持ちは分かるが、弊ブログを支援して下さる多数のブロガーおよび読者が、小沢代表続投論を支持している。できれば高野氏には、小沢代表の掲示板投稿記事だけでなく、当ブログを含む多数のブログが小沢代表続投支持論を展開していることを、事実に即して正確に伝えていただきたく思う。白川勝彦氏の指摘も極めて重要である。

 「地雷」氏は大手新聞政治記者とのことだが、高野氏が指摘するまでもなく、日本のマスメディアは根腐れを起こし、完全に堕落してしまった。

 私が長く親しくしてきた新聞人は、現在大手新聞の幹部をされているが、「ダラ幹」を自認し、一貫して権力に迎合する姿勢を隠さず、かつ、崩さなかった。組織に所属する人間の宿命として、組織の行動原理に従順でなければ、組織のなかで生き延びることは難しいのだろう。その点で、「地雷」氏の立場には同情を禁じ得ない。

 「地雷」氏は高野孟氏批判のなかで、高野氏の辞任反対論論拠を以下の三つだとしている。

①検察ファシズム批判
②小沢氏は過去の政治を知り尽くしており、そこに小沢氏の「破壊的エネルギー」があること
③検察が粗暴な行動に出た背景に官僚機構の小沢改革への恐怖感があること

 この三点について「地雷」氏は、
①検察ファシズムについて、「検察の悪い癖が出たかも知れない」としながら、

「いま問われているのは小沢による巨額の企業献金・蓄財に対する疑惑だ」と批判する。

②「破壊的エネルギー」については、「過去を知り尽くしていることと過去の体質をひきずっていることとは根本的に違う」として、「引きずりながら破壊的なエネルギーを発揮できるとは到底思えない」とする。

③官僚機構の恐怖感については、「確かに官僚機構は政権交代に不安感を抱いているだろう」としながら、「小沢続投に反対する世間は官僚とは無縁で、小沢は改革者の資格があるか、と世間は疑っている」とする。

 第一の論点は、問題が二つに分かれる。

 ひとつは、「虚偽記載」容疑で小沢氏の資金管理団体だけが摘発された問題だ。この点については、これまで繰り返し説明してきた。詳細を省略するが、大久保秘書の対応は他の多数の自民党議員の資金管理団体の会計処理とまったく同じで、大久保氏だけが摘発されたことは、明らかに「法の下の平等」に反し、正当性を欠いている。

 「政治謀略」なのか、あるいは「検察の暴走」なのか。評価は分かれるが、正統性を有していないとの見解が多数意見だろう。私は「政治謀略」だと判断している。理由はこれまでに縷々(るる)記述してきた。私が小沢代表続投を強く主張する最大の理由は、「テロ」と同類の「政治謀略」に屈服することは許されないとの判断にある。

 いまひとつの問題が、「巨額の企業献金と蓄財への疑惑」だ。御用評論家、御用メディアは、検察捜査の不当性を否定できなくなったため、示し合わせたようにこの点を強調するようになった。

 しかし、巨額の企業献金問題で、小沢一郎氏はまったく突出していない。この点を高野氏が分かりやすく論破された。

 私は、テレビ番組とメディア報道で公表された下記データを繰り返し提示してきた。

 2007年の政治家別政治資金収入金額ランキング。

1中川秀直(自)  44955万円 
2亀井静香(国)  37725万円 
3平沼赳夫(無)  29512万円 
4古賀 誠(自)  27879万円 
5山田俊男(自)  27695万円 
6松木謙公(民)  27695万円 
7森 善朗(自)  27021万円 
8麻生太郎(自)  23383万円 
9鳩山邦夫(自)  23182万円
10
鳩山由紀夫(民) 22194万円

自民、民主両党の2007年政治献金実績。

自民:総額224億円、うち企業献金168億円
民主:総額 40億円、うち企業献金 18億円
 経団連加盟企業の経団連を通じる企業献金は、
自民:29億1000万円
民主:   8000万円

 また、新聞報道によると、民主党の鈴木克昌衆院議員が入手した資料では07年度政治資金収支報告で、小沢代表の収入総額全国会議員中71位企業団体献金額全国会議員中27位であったとのことだ。

 高野氏が指摘するように、マスメディアが「巨額献金」を問題にするなら、献金に関する全国会議員のデータを明らかにしたうえで、問題議員を取り上げるべきだ。巨額の企業献金を受け取り続ける国会議員が多数存在するが、そのほとんどが自民党議員である。

 「蓄財」で問題にされるのが小沢代表の政治団体による不動産取得である。三宅久之氏、福岡政行氏、岩見隆夫氏などが必死にこの問題を強調する。

 しかし、小沢代表の政治団体による不動産取得は合法的なものである。高野氏の以下の指摘は正鵠(せいこく)を射(い)ている。

「そのマンションを貸したり転売したりして個人として利殖していたというならともかく、広義での政治目的のためにマンションを買って、それを政治資金団体の名義には出来ないから代表者である小沢の名前で登記することがあったとしても、それを「蓄財」と言うことは出来ない。」

政治資金を長期間蓄蔵する場合、その形態を「現金」、「預金」、「債券」、「不動産」などの異なる資産形態のいずれで保蔵するのが最も適正であるのかの判断は、金融知識、経済金融環境、リスク感覚、などによって異なる。

貴重な政治資金を「不動産」形態で保蔵するのは、十分に考えられるひとつの手法である。それが合法的であれば、まったく問題はない。

法的に問題のないことがらを、テレビ番組等を通じて、あたかも不法行為であるかのように政治評論家などが論評するのは、同義的に問題であるばかりでなく、法的にも名誉棄損などに抵触する可能性がある。

また、三宅久之氏などが強調する、民事訴訟で名誉棄損が認められなかった事実は、小沢代表が不法行為を犯したことを意味するものではまったくない。視聴者に誤解を与えかねない発言は極めて不適切であり、放送倫理上の重大な問題になりかねない。

②の「過去を知り尽くしていても過去を引きずっているのだから、破壊的なエネルギーを期待できない」というのは、「地雷」氏の個人的な感想にすぎない。個人的な感想で、次期首相候補筆頭の野党党首の辞任を求められては困る。

新聞記者だか誰だか知らないが、思いあがるのもいい加減にしたほうが良い。政権交代を選択するかどうか、小沢氏をどのように評価するか、小沢氏に期待するか、を判断するのは主権者である国民であって、堕落したマスゴミ人間でないことを自覚すべきだ。

ロシアが「核廃絶」を本気で提案したらどう考えるのか。米国が「核廃絶」を提案したらどう考えるのか。これまで核武装してきた国だから、決して信用できないと、予断をもって巨大な可能性に蓋をしてしまうのが正しい行動と考えるのか。

人類の歴史に「不可能」の文字はない。

西松事件でメディアがクローズアップしたのは「政治とカネ」の問題だ。小沢氏の政治団体は過去の延長上で企業献金を受け取っていた。しかし、合法的な資金だった。しかも、2007年度の金額総収入で71位企業献金で27位だった。小沢氏を問題にするなら、その前に数十人が問題にされなければ辻褄が合わない。

「政治とカネ」の問題に対して、「企業献金全面禁止」以上に明快な説明があるのか。「地雷」氏は企業献金全面禁止提案に賛成するのか。人を批判する前に、小沢代表の提案に対する「地雷」氏の見解を表明するのが先だ。礼を欠いていると言わざるを得ない。

高野氏が「独りマスコミだけは狂ったように反小沢の合唱を歌い続けている」と指摘するように、「辞任せよ」の大合唱を続けているのは国民ではなく、「マスゴミ」である。

③の官僚機構の恐怖感について、「地雷」氏は、世間は官僚と無関係で、「小沢氏に改革者の資格があるかを疑っている」と言うが、世間知らずも甚だしい。世間は「地雷」氏が思うほど狭くない。小沢氏の力量に期待する多数の国民が存在することを知るべきだ。

テレ朝「朝生」などは、政治に関心を持つ層が視聴者の中心だろう。あれだけ醜悪な偏向制作で田原氏が必死に小沢代表辞任論に誘導したにもかかわらず、番組終了時点の視聴者投票集計では、66%が小沢代表続投を支持した。

「地雷」氏の「小沢続投支持論」批判は批判の体をなしていない。

際立つのは、御用メディアの「小沢辞任誘導」の必死さである。驚きを超えて滑稽な印象さえ感じられる。異様な小沢おろしへの執着ではあるが、小沢氏が敵の浅薄(せんぱく)さを見抜いてしまった可能性が高い。私は、小沢代表おろしが結局、成就しないと見る。

5月13日に党首討論が実施される。潔さを欠く麻生首相は「話し合い解散」に応じず、サミット帰国後の解散、8月9日総選挙を念頭に置いて行動するだろう。これすら、サミットと東京都議選の結果を確認した上での判断になるだろう。麻生首相の臆病さは他の追随を許さないように見える。

激闘を乗り越えた先には「正義の勝利」が待ち受けているだろう。

ブログランキングのクリックお願いします!

人気ブログランキングへ

ランキング

 

マスコミはなぜ「マスゴミ」と呼ばれるのかー権力に縛られたメディアのシステムを俯瞰する Book マスコミはなぜ「マスゴミ」と呼ばれるのかー権力に縛られたメディアのシステムを俯瞰する

著者:日隅 一雄
販売元:現代人文社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 

 

 

知られざる真実―勾留地にて― Book 知られざる真実―勾留地にて―

著者:植草 一秀
販売元:イプシロン出版企画
Amazon.co.jpで詳細を確認する

2009年5月 7日 (木)

「決戦の総選挙」投票日は8月9日か

 国会では本日5月7日から、2009年度補正予算案の本格審議に入る。

麻生首相は麻生内閣の支持率が3月3日以降の小沢秘書逮捕の政治謀略によって微増したことを受けて、解散総選挙のタイミング探りに入った。

麻生首相は昨年10月の臨時国会冒頭に衆議院を解散して総選挙を実施することを決断し、月刊誌に高らかに宣言したが、決行を断念し、先送りした過去を持つ。

自民党が実施した選挙予測調査で自民党が大敗する予測が示され、麻生首相は総選挙から逃げ出したと伝えられている。

世界的な経済危機が拡大したことにかこつけて、「政局より政策」と強弁したものの、2008年度第二次補正予算案の提出を2009年年頭まで先送りしたのは、「政策より政局」を優先したからだった。

漢字が読めないことも発覚し、内閣支持率は下落の一途をたどった。郵政民営化見直しを公言したことも影響し、自民党内の麻生おろしの動きが本格化した。

ところが、「二つの工作」による「てこ入れ」を図り、事態を小幅改善した。

「二つの工作」とは、①「かんぽの宿」疑惑追及による小泉竹中一派への牽制(けんせい)と、②小沢民主党代表を標的とした政治謀略の実行である。

「かんぽの宿」等79施設のオリックス不動産への売却決定が「不正売却」である疑いは濃厚になった。西川善文日本郵政社長、横田邦男日本郵政専務執行役の責任は重大で、厳しい責任処理が求められている。

ところが、3月2日を境に、鳩山総務相の問題追及が一気に後退した感を否めない。3月2日、小泉元首相は「今後政局の話をしない。かかわらない」と発言したと伝えられた。小泉元首相の英国留学に関して、小泉元首相が公選法235条に抵触する「虚偽事項の公表」を行なっていたことが発覚したとの情報もある。

いずれにせよ、3月2日以降、「かんぽの宿」疑惑追及が大幅に後退したのは事実である。

他方、3月3日に東京痴犬地検国策特別捜査部は、小沢民主党代表の公設第一秘書である大久保隆規氏を、政治資金規正法違反容疑で突然逮捕した。まったく同じ事務処理をした政治資金管理団体が自民党に多数存在するなかで、小沢氏の資金管理団体会計責任者だけが逮捕され、その後起訴された。大久保氏は依然として勾留されたままである。

卑劣な政治謀略以外の何者でもない。

麻生内閣は「かんぽの宿」疑惑追及をちらつかせて小泉一家を封殺し、検察を利用した卑劣な政治謀略で政敵を追い落とし、支持率の微増を獲得した。

あまりにも「さもしい」政治運営である。

100年に一度の経済危機を大義名分にして、総選挙用バラマキ景気対策を決めた。しかし、内容があまりにもひどすぎる。

経団連企業自動車産業への補助金
②経団連企業電機メーカーへの補助金、
③日本政策投資銀行を焼け太りさせる大企業救済策
④中小企業救済にかこつけた日本政策金融公庫の焼け太り策
⑤資産家優遇の贈与税減税
⑥資産家と住宅メーカー優遇の住宅減税
⑦定額給付金、高速1000円、子育て手当の選挙買収策
⑧「天下り」機関を焼け太りさせる4.4兆円の基金積み増し
⑨117億円アニメ・マンガ・ゲーム博物館
などが、景気対策の主要な内容だ。

麻生首相は政権交代を阻止して、「政官業外電の悪徳ペンタゴン」の巨大利権を死守することしか考えていないのだと思われる。

そして、この「巨大バラマキ政策」のツケは、2011年度以降の消費税大増税で、一般国民にかぶせられるのだ。

「国際評論家小野寺光一の「政治経済の真実」」主宰者の小野寺光一氏が主張されるように、次の総選挙で是が非でも政権交代を実現しなければならない。国民は「目くらまし」の政策に騙されてはならないのである。

警察、検察をはじめ日本の官僚機構が、次期総選挙結果を固唾(かたず)を呑んで見守ることになる。官僚機構は120年以上にわたって維持してきた巨大利権を新政権に破壊されることを極度に警戒している。小沢氏に対する攻撃が尋常でないのはこのためだが、この期に及んで、政権交代が実現するなら、粛清の嵐が吹き荒れることは間違いない。

霞が関は歴史的緊張の局面を迎えつつある。

問題は麻生首相が選挙のタイミングをどこに設定するかだ。

今次通常国会では、補正予算、関連法案、海賊法案、国民年金法改正などの重要案件が山積している。補正予算は衆議院の優越により衆議院可決後30日で自然成立するが、関連法案などは、参議院で否決されれば、衆議院で再可決しなければ成立しない。

麻生首相はこれまで繰り返し「政局より政策」と主張してきただけに、予算や関連法を成立させずに解散総選挙に踏み切ることはできないだろう。言行不一致も繰り返されれば、国民の信用を完全に失うからだ。

また、予算だけを成立させても関連法を成立させなければ、例えば電気製品購入のエコポイント制度早期実施が不可能になる。消費者の買い控えが生じれば、政府批判が強まることは間違いない。

関連法の成立後の解散総選挙となると、民主党の国会対応に依存するが、可能性としては7月12日の都議選との同時選挙か、7月13日解散8月9日投票のいずれかの可能性が高まるだろう。

補正予算関連法が早期に成立すれば7月12日の都議選との同日選挙もありうるだろう。しかし、公明党の太田昭宏代表が都議選との同日選挙を強く嫌っている。

自民党は、総選挙後に「自公プラス民主党内公明系議員による政権樹立」を検討しているとも伝えられている。多くの自民党候補者が公明・学会の支援なしには当選できない情勢で、結局、7月12日の同日選は選択されないのではないか。

ちなみに主要国サミット会議は7月8-10日にイタリアのラクイラで開催される。麻生首相はサミットへの出席を強く希望していると伝えられている。

8月以降の解散は、実質的に任期満了選挙で、「追い込まれ解散」の色彩が濃くなる。選挙情勢を判断する余地もなくなる。

こうして考えると7月13日頃解散8月9日投票の可能性が高い。政治評論家の鈴木棟一氏がこの見解を示している。

麻生首相はさまざまな理屈をつけて解散総選挙から逃げ回ってきた。しかし、もはや、選択の余地は限られつつある。「政局より政策」を掲げてきた以上、補正予算と関連法を成立させずに解散総選挙を打ち出す理屈は成り立たない。

公明・学会の協力なしに自民党候補が戦えないことを踏まえれば、太田昭宏公明党代表が嫌う7月12日の都議選同日選挙を選択しづらいだろう。

8月初旬総選挙の可能性が高いが、それでも3ヵ月しか時間はない。民主党は現実を見据えて、小沢体制の維持を党として決断すべきだ。小沢氏の続投を批判している中心は自公政権とその利権関係者である。敵の主砲を危険球で負傷させてでもベンチに追い込むことを画策しているのだ。

民主党が敵の策略に従順に従う必要はない。民主党は党内の結束を優先し、マニフェストを確定し、「献金、天下り、消費税」を争点に掲げ、「大企業のための政治」を「一般国民のための政治」に転換することを有権者に広く訴えるべきだ。

麻生内閣を支持しない国民が過半数を超えており、小沢民主党を軸とする野党連合による政権奪取が十分に可能である。敵方による小沢おろしの誘い水に乗ってはいけない。

ブログランキングのクリックお願いします!

人気ブログランキングへ

ランキング

 

知られざる真実―勾留地にて― Book 知られざる真実―勾留地にて―

著者:植草 一秀
販売元:イプシロン出版企画
Amazon.co.jpで詳細を確認する

2009年5月 6日 (水)

敵主砲の危険球負傷退場を企てる悪徳ペンタゴン

 ゴールデンウィークも終盤に差し掛かり、いよいよ本格的な「政治の季節」を迎える。2009年は総選挙の年。国民が政権交代を選択するか。「政権交代」こそ、総選挙最大の争点である。

民主党を中心とする野党勢力は、2005年9月の郵政選挙で大敗して以来、捲土重来(けんどじゅうらい)を期してゼロからのスタートを切った。

ところが、前原誠司氏が民主党の代表に就任して、民主党は解党の危機に陥った。前原誠司氏は小泉元首相とも内通していると見られ、民主党のつまずきを自ら演出したのかも知れない。

2006年4月に小沢一郎氏が民主党代表に就任してから野党の反転攻勢が始まった。民主党は2006年4月の千葉7区衆院補選で劇的な逆転勝利を収めた。

2007年7月の参議院選挙では民主党が大勝し、参議院第一党の地位に躍進した。野党は参議院過半数の議席を確保し、これ以後、自民党の独断専行が許されなくなった。「衆参ねじれ」現象は「政権交代」が実現する過程で生じる「過渡期」特有の現象である。

2009年の総選挙で野党が衆議院の過半数を確保すれば、本格的な政権交代が実現する。日本の歴史上、初めて「民衆の力による政治体制刷新」が生じる。

1993年に一時的に政権交代が実現したが、2004年に自民党による細川政権内部分裂工作が実行され、政権を自民党に奪還されてしまった。本格的な政治体制刷新は未完のまま、旧勢力が政治権力を奪還してしまったのだ。

爾来(じらい)、15年の年月を経て、本格政権交代実現のチャンスが到来した。自民党は1955年以来、60年余にわたり政治権力を掌中(しょうちゅう)に維持してきた。官僚機構は1887年の文官試験以来、120年余にわたって権力機構の中枢に位置し続けてきた。

自民党は結党以来、大資本と米国と親密な関係を維持し続けてきた。自民党が大資本優遇の政策を推進してきた背景に「企業献金制度」がある。自民党は大資本から巨額の企業献金を受け取り、その見返りに大資本優遇の政策を推進してきた。

大資本は「労働」である一般国民と利害の上で対立する関係に位置する。大資本は常に、
①労働者をいつでも好きなときに解雇でき
②低い賃金と低い社会保障負担
③高い株主利益と高い役員報酬
④低い法人税
⑤多額の政府からの補助金
を求める。

2001年の小泉政権発足以後、政治権力は一般国民を支配するためのトゥールとして、マスメディア支配を著しく強化した。マスメディアは利害得失から権力への迎合の道を選択し、「御用メディア」になり下がった。

政治権力によるマスメディア支配を実行した先駆者は吉田茂元首相だった。拙著『知られざる真実-勾留地にて-』第二章「炎」第16節「消えた放送委員会」、第17節「政治権力に支配されるNHK」に詳述したが、吉田茂元首相が主導した1949年の「電波三法」制定、1952年の電波監理委員会廃止などにより、NHKの独立性は排除され、NHKが政治権力の支配下に置かれるようになった。

5月4日放送のフジテレビ『桑田佳祐の音楽寅さん』に関して記述した5月5日付記事
「フジ桑田佳祐音楽番組にまで偏向の魔手」
について、「カナダde日本語」の美爾依さん、「神州の泉」主宰者の高橋博彦氏が貴重なコメントを提示下さったのをはじめ、「時空」様「播州武侯廟遍照院」様「ギャラリー酔いどれ」様「高橋敏男のブログ」様などの多くの皆様が有益なメッセージを提示下さった。

麻生内閣が15.4兆円もの巨大な国費を投入する追加景気対策を決定したが、
経団連企業自動車産業への補助金
②経団連企業電機メーカーへの補助金、
③日本政策投資銀行を焼け太りさせる大企業救済策
④中小企業救済にかこつけた日本政策金融公庫の焼け太り策
⑤資産家優遇の贈与税減税
⑥資産家と住宅メーカー優遇の住宅減税
⑦定額給付金、高速1000円、子育て手当の選挙買収策
⑧117億円アニメ・マンガ・ゲーム博物館
などの政策が目白押しである。

障害者、高齢者、母子世帯、失業者、生活困窮世帯、一般労働者へのきめ細かい施策、支援、負担軽減策を、一回限りでない「プログラム」として整備することが求められている。しかし、このような必要不可欠な政策はまったく提示されなかった。

「官(特権官僚)」、「業(大資本)」、「外(米国)」、「電(御用メディア)」と癒着する「政(自公政権)」の実態が如実に示されている。

_72   

「政官業外電の悪徳ペンタゴン」は巨大利権死守に死に物狂いだ。

民主党を中心とする野党は、
①特権官僚の「天下り」利権を根絶
②企業献金を全面禁止して大資本優遇を根絶
③米国隷属を根絶
④消費税大増税を阻止
⑤議員世襲を大幅に制限
を公約に掲げて政権交代実現を迫る。

野党連合が「献金・消費税・天下り」の旗を掲げて総選挙を闘い、日本政治の刷新を目指すなら、有権者の多数は野党に投票するだろう。その先頭に立つべきリーダーは小沢代表をおいて他にない。いまから総選挙までに野党連合を結束できるリーダーを擁立することは困難だ。

小沢氏のこれまでの政治家としての歩みに対する評価は、人により千差万別だろう。しかし、正当な理由なく御用メディアが圧力をかけて小沢氏を辞任させることは許されない。3月3日の秘書逮捕に正統性は存在せず、このことを理由とした小沢退陣論は不当である。

小沢氏に対する評価は主権者である国民に委ねるべきものだ。国民の多数は小沢氏が率いる野党連合に政権を委ねる選択を示すだろう。小沢氏辞任を求める声は自公政権支持者に多いのだ。その理由は、小沢氏が総選挙で強いリーダーシップを発揮するからだ。

自公支持者の小沢代表攻撃は敵チームの主砲を危険球で負傷退場させようとするようなものだ

民主党は西松事件の真相を国民に説明するとともに、次期総選挙に向けてのマニフェストを確定し、「献金・消費税・天下り」をスローガンにしたキャンペーンを早期に立ち上げるべきだ。

単純化したスローガンを国民に浸透させることが、国民が「目くらまし政策」に騙されずに、正しい判断を下すために不可欠だ。

民主党幹部には、党内抗争を仕掛ける党内反党分子を処分する程度の気魄(きはく)が求められる。

ブログランキングのクリックお願いします!

人気ブログランキングへ

ランキング

 

知られざる真実―勾留地にて― Book 知られざる真実―勾留地にて―

著者:植草 一秀
販売元:イプシロン出版企画
Amazon.co.jpで詳細を確認する

2009年5月 5日 (火)

フジ桑田佳祐音楽番組にまで偏向の魔手

5月4日放送のフジテレビ『桑田佳祐の音楽寅さん』

私の高校3年の時代から、サザンは人気グループだった。あれから30年以上、桑田さんは日本のポップミュージック界をリードし続けてきた。偉大な音楽家だと思う。

伝説の番組『桑田佳祐の音楽寅さん』が8年ぶりに復活した。

5月4日放送では、桑田氏がビートルズの曲を使い、歌詞をもじって、今の日本の政治を揶揄する内容が放映された。

その中の1曲に『民主党』なる題名の曲が盛り込まれた。

歌詞は小沢代表が辞任せずに代表に留まることを揶揄するものだった。

「偽装」
「小沢金権」
「ゼネコン」
「検察大ナタふるい」
「民主党時代はいつ来るの」
などの言葉が散りばめられていた。

この問題を揶揄して「替え歌」を作るなら、
「二階金権」
「森喜朗、尾身幸次、二階俊博」
「国策捜査」
「漆間、自民党には波及せず」
「民主党代表狙い撃ち」
「選挙が近い」
「定額給付金、高速1000円、子育て支援、目くらまし」
などの言葉を散りばめるべきだろう。

バラエティー、歌番組の歌詞に、このような偏向した内容を潜り込ませる。視聴者の脳裏に「ゼネコン」、「金権」、「偽装」、などの言葉が焼きつけられる、一種の「サブリミナル効果」を狙ったものだ。

チーフプロデューサーは佐々木将氏。小学校、中学校では自民党参議院議員の丸川珠代氏の同級生で、2007年の参院選では、佐々木氏が丸川氏の密着取材を担当した。

桑田氏が歌う歌詞だが、当然、番組スタッフが制作に関与する。

制作はフジテレビバラエティ制作センターである。

御用メディアのなかで、突出して小沢おろし工作を展開しているのがテレビ朝日と産経新聞だが、産経と同系列のフジテレビもこのようなありさまだ。

 

_72

 

麻生内閣は総額15.4兆円の追加景気対策に、地デジ普及支援策を盛り込んだ。地デジ対応テレビの購入費用の一部を「エコポイント」で補助する制度を打ち出した。

テレビ各社は、「地デジ対策」で麻生内閣に借りができて、ますます麻生内閣批判ができなくなっていると言われる。

国民の情報を支配するマスメディア。マスメディアが政治権力によって支配されれば、国民は選挙に際して正しい判断を下せなくなる。「民主主義の危機」である。

何としても政権交代を実現し、不正な偏向報道に加担したすべての御用メディア関係者の責任を問わなければならない。

政権交代が実現すると、多くの悪事が暴かれることになる。このことを恐れて「悪徳ペンタゴン」は政権交代実現を恐れ、政権交代阻止に血眼(ちまなこ)になっている。

日本を刷新するには、この闘争に勝利しなければならない。

ブログランキングのクリックお願いします!

人気ブログランキングへ

ランキング

  

日米「振り込め詐欺」大恐慌―私たちの年金・保険は3分の1に削られる Book 日米「振り込め詐欺」大恐慌―私たちの年金・保険は3分の1に削られる

著者:副島 隆彦
販売元:徳間書店
Amazon.co.jpで詳細を確認する

知られざる真実―勾留地にて― Book 知られざる真実―勾留地にて―

著者:植草 一秀
販売元:イプシロン出版企画
Amazon.co.jpで詳細を確認する

2009年5月 4日 (月)

低劣「TVタックル」小沢代表失脚工作を粉砕

 「悪徳ペンタゴン」が執拗に民主党の小沢一郎代表を攻撃し続けるのは、次期総選挙を念頭に入れたときに、小沢代表を最大の脅威だと捉えているからだ。小沢氏を脅威だと認識していないなら、ここまで執拗に小沢氏の失脚工作を継続することはない。

「彼を知り己を知れば百戦して殆うからず」である。

小沢氏失脚工作の底を見透かしてしまえば、低劣な工作活動を怖がる必要はない。低劣な工作活動は粉砕(ふんさい)してしまえばよい。

小沢代表は、「悪徳ペンタゴン」から、ここまで攻撃を受けていることを「勲章」と認識するべきだ。

小沢代表が攻撃されている直接の要因は3月3日の秘書逮捕だが、小沢氏の秘書の事務処理は、自民党の多数の議員事務所の事務処理と同一のものである。小沢氏秘書の事務処理は政治資金規正法に則ったもので、検察の逮捕、起訴は郷原信郎名城大教授が「歴史的な大失敗捜査」と指摘するように不当な行為である。

西松建設の献金をめぐる小沢氏秘書逮捕は、白川勝彦元国家公安委員長が指摘するように、「検察や警察を使って政敵を追い落とす卑劣な行為」である。民主党はこのような「政治謀略」に屈服するべきでない。

「政治謀略」は「テロ」と同類のものだ。「テロ」の要求に屈服することが「テロ」を容認し、「テロ」を助長することにつながるのと同様に、「政治謀略」の要求に屈服することは、「政治謀略」を容認し、「政治謀略」を助長するものである。

問題は、民主党内部に「悪徳ペンタゴン」と通じる反小沢派議員が存在することだ。この「反小沢派議員」が「悪徳ペンタゴン」の一角を占める御用メディアによる小沢氏失脚工作に積極的に協力している。

御用メディアは民主党内の反小沢氏議員の「少数の声」を誇張して報道し、小沢代表おろしに血眼になっている。

「悪徳ペンタゴン」が小沢氏失脚工作を執拗に追求するのは、「悪徳ペンタゴン」による巨大利権維持を至上命題としているからだ。

「悪徳ペンタゴン」による利権政治とは、
①巨大な企業献金と結びつく大企業優遇の政治
②巨大な天下り利権の維持
③米国資本に隷属する経済政策

だ。

大資本は常に、
①労働者をいつでも好きなように解雇でき、
②低い賃金
③低い社会保障負担
④低い法人税
⑤政府からの補助金
を求める。

自民党は巨大な企業献金と引き換えに、一般国民に過酷で大資本に優しい政策を実行してきた。

小沢代表を攻撃する材料を失った「悪徳ペンタゴン」は、小沢代表の政治資金管理団体が長期にわたって多額の政治献金を受け入れてきたことを批判している。

しかし、小沢氏を上回る政治献金を受け入れてきた議員は自民党に多数存在する。小沢氏を攻撃するなら、その前に攻撃しなければならない議員が自民党内に多数存在するのだ。

2006年4月に小沢氏が代表に就任して以来、民主党は政権交代実現に確実に進んできた。次期総選挙で民主党が勝利すれば政権交代が実現し、「悪徳ペンタゴン」が享受(きょうじゅ)し続けてきた巨大利権の構造が根本から破壊される。

巨大利権を維持し続けようとする「悪徳ペンタゴン」=「抵抗勢力」が、「最大の脅威」である小沢代表を攻撃しているのが、執拗な小沢おろし報道の実相である。

民主党内部では、前原誠司氏、枝野幸男氏、仙谷由人氏が小沢氏辞任要求の急先鋒であり、渡部恒三氏、岡田克也氏、野田佳彦氏が、小沢氏辞任にやや積極的な姿勢を示している。

小沢氏グループ、旧社会党系、鳩山グループ、旧民社党系、菅グループは、小沢氏続投支持で一致している。前原、野田、岡田グループが小沢氏辞任を要請しても全党的な動きにはなり得ない。

民主党は民主党を支持する有権者の意向を十分に踏まえる必要がある。以下の三点を踏まえなければならない。

①政権交代を実現すること
②政権交代によりこれまでの利権政治を根絶すること
③民主党支持者が党首として誰を求めているか
の三点だ。

仮に小沢氏が辞任したとして、誰が次期党首に就くかを考えなければならない。

岡田氏と前原氏は除外されなければならないだろう。前原氏が代表を務めた時期に民主党が解党の危機に直面した。小沢氏はその危機に登場して民主党を政権奪取直前の位置に導いた。前原氏に後継の資格はない。

岡田氏は前回総選挙で大敗した責任をとって代表を辞任した。次期総選挙を指揮する資格を有していない。岡田氏が大企業優遇、官僚天下り利権を根絶する明確な方針を示すことができるか、疑問の声も存在する。

千葉県知事選で民主党が大敗した最大の責任は野田佳彦氏にあると指摘されている。野田氏が総選挙を陣頭指揮できるとは考えられない。枝野幸男氏に従う民主党議員は圧倒的少数だ。

鳩山由紀夫幹事長は小沢氏が辞任する場合、同一行動を取る意向をすでに表明している。菅直人代表代行と長妻昭議員は、官僚利権根絶、大企業利権根絶の方針を明示できる次期代表に就任できる有資格者であるが、民主党を一枚岩でまとめる点に不安が残る。

有権者にアピールする点では、党員ではないが田中真紀子氏を起用することが最も有効であると考えられるが、民主党議員の同意を得ることは難しいだろう。

要するに、小沢代表が辞任して後継代表に就任し得る候補者は不在なのである。「悪徳ペンタゴン」が小沢氏辞任要求に執着するのは、「悪徳ペンタゴンン」の利害に基づいている。

「悪徳ペンタゴン」の走狗であるテレビ朝日「TVタックル」は、5月4日放送で、渡部恒三氏発言を引用して、引き続き小沢氏辞任誘導のキャンペーンを展開するのだろう。この番組は小沢氏批判を主要テーマとしており、民主党議員は基本的に反小沢派議員しか出演させない。最低のモラルを示す政治番組である。

民主党は、権力の狗(いぬ)である御用メディア報道を粉砕すべく、党をあげて西松事件説明のパンフを作成し、有権者に説明するべきだ。

同時に次期総選挙の争点として、
①企業献金の全面禁止
②特権官僚の天下り全廃
③消費税大増税阻止
④世襲議員制限
を明確に掲げるべきだ。麻生内閣を支持する国民は少数しかいない。

「定額給付金」、「高速道路1000円」、「1回限りの子育て資金」に騙される国民も少数だ。小沢体制での政権交代実現が十分に可能である。民主党支持者は民主党が早期に小沢体制で一枚岩になることを強く求めている。

ブロ