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2009年4月 3日 (金)

鳩山さん「かんぽの宿」追及尻すぼみはなぜですか

鳩山法務大臣が4月3日午後、日本郵政の西川善文社長を呼び、業務改善命令を出した。「かんぽの宿」譲渡問題をめぐるオリックスへの譲渡契約の手続きが極めて不透明だったと判断。また、取締役会の機能を含めた内部統制の在り方も不十分だったとして、改善計画を6月末までに提出するよう求めた。

鳩山総務相は6月末までに日本郵政に業務改善計画を提出させ、6月末で任期切れとなる西川善文社長を退任させて、「かんぽの宿」疑惑に幕引きを図る考えなのだろう。

本ブログ3月19日付記事「「かんぽの宿」麻生一家と小泉一家「手打ち」の疑惑」に記述したように、「かんぽの宿」疑惑を取り上げてきた麻生内閣と郵政民営化見直しに抵抗した小泉一家が、「手打ち」をして、問題を封印する可能性が浮上している。

麻生内閣が西川善文社長を更迭することになれば、メディアは大きく取り上げるだろう。「更迭」を、温情で「退任」、ないし「交代」と表現するのかはともかく、西川社長に6月末の任期で退任を迫ることは間違いないと考えられる。

しかし、「かんぽの宿」疑惑は西川氏の退任だけで済まされるような軽い問題ではない。鳩山総務相が西川社長の退任で問題の幕引きを図ろうとするなら、結局、鳩山総務相が、麻生内閣の窮地をしのぐために、「かんぽの宿」疑惑を政治的に利用しただけに過ぎなくなる。

鳩山総務相は国民の立場に立った問題追及のような説明ぶりを繰り返してきたが、何のことはない。単なる営利目的のパフォーマンスだったことになる。

そのような利害と打算の動機だけで政治を取り扱うなら、国民は鳩山総務相に対しても退場宣告を突きつけることになる。「かんぽの宿疑惑」は「パンドラの箱」だった。鳩山氏には「パンドラの箱」を開けた責任がある。開けた以上は、最後まで責任を持って問題解決に当たってもらわねば、国民が納得しない。

2月12日、自民党本部で開かれた「郵政民営化を堅持し推進する集い」の幹事会で、小泉元首相は「私は最近の総理の発言について、怒るというよりも、笑っちゃうくらい、ただただあきれているところなんです。」と発言した。

麻生首相が「郵政民営化に反対だった」、「郵政4分社化の見直しを含めて再検討する」、「濡れ衣をかぶせられるのは面白くない」などと、郵政民営化見直しの方針を示したことに対して、小泉元首相が狼狽(ろうばい)したかのような反応を示した。

麻生内閣の支持率が急落し、自民党内でも麻生下ろしの動きが活発化し始めた。郵政民営化見直し論に過剰に反応する小泉一家を中心に、麻生下ろしの行動が本格化した。

小泉元首相は3月4日の定額給付金関連法案の衆議院での再可決に反対する意向を明言し、自民党内の造反を呼び掛けた。小泉元首相のこの発言に反応したのは中川昭一前財務省だった。中川氏は「あの方も(定額給付金)に賛成されたんでしょう。総理までやられたお方がそういうことを言うのは理解に苦しむ」と小泉元首相を厳しく批判した。

その中川氏がイタリアローマで、財務相辞任に追い込まれることになるG7記者会見を行ったのは、上記発言直後の2月14日だった。中川氏が狙われてもうろう会見を仕組まれた可能性もあるだろう。

しかし、3月4日の定額給付金法案衆議院再可決で小泉元首相に同調したのは、小泉チルドレンの小野次郎氏一人に留まった。小泉元首相の政治的影響力が地に墜ちたことを象徴する出来事だった。

ところが、小泉元首相の政治的な死を意味するとも言える衆議院での再可決の意味が広く語られることはなかった。3月3日に、小沢一郎民主党代表の公設第一秘書が突然、政治資金規正法違反容疑で逮捕されたからだ。

3月29日の千葉県知事選挙当日まで、マスメディアは、小沢氏に対する偏向した、異常な報道を展開し続けた。マスメディアの異常な小沢民主党代表攻撃の陰に隠れたのが「かんぽの宿」疑惑と、麻生下ろしの動きだった。

小泉元首相は3月2日夜に麻生首相と距離を置く自民党議員10人ほどとの会合に出席し、「今後、政局の話はしないし、かかわらない」と述べたと伝えられた。

3月3日以降、「麻生下ろし」と「かんぽの宿疑惑追及」が同時に消えた。マスメディアの麻生内閣批判も急速に鎮静化した。マスメディアは「かんぽの宿」疑惑と麻生下ろし報道を全面封印すると同時に、全報道を小沢代表攻撃に集中した。メディアの行動が完全に政治権力にコントロールされているように見える。

民主党北海道11区衆議院議員の石川知裕議員が東京地検特捜部で事情を聞かれたことを、マスメディアは、「参考人聴取」として「出頭」などと、悪意を露わにして報道した。

北海道11区は自民党の中川昭一前財務相の選挙区でもある。西松建設献金事件捜査が麻生首相および漆間巌官房副長官の指揮の下に進められたとの仮説はこの点でも補強された。石川氏報道が中川昭一氏選挙支援の意味を含むと考えられるからだ。

①3月3日以降、自民党内での麻生下ろしの動きがピタリと止んだ。
②鳩山総務相の「かんぽの宿」疑惑追及が急激に後退した。
③メディア報道が「麻生下ろし」と「かんぽの宿疑惑」を封印して小沢代表攻撃に集中した。
との重要な事実が観察される。

そもそも、鳩山総務相が「かんぽの宿」疑惑を取り上げたのは、自民党内で麻生下ろしを仕掛ける小泉一家を牽制するためであった可能性が高い。小泉一家が政局から手を引けば、鳩山氏が「かんぽの宿」疑惑を追及する意味は消失する。「かんぽの宿」疑惑追及が国民による自民党批判の材料になるからだ。

鳩山氏がこのような不純な動機で「かんぽの宿」疑惑を提起したのなら、今度は国民が鳩山氏を糾弾(きゅうだん)することになる。

日本郵政がオリックス不動産に「かんぽの宿」を不正廉売しようとしていたことが明らかになれば、問題は刑事事件に発展する。国民新党の亀井静香議員はテレビ番組で竹中平蔵氏に対して、「東京地検に刑事告発する」ことを明言した。

旧郵政公社の資産売却はすでに実行済みであるが、ほとんどの物件が転売され、落札者が転売益を得たことが明らかにされている。これらの資産売却が不正に実行された疑いも浮上している。

日本郵政には西川善文社長の出身会社である三井住友銀行関係者が多数勤務しており、三井住友銀行関係企業が日本郵政とのビジネスで優遇されているとの疑惑も浮上している。

国会は、国政調査権を活用して「かんぽの宿」疑惑の全容を解明しなければならない。竹中平蔵氏はテレビ、新聞、ネット上で、稚拙な反論を精力的に発表してきたにもかかわらず、3月17日の衆議院総務委員会での参考人招致をボイコットした。

反論があるなら、出来レースややらせの舞台の上でなく、国会で十分説明を尽くすべきだ。メディアは竹中平蔵氏の敵前逃亡を報道するべきでないのか。「かんぽの宿」問題を取り上げた鳩山総務相の逃亡も合わせて、これらの行動を許してはならない。

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