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2009年4月 4日 (土)

テレ東「週刊ニュース新書」田勢・田原氏偏向二重唱

4月4日放送のテレビ東京番組「週刊ニュース新書」は、ゲストに田原総一郎氏を招き、相も変わらぬ小沢民主党代表辞任キャンペーンを展開した。テレビ東京とテレビ朝日は郵政民営化見直し論議を封じ込めること、小沢代表の辞任を誘導することで、足並みを揃えている。

番組司会者の田勢康弘氏と田原総一郎氏が小沢氏辞任の見解で一致し、問題はいつ辞任カードを切るのかだと嘯(うそぶ)いた。

政治的公平を義務付ける放送法に抵触するような、こうした偏向報道に対して、民主党は組織的に対応することが必要だ。田勢氏と田原氏が唱える小沢氏辞任論はまったく論理性がなく、政権与党が政治的な理由で小沢氏の退場を渇望していることを代弁しているだけで、政治的不公平をそのまま体現した行動である。

このような発言をするなら、自民党広報テレビが広報番組のなかで行ってもらいたい。公共の電波を政権与党の利益のために利用することは、明らかに放送法に反していると言わざるを得ない。

3月30日付記事「小沢氏下ろし最後の弾知事選結果をしのぎ反転攻勢へ」に、一連の小沢民主党代表失脚工作が千葉県知事選結果に伴う小沢氏辞任キャンペーンで一巡することを指摘した。

民主党は冷静な対応を貫き、小沢代表体制で総選挙に進む方針を定めた。マスメディアも小沢氏攻撃の材料を欠き、小沢氏攻撃が一時的に緩んだ。

しかし、3月27日付記事「卑劣な政治謀略と情報操作を認めるかが問われる」に、自民党の小沢氏失脚工作、最後のカードの存在を指摘した。民主党はこの工作活動に対抗し、小沢代表体制を守り、次期衆院選に臨まねばならない。

3月29日付記事で指摘した自民党工作活動、最後のカードとは、
「⑨小沢氏の辞任が先送りされれば、二階氏への捜査を拡大させて、二階氏経産相辞任カードを切る。」

東京地検特別捜査部は国策捜査部に名称を変更した方が分かりやすい組織になるだろう。小沢氏の秘書は政治資金収支報告書に、献金を受けた寄付行為者である「新政治問題研究会」と「未来産業研究会」の名前を事実に即して記載したが、東京地検は献金が西松建設からのものだと認定して、「虚偽記載」の罪で小沢氏の秘書を逮捕、起訴した。

権力の横暴以外の何者でもない。検察は「悪質で重大な」犯罪だと言うが、どの部分が「悪質で重大」なのか。

政治家個人への企業からの献金が禁止されているなかで「迂回献金」が「悪質で重大」なのか。それとも、仮に検察が主張するように、実質的には企業からの献金なのに政治団体からの献金だとしたとの事実が存在するとして、その「偽装性」を「悪質で重大」だとするのか。

金額は3500万円で地検の内部基準である1億円を大幅に下回っている。小沢氏の秘書の事案が「悪質で重大」とする根拠は、上記した二つのいずれかとしか考えられない。

企業からの献金を政治団体を経由させて政治家に還流させる方式が「迂回献金」で、これを「悪質で重大」だとするなら、千葉県知事選で当選した森田健作氏こと鈴木栄治氏の企業献金は典型的な「迂回献金」である。東京地検は森田氏サイドを摘発しなければならなくなる。

企業からの献金を政治団体からの献金として取り扱ったことの「偽装性」が「悪質で重大」だとするなら、小沢氏の秘書だけでなく、「新政治問題研究会」と「未来産業研究会」からの献金を「西松建設」からの献金であると政治資金収支報告書に記載しなかったすべての自民党議員事務所も摘発しなければおかしい。

自民党の小沢氏失脚工作は次の手段として、二階俊博経産相の秘書を逮捕し、それに伴って二階氏の経産相辞任、あるいは、二階氏の議員辞職を演出する可能性がある。目的はただひとつ、小沢氏を民主党代表の座から引きずり下ろすことである。

二階氏は和歌山県選出の衆議院議員であるが、選挙地盤が強く、逆風があっても総選挙での当選が確実視されている。このことから、小沢氏の代表辞任を誘導するために、二階氏周辺にまで捜査を拡大させることが検討されているのだと見られる。二階氏の辞任を利用して、メディアが集中攻撃をかけて小沢氏辞任を迫るのである。

「肉を切らせて骨を断つ」戦術だ。民主党は自民党がこのような姑息な手段を用いて小沢氏の辞任を迫っても応じる必要はない。二階氏サイドがどのような事案で摘発されるのかを注視しなければならない。二階氏サイドが政治資金収支報告書に記載しなかった、いわゆる「裏献金」の存在を指摘されて摘発されるなら、小沢氏事務所のケースとはまったく異なることになる。

民主党サイドは次のように見解を表明するべきだ。小沢氏の秘書が逮捕された要件、つまり検察による虚偽記載認定により、西松建設からの政治献金を政治団体からの献金として処理したすべての議員の秘書が逮捕され、当該議員の全員が議員辞職するなら、小沢代表も代表を辞任するとともに議員辞職する考えを示すべきだ。

検察が「法の下の不平等」を是正し、小沢氏に代表辞任を求める自民党が、まったく同様の事務処理を行ったすべての議員について、秘書逮捕後に議員辞職することを求めて実行するなら、小沢氏も応じてもよいと思う。自民党が身内に対してそこまで厳正な対応を示すなら、小沢氏に対する辞任要求も一応の筋道は立つものになるからだ。

自民党がここまでの対応を示すことはないだろう。そうであれば、小沢氏が辞任する必要はない。それにもかかわらず自民党が小沢氏辞任に執着するのは、特別な理由が存在するからとしか考えられない。

これまで指摘しているように、既得権益勢力である、政治屋、特権官僚、大資本、外国資本、電波屋の悪徳ペンタゴンは、小沢氏が主導して樹立する新政権によって、利権構造を根元から破壊されることを真剣に恐れているのだと考えられる。

政権交代を実現するからには、これまでの利権構造を根絶するものでなければ意味はない。利権構造とともに「企業献金の全面禁止」を実現し、日本の政治を刷新することが求められる。悪徳ペンタゴンは小沢氏以外の人物が主導する政権交代を強く警戒していないのだと思われる。

日本の政治を刷新するために、小沢氏失脚工作とのせめぎ合いには、どうしても勝利しなければならない。

田原総一郎氏は小沢氏は検察と徹底的に闘うべきだと主張する。今回の検察捜査が正統性を欠いているからだという。ところが、田原氏は小沢氏が代表として続投することは、政権交代にマイナスだから、辞任するべきだと言う。

こんなおかしな話があるか。検察捜査が不正で、適正でないのなら、小沢氏が辞任する必要などないではないか。総選挙を目前にしたタイミングで、野党第一党の党首を政治権力が検察捜査を利用して失脚させようとする、その行動が「不正」なのである。

これを「不正」と考えるときに、その「不正な」工作の狙いを達成させることを意味する代表辞任を実行して、どこが「検察と徹底的に闘う」ことになるのか。

田原氏のいかがわしさ、本性を多くの人々が気付き始めている。田原氏は自身のいかがわしさを隠ぺいするために、検察批判する人々と連携した行動を示そうとする。番組でも、小沢氏を誹謗(ひぼう)するメディアを批判したり、検察批判めいた発言を示す。

しかし、この行動と、「小沢氏は代表を辞任するべきだ」との主張は完全に矛盾する。田原氏は政治権力の意向を受けて、何とか小沢氏代表辞任の流れを作り出そうと懸命なのである。

小沢氏主導で政権交代が実現すれば、田原氏は間違いなく画面から消滅するだろう。田原氏が懸命であるのは、自分自身の生活がかかっているからでもあると思われる。

田勢氏も田原氏も、あまりに筋の悪い偏向行動を繰り返していると、いずれ裁きの時が来ることになるだろう。「天網恢恢疎にして漏らさず」の言葉を両人がかみしめる日は遠くないと思う。

文末になったが、「カナダde日本語」の美爾依さんには、身に余る過分なお言葉を賜り、心よりお礼申し上げます。日本の言論空間は、ネットと単行本の世界からしか真実の情報を発信できない状況に陥っている。日本の政治刷新を求める同志の皆様と力を合わせて「平成維新」をなんとしても実現してゆきたいと思う。今後ともよろしくお願い申し上げます。

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