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2009年3月11日 (水)

既得権益勢力VSレジスタンス戦線の激闘

私たちはこの国の現状から目をそらしてはならない。

「国策捜査」の言葉を初めて知った人も多いだろう。

マスメディアは懸命に「国策捜査」を否定する。検察OBが「国策捜査」を肯定するはずがない。テレビメディアが検察OBの「検察が政治の介入で動くことはあり得ない」と話す言葉を鵜呑みにする国民は多いだろう。

しかし、こうしたなかで警察庁長官を経験して内閣官房副長官に就任した漆間巌氏が「捜査が自民党に波及することはない」と発言したことが報道された。「国策捜査」疑惑に自ら火をつけてしまった。

記者が20名も同席したオフレコの記者懇談会。「捜査が自民党に波及することはないのでしょうか」と質問した本人は、鮮明に記者懇のやり取りを記憶している。

漆間氏が「記憶がない」と答えても、20名の記者は鮮明な記憶を保持しているのである。20名の記者が漆間氏の「記憶がない」発言を認めるなら、20名全員は会社に辞表を提出するべきだろう。「真相」に蓋をすることを容認することは、「真実」を追究するジャーナリストの職責を放棄することを意味するからだ。

背後には堕落したマスメディアの現状が存在する。

小沢一郎氏の秘書逮捕に関するマスメディアの行動からは、マスメディアの権力隷従が伝わる。「かんぽの宿」疑惑を追及せず、小沢氏周辺にターゲットを絞って連日の執拗な報道を繰り返している。

検察OBの郷原信郎弁護士は、検察OBとしては珍しく検察の行動に疑問を示している。郷原氏は、小沢一郎代表の政治団体が西松建設関連の政治団体から献金を受け入れており、その実態が西松建設からの資金であると認識していても、政治団体がまったく実体のないペーパー団体であるとの認識がなければ、虚偽記載の罪を問えないことを明言している。

郷原氏は東京地検特捜部において政治資金規正法の適用を検討した立場から、献金を受け入れた側は寄付行為者を記載する義務を負うが、資金拠出者を記載する義務を負っていないため、仮に小沢氏サイドが資金拠出者が西松建設だと認識していたとしても、不実記載で検挙するには高い壁があることを証言した。

郷原氏は「収賄」ないし「あっせん利得」などでの立件を視野に入れない限り、このようなタイミングで政治的な影響が甚大な行動を取ることは考えられないとの趣旨の発言を示した。

この点について郷原信郎氏は日経ビジネスオンラインへの寄稿論説記事で、西松建設の公共工事受注と献金の直接的関係を立証することは困難であるとの見解を示している。

もっとも、郷原氏は民主党の対応に対しても問題点を指摘しているが、検察OBとして、検察に配慮した説明を付加したものであると、割り引いて考える必要があろう。

検察は「国策捜査」批判を意識して、さらに強行に突進するしか道がなくなったと見える。逮捕された大久保隆則秘書とともに小沢一郎代表の秘書として政治資金を取り扱った石川知裕衆議院議員に対する事情聴取を実施した。

すでにメディア報道は、小沢一郎事務所の献金取扱い事務の詳細をすべて把握し、また仕切っていたのは高橋嘉信元衆議院議員であったと伝えている。高橋氏はかつて小沢一郎氏の秘書を努め、衆議院議員に就任したが、現在は浪人中で、次期総選挙で小沢一郎氏の地盤である岩手4区から、自民党公認候補として立候補する見込みである。

西松建設と献金についての取り決めを詳細に指示していたのは高橋嘉信氏であるとの報道がなされたが、ほとんどのマスメディアがこの最重要情報を伝えていない。東京地検特捜部による今回の捜査全体が高橋嘉信氏サイドからの情報提供に依存して開始されたとの疑いさえ生じているのである。

高橋嘉信氏と特捜部との接触についての事実関係が明らかにされる必要がある。

岩手県のダム工事を西松建設が受注したことをテレビメディアは繰り返し報道する。現地の関係者の声を「収賄」や「あっせん利得」などを連想させる文脈のなかで紹介する。3月11日のTBS番組「ピンポン」のなかで、宮崎哲哉氏は「競争入札妨害」などの疑いが生じる可能性に言及していた。確認していないが、検察サイドから何らかの情報を得ているのかも知れない。

しかし、郷原信郎氏が指摘するように、現実には「収賄」、「あっせん利得」、「競争等妨害」などでの立件は困難なのではないか。単なる憶測というのなら、森喜朗元首相や尾身幸次元沖縄及び北方担当相などの献金について詮索しなければバランスが取れない。

「国策捜査」を自白したと受け取れる発言を漆間官房副長官が示してしまったため、捜査当局は捜査を自民党にまで波及せざるを得なくなったと考えられる。しかし、これまでの報道では二階俊博経産相のみで、森喜朗氏や尾身幸次氏の献金について事情を聴取するとの行動はまったく示されていない。

仮に二階経産相が閣僚を辞任することになれば、メディアは小沢氏に対する辞任圧力をさらに強めることになるだろう。

テレビメディアは世論調査で、①小沢代表の辞任を求める声が50%を上回ったこと、②小沢代表は説明責任を十分に果たしていないこと、を根拠に小沢氏の辞任を誘導する情報操作を繰り返しているが、この点に関連して、小沢代表は3月10日、十分な時間を確保して記者会見を実施した。

西松建設が政治団体を通じて行った献金を西松建設からの献金ではなく、政治団体からの献金と記載したことが問題とされているが、この問題は、小沢代表サイドだけの問題ではない。10名以上の自民党議員もまったく同じ問題を抱えている。この問題で、小沢氏サイドだけが問題にされることは不自然である。

「説明責任を尽くしていない」のは、小沢氏が説明するように、国民が政治資金規正法の詳細を熟知していないことも一因であるだろうし、仮に「説明責任が十分でない」としても、これは同様の問題を抱える自民党議員にもまったく同じようにあてはまることである。

連日のテレビメディア報道は、今回問題とされている点を正確に伝えるものでなく、秘書の逮捕=巨悪の印象を生み出すように番組が制作され、まったく取り上げられていない「収賄」や「あっせん利得」のイメージを与えるように展開されている。「辞任を求める」世論はこのような人為的な情報操作によって生み出されていると言わざるを得ない。

今回の捜査と政局との関わりについて質問された麻生首相の対応も異様である。これまで、あれほど民主党攻撃を繰り返した麻生首相が、この問題についてはコメントを全面的に避けている。

麻生首相が漆間巌氏を官房副長官に起用した時点から、この人事が民主党攻撃を目的としたものであるとの見方が存在した。官邸と検察が連携して、タイミングを計って今回の捜査が行われた疑いは強いと私は考える。

「国策捜査」とは、繰り返しになるが、警察・検察権力が政治目的に利用されることである。大多数の国民は、警察・検察権力を中立公正であると根拠なく信じ込んでいるが、実態は異なる、と私は確信する。

次期総選挙は日本の未来にとって、最も重要な選挙になる。3月8日のテレビ朝日番組「サンデー・プロジェクト」で田中真紀子議員が示唆したように、「1割の人々が政権交代を絶対に阻止したと考えている」のだと思う。

①市場原理主義、②官僚天下り、③対米隷属、の基本路線が転換されることを望まないのは、①大資本、②官僚機構、③米国、である。

テレビメディアに代表されるマスメディアは構造的に、①大資本、②官僚機構、に支配される。スポンサーとしての③外国資本のウェイトも急上昇しており、③外国資本にも逆らうことはできない。

民主主義国家にとって何よりも重要なイベントは国政選挙である。とりわけ衆議院総選挙は国の統治形態を決定するうえで最重要である。その総選挙目前に、野党代表周辺にターゲットを絞った検察権力の行使が実行されたことの意味を国民はじっくりと時間をかけて考える必要がある。

小沢代表に対するネガティブ・キャンペーンとも呼べるテレビメディアのイメージ操作も異様である。

こうした事態が発生したことにより、本格的な政権交代を実現する必要性が一段と高まった。一連の事実は、本格的な政権交代をどうしても阻止したい、巨大な力を持つ勢力が存在することを、証明するものであるとも言える。

官僚利権と売国政策を根絶するためには、巨大な力の勢力との死闘を乗り越えなければならないことが示されているのである。

残念な現実ではあるが、現実を直視し、その現実を踏まえて、大きな目標に向けて、志を共有できる人々が連帯し、この闘いに勝利しなければならない。「既得権益勢力=悪徳ペンタゴン」に対する「レジスタンス戦線」を樹立し、次期総選挙での勝利を目指さなければならないと思う。

政治資金の浄化を実現しなければならないことは当然である。政党助成金によって政治活動が支えられる状況を確実にした上で、企業献金を全面的に禁止することが望ましい。

国民はマスメディアにコントロールされる状況から脱皮しなければならない。明治維新は3000万人の人口の時代に3000人の力によって成し遂げられたと言われる。マスメディアが政治権力に支配される時代にあって、真実の情報を発信できるのはネット情報である。ネット情報によって真実を国民に伝え、正しい国民の選択を実現してゆかねばならない。

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